2 いまどきの児童虐待

 児童虐待は以前にもあって、それが最近になって表面に出てきたのだ、と言っても重要な問題であることには変わりがない。児童虐待は成長期にある子どもの心身に大きな影響を及ぼすほか、子どもの生命に関わることもあるからだ。

 「児童虐待防止法」では、それまであいまいだった児童虐待を明確に定義し、次の4つに分類している。

 1 身体的虐待
 2 性的虐待
 3 ネグレクト(養育の拒否・怠慢)

 4 心理的虐待

 このうち、ネグレクトには、適切な食事を与えない、下着など長期間ひどく不潔なままにしておくなどの他、子どもの意思に反して学校等に登校させない、重大な病気になっても病院に連れていかない、乳幼児を家に残したまま度々外出する、等も含まれるから範囲が広い。

 なお、「児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律」が2004(平成16)年4月に成立し、児童虐待の定義にも次のとおり若干の修正が加えられた。(10月1日施行)

 ・同居人による虐待に対する保護者の放置=ネグレクト
 ・ドメスティック・バイオレンス=心理的虐待

 児童虐待を内容別にみると、身体的虐待が46.1%で最も多く、ネグレクトが37.7%でそれに次いでいる。

 虐待の内容別相談件数

 

総数 

身体的虐待

ネグレクト(養育

の拒否・怠慢

性的虐待 

心理的虐待 

14年度

100%)
23,738

(46.1%)
10,932

37.7%)
8,940

3.5%)
820

12.8%)
3,046

 虐待者についてみると、主たる虐待者は実母が63.2%でもっとも多く、実父が22.4%でそれに次いでいる。

主たる虐待者

 

総数

その他

実父

実父以外

実母

実母以外

14年度

100%)
23,738

22.4%)
5,329

6.7%)
1,597

63.2%)
15,014

1.6%)
369

6.0%)
1,429

 虐待を受けた児童の年齢についてみると、小学校に入学する前の児童が虐待を受ける割合は50.0%に及んでいる。

 被虐待児の年齢

  

総数

0−3未満

3−学齢

前児童

小学生

中学生

高校生・

その他

14年度

100%)
23,738

20.8%)
4,940

29.2%)
6,928

35.3%)
8,380

10.5%)
2,495

4.2%)

995

 これらのことから、実母が育児に際し、乳幼児をたたいたり(身体的虐待)、適切な監護を怠ったり(ネグレクト)というのが、よくある虐待のパターンということになる。

 虐待者が一番多いのが実母というのは意外な感じもする。しかし、育児ノイローゼのようになって、つい子どもに手をあげてしまうというのは、ありそうなことだ。

 産後うつ病(通常は2〜3カ月以内で軽快する)の発症率は10〜15%、それより軽症のマタニティブルーズは50〜80%の発症率だという。

 さらに、かなりはっきりした妄想状態や幻覚状態が現れる産後精神病は1,000人に1人か2人の割合で発症するとのこと。いずれにしても症状が改善しない場合は精神科の治療が必要だ。

自分の場合は、子どもも大きくなって、子育ての大変な時期は過ぎてしまったが、妻はその頃、自分が飲み歩いていたことを今でも覚えていて、時折フラッシュバックのようになって、怒りを自分にぶつけてくる。

産後うつ病の発症危険因子として、夫からの支援不足、親との不良な関係等があげられるという。これから子や孫をもつ方は、頭の片隅にでも入れておいてもらえたら幸いである。
(自分の反省を込めて・・・)

参考文献:「子ども虐待予防マニュアル〜母子保健活動を通して虐待を予防し支援するために〜」(宮城県)