MUSIC REVIEW 2

DRIVING RAIN

Paul McCrrtney

東芝EMI/2001.11.12
2,427円(税別)


〈宣伝コピーより〉
4年ぶりの新曲アルバム
全15曲書き下ろし
ポール・マッカートニーの原点と現在形を詰め込んだ
ロックンロールアルバム

 
政治家やめます。
ポールマッカートニーの「21世紀も現役宣言」。

弥次:久々のポール・マッカートニーだ。オリジナルアルバムだ。シンプルなロックンロールが心地いいぞ。
喜多:近頃はやたらとデジタルな音楽が多いから、温かい感じがするよな。
弥次:いいこと言うねえ。年をとっても声が衰えてないよな。ポール節は健在だ。
喜多:演奏はロスの若手無名ミュージシャンらしいじゃないか。ラップ風の曲にも挑戦してるぞ。
弥次:ポールは主にベースを弾いている。へフナーかな。
喜多:2週間で18曲という初期ビートルズノリの超スピーディーなレコーディング。
弥次:年を取ると気が短くなるというからなあ。
喜多:これまでポールを批判する人がよくネタにしてた、アレンジし過ぎがなくてかっこいいぞ。
弥次:もともとポールは、好奇心旺盛で、なんでもやりたがり。だからアレンジも過多だったと思うんだ。でも最近は、シンフォニーを書いたり、絵画の個展を開いたり、詩集を出版したり、多方面でその才能を発散しているから、ロックンロールがシンプルに歌えるんじゃないかな。
喜多:才能という点では、どうしてもジョンの方がスゴイって世界中が思ってるからな。
弥次:ジョンが死んで20年。ようやくポール・マッカートニーとして勝負できるようになったのかな。
喜多:でも「YESTERDAY」の版権ではヨーコともめているらしいな。
弥次:「YESTERDAY」はポール独りで作った曲なのに、作詞・作曲がLennon/McCartneyになってるのが許せないらしい。ヨーコに金が入るのが面白くないんだろう。Johnの供養料だと思えば腹も立たないだろうに。
喜多:奥さんのリンダを亡くした哀しみも、ようやく癒えて新しい恋人もできたし。
弥次:生きている人がいつまでも故人を思い続けるのはよくないけど、最愛のリンダが死んで約3年。リンダに似たブロンドで美人で活動家の恋人ってのは、ちょっといただけないかな。
喜多:好きなタイプなんてそう変わらないからな。
弥次:しかし、よくやるなあと思うよ。アルバムには亡き妻リンダに捧げた曲もあれば、現在の恋人ヘザー・ミルズに捧げた曲もあるというから驚きだ。おまけにメロディーはリンダと一緒の時に考え、詩はヘザーと一緒の時に考えたという曲もあるぞ。
喜多:0911のテロ事件では、たまたまN.Yに居て、その後チャリティコンサートを主催するなど、社会的にも活躍しているな。
弥次:恋に、金に、社会的名声に、あれだけ執着してればまだまだ引退はないよな。
喜多:ワールドツアーの噂もあるけど。
弥次:これ以上儲けてどうするんだ。でも、最後かもしれないからチケット取ろうっと。

01.11.22 (C)YAJIKITA NET
〈RETURN〉