婚期

1961

監督

  吉村公三郎
製作
  永田雅一
脚本
  水木洋子
撮影
  宮川一夫
出演
 

京マチ子

若尾文子

野添ひとみ
船越英二
高峰三枝子

     
 

 吉村公三郎の作品はとにかく面白い。「安城家の舞踏会」にしても「夜の蝶」にしても見始めるとついやめられなくなってしまう面白さがある。本作も京マチ子を中心とした高峰、船越、若尾、野添という超豪華な兄弟との家庭喜劇であるが、これ以上ないほど面白い作品である。

 京、船越夫婦と婚期を過ぎた船越の妹、若尾、野添。姉妹は兄嫁を疎ましく思っており様々嫌がらせをするものの、のらりくらりとそれをかわされる。見合いの話があがり若尾は見合いに出るのだが…。

 オチに使われる中条静夫との対面のシーンは必見。


 京マチ子をはじめとする出演者がまさにその役を楽しげに余裕を持って演じているのが素晴らしい。京マチ子のとぼけた顔をして意外にしっかりしたキャラクター、ざぁますメガネでヒステリーを起す若尾文子。京、船越夫婦の寝室での夫婦喧嘩は凄まじくも可笑しく、映画終盤二人で嬉しそうに散歩に出かけるシーンは呆気にとられる。

 1961年、京マチ子出演作は5本、若尾、船越は11本もの作品が公開されている。船越英二は傑作「怪談蚊喰鳥」で盲目の不気味な按摩を演じているが、これほど役を理解し演じ分ける事が出来たのはまさに映画黄金期の奇跡のように思われる。

 

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