自然の宝庫 田海ヶ池

JR青海駅から車で約20分、徒歩約50分
田海ヶ池は、海抜:15m、面積:3.5haの周りを山に囲まれた小さな池である。
池の中心部から湧き水が出ており、年中渇水する事はありません。
生息するトンボや生育する水生植物の種類の豊富な事から、きわめて貴重
な水域となっています。
生息するトンボの中でも特に、アオモン・イトトンボは、新潟県内において、
この池で初めて定着が認められたトンボであり、本州では、北限のトンボと
云われています。その他には、マルタン・ヤンマや高地湿原種が7種も生息
しており、トンボの生息種類 :48種は、新潟県下屈指の生息数であり、
青海町が全国に誇る「自然の宝庫 田海ヶ池」であります。
生育する水生植物では、氷河期の遺存種である「ミツガシワ」が春一番に
純白の可憐な花を見せ、初夏には、「コウホネ」の黄花が水面一面に咲き
誇るのである。他に、ジュンサイやタヌキモ、ショウブなどの植物も見られる。

この池に生息する淡水魚類は、フナ、コイ、ナマズ、タナゴ、グズなどの他に
その昔、この地区の青年団が放流した、草魚や雷魚の稚魚が、今では、
体長1mを超す大魚に成長し、時折、水生植物の間から大きな尻ヒレを
覗かせるのである。私自身も一回、その光景に遭遇した事があります。
晴れた日の早朝か、夕暮れ時に運が良ければ見られます。

静かな自然環境で、地元の人々の散策場所として親しまれていたこの池も
近年、各地の湖沼で問題に成っているブラックバスが、何者かによってこの
池にも放流され、ルアーフィッシングブームもあってか、休日とも成ると多数
の釣り愛好者で賑わっています。 池の生態系も変わりつつある。

参考資料・・・・・青海町自然史博物館 発行 野紫木 洋 著
          「青海町ふるさと探訪」より引用

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