友だち以上・・恋人未満。 こんなに好きなのに・・・
第7話

白濁した意識の中、俺はふと隣で荒く息を整えている蓮を見た。

上気した頬が薄く紅色に染まって色っぽい。

シーツに埋もれたように、蓮の顔を見つめる。

幸せってこういう事を言うんだろうな。

じっと見ていると蓮が、薄く瞳を開けた。

お互いの瞳に相手が映る。

「なんだ、城戸・・・」

「ん・・・別に」

相変わらずぶっきらぼうに喋る蓮。

でも、どことなく嬉しそうな口調は気のせいかな?

そう思っていると蓮は、黒目がちな瞳を細くして微笑む。

あ、笑った。

「お前は、可愛いな」

「な、なんだよ・・いきなり」

「こういうのを幸せと言うんだろうな・・たぶん」

蓮は逞しい腕で俺をぎゅっと抱きしめてきた。

「もう一度、お前と幸せになりたい」

耳元でそっと囁く声に、身体がぞくぞくしてくる。

「ダメだとは言わせないぞ」

誰が、言うもんか。

「すまなかったな」

え?

「つまらない事でお前に当たってしまって」

あ・・・。

「もっと素直に為ればいいんだよ、蓮が」

「ああ、そうだな」

そう言って俺をまた一段と強く抱きしめた。

蓮の匂いが俺を包み込む。

そして、再び愛欲のキスをお互いに求め合った・・・。


たぶん、また喧嘩をするんだろうな明日からも・・・。

でも、今度は笑って済ませられるだろうな。

蓮とは・・友だち以上恋人未満から・・

もう、恋人になったんだもんな。

そうだろう、蓮。

まだなんて言わせないからな・・・

愛している。

蓮。


終わり