友だち以上・・恋人未満。 こんなに好きなのに・・・
第1話

「お前がやれよ!」

俺は着けていたエプロンを、ばしっと蓮に投げ付ける。

エプロンは蓮の体に当たると、地面にするりと落ちた。

蓮は地面に落ちたエプロンを拾うと、俺に投げ返してきた。

俺はそれをまた、蓮に投げ付ける。

ささいな口論から喧嘩は始まった。

本当につまんない事から。

なんだかお互いイライラしちゃっていて、些細な事が気に入らない。

喧嘩なんかしたくないのに、なんでこうなっちゃうのか分かんない。

もっともっと仲良くしたいのに。

エプロンを投げ付け合う姿を見ていた、叔母さんと優衣ちゃんが

お菓子を食べながらにやにやと俺たちに言う。

「なーに、じゃれ合ってんだか」

「喧嘩するほど仲がいいしねー」

そんな言葉に俺と蓮の動きが止まる。

「夫婦喧嘩・・なんとかも喰わずだっけ?」

ふ、夫婦!?そんな言葉に俺の顔が赤くなる。

そ、そうなったらいいなって思った事がある。

でも、でも・・・。

ふと蓮を見ると、なぜか蓮の顔が赤くなっている。

「ばかばかしい」

そういうと蓮は二階に上がっていく。

「追いかけたら〜真司君」

よく解らないけれど優衣ちゃんに言われるまま

俺は蓮の後を追いかけ二階に上がる。

「まてよ、蓮!」


第2話に続く

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