国分寺駅のモツ煮込み

むかし サラリーマンだった頃 
会社の帰り よく 先輩と居酒屋に立ち寄って呑んでいた。
そんな時 つい手っ取り早く注文するのが どんぶり皿で出てくる [モツ煮込み」。

ある日、友人に連れて行ってもらった JR中央線・国分寺駅の近くにある
屋台と変らない店構えの「モツ料理屋」。
出て来た [モツ煮込み」 は 小鉢にちょっとだけ
あれぇ〜 えらくしょげてんなぁ 〜 ・・・・
と、思ったのは箸をつけるまでの僅かな時間だけだった。
あっという間に平らげて 御代わりを 頼むが お一人様一杯だけとのこと。
今まで食ってたあの [モツ煮込み」 たちは 何だったんだろう。
 
なるほど
!!  そうだったのか、モツは 煮込んでストックさせて置いては だめなのだ。
この 「モツ料理屋」は 何時も作り立てを食べさせていたのである。
ウ〜ム 小鉢の底に大きな角切りの豆腐が一個 あるという盛り付けも 洒落てるではないか。

以来、居酒屋のどんぶり皿で出てくる [モツ煮込み」は 注文しくなってしまった。
かわりに家で作って食べている。

本物の味を知るという事は 何だか不自由でもある。
以前、漁師のセガレだった 知り合いが言っていたのを想い出す。
スーパーのパック刺身はまずくて食えないそうだ。
故郷で毎日食ってた魚は新鮮とれ立ての贅沢品だったことを初めて知ったという。

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