YAMAHA TRAIL DT-1 そのグラフィック広告

        1968年 、一台のオフロードマシンが発売される。   戻る 

見たこともない有機的形状したマットブラックのマフラー、
眩しく輝く背高ノッポのフロントフォーク、
驚くほど太いブロックパターンのタイヤ、
クレードルフレーム下の広大なロードクリアランス・・・。

これらどれもが力強い男性的な機能美とは対照的に
パールホワイトで女性的フォルムの燃料タンク。
DT-1の全てが美しく新しかった。

そんな DT-1 は 私にとって今も遠い憧れだ。

           ( 拡大リンクはありません。)                               
                                             
          初めて目にした広告に衝撃   DT-1といえばこのアングル。
  バイク屋に張られてたポスター。   ロケ地は北海道・根付半島と思われる。 この頃はバイクが入れた?                              
                                             
          まだモ トクロブーツは無い頃だ。   通産省 グッドデザイン賞を獲得。   DT-1のフォトは全て右側から。   DT-1が登場する映画。 ロバート・レッドフォード主演。                              
           

                                 
          アメリカ用ポスター。
ヒッピー文化が色濃い。
  この頃流行ってた カラー
フィルターを使った広告写真。
  これもそうだ。   車体内部に食込むマフラーやセリアーニフロントフォークなど
全ての後続メーカーがDT-1の基本デザインを踏襲した。
                             
             

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250ccという当時の大排気量としては異例の
2サイクル・単気筒を採用、スリムで軽量化を優先させるなど
DT-1はオフロードを走るためだけの思想、設計がなされていた。
それは機能に徹したデザインは美しい
と、いう概念をわれわれに教えてもくれた。

それまでのオフ車は「スクランブルマシン」あるいは「スクランブラー」と呼ばれていて
ロードマシンのエンジンを中低速型へ設定変更し、同じクロームメッキの直線アップマフラーを装着。
その他 幅広ハンドル、ブロックパターンタイヤ、エンジンガード、泥つまりしないフェンダー
などを付け換えただけの言わば派生車であった。
これはこれで妙な説得力はあったのだが・・・。

ヤマハはこのマシンにトレール(けもの道)と名付け
50、90、125、175、250、360cc と排気量別に、このシリーズを発展させた。
このDT-1の出現により各社からも個性あるオフ車が発売され
 ( と言っても、基本デザインは ほぼDT-1を踏襲 )
わが国の2輪界は空前のオフロードブームとなっていった。

残念ながら 私はこのDT-1を手に入れる事はなかった。
社会人になった時、既にDT-1はモデルチェンジをしてDT-250へと代わっていて
あの憧れの白いタンクは赤とオレンジになっていた・・・。


 

※ DT-1以前は もっぱら このように
ロードタイプ をスクランブラー へ アレンジ していた。
1965年 YAMAHA・YDS3S )


発売日覚え書き

1968 (s43/3)  DT-1   
         SL-90
1969 (s44/3)  TS-250
         AT-1
   1970 (s45/5)  バイソン 250
           SL-350
1971 (s46/4)  DT-250
1972 (s47/4)  SL-250