白髭神社  墨田区東向島3丁目5−2



御祭神:猿田彦大神
天照大神、高皇産霊神、神皇産霊神、大宮能売神、豊由気大神、建御名方神
境内内に三峯社、水神社、諏訪社

由緒書きによれば天暦5年に慈恵大師が近江国比良山麓に鎮座する白髭大明神の御分霊をここに祀ったとあります。

新編武蔵風土記稿によれば、天暦5年(951)に元三大師(慈恵大師)が江州志賀郡打颪(ウチオロシ)より勧請し、天正19年(1592)社領2石。左右に諏訪と稲荷を安ず、とあります。
名所図会では天暦5年に慈恵大師が関東下向のおりに近江国志郡打下より勧請とあります。
近江国志賀郡打下とは現在の滋賀県高島郡高島町鵜川の白髭神社と思われます。

近隣の蓮華寺は弘安3年(1280)に北条経時の菩提寺として所領の当地に創始され、周囲の寺島村の地名はこれに始まるとされます。
これよりはるか以前に祀られていたことになりますが、続日本紀(797)に書かれる奥州道がここを通っていたのでしょう。

社前の狛犬は浅草山谷の八百屋善四郎と吉原の松葉屋半左衛門が文化12年(1815)に奉納したものだそうです。
元禄の頃ではこの一帯は水田地域だったようですが、寺島は隅田川の運んだ土砂がよい畑となって寺島茄子でも有名だったそうです。
狛犬奉納は料理の食材への感謝だったのかもしれません。(八百善は今戸神社参照)