サイモン・ラトル
若手(?)随一の才人。曲選びの趣味はものすごく良い。マーラー10番とか、ショスタコ4番とかをばんばんやる。
音楽はがっちりしていて、その中にひらめく瞬間がある。リズムのノリがよい曲は抜群におもしろい。
ペトルーシュカ(バーミンガム)の第3楽章「ワルツ」がここまでキレがよく聞こえたことはない。
(1947年盤のピアノの3連符を浮きだたせている。)でも「春の祭典」はちょっと平凡。
マーラーの10番はまるで出来損ないのブルックナーのようで今一だけど、「大地の歌」(バーミンガム)
は、バリトンを用いているというだけでも変わっているが、曲自体も意味深く演奏され、
同曲中のベストの一つであると思う。
バルトークの中国の不思議な役人と管弦楽のための協奏曲は
切れ味抜群の超名演。でもマーラーの4番はちょっとつまらなかった。