「・・・・・ん」
ふと糸が目覚めた。
まだ薄暗い。
少し離れたところから静かな寝息が聞こえる。
(まこ??)
糸が横たわっている布団の傍らで、真が静かに眠っていた。
まだはっきりしない意識の中で、真の方に顔を向けようと寝返りをうつ糸。
「糸さん?」
真がはっと浅い眠りから目覚めた。
「だいじょうぶ?」
心配そうに微笑んで、糸の頬に優しく自分の手を触れる。
「あたし・・・?」
「池に落ちたんだよ」
(そうだった。)
真からもらった指輪を拾うことに夢中になって、あれほど竜矢に忠告されていた池に近付いて、
そのまま転落してしまったことを思い出す糸。
あのとき真が来てくれなかったら・・・・・・。
糸は急に怖くなって自分に触れる真の袖をきゅっと掴んだ。
不安そうな顔をする糸を見て、真はこれ以上ないくらいの甘い声で囁く。
「もう大丈夫だよ オレはここにいるからね・・・・・・」
糸は熱にうかされている間、ずっと真を探す夢を見ていた。
走っても走っても真はどこにもいなかった。
「うん・・・・・」
糸は不意に涙ぐんで真を見つめた。
真は糸の目からこぼれそうになっている涙をそっと拭った。
少しして我に返った糸が真に尋ねる。
「まこ?なんでそんな格好してるんだ?」
兄達と一緒に来ているスキー旅行の筈だった。
当然、真はいつも真琴の格好でいた筈だった。
「・・・・・・バレちゃった・・・・・・」
「・・・・・・!?」
糸には真の言う事が飲み込めていなかった。
(バレた?バレたって、真琴の正体が!?・・・・・・それって強制送還!?)
これまで最大に恐れていた事実を突きつけられて、糸が目を大きく見開く。
「バレちゃったけど、竜矢さんも悠斗さんも協力してくれるって だからこんな格好でいられるんだ」
にっこり微笑む真に、糸はもう訳がわからない。
やっと頭の中で少し整理をつけて、
「それって これからも一緒にいられるってこと?」
おずおずと尋ねる糸の顔に真はゆっくりと自分の顔を近付ける。
「そう」
糸の疑問に笑って答えながら、糸の熱の引いた乾いた額に口付ける。
糸は真のぬくもりを感じて目を閉じる。
そんな糸の肩をそっと抱いて、
「糸さん 着替えよう」
高熱を出していた糸の体とパジャマは、しっとりと湿っていた。
真が糸から掛け布団をよけて、さっきまで高熱と戦ってぐったりしている糸の体を少し抱き起こした。
糸は恥ずかしさを感じながらも、体が思うように動かない。
真のされるがままに湿ったパジャマの上を脱がされる。
枕元にあったタオルを固くしぼって、真が糸の細い体を拭いていく。
細い腕、滑らかな肩、白い背中、そして白い乳房・・・・・。
真は一通り、糸の体を拭きあげると、糸の乾いた唇に自分の濡れた唇を重ねた。
糸は真が求めるがままに少しずつ口を開く。
真の熱く濡れた舌が、糸の熱く渇いた舌を絡め取る。
真の唾液が糸の乾いた口中に行き渡る。
「んっ」
糸は思わず声を出した。
真に触れられることは今の糸の最大の悦びだった。
真は自分の舌を糸の口の中で自由に走らせつつ、背中に回していた両手のうち、
その右手を糸の脇腹を辿らせながら柔らかな乳房へ流していった。
糸のほのかなピンク色を発する乳首を、真のしなやかな指が生き物のように這い回る。
糸はけだるいながらも、自分の乳首が弄ばれている事に快感を感じていた。
真はさんざん吸い付いていた糸の唇から自分の唇を離し、赤く高く変わろうとしている糸の乳首に吸い付いた。
「あ・・・」
糸はその衝撃に小さく声を出して、自分の胸に顔を埋める真を見た。
その真の口から、自分の乳首を舐めまわすぴちゃぴちゃという音が聞こえた。
「やっ」
糸は真を払いのけようとするが、真は糸から離れようとしない。
さっきまで高熱と戦っていた糸の力では、当然、真に敵う筈が無かった。
真は糸をそのまま押し倒し、糸の乳首を赤く染めながら、乳房をいとおしむように揉みほぐしていた。
隣りの部屋には一緒に来ている兄弟たちが居るという事実が、糸の朦朧とした意識をかすめた。
だが、そんな一瞬の理性も真の執拗な愛撫の前では何の役にも立たなかった。
糸は真の欲するがままに、熱くほてる乳房を預け、素直に真の体温を感じていた。
真は糸の湿った下のパジャマを静かに脱がす。
その中では、更に湿った白い小さな布が糸へ小さな入り口を閉ざしていた。
真はその布の上から、すっと糸に触れた。
長い時間の愛撫と高熱ですっかり湿って糸にへばりついているその布から、
真の指の動きが糸の神経に直に伝わっていった。
糸の白い足とその小さな布の間に滑り込んだ真の指が、くちゅっと音を立てた。
それは、糸への小さな入り口を刺激している音だった。
「はんっ」
糸は明らかに真を感じて甘い声を出す。
真は糸の芯から発せられた微かな高い声に、もっともっと欲情していった。
糸から小さな布を剥ぎ取った真は、いつしか自分の衣服もそこに放り出していた。
糸の細い両足をあからさまに開いて、糸への入り口を確かめる真。
糸さえも見たことがない、熱い膣への入り口がそこにあった。
その小さな口の周りは赤く燃え、ぬるぬるとした糸の汁に満たされて、恥らう糸に逆らうようにいやらしく光っている。
真は何のためらいも無く、その口に自分の口を重ねていく。
さっきまで糸の舌を絡んでいた真の舌は、今度は違う糸の口を侵そうとしていた。
その糸の口を覆い隠そうとする茂みを指でかき分けながら、すっかり濡らした唇で糸の閉ざされた口を吸い上げる。
「ん」
糸は自分の横に剥がされた布団の端をおもむろに掴んでいた。
真は吸い上げた糸のもうひとつの口に、意志を持ったかのようにうごめく舌を押し込んだ。
その舌は、糸への入り口のほんの数センチだけを、執拗に走り回っている。
その糸の口から、ねばついた液が溢れ、真の舌の動きがいっそう激しくなるのを手伝っていた。
糸の吐息と、自分の吐息が早くなっていくのを肌で感じる真。
糸への入り口を思い通りにいじくり舐め回した真は、すごい力で糸のしなやかな両太腿を軽々と持ち上げる。
糸への入り口が、真の目の前で、もっとはっきりとその姿を現した。
さっきまで押し込まれていた真の唾液なのか糸から生まれた愛液なのか、もうどちらかわからない汁が、
こらえきれずにそこから流れ出していた。
流れ出る汁をせき止めるかのように、真は育ちきった自分の肉棒をぐっと途中まで押し込んだ。
糸はものすごい痛みを感じて声を出す。
「いやっ」
真を受け入れたい想いに反して、予想しなかった苦痛が糸を襲っていた。
真は燃え滾る自分を少し糸に入れたまま、糸のほてった体を愛撫していくが、糸の痛みはおさまらない。
糸に苦痛など与えたくない真は、自分を糸から引き抜いた。
感じる痛みは小さくなったが、糸の体は一心に真を求め続けている。
「もうやめようか?」
真が糸の体を気遣って、静かに耳元で問い掛ける。
「・・・・・やだ」
糸の口から信じられない返答を聞いた真は、もう自分を止められなかった。
もう一度、糸の閉じかけた足を開いて、さっきよりも深く舌をねじ込んでいく。
糸は、やっと薄らいだ痛みが言い知れない気持ち良さに変わっていくのを感じていた。
そしてもう一度、真が固く太く熱く立ち上がった自分を糸の中にゆっくりと突っ込んだ。
「!!」
糸の下半身に再び激痛が走る。
しかし、糸にはもうこの痛みに耐える覚悟ができていた。
この痛みよりも、真に侵されたい欲望が糸の意識を支配しつつあった。
糸に与える自分にわからない痛みを心配しながらも、真は自分の本能のままに、
糸の細い膣内を這い上っていく。
そして、糸の子宮を突き上げる頃には、糸が感じる痛みも和らいでいた。
糸が自らそうしている筈も無いのに、真が糸の中で締め付けめられていた。
もうここから出ることはできない、それでもいいと思うほどに。
真は糸の熱い細い体を抱きしめつつ、腰を激しく上下させていた。
糸の大きく開いた両足と真の間を、細く鮮血が流れる。
だが、そんなことには糸も真も気付かない。
糸は自分を犯す真を、真は自分に犯される糸を、体と心の底から感じ合っていた。
―――――――数時間前
「まこ・・・」
「まこ・・・?」
高熱に襲われながら、必死に真を呼ぶ糸がいた。
「うん」
「・・・うん」
深く掛けられた布団から差し出された糸の手を取って答える真。
「・・・良かった 何か今 変な夢みた」
「まこが・・・どっか遠くに連れてかれちゃって・・・すごい必死に探すんだけど・・・見付かんねーの・・・」
「良かった夢で」
「すげー 泣きそ・・・」
「・・・大丈夫 オレはどこかに行ったりしないよ ここにいる」
差し伸べられた糸の華奢な手を自分の頬にあてて、糸を安心させる真がいた。
その後ろには、全てを知ってしまった竜矢と悠斗の姿があった。
真の戦いはまだ終わらない―――――。
<スキー旅行にて>
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