「あれ?」
「なんだ ばーちゃんの宝って・・・・・ うちの家族の写真じゃないか」
「おばあさんにとっては宝物なんだよ」

「あ 小さい頃の糸さん発見   初めて見た かわい―――――v」
「見るなああ!」
「なるほど お母さんにそっくり」

糸の父・悟郎と母・皐月の結婚式の写真を見ながら真が言う。

「――――――――――糸さんも将来こんな感じになるのかな?」
「・・・・・・・・・・」
少し前に見た、水鏡に映った未来の姿を思い出して赤くなる糸。
「どうしたの?」
「あ いや別に」
「ところで言い伝えはどうだったの?」
「あの騒ぎで何も」
(ま、井戸で何を見たのかは 真琴にはもう少し黙っておこう)
糸は真に気付かれないように、こっそり微笑む。


糸と真琴は5月のGWを利用して、糸の父方の祖母の家、つまり三浦家の本家に兄弟達と遊びに来ていた。
そこで糸は、祖母・光子の話に流されて無茶をし、光子ともども崖に落ちそうになったところを、
間一髪で駆けつけた真に、助けられた後だった。
もちろん、真は真琴としてここに来ているのだから、糸と同室である。


「そろそろ寝ようか? 糸さん」
「そーだな 布団敷こうか」


「・・・・・・なんでこっちに枕ふたつとも置くんだ?」
「え? こうやって敷いてあったんだよ」
「は?」
「糸さんのおばあさんて本当に凄い人だよね」
真はにっこり笑って、呆然と立つ糸の手を引いた。
思いがけない真の力によろけた糸は、そのまま真の胸に顔を埋めてしまった。
「ま、まこ?」
「また黙って居なくならないように 今夜はずっとこうしてるから」
優しく、でも意志の込もった強い力で糸を抱きしめる真。

糸は、もう真の温もりに逆らえないまま目を閉じた。
自分の腕の中で大人しくなった糸に、真は静かに口付ける。
糸の唇が真の唇で濡らされていく。
そのまま、枕をふたつ並べた布団の上に糸を横たえらせる真。
「ん・・・」
ふさがれたままの糸の唇から小さな声が漏れた。
その声に反応した真は、ほんの一瞬だけ糸の唇を解放した。
そして、またすぐにそのわずかに開いた口を塞いでしまう。
お互いを求め合う糸と真。

やがて糸の顔を支えていた真の手は、糸のささやかに膨らんだ胸に移動していた。
ゆっくりとその緩やかな膨らみを服の上から掴まえる。
糸の柔らかい胸の感触を確かめると、すっとTシャツを捲くり上げた。
糸の背中に回された手が、下着の留め金を難なく外し、糸の白い乳房がはだける。
やっと真は糸から唇を離し、するりとTシャツを脱がせる。
糸は熱い吐息を吐くだけで動けない。
真は視界に飛び込んできた糸のしなやかな姿態に思わず微笑んで首筋にキスをした。

「あ・・・」
糸の声が微かに聞こえた。
真の唇と舌は糸の首筋を遊び回り、長い指はとっくに糸の乳房を何度もまさぐっていた。
いじられ続ける糸の乳首は真の望む通りに赤く固く立ち上がってゆく。
その赤く咲いた乳首を真はいとおしむように、舌でなぞった。
何度も、何度も。
糸はそれだけで遠くへ行ってしまいそうになっていた。
真に触れられることで、糸が嫌がることは、もう何も無かった。

いつしか真も自分のシャツを脱ぎ去り、糸のズボンを降ろしていた。
糸の大切な場所だけを隠している小さな布の上からゆっくりと割れ目をたどる。
真の愛撫に答えるように、そこは少しずつ熱と汁を帯びていく。

「は・・・」
糸の息が荒くなる。
真は糸の最後の下着を剥ぎ取ると、やんわりと、糸の白く細く長い足を開かせた。
「やっ」
思わず止めようと手を伸ばす糸に、真は素早く口付ける。
「っ・・・」
すぐに舌を絡め取られ、糸の手は動きを止める。
真の熱く濡れた舌が糸の舌と絡み合う。
糸の手は空を舞った後、自分の横の冷たい布団をきゅっと掴んだ。
真の手は滑らかな糸の太腿を探りながら、開かれた陰部への入り口へにじり寄る。
そしてそのしなやかな指を少しだけ糸の中に入れると、小刻みに動かした。
真の指が糸の入り口で震える度に、くちゅくちゅという恥ずかしい音が生まれる。
その音は糸の耳にも届いていた。

糸は大きく開かれた自分の足を閉じようとするが、真の体が邪魔をした。
自分から溢れ出る恥ずかしい音は止まらない。
「あっ・・・」
自由になった糸の口から思わず喘ぎ声が漏れた。
真は指で弄んでいた糸の恥部を、今度はゆっくりと濡れた舌で舐め上げた。

「!?」
糸には何が起こったのか解らなかった。
ただ、明らかにさっきまでとは違う真が自分の中に入ろうとしている。
そして、その真はさっきよりも大きな音をたてながら、糸の愛液を導き出していった。
ぺちゃぺちゃと音を立てながら膣への入り口を何度も出入りする真に、糸はたまらなくなっていった。
自分の意志とは気付かないうちに糸の腰が浮く。
真は糸からこぼれる液をたっぷり舐め上げた後、ゆっくりと本当の自分を糸の膣に通し始めた。
太く固い熱棒の侵入にのけぞる糸。
激しく熱い刺激が糸の体の中を突き抜けた。
真がその悶える細い腰をしっかり捕まえて離さない。

真は自分の体を糸の燃える体にしっとりと重ねて、自分の長い指を糸の細い指に巻きつける。
糸をひどく侵しながら、真の唇は糸の耳をそっとくわえ込む。
上からと下からとの強い快感に襲われる糸の目に、うっすら涙が浮かぶ。
真が熱い息と共に糸の耳に触れたままの唇で囁く。

「何処にも行っちゃダメだよ」

糸の意識はそのまま真に支配されていった。


「糸さんに何かがあった時 誰が一番先におかしくなるのか わかってて言ってんの?」

この部屋に戻った時に聴いた、怒ったような切ないような真の声が、また遠くで聞こえたような気がした・・・・・。












――――翌朝

「いや〜〜〜〜〜〜 真琴さん 男装もよう似会うじゃないか!」
「はあ・・・・・・」

他意など全く無さそうに、無邪気に真琴に笑いかける祖母・光子に
「本っっ当にバレてないのかっ・・・!?」
糸の不安は止まらない。

「気に入られてるなあ」
「餌食だろ」

またここには、のん気な糸の兄弟達が居た。
これから自分達に降りかかろうとしている光子の陰謀も知らないまま・・・・・・。
そして、糸と真琴が男と女として一緒に眠っていたことも知らないまま・・・・・・。





<糸と真琴の里帰り>








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