雨の中。不意のキスで興奮が冷めた糸に真が語り続ける。
「・・・文化祭の件もね、確かに罠かもしれないけど、逆にこんなチャンスは他にないと思うんだ
全てを清算するには受けて立つしかない たとえ99%不利でも残り1%の望みにかけるよ」
「実力では誰にも負けない」
(真琴------・・・)
「・・・・・大丈夫
オレには糸さんがいるんだから」
夜の誰もいない学校のプールの中にふたり。
真が糸の腰に両手をまわす。後ろから。
でも、糸は上半身に何も身に付けていない。
真が来るまで、ひとり雨の中を泳いでいたのだから。
さっきまで、糸は不安でたまらなかった。
真が自分をないがしろにして、何でも勝手に決めていると淋しくなったから。
それがまるで雨に流されるように、背中に感じる真のぬくもりで消されてしまっていた。
「糸さん・・・・・」
真の両腕にそっと力が入る。
「えっ・・・・・」
糸は濡れた髪を拭いていたタオルを思わず握り締める。
真の右手が静かに糸の無防備な胸にたどり着く。
そして雨とプールの水でしっとり濡れた糸の乳房を手のひらに収め、
その形を崩さないようにゆっくりと指に力を入れた。
抵抗しない糸を愛しく思いながら、真の長い指は糸の乳首をくすぐる。
それは、糸に快感を与えるのに十分だった。
真の唇は糸の首筋を愛撫したまま離れない。
右手で糸の乳房をゆっくりまさぐりながら、
糸の腰にまわしていた左手は、糸のズボンを脱がし始めていた。
真と糸の腰から下は、プールの水に浸かったまま。
糸は、水の中でその下半身をあらわにされたが、感覚が鈍い。
糸の体温と水温が混ざり合う。その中に真の熱い左手が忍び込んで行く。
真は糸を後ろから自分の体で支えながら、右足で糸の足を開いた。
油断して重心を失った糸だが、水の浮力で、真に容易に抱きすくめられる。
足を開かされたままで。
「このまま・・・・・」
真はそう呟くと、右手を糸のなめらかな両足の間にすべり込ませる。
糸に見えない真の指は、体温でぬるくなった水を伴って、糸の中に入って行く。。
「あ・・・」
糸の手は、水の中を所在なくゆっくり動く。
真の右手は少しずつ糸の体の内部を侵し、左手は外部から糸を悦ばせる。
左手は糸の中に入ろうとする右手に替わって、さっき触れられなかった方の乳房を
後悔するようにじっくり触れている。
糸は冷たい空気に触れる上半身と生温かい水に触れる下半身の感触に弄ばれていた。
そのどちらにも、真の熱を感じながら。
「・・・・・糸さん」
耳元で囁かれた次の瞬間、
それまで糸の中に居た指に替わって真自身が勢いよく入って来た。
真は糸の後ろに居るまま・・・・・。
いきなりの衝撃に思わずのけぞる糸。
「やっ」
糸の顔にみるみる恥ずかしさが膨れ上がる。
だが、糸と真、お互いの上気した顔は見られない。
真は糸の細い腰に手をかけて、容易く糸の体を上下させる。
自分が動く度に強く真を感じる糸は、・・・・・たまらない。
「くっ・・・・・」
もう耐えられないと思ったその時、急に真が糸から離れる。
が、すぐに、力尽くで糸の体を自分と向き合うようにした。
やっと向かい合うふたり。
糸の顔は真っ赤で、真の顔も酔っているようだった。
「糸さん」
糸の腰を抱いたまま、糸に軽く口付ける。
糸がその余韻に浸る間もないまま、真は糸を少し抱き上げ、
もう一度自分を糸の中に突き通す。
さっきよりも、ずっと深く遠く。
(・・・・・ああ・・・・・)
真は糸を動かしつつ、自分も激しく動く。
(・・・・・まこ・・・・・)
いつも以上に真を自分の奥底に感じながら、糸の体からはいつしか力が抜けていた。
真の首にその長い両腕を回したままで・・・・・。
「・・・そういえば初めての夜デートもこのプールだったよね
糸さんもあの頃に比べたらしおらしく・・・」
「だーもー うるせっっ 上がるから離れろっ!」
バシャバシャと激しい水音を立てて、真っ赤になった糸が真から離れた。
ずっとこのままふたりでいられるように・・・・・・。
-----文化祭が始まる-----
<文化祭前>