暗闇の中、外の明かりが少しだけ開いた窓から揺れるカーテンの隙間を縫って差し込んでいる。
真の匂いのするシーツの中で、糸は真に体を預けていた。
もう幾度か、この場所で重ねて来た言葉と唇と裸体。
真は糸を、糸は真を、お互いのすべてを必要としていた。
真の手が、糸の手をそっと掴んで自分の体に近付けた。
されるままにしていると、指先に何か温かいものが触れた。
「・・・んっ」
唇を何度も重ねられ、意識がそちらに向いてしまうのを気にしながら、
少しだけ興味を持ってその温かいものに向かって指を伸ばした。
温かく柔らかいすりこぎ棒のような形・・・・・・・
「・・・・!!」
それが何かを認識した糸は驚いて手を遠ざけようとしたが、真が静かに阻止する。
動揺で小刻みに震える糸の手をそっと握ると同時に、
濡れたままの唇を糸の顔から離さずに耳元まで這わせ囁く。
「・・・・・さわってて?」
「・・・・・ぅ・・・・・」
耳に触れる真の唇と舌の感触に加えて熱くかかる真の吐息に、糸が逆らえる筈が無い。
真の言う通りに、もう一度同じ場所へ手を差し延べる。
気のせいか?
さっき触れた時より、・・・・・固い?
恐る恐る、見えないまま手の中に収めてみると、柔らかいのに固く長い。
糸の手では収まりきらない様子だ。
少しずつ指に力を入れてみると、どくんどくんと脈打つのが伝わって来た。
紛れもない、これは真の体の一部なのだ。
初めて触れる真の体の一部。
体験したことのない手の中の感触に、糸の体中の血が沸騰しそうになって頭に上って来た。
糸が恥ずかしさで声も出せないでいる間も、ずっと真は糸への愛撫を休まない。
舐め尽くされるのか?食べ尽くされるのか?そんな錯覚すら感じる程に。
「・・・・・ん・・・ふっ・・・・」
真が糸の乳首を軽く噛んだ途端、思わず真の一部を握る糸の手に力が入った。
「・・・・ぅんっ・・・・」
聞いたこともないような艶めかしい声が真の口から漏れる。
その声に、糸の欲情も掻き立てられて行く。
舐められて跳ね上がろうとする乳首への快感も高まって、
下の口までじっとり濡れて来るのがわかった。
そして、今自分が捕まえているものこそが、真として自分の中に侵入して来るのだと悟った。
怖々、手を握ったまま長さと形に合わせて手を動かしてみると、
小さな段差を越えて先端らしいところに辿り着いた。
真に押し倒された状態なので、その箇所は見えないままである。
糸は左手で真の汗ばんだ背中や腕をなぞりながら、右手で長くなった真の一部を確かめてみた。
その先は窪んでいて糸の指による刺激のせいなのか、ねっとりとした液が漏れ出しているようだった。
糸は自分の指に見えていない液体を絡ませ、真の一部をゆっくり扱いてみた。
それは、みるみるうちに糸の手の中で、はちきれそうに大きく固くなって行った。
・・・・・こんなに大きなものが あたしの中に入って来る?
真の体は見ていても、そんなところをまじまじと見たことなどあり得ない。
これまでの間、されるがままになっていた糸には衝撃だった。
いつもは真の股間で金色の茂みに隠れて見えないまま、
真の意志のままに糸の中に押し込まれて来るものなのだ。
なのに、それは今、糸の手の中でしっかりとその形を表し熱と鼓動を発している。
指先で段差や先の割れ目をなぞるうちに、新たにねっとりとした液が溢れ出して来た。
汗とも唾液とも異なる液体だが、これも真の一部だと思うだけで、
一筋の不快感も嫌悪感も糸の中には生まれない。
真にも快感を与えられるのならと思うだけで、糸には何でもできるような気がしていた。
糸は、真が自分を求める動きに合わせるように舌を絡め、指で襞や割れ目を刺激した。
初めて触れた時に感じた柔らかいという感触は殆ど姿を消し、
まるで命を宿した長い生き物のように太く強い芯を育て反り立っているのがわかる。
「・・・・・糸さん・・・・もういいよ・・・・」
耳元で荒い息にかかった真の追い詰められた声が聞こえた。
真は精一杯に小さく言い終えると糸の手を自分から解き離した。
解放された糸の手が所在無く空を舞っている間に、
糸の太腿が持ち上げ開かれ、真の腰が吸い付くようにその間に長い自分を埋め込んだ。
「・・・ぁあぁぁっ・・・・・」
さっきまでこの手で愛撫していた真が、何の迷いも無く糸の中を侵し突き進んで来た。
すっかり濡れ滾った糸の水中では、真がしっとりと迎えられ力強く締め付けられる。
真が腰を打ち付ける度に糸の中で真は膨れ上がり、外では黒と金の草原がぬらぬらと露を増していった。
「・・・・ぅあっ・・・・ぁあんっ・・・・」
真の体温と汗と唇が糸を高みへ引っ張り上げて行く。
「・・・・んはっ・・・・はぁっ・・・・・っ・・・・」
真と繋がった体は糸の意志では何処もどうにも動かない。
それで良かった。
真から与えられる振動と快感に溺れていられることが幸せだった。
「・・・・・・・・・糸さん・・・・・」
真が最後の力で糸の口を深く塞ぐと同時に、熱いものの全てを糸の中に伝え出しきった。
糸の負担にならないように、重ねていた体を少し横にずらして脱力して真は、
乱れた呼吸を整えながら静かに微笑む糸の視線に気付いた。
全てを受け入れて微笑む糸をそっと抱き寄せると、安心したのか真の腕の中でそのまま程なく眠ってしまった。
「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・え?・・・・・・なに?・・・・・」
眠りに落ちる前に、糸の唇が僅かに動いた気がしたのだ。
いや、ほんの僅かだが、真の肌に熱く甘い吐息と声がかかったのだ。
・・・・・何て言ったんだろう?
静かに寝息を立てる糸の顔を見つめながら、微かに開いた赤い唇を指でなぞってみた。
だが、真実を問い正す余裕も無く、真も糸と同じ世界へするすると落ちて行った。
糸の言葉を永遠に封印するために。
<迷い道 ――ゆび――>
======お付き合いありがとうございます=====
お疲れさまでした。
これで、お友達がいよいよ居なくなるような気もしますが、もうとっくに遅いですね。
封印された糸さんの台詞とは?
考えてあったんですが、出さないほうが余韻がいいかな?と思って封印しました。
大したことないです。たぶん。私の妄想ですし。(笑)
コレを番外編ネタばれより先に出したかったのですが、勘違いで全然入力していなかったらしく、
もう予定も脳みそもぐちゃぐちゃ。
でも、よく考えれば、コレ、まこりんのお誕生日祝いでも良かったのではないか??
・・・・・近々の新しい妄想に期待しましょう。きえぇーっ。(念じてみる)
もう、こんな話だと何処に入れていーのか解らないのですが、
本編発進ではないので、とりあえず、【迷い道】に入れときます。
Sな鬼畜まこりんを期待した皆さま(居るのか?)には、ぬるい話でお詫び申し上げます。
つーか、どんどん変な世界に行ってるのは気のせいでしょうか?本能でしょうか?(薄笑)
では、またお目にかかれるよう、精進したいと思います。
まずは語彙を増やしたいですが、
万人(精神がオトナな皆さま)にわかるエロ!を心掛けておりますのでご了承ください。
許される方のみ、大らかなエロい気持ちでご覧くださいませ。
**********いきなり【グランドサン】ネタばれ。
朔夜×亜沙姫編とかの妄想は、
本編であまりにも潔く亜沙姫嬢が見せてくれちゃってるので、
私がしゃしゃり出ることもないわvと、今は満足しております。
この先の展開如何によっては、
全然足りねぇ〜〜〜〜っっ!
とか勝手に叫んで妄想しまくるかもしれませんが、先の話ですね(笑)。
まだまだ、糸×まこおんりーで走れそうな気満々ですv
【グランドサン】の本編を、糸まこの演技と解釈して萌えることも出来ちゃう私です。(病気)
(2006.09.11)