―――――糸さんがオレ以外の男にこんなことをされる?

―――――冗談じゃない

―――――糸さんがオレ以外の男に触れられることだって許さない














「なんでオレに黙ってあんなところに行くの?」

久しぶりに一緒に帰宅して、何事も無く、さあ寝ようかといつものように大きなベッドに横たわった糸に浴びせられた、
最も恐れていた真からの問い掛け。

「・・・・・あれは・・・・・美咲が伸子を心配して・・・・・その勢いで・・・・・・」

「だからって糸さんまで一緒に行く必要があるの?」






―――糸さんには警戒心が足りない―――

大昔に言われた真琴の言葉が、改めて糸の中を静かに冷たく走り抜けた。

―――そんなことないって――――

声にならない反論。






「時先輩にされたことを忘れたの?」

「忘れてないけど もう大丈夫かな・・・・・・って」

真は、糸の返事に深い溜め息を吐く。


「でも 時ちゃんには伸子がついてるって解ったんだし・・・・・」

「そんなことじゃないよ」

「オレが伸子ちゃんを見つけてあの店に行かなかったら オレには何も言わないつもりだったの?」

「・・・・・・・そ・・・・・そんなこと・・・・・・・・・」

「あるんでしょ?」


真に嘘はつけない。
真はいつでも糸の一枚上を行ってしまっている。


「オレ以外の男に何かされたら 許さないよ?」


糸に触れていた時の姿を見た途端、真の体中の血が沸騰したかのように、
嫉妬に燃えたぎる自分を知ってしまった。
糸を同じ籍に入れ、社会的にも倫理的にも紛れもない夫婦になったとはいえ、
人の心は同じ場所に縛っては置けない。
そのことを、真は実父との確執で嫌と言うほど身を持って知っていた。

―――――オレ以外の男に触られないで

真と同じ芸能という大勢の人と関わり合う世界で生きている糸に強いるコトが、
不可能な条件なのは百も承知だった。
芸能界に限らず、社会に出てしまえば、真の知らない糸が居るのは当然だ。
それでも、解っていても、願わずには言わずにはおれなかった。


「・・・まこ・・・・と?」

いつもより呼吸の荒い真の様子に、糸が全身から不安を醸し出す。

次の瞬間、糸の言葉も呼吸も全てまとめて真に吸い込まれていた。

「・・・・は・・・・ぅっ・・・・」

真の舌が、まるで嘘つきと戒めるかのように、糸の舌を吸い上げ絡める。


「・・・・ぅ・・・・んはぅっっ・・・・」

いきなりの激しい接吻。

望んでもいないのに思わず仰け反ってしまったしなやかな細い体を覆う薄い下着の中で、
固く小さくそびえる赤いふたつの山が艶めかしい。

舌をねちねちと絡めながら柔らかい下着を剥ぎ取り、
真はまだ湿きっていない糸の陰部へ固くいきり立った自分を押し込む。

「うっ・・・・くふっ・・・・・」

糸は抵抗しなかったが、準備の整っていない挿入に対しての苦痛は抑えきれず、小さな声がこぼれた

「・・・・やっ・・・・あぁっ・・・・・」

糸の中でぬるぬると太くうごめく真からの鈍い痛みが、
僅かの時の間に、体の芯まで届くような気持ち良さへと変わって行った。

足の間でぐちゅぐちゅと音を立てながら自分を求めて打ち付けて来る真への愛しさしか、
糸には感じられなくなってしまっていた。

重なる唇
肌に吸い付く熱い舌と唇
中心を貫こうとする突き続ける長く太い意志

舌を絡め吸う熱い舌を唇
肌に吸い付き撫で回す舌と唇と指
心まで突き抜こうと激しく動めく唇と指と本能



――――この体温でしか こんなに気持ち良くなれない・・・・・・

そんな微かな確信が、糸の体の中に紛れも無く育ちつつあった。

肌に直に触れて来る真の体温も汗も匂いも何もかもが、
糸の熱い体温と吐息に混ざり合って快感に変わっていった。











自分以外の男に触れられている糸を見た時の嫌悪感と沸き上がる憎悪。

自分にとっての糸が、どれほどにかけがえのない女性なのかをまざまざと痛感してしまった。

―――――それほどにも糸が好きなのだ。

―――――これほどにも糸を欲しているのだ。

結婚して同じ屋根の下に住んで、毎日を当たり前に一緒に居て伽を重ねていても、
心は縛れないのかもしれない。

周りには、幸せだと言い切ってしまえる毎日を過ごしながらも、
そんな果てしない不安をも生み出してしまうくらいに、真は糸のことが好きだった。

それ故に、こうして糸の中から欲望を満たして自分を抜き出した後の不安な気持ちは、
ぐったりと眠ってしまった糸を腕の中にとらえていても、拭い去ることは出来なかった。

(こんなに大切なのに・・・・・・)

安らかな寝息をたてる糸を起こさないように抱き寄せる。

(何処にも行かないで・・・・・・)

軽い呼吸の漏れる糸の唇が頬に触れるだけで、泣き出してしまいそうになる。

そんなにも空回りする真の想いは、恐らく、糸には十分すぎる程に伝わっていた。

それ程に、糸も真を常に欲していたのだから。











明日、目が覚めたら、きっと糸の笑顔が、目覚まし代わりに一番に真の目に入るのだろう。

今朝もそうだったように。



















=====Wジュリ番外編第5弾での、淡い妄想=====



勢いのままに本編の行間を読みつつエロ補完、ちょろっとしてみました。

今回の番外編を読まれたWジュリ好きさん万人の妄想であることは承知の上ですが。
・・・・・・そうだよね??そうじゃないのかな?え?世界にまたひとり?(大汗)

本編がどんな展開になろうとも、
糸まこは、いつでも何処でも(いーのか?)いちゃいちゃで居て欲しいのですよーv

今回はまこりん視点です。
自信満々だけど弱気なまこりん。
糸さんと、どんなときも、とことん幸せで居て欲しいと思います。

もう私は誰の味方とか、さっぱりわからないわ(笑)。


では。

本能のままのちゃちゃい番外編掲載ありがとー祝いでした。


呪うように15巻発売を待っております!

ココまでご覧いただいて、ありがとうございました<(_ _)>






創作BGM;【TUBE=ロケットハナビ】
誰にも止めれない想いが、真っ直ぐにアナタに向かって飛びまくります。
火傷するって。





(2006.09.09)