「ふぅぅ・・・・・・」
ひとりでゆったりと湯に浸かっていた糸は、
大きく息を吐くと、ふと湯船の中に視線を落とした。
湯の中に光の屈折を通して、自分の体が揺らめいて見える。
いつの間にこんなに膨らんだのだろう?
この間までは本当に男の子と見紛う程の膨らみしか無かった筈なのに・・・・・。
湯の中で揺らめく自分の裸体を見ているうちに、そこに触れている真の気配を思い出した糸は、
急に頭に血が昇るのを感じて首を左右に振った。
「 何考えてんだ? あたし? 」
――――――――――ここは真琴がひとりで住むアパートの浴室である。
当然、部屋の主である真琴は恐らく本来の姿に戻って、居間か自分の部屋か・・・。
いずれにしても、糸に近い場所に居るに違いない。
3年生になり真琴と同じクラスになってから初めての行事である球技大会を目前に控えていた。
この行事に全く興味の無かった糸であったが、与四郎を始め美咲や伸子達が憧れる優勝商品にそそられてしまった。
優勝商品はテレビ付きの完全暖房な教室。
学生達には夢のような部屋であろう。
ひとり冷静な真琴の(受験生なのにテレビあったら効率悪いんじゃ?)という懸念は置いておいて。
球技のルールが全く解っていない糸に教えるべく、
真琴は糸を自分の部屋に招き入れ、球技大会の競技に使われるルールを教え込んでいた。
「晴れてきたぞ 真琴 5日ぶりの太陽!」
「あ ホントだ この天気が続くといいね」
「ドッジボール以外は外だもんなー」
「ルールの方は わかった?」
「ああ! とにかくボールで倒せばいーんだろ? 顔面以外」
「まあ・・・・・ そんな感じ」
(わかってるよーな わかってないよーな)
およそ必死とは言い難い中でも、糸はそれなりに球技のルールを会得して、家路に着こうと玄関で靴を履いていた。
「そこまで送るよ」
「暗いから 気を付けてね」
「子供じゃあるまいし」
「だから言ってんの」
「おまえこそ 気を付けろよっ」
そう言って、いつものように真琴の家から出ようと開けたドアの向こうに居たのは―――――
―――――決してあって欲しくなかった現実――――――
思いがけず目の前に立ちはだかった椿と真との賭けによって、球技大会優勝への決意を新たに真の家から帰ろうとした。
その僅かに後で夕立に降られてしまい、
風邪をひくからっ!
と、帰りかけた糸は強引に送ってくれていた真琴にアパートまで引き戻されてしまったのだ―――――――
・・・・・・・チャプン・・・
一瞬にしてずぶ濡れになり冷え切った体を温めた糸は、我に返ってこの場から出るタイミングを推し測っていた。
この曇った白っぽい磨りガラスをはめただけで鍵の無いドア一枚の向こうに、真が居る。
しかも当然の如く、自分は何も身に付けていない裸の状態で、いつも真が使用している浴槽に浸かっているのだ。
そう思っただけで、糸の体温は浸かっている湯の温度よりも上昇したようだった。
その体の温度を超えて、真を直に受け入れたことのある糸の芯は更に熱くなっているような気がした。
「こんな風に・・・・・・・」
糸は思わず自分の手を、いつも真がそうしてくれるように、
湯の中で静かにしている黒い茂みの中にそうっと忍ばせてみた。
「あっ」
自分からは見えないのに、予想以上に敏感になっている自分への入り口に驚く。
湯の中では確かめられないが、既にそこはふくよかに育っているような気配がした。
そのまま茂みを縫って自分の割れ目に指を這わせる。
・・・・・・ぞくっ・・・・・・!
勢い余って乳首が立つような錯覚さえ感じてしまった。
いや、実際に固くなっていておかしくないほどの激しい甘い電通が走った。
隣の部屋に居るかもしれない真には絶対に見られたくない自慰行為なのに、
こんなところでは恥ずかしすぎるという理性に反するように、
糸はずぶずぶと自分が生み出す快感の海に飲み込まれて行くようだった。
真ならきっとこう触れてくれる・・・・・・
真ならきっとこう揉んでくれる・・・・・・
真ならきっとこう噛んでくれる・・・・・・
糸は自分の動きに合わせて波打つ全身を包む湯の波動と共に、
いつも真が与えてくれるのにも似た心地良さを自ら作り出していた。
「・・・・・ぁあっ・・・・・・」
糸の中で糸の指が真の指を借りたように動き出し、膨れた狭い肉道を刺激していく・・・・・・。
―――――糸さん
真の声が小さく遠くから聞こえた気がした。
「糸さん?」
その甘い声は少し近くなった。
遠くなっていたいたらしい意識を取り戻しながら、顎まで浸かった顔を湯から上げる。
「・・・・・・ん?」
湯気の向こうで微笑む真の顔がやっと目に映った。
「良かった?」
「・・・・・・?」
・・・・・・・・・真は何を言っているのだろう??
「そろそろ オレのと比べてみない?」
「・・・・・・・・?!」
・・・・・・・・
・・・・・・・・・・!
・・・・・・・・・・・・・!!
糸の中で何かが弾けた。
・・・・・・ずっと ずっと・・・・・・・あたしを・・・・・・・今のあたしの行為を・・・・・・ 「 見てたのかっっ? 」
声にならない絶叫。
頭のてっぺんからつま先まで恥辱に覆われて、一瞬のうちに茹だったタコになったような気分だった。
頭のてっぺんまで湯に浸かって溶けて消えてしまいたい程に恥ずかしくてたまらなかった。
「オレが居ない時でも ちゃんとオレを思い出せるようにしてあげるよ・・・・・・」
「今日よりも もっと激しく・・・・・・ね」
糸が占領していた小さな世界に、真が何の遠慮も無しに侵入して来た。
糸ひとりには広い浴槽でも、ふたりで入ればさほど広くは無い。
糸には直に肌を密着させてくる真に抵抗する力も理由も残されてはいなかった。
動揺する荒い呼吸も濡れた唇と舌の動きで塞がれながら、腰をがっちり捉まれ脚を割られた。
「・・・・・ん・・・・・あああぁぁっっ・・・」
ついさっき絶頂に達した筈の糸の中に躊躇無く割り込んで来る真は存在感は、
糸の体と快感を続け様に絶頂に持っていけるだけの激しさと熱さを帯びていた。
糸を包んでいた大量の湯よりも少し高めの心地良い真の体温を感じて、
糸の体には真の僅かな動きからも逃さない快感しか残されていなかった。
「ぃやあぁぁっっ・・・・・・」
攻められる悦びが、耐え切れずに溢れ出る甘く悲痛な声に込められる。
自分の中に押し込まれた真の襞と自分の襞が擦れ合う気持ち良さ。
自分の中に押し込まれた真が締め付けた肉道を力任せに通る気持ち良さ。
自分の中に押し込まれた真が熱く燃えたぎる芯を目掛けて突っ込んで来る気持ち良さ。
この火照った体を、真が容赦無く突き抜けてしまう・・・・・・・・・・・
真になら貫かれて息絶えても構わない・・・・・・・・・・
真ならやっぱりこう触れてくれるんだ・・・・・・
真ならやっぱりこう揉んでくれるんだ・・・・・・
真ならやっぱりこう噛んでくれるんだ・・・・・・
粘土細工のように絡まったままのふたりの汗と体液が、澄んだ湯の中に浄化されるように溶け込んで行く。
糸は朦朧とした意識の中で、究極の幸せを体中の五感全てを研ぎ澄ませて感じていた・・・・・・・・・・。
<朦朧>
=====あとがき=====
毎度、(お初の方、ようこそv) お付き合いありがとうございます。
この作品完成につきましては、エレナさんに厚く御礼申し上げますvv
エレナさんのWジュリ(糸まこ)愛のお力添えで、今回の話が生まれましたのでっvv
思い起こせば、エレナさんの作品に常に萌えさせていただいておりますよねっ!?
長きに渡ってのお付き合いをありがとうございますっvv
そして、今回のパクリにも快くご快諾いただけて感謝してもしきれませんです!
重ねて御礼申し上げますvありがとうございましたvv
こちらこそ、これからもよろしくしてやってくださいませvv
という訳で(何が?)、
激しく恥ずかしい糸さんのひとりエッチをこっそりまったり見る真くんと、
そんな事も知らずに喘ぐ糸さんを落描きしております。→→→
この話は[迷い道]に入れようかと思いましたが、
別に迷っていない気がするので、本編の横道として収納しておりますです。
壊れているのは私だけなので(笑)。
こうして本編の行間をエロ一色にしようとしているような気もしますが、
ありでしょっ!?
↑この問いかけに「うんっ!」と頷いた皆さま、しっかりお仲間ですからvv
では、また、こちらの世界でお目にかかれますようvv
わたくしは、日夜、こっちの世界を広げようと右往左往しておりますです。
こんなわたくしも、この夏の番外編が楽しみで楽しみでたまりませんです〜vv
こんなところまでお付き合いいただいて、ありがとうございましたvv
(2006.07.17)