「・・・・・・で 親父と何の話をして来たんだ?」
「別に普通だよ まずは家に帰ってもらうように説得して・・・」
「普通に会話しててこんな怪我するか!!」
「まあ これは男と男の約束というか・・・ 血を見る事は前から覚悟してたし・・・」
自分と糸のことを認めてもらう為に家出した糸の父である悟郎を連れ戻した真は、
糸の想像を越えた大きな痣を身体に刻んでいた。
にっこり笑って説明する真を見ていると、糸は居たたまれない想いに胸を締め付けられた。
真が糸のベッドに座って大きな痣に湿布を貼っていると、糸が首に抱き付いて来た。
「・・・糸さん?」
「ごめん」
「あたし 何も出来なくてごめん」
「ありがとう 真琴・・・!」
真に抱き付いたまま糸が真に感謝の気持ちを告げる。
傷を負った真に対して何も出来なくてどうしようもない自分が歯痒いのだろう。
「お父さんとは話を付けて来たし大丈夫」
「それに 今まで糸さんがいてくれたから 何とかここまで来れたんだ」
「礼を言うのはオレの方だよ」
真は糸のいつの間にか女らしくなった細い身体をぎゅっと抱き寄せた。
(アザ痛くねーのか?)
真に力強く抱き寄せられて戸惑う糸を真は不意にくすぐった。
「あははははははは・・・・・・・」
「お父さんに話して来たことはいずれちゃんと言うからもう少し待っててね」
真は糸の胸に顔を埋めるように抱き締めながら囁いた。
だが、糸は真にくすぐられたこそばゆさで笑っていたために、この真の言葉は届いていなかった。
真は糸をしばらく抱き締めていたが、するっと糸のTシャツの中に手を入れた。
「どさくさに何してんだっ!?」
「いやあ つい」
「それで済むと思うかっ!?」
「うん」
「うん・・・・・って」
毒気を抜かれた糸にこれ以上の反論は出来ない。
真赤になったまま、直に自分の肌に触れて来る真の手を離そうと抵抗してみたが、
真の力に敵わないことを一番知っているのも他ならぬ糸だった。
真は、自分が座っていた糸のベッドに向きを変えながら、目の前に立っていた糸を押し倒した。
糸は真の動きに合わせたかのようにくるっと向きを変えてベッドに横たわり、
さっきまで見下ろしていた真の顔を自分の顔の上に見ていた。
真は何が起こっているのか把握していなさそうな不安気な糸にそっとキスをする。
肌に直に触れ続けている真の掌から伝わる体温と唇から伝えられた真の体温に糸は既にくらくらしていた。
真を拒むために彼に触れた自分の掌からも彼の熱が伝わって来ていた。
今の糸に真を拒む理由は無かった。
「さっきさ」
「え?」
「何も出来なくてごめん って言ってくれたけど 糸さんはオレの傍に居てくれるだけでいいんだ」
「まこ?」
「糸さんは世界で一番大切な女だから」
「忘れないで?」
真の懐かしい言葉が甦り糸の胸がまた締め付けられる。
あの時は天野真琴として生きている女性の姿で告白された言葉だったが、
今は成田真として本来の姿に戻った男性の姿で告白されたのだ。
こんな言い表せない甘い痛みを、何度真はくれたのだろう。
「まこ・・・・・・」
真の体温を感じながら、糸は真の背に回した腕に力を込めた。
真がその想いを受け取ったかのように、糸の口を塞いでその舌を絡ませた。
糸の唇を自分の唇で侵しながら、真は糸の乳房を揉みしだいていた。
小さいながらも自分に無い柔らかさと艶めかしさをその膨らみに感じながら。
優しく揉みながら、突起の辺りを指で撫でていると、
あっと言う間にその小さな山が固く意思を持ったかのように赤い姿を現した。
「あっ・・・・・・・・」
柔らかい丘に姿を表した赤い山を刺激すると、無防備な糸の甘い声が聞こえる。
「はぁぁんっっ!」
糸の甘い声に誘われて尖った乳首を舐めてみると、糸身体が仰け反った。
それほどまでに糸は真の存在を感じてしまっていたらしかった。
「・・・・・・まこ ダメだってば・・・・・」
糸は見失いそうになる理性を必死に保って真を止めようとした。
「・・・・・大丈夫だよ」
「・・・・・え?」
真は糸の部屋に入った際に、糸に見えないように後ろ手に鍵をかけていた。
糸の部屋に内鍵が付いていることは知っていた。
以前は、糸自らが真琴の正体を守るためにこの内鍵をかけてくれていたのだから。
だが、それは勿論、真と密室でどうこうなるという意識があった訳では無かった。
糸は真琴に好意を寄せてはいたが、真琴が自分を求めて来るという懸念は全く持っていなかった。
ただただ、真琴の秘密が家族に漏れるのを防ぎたいことと真琴の夢をを守りたい一心での行為だった。
それが今は、真に自分を委ねる絶好の場を作ってしまうこととなってしまった。
真に求められることは嫌では無かったが、家人のことが気にかかる。
「糸さんが大きな声を出さなかったら きっと誰も来ないよ?」
真が確信犯のように微笑んで糸の口を塞ぐ。
真の言うとおり、家出していた悟郎が真に連れられて戻って来たことや、
祖母の光子達が来訪してくれているお陰で、夜にも関わらず三浦家の居間は賑やかだった。
真の肌に触れて、風呂上りの熱い体温と清潔な香りを真の匂いと一緒に感じているうちに、
いつしか糸の身体も熱く火照り出していた。
「いやぁぁ・・・・・」
これ以上主張できないともがいているかのような固い乳首を、真の舌が執拗に責め舐めあげる。
その反対側の乳首もしなやかな長い指で弄られ続けていた。
「やっ・・・・んあぁっ・・・・・」
恥ずかしさとそれにも勝る快感が糸に淫らな声を出させる。
「ぅあぁっ・・・・・」
糸の素直な喘ぎ声が真の雄としての本能に確信を与えて行く。
真は糸の足を広げるとその間に自分の身体を固定させ、
糸と繋がる用意の出来たもうひとつの自分を開かれた黒い茂みに宛がった。
ぬらぬらと濡れた茂みの中央で待っている穴に先を触れされてみる。
「あぁんっっ・・・・・」
真を待ち焦がれていた場所を刺激された糸からこれまでとは違った色の声が漏れた。
真に触れられた糸の黒い茂みの奥からは、
それまで外に出るのを堪えていた熱くねっとりした愛液が溢れ出て、
真の固くなった棹の先を濡らしている。
真の伸び切った棹の先からも待ちきれないように白い液が少しずつ溢れ出し、糸のそれと混じり合っていた。
何度か棹の先だけをくちゅくちゅと音を立てて入れたり出したりしながら、
悶える糸の反応を楽しんでいた真だったが、糸の反応を楽しむ余裕は長くは続かなかった。
「あっっ・・・・ ぅあんっっ・・・・・」
ずぶずぶと糸の秘部に自分が埋め込まれて行く気持ち良さと、
待ち焦がれていた故に熱く柔らかく締め付けて来る糸の熱の気持ち良さに真は酔っていた。
糸の芯まで届いたと感じた真は腰を動かそうとしたが、
あまりにも強く糸に抱き締められていたもうひとりの真は、
少し前後しただけで襞にとてつもない快感を与えられてしまっていた。
「糸さん・・・・・・」
声にならない熱い息だけで愛しい名を呼ぶと、
真は自分をとらえて離そうとしない糸を繋がったまま力いっぱいぎゅっと抱き締めた。
真に抱き締められた糸の目から、すーっと涙が流れ落ちた。
―――――このままずっと一緒にいたい
―――――だから
―――――自分にとって たった一人の女性だと告げるから
―――――あとほんの少しだけ待ってて・・・・・・。
「糸が大人になってしまったぁぁぁぁぁ」
糸と真には届かない部屋で、悟郎の涙混じりの絶叫が木霊していた。
<あと少し>
===== あとがき ======
表から連動してもいませんが【2006年春の卒業関連祭り】でございます。
いーなあ、エロは・・・・。しみじみ・・・・・・・。
あまりエロく無いですが、今回は自由になるまでもうちょっとの辛抱だ・・・っっ!
という糸まこの状況にひとりで酔っております。
いつもきっと独りだけど(笑)。
ここでの糸まこは充分に自由奔放ですけどね。今更ですが。
さて、悟郎パパが糸さんがオトナになってしまったと泣き叫んでいる場面で、
「糸さんはオンナになってしまったのよ、パパ」
と微笑んで肩を叩いてあげたい邪な気持ちを抑えつつの一発でございます。
原作からのエロ発進はとても楽しいので、もっとわさわさ書きたいのですが、
(いつかバチが当たる気がする)
如何せんチカラ不足で悲しいです。ちくしょーっ!
思い切って雷にでも当たってみるかっ!?
ところで、うちのまこりんは避妊してんだかどーなんだか謎です。
良い子の皆さんは自己防衛をしっかりなさいましょう。
後の祭りは思いがけないところでやって来ますからね?(真剣)
【迷い道】も一本くらい一緒に出したかったのですが、
私自身がすっかり迷ってしまっているので、今しばらくご猶予くださいませ。
何処の闇に向かえばいーのかしら??闇だらけなんだもの。
では、また、この世界でお目にかかれますと幸せです。
Wジュリばんざいっ!
お付き合いありがとうございましたvv
(2006.03.22)