バタン!!














「やっぱ まとまってた方が楽しいと思う!!」


もの凄い勢いで開いた引き戸の向こうに息を切らせた糸が立っていた。
静かに本を読んでいた真が無言で糸を見つめる

「・・・・・・・・・はー はー はー はー・・・・・・」


どんなスピードで走って来たのか、容易に想像できるぜいぜいと息を切らせる糸に問い掛ける真。

「カギは?」

「ぶちこわした」


既に夜は更けているのだ。
女の独り暮らしでなくとも施錠されていて当然である。
この時の糸の気迫と怪力は、真の部屋を鍵さえも破壊できてしまったらしい。



「へっくしっ あー寒っっ」

何も悪びれた様子も無く真の部屋に通される糸。
いつものように、動じているのかさっぱりその表情からは読み取れない真から
温かい飲み物を受け取りながら、想いのたけをぶちまける。







――――――今日の放課後。



         部活中。


         糸と真琴が居た体育館に迷い込んで来た小さな男の子。

         バスケ部の練習で飛んで来たボールからその男の子を守った糸は
         慌てて駆け寄るその子の母親らしい女性に驚愕した。

         そして糸以上に驚いていたのが傍に居た真琴だった。

         その女性は真琴の家出したいちばん上の姉の桜だったのだから。
      
         桜は真琴の父親の横暴さに我慢しきれず駆け落ちし、家出中の成田家の長女である。

         糸は真琴との修学旅行中にその悲しい事実を知り、桜とも面識が出来た。
 
         その後、糸は真琴と共に、桜が今でも成田家と連絡を取らずに居ることを改めて知る。
      


         当の真琴はといえば、
         「これは父さんと桜姉さん ふたりの問題だから―――」
         と、素っ気無い。
 
         そんな真琴を黙って見ていた糸。
         だが、その夜、仲良く笑い合う自分の家族を見ているうちに
         おせっかいかもしれない気持ちが突然に膨らんでしまったのだ。







 
「・・・・・・やっぱなんとかして一度だけでもいーから話し合いをさせた方がいーと思うんだ」


「来月 桜さん達 海外行っちゃうんだろ? 次 いつ会えるかわかんないんだし」


「まこが反対でも あたしは―――」




「ぶしっ」



やる気の無さそうな真に説得をする糸だが、走って来た夜道は余程寒かったのだろう。
話の途中でこらえる間もなく、くしゃみが出る。



「ククッ」

糸の必死さに思わず笑ってしまう真。
自分の家族でも無いのに、こんなに一生懸命になってくれる糸を大切に想う。
こんな彼女を無下にできる筈が無い。



「笑ってんな そこ! 聞けっ」


「はいはい 全くこんなに体冷やして 糸さんには負けました」


そう言いながら真は自分ごと後ろから糸を毛布でふわっと包み込んだ。

「!」


「い・・・・・・ いーよ毛布だけで」


「だめ」


「べつに こーいう事にしに来た訳じゃねんだけど ・・・まいっか」



真の予期しない行動に真っ赤になる糸。
真はベッドに腰かけたまま毛布を被り、下に座る糸を後ろから抱いていた。
真の想いがさせるその行為が、素直に糸には嬉しい。



「父さんと姉さんにお互い会う気がなくても 偶然会っちゃったらしょうがないよね」


「は?」


糸の話に乗り気ではなかった筈の真の言葉に顔だけで振り返った。


「オレも糸さんの話に乗るよ なんとかして会わせてみよう」




―――――真の右手の携帯が何処かに繋がったらしい。


        「あ 母さん?オレです」

        「父さんいる?ちょっとこれからの進路のことで相談したいんだ・・・・・・」












        「これで良し」

        「後はホテルの桜姉さんに・・・・・・」


       「・・・・・・これは茜姉さんにも手伝ってもらった方がいいかな」



きょとんとする糸を毛布ごと抱いたまま茜に電話を掛ける真。



・・・・・・糸が困惑するほんのわずかな間に話はついたらしい。


茜さんは本当に真の最大の味方だな、と糸は実感してなんとなく顔がほころぶ。



「どうしたの? 糸さん? 何か変だった??」


「いや まこもやっぱり家族がこのままじゃいけないと思ってるかなって」


にっこり笑う糸。

その屈託の無い笑顔に真も照れたように笑い返す。


「糸さんがオレの家の為に こんなになって走って来てくれたのかと思ったら嬉しかったんだ」

「オレは家族のことよりも 糸さんがそこまで言うなら オレにできる事はしようと思っただけ」


「結局 糸さんの思惑通り ってことかもね」



後ろからぎゅっと糸を抱き締める真。

さっきまで毛布の上から糸に触れていた手が、直に糸の体に触れた。

言いたい事を言い放って、自分の想いが真に伝わったことが理解できると、
今こうして真と彼の部屋でふたりきりで居る事に、糸は急に恥ずかしくなってしまった。



「・・・・・・じゃ じゃあ 用も済んだから帰るよ」

「うん 送ってくよ・・・・・・・・・でも・・・・・・・・・」



「ちゃんと糸さんが温まってからね」


「え?」



ずっと真と一緒に毛布の中に居た糸の体温はとっくに元に戻っていた。
不思議そうに斜め右から真の顔を見上げた糸の顔に真の顔が重なる。
そのまま静かに真の唇が糸の唇を覆い隠した。

抵抗する理由の無い糸はその心地良さに目を閉じる。

少し高い位置から落とされる真の唇は熱かった。
しばらく糸の唇をじっと温めるように覆っていた真の唇は
一瞬微かに離れた途端、まるで溶けて流れそうなアイスクリームを吸い込むように
糸の唇に何度も何度も角度を変えては吸い付いていた。

糸は真が求めるがままに、彼の熱をその小さな唇に感じ続けていた。



長い口づけを交わしている間に、真の手が糸の胸を後ろから持ち上げるように掴んだ。
大切な宝物を持ち上げるように触れられた糸の胸は、真の手の中にすっぽり収まる。
そして、風呂上りで下着を着けていなかった糸の胸の先は、真の指先が軽く円を描いただけで
その位置をはっきり形取ってしまった。


「んっっ・・・・・・」


(こんな事しに来た訳じゃないんだってば・・・・・・)


さっき考えた事をもう一度思い返しても全く声にならない。


糸の体温がどんどん上昇して行った。


真の指先が糸の胸の突起を簡単に摘めてしまった頃、
やっと糸の手が真の手の動きを遮るように上に上がった。

が、その手は真の腕につかまるのが精一杯で、その動きを止める力は皆無だった。


糸からの反応を見切って、真がベッドから降りて糸の前に回る。
その間も糸に触れ続けることは止めない。
糸にキスをしたまま自分の位置だけ変えた真は
さっきまで自分に寄りかかっていた糸を毛布ごしにベッドに寄りかからせた。


後ろから支えていた糸の胸を今度は前から支え直す。
掌にしっくり収まる魅惑的な感覚が糸への愛しさを駆り立てた。

彼女は自分に与えられた唯一の女性なのだと。



前からその膨らみを揉みしだくと、面白いように突起が服の下からも自己主張して来る。

ふと唇を絡ませたままで糸の顔を見ると、真っ赤に高揚していた。

その息遣いも荒く、重なり合った唇から漏れる吐息は真の顔に熱くかかった。

真はここまで自分を受け入れてくれる糸が可愛くて愛しくてたまらない。



「糸さん・・・・・・糸さん・・・・・・」

小さく何度も名前を呼ぶ。


真は糸のTシャツをすっとたくし上げて、自分が育てた乳房と乳首の色と形を見た。
大きくは無いが、形良く張りを持った白い乳房に食いつきたくなるような赤い乳首が乗っている。
その向こうにまとめられたTシャツと恥じらった糸の赤い顔が見えた途端、真は糸の片方の乳首に吸い付いた。
舌で舐め転がしながら、くっと甘く噛んでみると
その度に糸から歓喜の声が漏れるのが嬉しい。
もう片方の乳首も優しく真の指で弄られていた糸の体は、最後の砦への入り口を開きつつあった。


唇から胸から伝染するかのように真の熱が糸に伝わり、
股間に辿り着きそうになっていた。


真に触れられている乳房からの快感も感じながら
それ以上に熱くなって行く下の入り口からは、新たな欲望が生まれ出していた。


無意識に太腿を摺り寄せてしまう糸に気付いた真は、
糸のズボンを途中まで一気に降ろし、下着の上からその割れ目を指でなぞった。


「ああん・・・・・・・」


真の指がなぞった通りに糸の下着が湿って行くようだった。



「まこ・・・・・・あたし・・・・・・帰らなくちゃ・・・・・・」


「・・・・・・温まったら送って行くって言ったでしょ?」




「だから糸さんも我慢しないで・・・・・・」



真は中途半端に降ろしていた糸のズボンを全て脱がし、濡れ始めた恥部を隠す下着も取り払ってしまった。


「やっ!」


糸は慌てて両足を閉じようとしたが、遅かった。
真の手が糸への入り口から侵入を始めていた。

糸の口の中に自分の舌を侵入させながら、下の濡れた草むらの中の入り口を少しだけ指で侵す真。
糸の舌をぺちゃぺちゃと吸いながら、下の入り口をぐちゃぐちゃに掻き回す真。

糸の脳内は、目も開けられない程の恥ずかしさと突き抜けそうな快感で溢れていた。
その両手が、いつしか真のさらさらな金髪が流れる頭に邪魔するでも無く添えられていた程に。



「あっっ・・・・・・ぅんんっっ・・・・・・・」


目を閉じたまま甘い声を漏らす糸に真が耳元で語りかける


「・・・・・・糸さん・・・・・・かわいいよ・・・・・・」


熱い息と共に糸の耳に流れ込んだその声が、呪文のように糸の脳に溶け込んだ。

その瞬間、いつでも真を受け入れる体と心の準備が糸の中に出来てしまった。

真は糸の両足を広げると、何の躊躇いも無く大きく育ちきった自分を糸の中にねじ込んだ。



「・・・ぅはあああっっっ・・・・・・・」


ずぶずぶと深深と自分の中に入って来る真を、糸の全てが歓喜となって締め付けた。
その抱擁は間違いなく歓迎であった。



糸の腰を持ち上げながら、更に奥へと進むかのように自分を打ちつける真。




「はぁっっっ・・・・・・あっっ・・・・・」




真の腰の動きに合わせるように糸から喘ぎ声がこぼれている・・・・・・・・・。




ふたりの繋ぎ目からは夜の静寂を小さく壊すようにぶつかり合う水音もこぼれている・・・・・・・・・。









































――――――3日後 某レストランにて



         糸と真の とある計画が始まろうとしていた―――――― 


























































===== あとがき ======








毎度の皆さまごきげんようvv

お初の皆さまごめんなさいvv


ちょっと尋常ではない精神状態だったので、
急に思いついて、 うっきゃ〜〜〜〜っ♪ と出来ちゃった一本です。

思いついてから3時間くらい?おおっ!底が浅いっっ!!(汗)
久々の原作からのエロ発進vv 新鮮だわ〜〜〜(←もうかなり気持ちどっか行ってます。)

今年は(今頃になって今年って・・・)迷い道をばんばん生み出してしまいそうな私ですが、
かわゆいモノもちょろっと書いてみようかと思ったら ・・・・・・・・ぬるいだけかっ!?(大汗)


こんな調子での日常な糸まこ。
箸休めに如何でしょう?
(ほら、乳首を箸でつまんだりー・・・・・・・・げほごほげほっっ・・・・・・)



(2005.03.16)







・・・・・・・すいませんっっ!!
勢いだけで出したら脱字満載でしたっっ(大汗)
こそこそと気付く度に直しますので、それまでは非常にお目汚しですいませんっっ<(_ _)>

(2005.03.18)