いやーーーーーっっ!



閉じ込められた部屋の張り詰めた空気を切り裂くような悲鳴が突き抜けた。



声を限りに叫んだ糸が、涙に濡れた目をうっすらと開けると
暗闇の中に黒い影がゆらりと動くのが目に入った・・・・・・・・・。






























――――――今日は桜が丘高校演劇部の卒業記念パーティーが、つぐみの家で盛大に行われていた。

          つぐみはとっくに卒業してOGとなっていたが、
         富豪の令嬢としての立場を利用しまくって、自らも大好きな演劇を愛する仲間の為にと
         様々な形で演劇部を盛り上げてくれていたのだった。


         その中で、糸はとうとう真琴の正体を皆の前で堂々と明かし、
         男の姿に戻った真の独白を以って、晴れて改めて公認のカップルとなったのであった。

         その後、演劇部の皆ではしゃぎ過ごすはずだった一夜を真の
         「ふたりで抜け出してみない?」
         という意味深な内緒のメモに誘われて、糸は真と一緒に外に出ていた。




         想い出の学校・・・・・・はじめて出逢った体育館・・・・・・

         転校生だった真琴への不思議な想いと思いがけない秘密の共有・・・・・・





         ―――糸さんへの想いは永遠に変わらない―――





         何度耳にしても顔が火照ってしまう真からの言葉。










         思い返せば糸の意識はここまでしか無かった――――――――
























ふと息苦しさに気付く糸。
何かによって口が塞がれているような感覚。
これまでにも何度も真によって経験させられている感覚にも似ている・・・・・・。
だが何かがいつもと違う・・・・・・。

本能的に感じた違和感にかっと目を開けると、そこに見えたのは見慣れた真の顔では無かった。






―――・・・・・・ん・・・・・・・・・?だれ?・・・・・






―――・・・・・・え?・・・・・・・・・





仰向けの自分に上から体重をかけながら目の前に迫るその顔は、真ではなかった。







 「いやーーーーーっっ!」



  閉じ込められた部屋の張り詰めた空気を切り裂くような悲鳴が突き抜けた。



  声を限りに叫んだ糸が、涙に濡れた目をうっすらと開けると
  慣れない暗闇の中に黒い影がゆらりと動くのが目に入った・・・・・・・・・。






「やっっ!」



糸はありったけの力を込めて、自分の上にのしかかる見知らぬ黒い体と顔をはねのけた。
さっきより僅かにはっきりと見開いたその目に映ったその顔は





――――――紛れもなく坂本豊だった。





訳がわからず心臓はばくばくと動転するが、糸の体は鉛のように重くそれ以上自由にはならなかった。







「・・・・・・こんなに動けるって言ってたっけ?」



裸の坂本が斜め後ろの、これまで糸が気付かなかったもうひとつの黒い影に不満そうに問い掛けた。



薄い暗闇の中でぐったりと横たわったまま、坂本の後ろに居る人影に改めて気付く糸。



暗闇に少し慣れた目を凝らしてその姿をとらえた途端に唖然とする。







―――――そこには冷ややかに自分と坂本と見つめる真が居た。





「薬は効いてるから 今のは火事場のなんとかだと思うよ きっと びっくりしたんでしょ?
 だから もうあれ以上は抵抗できないはずから・・・・・・好きにしていいよ」




糸は自分の目と耳を疑った。



―――は? こいつは何を言っているんだ??

―――薬って?なんだ??

―――それよりもなんでそこで見ているんだ??





糸には何もかもがわからなかった。

わかっているのは、ここが大きなベッドの上ということだけだった。


何もわからないままで居る糸の表情から気持ちを察したのか、坂本が小さく話し出した。




「真琴ちゃんが三浦ちゃんの金髪野郎だったなんてね どおりで探しても見つからない訳だ」



坂本が糸の顔に自分の顔をぐっと近付けて語り掛けた。



「―――二股でも良かったら―――

 って誘ってくれたのは真琴ちゃん・・・じゃなかったこの金髪野郎なんだよ?」



糸は坂本の唇が自分の首筋で言葉通りに動くのを、必要以上に感じながら横たわっていた。



「真琴ちゃんと三浦ちゃんとのプレイが良かったかもと思ったけど 同じ3人ならこれでもいいかと思ってさ」



―――こいつは一体何を言っているんだ・・・・・・?



坂本の言っていることがこれっぽっちも理解できないまま、糸の体が触れて来る坂本の舌の動きに反応し始めていた。


語りかけながら糸の首筋に置かれていた舌は、いつしかはだけられてしまったささやかな胸に及んでいる。

糸の気持ちとは裏腹に、坂本が舐め回す舌の動きに感化され糸の乳首が少し固くなりつつあった。
その高成りを坂本が見逃さず、赤い膨らみのひとつをくっと口の中に含んだ。

「やっっっ・・・・・・」

せめてもの抵抗に坂本の腕に手をかけ、顔を精一杯に反らせる糸。
そのか細い腕には、抵抗できるような力は勿論少しも入ってはいない。


坂本が口に含んだ小さな赤い塊を激しく舌でぴちゃぴちゃと絡め遊びながら
外に放り出されているもうひとつの薄赤い塊を空いている数本の指で激しくつまみ転がした。

「んっ・・・はぁぁあぁぁっ・・・・・・」

糸からは体の芯に向かって襲い掛かってくる快感に耐え切れず、思わず声が出てしまう。


こんな声を出したくは無かった。真の前で・・・・・・。



見たく無い自分の姿から、でき得る限り反らして閉じていた目をうっすらと開けると
少し離れた場所に、これまで見たことも無い凍るような微笑を浮かべた真の顔が目に入った。





     あれはいつだったか・・・・・・小夜子に取り憑かれてしまった時の糸を忘れた真琴にも見える。




思わぬ忘れたい恐怖の再現に、糸は思わず再度目を閉じてしまった。
強く閉じた目の中にじわじわと涙が溜まる。



―――なんでなんだっ!?まこっ!!




糸の感情は行き着く先を完全に見失ってしまっていた。





そんな糸を無視して坂本の愛撫は激しくなっていった。
糸の乳房を舐め触りながら、空いた片手で糸の秘部をまさぐっていく。
薄い下着の上から溝をなぞっていた指は、下着の中へ難なく侵入して行く事ができていた。
溝に隠れた穴に坂本の指が少し入っただけで、
熱いモノがねっとりと絡みつくのがすぐにわかった。
その熱いモノを感じながら、坂本の指はゆっくり糸の中へと少しずつ侵入していった。


「・・・つっっ・・・・・・あぅっっっ・・・・・・」


坂本の侵入に体を跳ねらせて反応する糸。
まるで感じてしまっていることを惜しげもなく知らせてしまうように。
事実、自由のきかない糸の体は坂本の愛撫に感じるままに応えてしまっているのだった。




大好きな真が静かに冷たく見守るその目の前で・・・・・・・・・。




「やだぁぁぁっっっ!!やめろっっ!」

意に反して感じまくる体で糸が精一杯の声を出して坂本に抵抗した。
だが、抵抗しているのは声だけで体は思い通りにならず、シーツをぎっちり握りしめるのが精一杯だった。



いつしか全裸にさせられ、坂本に体を触られ、中に指を入れられ、ぐちゃぐちゃに回され続け、
そのいらぬ快感に耐えながらシーツに顔を埋める糸の頬に涙が伝った。





そんな糸の涙を見てなのか、真がゆらりと立ち上がった。



「糸さん・・・・・・・・・ もしかして感じてるの? オレ以外の男なのに?」



坂本に好きなように弄ばれている糸にゆっくりと近付いていく。



意地悪く冷たく笑いながら、糸の髪をなでながら語りかける真。
当の糸は坂本に体を弄られたままの恥かしい格好である。
正気であれば、死にたいくらい絶対に真には見られたくない光景であろう。


「まこ・・・・・・? なんで・・・・・・??」

冷たい空気を漂わせ微笑みながら糸の髪をなでる真に、自由にならない体のまま涙声で問い掛ける糸。



「オレが糸さんを誰よりも愛してるから・・・・・・」



―――??糸にはわけがわからない



「オレが糸さんを誰よりも気持ち良くさせてあげられるってことを 知って欲しかったから」



―――??なにをいっているんだ?まこ??



「・・・・・・あっっっ・・・・・・やっっ・・・・・・・・・」


悩む間もなく、真が投げかけた言葉に戸惑う糸に坂本が遠慮無しに激しい愛撫を続けていく。
糸の胸も股間も坂本の唾液と漏れた愛液、そして糸の溢れる愛液でぬらぬらと光っていた。

糸と坂本の絡みつきの隙間を狙うように、真が糸の口を横から塞いだ。
歯と歯がぶつかりそうな激しい舌のもつれ合いに、糸の精神が分裂しそうになっていく。
上の口で真を受け入れながら、下の口で坂本を受け入れている自分。
それでも糸の舌は、やっと届いた真の唇を責めるように彼の舌を求めて伸びている。
その理由は、ただただ体中に広がる快楽ゆえなのかもしれなかった。


糸は自分で自分の感情は愚か、体さえも抑制できなくなっていた。


真は後ろから糸を抱き抱えるように横から口を塞ぎ続ける。
前からは坂本が糸の両足を広げて濡れた下の口を露わにする。


無防備に開かれた濡れた糸への入り口に坂本が育ち切った自分をぬるっと挿入する。


「んっ・・・くっっ・・・・・・あぁぁぁっっ!!」


その行為に真との接吻を邪魔された糸は、仰向け倒れこむ坂本と繋がったままその上に重なるように倒れてしまった。
自分の上にのしかかる糸の重みと熱を確かめ、繋がりがほどけないようにするために坂本は糸の細い腰を下から抱き締めた。

「ああっっ!」
その行為によって糸の体の中に坂本が更に深く突き刺さって行く。

「んんっっ・・・・・・三浦ちゃん・・・・・・気持ちいい・・・・・・」

隙間の無くなった坂本と糸の股間から、坂本の腰の動きに合わせてくちゅくちゅと小さな水音がこぼれている。

「いやぁぁっっ!」

涙声だけで逆らう坂本に犯されている糸を、背中から真がそっと抱き締めた。



―――なに? なんで??



自分の中には坂本が入り込んでいるのに。
そんな自分を抱き締めてる?なんで?どうして?


真は背中から糸を抱き締め、さっきまで坂本によって独り占めされていた乳房を優しく強く揉みしだいた。


「やだっっ・・・・・・」

前から後ろから性感帯を攻められる糸は必死に抵抗するが、悲しくも何の抗いにもなってはいなかった。






真はふ〜っと糸の耳に熱い声をかける。




「オレに糸さんを全部ちょうだい?」


―――何を言っているんだ??

―――もう真とは何度も結ばれて 全てを見られて全てを捧げた筈なのに??


火照りまくる糸の脳内には真の真意が一筋も伝わっていなかった。



次の瞬間、真が入る事など有り得ない筈のもうひとつの後ろの入り口から自分の指を挿入する。



「彼があっちから入ったから、オレはこっちから入るしかないよね?」





―――こっちって?



――――――      まさかっ!?



真が糸の坂本にいじられている口の更に後ろの口に指を入れかけた。




「やっっxx!! やめろぉぉっっ!!」



糸の声の抵抗も無視して、真はその口に自分の愛液で濡らした指先をぐいっと突っ込んで行った。


「やぁぁぁっっっ!!」

その痛さに叫びながらも、その前の口への坂本から与えられる快感が入り混じって何がなんだかわからない。

くちゅっくちゅっ・・・という小さく恥ずかしい水音が、何処からともなく重なって聞こえ続ける間に
糸のもうひとつの初めてが、真によって奪われてしまっていた。



「・・・・・・ぅ・・・あっ・・・・・・!!」


感じた事のない後ろへの激痛と自分の中への違和感に涙以外は叫び声も出ない糸。
さっきまでの指とは全然違う、迎えている糸の小さな器に似合わない太すぎる真の存在感。


初めて受け入れる場所への気を失いそうな程の激しい痛みと
同時に感じている坂本からの陵辱による信じられない快感とが
入り混じっているせいでもあるのかもしれなかった。









―――こうでもしないと 糸さんを全部オレのモノにできないでしょ


―――坂本は糸さんを抱けたし オレは糸さんの最後の処女を手に入れた


―――そして糸さんは気持ち良かったでしょ?



















―――坂本のお陰で 糸さんの全てをオレのモノにできたんだ




―――オレ以外の男に感じる糸さんを許せないけど、そんなことはどうでもいいくらいに愛してる





―――だって 糸さんの全てを知っているのはこの世でオレひとりだけでいいんだから












4本の細いながらも逞しい腕に体中を翻弄されながら、
熱く尖った肉棒を2本、糸はその体の入り口全てを使って受け入れさせられていた。



体中をなで回されても、体中に吸い付かれても、
ただただ、涙と小さな嗚咽をこぼすのがやっとだった。



「・・・ぅっ・・・ぁっ・・・・・・」







「・・・・・・ゃっっ・・・・・ぅっっ・・・・・・」









自分の中へのふたつの通路をうごめく熱い生き物のような熱に、とうとう限界を感じ始める糸。










痛みと恥ずかしさと快感が同時に渦巻く海に投げ出されて。
















       ・・・・・・・あたし・・・・・・もう・・・ダメだ・・・・・・





















          オレと坂本の間で糸さんの意識が急に遠くなっていくのがわかった―――――



















          オレと坂本のふたりに同時に突き抜かれたままで・・・・・・―――――

























くすくすくすくす・・・・・・・・・






























     ―――これで糸さんは本当にオレひとりのモノになったんだよ?








































                          ・・・・・・・・・・・・・・・ねえ、本当の【にえ】はだれ?




















        ・・・・・・・・・・・・・・・・くすくすくすくす・・・・・・・・・・・・・・・





































<迷い道 ――にえ――>




























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