(また、同じ部屋で眠ることになるなんて…。)

真琴が糸の部屋に泊まるのは初めてではないが、妙に糸は意識してしまう。
悟郎と竜良にはバレていないが、竜矢と悠斗は真琴の正体を知っている。
糸の危機を救うために、真琴は二人の前で、男に戻ってしまったのだから。
真琴を男と知っていながら、真琴の潔さと糸への想いを知って、
兄達は真琴の宿泊を許してくれたのだ。

糸が過剰に反応するのも無理の無いことだった。

だが、それは真琴も同じだった。
好きな女を抱きたくない男など居る筈が無い。
まして、最大の難関と覚悟していた糸の兄達に許されての密室にふたりきりの夜…。
真琴はとうに決意していた。自分に正直になることに…。


ベッドに横たわる糸。
その傍らで布団に寝ている筈の真琴…。


突然、仰向けに寝ている糸の身体に覆い被さる顔、真琴!?、いや、男の真だ。
「ま、まこっ…!?」
糸が驚きの声を出す間もなく、真の唇が重なり、舌と舌とが絡み合う。
「んっ…!」
真の口の中へ吸い込まれるように、糸の舌が入り込む。
糸の身体の力が抜けて行く。
糸の舌が逃げると真の舌が追ってきて、糸の口の中をいっぱいに広げる。
真は糸の歯にまで舌を絡ませる。
「ふっ…!」
糸の頭の芯から、眩暈に似た官能が押し寄せる。
糸は強引なキスから逃げようとして顔を反らせようとする。
息苦しさに耐えきれなくなって、糸はふさがれた唇をなんとか離した。
「まこ、くるし…。」
糸の声が聞こえているのか、真は返事をしない。
そして、真の手が糸のパジャマのボタンを外すと、ノーブラの白い素肌がツルンと現れた。
「な、なにすんだ!?」
真はそのまま、糸のパジャマのズボンもそのまま降ろした。下着も一緒に。

「まこっ!?」
糸は恥ずかしさのあまり、どうしていいかわからない。
月明かりしか無いこの部屋で、この自分のあられもない姿を真に見られているのだから。
真は糸だけを裸にし、自分はパジャマを着ていた。
そして再び、糸の唇に唇を重ねた。
唇から首筋へ、耳へ、真の唇は優しくついばむように、触れる範囲を広げて行く。
次に乳房の裾から脇の下、乳首のまわり…。
真のなめらかな唇としたの動きに、糸はもう抵抗する力も無くなっていた。
真の愛撫は乳首だけを残して右の乳輪が終わると左へ移る。
糸は自分の胸に、今まで感じたことの無いもどかしさを感じていた。
真はまだ乳房を口に含んではくれない。
優しく乳房を揉みほぐす指でさえも、触れてはくれない。

「あっ・・・・・。」
糸は二度も三度も身体をひねり悶える。
そんな糸に真はもう一度、乳房の裾から乳輪をなめ始めた。
そして初めて、真の唇が糸の乳首をとらえた。
吸い立てられて、糸は熱い溜め息をつく。
鋭くて熱い感覚が、下腹部に向かって走った。
真は舌先をそよがせては吸い立てるといったことを何度も繰り返した。

真に乳首をいじられ続け、糸の下半身に官能の波がさわめき出す。
真の舌は右の乳首をなめまわすと、左へ飛ぶ。
そんな真の右手は糸の大事な部分をまさぐっている。
そこから糸の恥ずかしい液があふれて出てくる。
真はそこに長い指を静かに入れる。
糸は思わず腰を引いて逃げる。
だが真の指は追う。
糸の膣内になじませるように、ずっと入れたまま動かそうとはしなかった。

どのくらい経ったのか、真は糸に唇を重ね、糸に入れたままの指を少し動かした。
「あっ・・・。」
一本の指を抜き、二本にして、また入れる。
「あっ、まこ、いや・・・・・。」
糸は腰を振って逃げようとする。
真はさっきより少し奥まで指を入れると、先端が処女膜らしいものに当たるのを感じた。
少し力を入れて押す。
「くふっ・・・・・。」
糸はそのままずり下がってしまう。
真はもう一方の手で糸の腰を抱き、逃げられないようにして、もう一度、力を入れて押し込む。

「・・・痛いっ・・・・・、やだ・・・・・・。」
唇と唇の間から、糸のうめき声が漏れる。
「だいじょうぶ、力を抜いて・・・・・。」
真は糸の両足を立てさせ、両手を腰に回すと、指に替えて固くなった自分を注入した。
半分くらい入ったところで、真は糸のクリトリスをまさぐった。
糸はどんどん濡れて行く。
挿入された真のまわりに糸の愛液が溢れてくる。

真は自分を半分入れたまま動かさずに、糸に軽くキスをした。
「愛してるよ、糸・・・。」
「・・・うん・・・。」
そして、真は、糸の肩口をおさえて、一気に根元まで押し込んだ。
糸は初めての衝撃に声も出ない。
糸の熱が、真の熱が、激しく互いに伝わり合う・・・・・。
微かな糸の声。
「・・・まこ・・・。」
「ずっと離さないよ・・・・・。」
-------真は、力いっぱい、糸の細い肢体を抱きしめた-------。


「んっ・・・・・。」
真はふと目覚めた。
どのくらい眠っていたのだろう。
白々と夜は明けようとしていた。
糸の静かな寝息が、すぐ傍から聞こえてくる。
自分の腕の中で安心しきって眠る糸に、真はとめどもない愛しさを感じていた。
思わず、頬に口づけ、肩をそっと抱き寄せる。

「ずっと守るから、オレだけを見ててね・・・・・。」
糸の髪に、その長いしなやかな指を絡ませながら、真は糸の耳元で囁いた。


眠っている糸は、この上なく幸せそうな顔をしている・・・・・。


そう、もうすぐ卒業-------。そして解放----。



<<卒業前>>