「すごかったね・・・・・」
「色々な・・・・・」
「でもクリスさん、ホントにキレイだったよなー・・・・・」
―――――和装もなかなかいーもんだな
今日は竜矢兄とクリスさんの結婚式だった。
あのふたりの結婚については、本当に色々大変な事があったんだけど、
竜矢兄とクリスさんの強い想いが周りにも通じて、晴れて皆に祝福されての結婚式になった。
あたし達は、たった今疲れきって帰宅したところだ。
あたしは着替える真の後ろで、ベッドにぐったりと倒れこんでいた。
傍で一慶が鳴いているのが聞こえる。
ちゃんとお留守番できたか?
あたしは、もう真と籍を入れてるけど結婚式はしていない。
だからかな?
クリスさんの文金高島田姿を見て、ちょっとだけ羨ましくなって声に出てしまったらしい。
「・・・・・糸さんも結婚式挙げたくなっちゃった?」
「!」
聞かれてた??
「オレ達は一緒に住むのが先行して 式のことはあまり考えてなかったからね 劇団の方も忙しかったし」
「おい、あたしは別にそんなっ」
「そんな?」
「・・・・・」
こんな至近距離で手を重ねられ見つめられた状態で嘘がつけるほど、あたしは全然賢くない。
「・・・・・・・まあ そりゃいつか機会があったら いいなって思うけど・・・さ」
―――――ああ、もうっ!だからそんな目で見るなってばっ!恥ずかしいからっ!
「だからって無理すんなよ あーいうのは金がかかるんだァ!?」
「はいはい」
「聞いてんのか 人の話!!」
「聞いてる 聞いてる」
―――――絶対に聞いてないよな?こいつ?
それにしても、今でも真には迂闊な事が言えない。
言わなくてもあたしの顔を見ると、さっきみたいにすまして心の中を言い当てられちゃうんだけど。
でも悔しいから
(こいつはーっ!)と精一杯睨んだのに
いつの間にかベッドの上に座っていた真にお姫様抱っこされて、鼻にちゅっとキスをされてしまった。
―――――だーーーっ!またあたしの負けか!?
―――――ちゃんと聞いてるよ?
―――――バイト増やそっと♪
結婚式での竜矢さんとクリスさんを幸せそうに見つめる糸さんには、オレも気付いていた。
その優しい眼差しの中に、きっと彼女も気付いていない羨ましさも混じっているんだろうなと思ったら
ちょっと複雑な気持ちになったんだ。
だからこそ、何気ない糸さんの呟きに過剰に反応してしまったのかもしれない。
ムキになって責めるようにオレを見る糸さんが可愛くて、つい鼻に吸い付いちゃったけど♪
そうして今度はお姫様抱っこしたままで彼女の唇を求めた。
さっきのように怒った様子はもう全く感じられない。
柔らかくほの甘い彼女の唇の感触だけがオレの唇を刺激していた。
彼女もオレが求めるままに唇を僅かに動かしてくれる。
そうしながらも珍しく自分からオレの首に両腕を回して来た。
ホントに珍しい!どうしたんだろう?
・・・・・そんな仕草がとてもいとおしくて、彼女の上半身を支える左手に自然とぐっと力が入った。
これ以上力を入れたら、この細い肩が砕けるかもしれないと思うほど。
お互いに唇を求め合って息をすることすら忘れたように小さく角度を変えながら、オレ達は熱い舌を絡め合う。
繋がった口の中から唾液の混ざり合う独特の水音が聞こえてくる。
「・・・・・んっ・・・・・ふっ・・・・・」
微かな息づかいが、艶めかしい小さな声となってオレ達の顔の外に漏れていた。
「・・・・・んっ・・・・・ふっ・・・・・」
微かな息づかいが、艶めかしい小さな声となってあたし達の顔の外に漏れている。
―――――これはあたしの声?
時折耳に入るいやらしい音と声が自分から出ているなんて恥ずかしいと思ったけど、
彼とのキスがとても気持ち良くて堪え切れなかった。
背中を支えてくれる彼の腕の中という心地良さも手伝って、彼の首に抱きついてしまっていた。
いつもはこんなこと滅多にしないのに。
いつしか真の右手はあたしの足を離れて、顔に優しく、でも力強く触れてくれていた。
その指の感触も、あたしに彼の熱を感じさせる。
あたしの指も、真の柔らかくさらさらな金髪をさっきから気持ち良く絡ませているんだけど。
あたしの上半身の全てが彼を感じてどんどん熱くなって、
ささやかな胸の膨らみも自己主張するかのように大きく張って行く気がした。
―――――なんで今日はこんなに真を感じてしまっているんだろう?
「・・・・・んっ・・・・・ふっ・・・・・」
いつもとはちょっと違う糸さんの喘ぎ声が聞こえる。
もっともっとこんな可愛い声を出させたい。
そう思って彼女を顔を撫でると、いつも触れている筈なのに今日もたまらなく愛しくなってしまう。
引き締まった顔の輪郭を辿って首筋を通り、
ワンピースの上から片方の胸に手を当てて尖って行きそうな辺りを指先で強くこすった。
小さくだが、びくんと彼女の体が反応した。
―――――ここ、当たりだった?
その反応がまた可愛くて嬉しくて、思わずそのままぎゅっと握ってしまった。
・・・・・・ごめん、ちょっと痛かったかな?
―――――もうオレを感じてくれてる?
―――――もっとオレを感じてくれる?
まだ乱れていない彼女の長いスカートの中を
しなやかな長いその足をなぞりながら、オレの手が最後の秘境を目指して進んでいた。
オレの手のひらも彼女の滑らかな素足も、もうじっとり汗ばんで来ていた。
真の手があたしのお尻を通り過ぎて太腿に触れて来た。
下着の上からでも真の手の動きがわかる。
―――――やだ、もう汗で濡れてるんだからそんなとこにさわるなってっ!
ううん。本当は汗じゃないのはわかってる。
でも、やん、無理矢理足の間に手を入れないでってば。
もうこれ以上、締められないんだからー。
真の唇を離したくないあたしはそんなことを考えながら、
実は待っていたのかもしれない下半身への彼の強気な侵入に感じて始めていた。
指先を当てると、彼女の薄い下着の上からでもしっとり塗れているのがわかった。
そんなに頑張って内股に締めてても、下着の隙間からオレの指は簡単に入れちゃうよ?
―――――ほら♪
もうこんなに濡れてるじゃない、糸さん。
ほんのちょっとしか指を入れていないのに、ねっとりと彼女の体液が指に絡みついて来る。
オレを求めているに違いないその熱い粘液の感触が頭の芯を更に熱くした。
オレはたまらなくなって口付けをしたまま、彼女のワンピースの背中のファスナーを一気に下ろし、
その中のブラ共々肩から力任せにずり下ろした。
真が急にあたしの洋服を脱がしにかかった。
止める間もなくあたしの胸が露わにされてしまっている。
「・・・・・糸さん・・・・・」
突然解放された唇の向こうで名前を呼ばれたかと思ったら、
真の頭があたしの胸に埋まって来て、その体勢のまま押し倒されていた。
「いやっ・・・・・あんっ・・・・・・んぅっ・・・・・・・まこ・・・・・」
いつに無く強引な乳房と乳首への愛撫に、つい声が出てしまった。
真の手と指と舌に、さわられこすられつままれていると、もうあたしは何も考えられなくなって行く。
―――――なんでこんなに気持ちいいんだろう?
舌に吸い付くような彼女の素肌の感触がオレを狂わせて行った。
彼女の体を舐めつくしたい衝動にかられる。
―――――誰にも触れさせたくない。
―――――誰にも見せたくない。
さっきまで、皆の前でオレの横に並ぶ糸さんを思い描いて楽しんでいた筈なのに、どうしたんだろう。
―――――オレってこんなに独占欲が強かったっけ?
激しかったあたしの乳房への愛撫が急に感じられ無くなった。
どうしたのかと思ってうっすら目を開けたら
真琴の胸板が直に目の前に広がっていた。
―――――え・・・・・ ちょ・・・・・ちょっと??
見慣れている筈の彼の逞しい胸に圧倒される。
まこって意外と着やせするタイプなんだよな・・・・・・。
朦朧としている意識の中で何故かそんなことを考えていたら、
いつの間にか着衣を全部脱ぎ捨ててしまっていた真に、あたしの衣服も剥ぎ取られそうになっていた。
でも、もうあたしのワンピースはスカートのように下半身を隠す役目しかしていなかったから
簡単に脱がされてしまった。
そして、最後の一枚に手をかけられた時、思わず腰を浮かせてしまった。
真は何の躊躇いも無く、あたしの全てを彼の目前にさらけ出してしまう。
それを手伝うなんて・・・・・・。
あたしの頭と体は、恥ずかしさよりも彼を感じたい気持ちの方がずっと強かったみたいだ。
だって、素肌のままで彼と触れ合う気持ち良さを、
あたしはこの1ヶ月でいやと言うほどこの体に染み込まされていたんだから。
―――――まこ・・・・・ もっとあたしに触れて・・・・・
糸さんが下着を脱がしやすいように自分から腰を上げてくれた。
こんなに積極的な彼女は初めてだったから、驚いたけど嬉しかった。
そんな風に心も体も許して全てを見せてくれている彼女をもっと見たくて、
しっかりと閉じられた両腿をぐいっと押し開く。
「やだっ・・・・・」
声だけで抵抗する彼女の陰部は、ついさっき指だけで確かめた時以上にきっと濡れていたんだろう。
その証拠に周りの黒い茂みまでもがぬらぬらと光っていた。
オレは彼女の味をもっと確かめる為に、顔をそっと近付けて茂みの中の割れ目に沿って舌を這わせた。
「あんっ・・・・・ まこっ・・・・・・・ だめぇ・・・・・ 」
彼女がぐっと自分の汗で湿ったシーツを掴んでのけぞる。
なんて敏感なんだろう、糸さん、君は。
そうやってまたオレを欲情させて行くんだよね。
―――――可愛い人・・・・・
―――――愛しい人・・・・・
―――――大好きだ・・・・・
オレは湿った茂みの上の彼女の緩やかな腹部を執拗に舐め上げて行った。
彼女の汗とオレの唾液が彼女の白い体の上で混ざり合って、新しく濡れた道筋を作っていた。
その道程の先には、ふたつの尖った赤い丘がオレを待っている。
「やぁぁぁんっ・・・・・・ 」
彼女の内股に右足を割り込ませて刺激しながら両手で乳房を揉みしごいた。
その間も絶えず彼女の唇を求め続け、全身で彼女を犯そうといつしか必死になっていた。
こんなにしたら、彼女は壊れてしまうかも?と心配になってしまうくらいに。
くちゅ・・・・・ぐちゅ・・・・・・くちゅっ・・・・・・
オレと彼女の繋がった口から、重なり合った体のそこかしこから
唾液と汗と彼女の愛液がぶつかり合う水音が生まれていた。
ふと気付けば、彼女の内腿に割り込んだオレの足に彼女の両足がすり寄って来ている。
―――――感じてる?
―――――気持ちいい?
訊いてみたくても彼女の唇から離れられないオレの口は何も訊けない。
唇を求めている間に目に入る恍惚とした彼女の表情がその答えだった―――――。
真の足が手が唇が、全てを駆使してあたしの体も心も猛烈に狂わせていた。
あたしのあそこからは熱いモノがずっと流れ出し続けていて、
そこに埋め込まれて押し付けて来る真の足にも届いて彼の汗と混ざり合っているんだろう。
そう思ったら、口だけで彼と繋がっていることがもどかしくなって、
あたしは真の足を自分の両足でこすり合わせるように挟み抱き締めた。
―――――・・・伝わる? まこ・・・・・ 来て・・・・・・
この熱い体の中の芯をもっと鋭く突いて欲しい。
もっともっと燃やして欲しい。
真だけにそうして欲しい。
―――――もう頭の中もお腹の中もスゴク熱いよ・・・・・・まこ・・・・・・・
彼女への上半身への激しい愛撫をそのままに、
オレはもう実はかなり前からギンギンに大きくなっていきり立っている自分を
無防備な彼女の小さな深い池にずぶずぶと沈めて行った。
そこはオレを待っていたかのように、熱く締め付けながら滑り良く奥へ奥へと歓迎する。
―――――もっと・・・ もっと・・・・・・・ もっと彼女の中に・・・・・・
「んっ・・・・あっっ・・・・ふっ・・・・・・」
オレの唇で支配されているのに、その口から声を漏らしてしまうくらいキツイ?
それともイイの?
「・・・糸さん・・・・・」
オレとひとつになって、一緒に激しく動きながら眉をしかめた彼女に、
動きを止めないまま切れ切れに話し掛けた。
竜矢兄の結婚式で興奮していたのだろうか?
大きなベッドの上であっと言う間に真とこんなに激しくひとつになっている。
籍を入れて1ヶ月。
毎日のように愛し合っているけど、今日は何かが違う。
まるで初めて結ばれた時のように嬉しい。
全身に伝わる真の体温が心の底からうっとりする程気持ちいい。
あたしの中で激しく動きながら、真が話し掛けてくる。
「・・・糸さん・・・・・いつか・・・あんな風に・・・・・結婚式しよう」
「・・・だから・・・・・ 無理・・・しなくて・・・いい・・・・・って」
乱れた呼吸の下から絶え絶えに答えるので精一杯だ。意地悪。
「オレが・・・着て欲しいの・・・・・」
「・・・糸さんが・・・オレのモノだっ・・・・て事を・・・皆に見せたいんだ・・・」
(・・・真・・・・・)
汗ばんで弾む息を抑えながら、微笑んであたしに語り掛ける真の顔に愛しさが込み上げる。
―――――もうとっくにあたしは真だけのモノになったのに?
―――――こんなに真だけが好きなのに?
―――――まだあたしを求めるの?
「・・・あぁぁ・・・んっ・・・・ぅんっっ・・・」
声を出しながらのけぞって高揚した双丘をさらけ出す彼女の乱れた姿を見てしまったオレは、
彼女への腰の打ち込みを一層強くする。
「ああんっっ・・・・・はぅんっっっ・・・・・」
びくんっっ!と一瞬の痙攣の後に彼女の動きが止まると同時に、オレの動きも止まった。
オレと繋がったままの状態で脱力し、はあはあと息を荒くして顔を高潮させる彼女に耳元で静かに囁く。
「・・・・・・糸さん・・・・・イった?」
半ば正気に返った彼女が
さっきまでの乱れっぷりが嘘のように恥ずかしそうに頷く。
「可愛い・・・ 糸さん・・・・・」
オレは汗と涙で彼女の顔にかかった髪をそっと除けながら、ついばむようなキスを繰り返す。
彼女はオレの求めるがままに全てを委ねて与えてくれている。
そんな絶頂に達した彼女にもう一度火を点けることは容易かった。
まだうつろな目をしている彼女から自分をゆっくり引き抜くと、オレは彼女の上半身をそっと抱き起こした。
「・・・・・糸さん 手でしてくれる?」
そう言ってから、オレはまた彼女の顔や首筋に軽く何度かキスをした。
「・・・・・いい?」
「うん・・・・・」
彼女は恐る恐るオレの顔から下の方へ視線を下ろすとさっきまで自分の中にあった
オレの長い肉棒を両手で大切なモノを持つように優しく掴んだ。
彼女の熱がオレの今一番敏感な所に伝わって来る。
それだけでスゴク気持ちがいい。
それはあたしの手の中で熱くまるでそれ自体が生きて意志を持っているかのように脈打っていた。
あたしの愛液でぬるぬると濡れた真をゆっくり刺激すると、
たまらなくなったのか彼が甘い声を出した。
「・・・・・気持ち・・・いいよ・・・・・糸さん・・・・・。」
時折溢れ出す亀頭からの精液に指を捕らわれながら、あたしは彼への愛撫を続けた。
触れれば触れるほど、大きく膨れて感じている証をその先から噴き出す真。
あたししか見られないこんな真の姿に酔ってしまう。
いつの間にかあたしの口は、真の平らな胸を舐め回してしまっていた。
自分と全く違うその乳首を舌に捕まえて弄ることも楽しんでいた。
その間も休むことなくあたしの両手は真を愛し刺激し続けていた。
「もう・・・・・いいよ・・・・・」
「・・・え・・・・・まだ・・・・・?」
―――――まだ真は射精していない・・・はず・・・・・・・・だよな?
「・・・もう一回 していい?・・・・・」
「・・・・・・・・今度は糸さんがオレに乗って?」
「え・・・・・あ・・・・・・うん・・・・・」
一度絶頂を迎えてもなお真を求める今のあたしに断わる理由は何も無かった。
仰向けに横たわる彼の上にゆっくりとまたがった。
彼に裸のまま足を開いて乗るという恥かしさよりも、もう一度真を迎えられるという機会に悦びを感じてしまう。
大きく育ったオレの中心を彼女は自分の濡れた茂みの奥へずぶずぶと招いて行く。
「ああんっ・・・・・」
オレが奥へ奥へと進む度に糸さんの膣壁が歓喜の水音を出してくれる。
彼女は、自分の腰を軽く支えるオレの厚い胸板に両手を乗せて身体を上下左右に動かした。
彼女の体の中で包まれているオレがどくどくと大きくなって行く。
―――――・・・・・ああ・・・・・糸さん・・・・・・・愛してるよ・・・・・
彼女の恥部から溢れた愛液が汗を伴ってその内腿へ流れている。
それはそのままオレの汗と混ざり合って、
彼女とぶつかり合う茂みの中の恥骨から、重なり合う肌の隙間から流れ出していくのが、
流れた道筋の跡に一瞬冷たい空気を感じることでわかった。
静かに、だが情熱的に動く彼女の体の重さがオレの理性を飛ばし掛けていた。
・・・・・もうオレの我慢の限界が見える。
「・・・・・んぅっ・・・・・まこ・・・・・」
真の上で腰をほんの少し動かすだけで、
あたしはまたしても簡単に登りつめてしまいそうな快感に襲われていた。
ちょっと気を抜くだけで全身の力が今にも抜けそうになる。
でも、もっとこのまま真と繋がっていたい。
いつまでも彼をこのあたしの体の中にとどめておきたい。
―――――このまま離れたくない・・・・・
「・・・う・・・・・」
彼女の心地良い重さとを熱を感じていたオレは
目の前で揺れる彼女の乳房をおもむろにぐっと両手で掴んだ。
「・・・・ああんっっ・・・・」
予期しなかった行為に彼女が感嘆の甘い声を漏らす。
「糸さん・・・・・」
オレの指が彼女の尖った乳首をつまみ転がす。
「やぁぁ・・・・・ん・・・・・っ・・・・・」
「うっっ・・・・・」
悶える彼女の声を聞いた途端、オレの中から彼女の中に堪えていた全てが流れ込んだ。
オレがとうとう絶頂に達した後、彼女の体がしばし硬直した。
―――――糸さんももう一度イッてくれた? そうなら嬉しいけど
オレと繋がったまま、オレと同じくらい放心しかかっている彼女の細い腰をそっと支えた。
ほんの少しして、彼女は自分をオレからぬるっと引き離すと同時に、
横たわっているオレの隣りに崩れるように倒れこんだ。
濡れた汗で光りながらもしなやかな曲線を描くその肢体に、オレはぐったりしながらも眼を奪われる。
―――――なんて綺麗なんだろう・・・・・
「・・・・・糸さん?」
「・・・・・寝ちゃった?」
オレは横向きで倒れたままの彼女の顔にそっと触れた。
すると彼女はふっと眼を開け、仰向けになりながら斜め上から覗き込んでいたオレの首に抱きついて来た。
「・・・・・あたしは まことずっとこうして居られるだけでいい・・・・・」
「・・・糸さん・・・・・」
―――――オレだってそうだよ・・・
ほころんだ顔のまま、彼女の額に軽くキスを落とす。
「でもいつかちゃんとオレの隣りで花嫁衣裳を着せてあげるよ 待っててね」
「・・・まこ・・・・・」
照れくさそうに笑う彼女の表情には、
帰宅したばかりの時のような意地っ張りな影は、もう微塵も無くなっていた。
オレ達は静かに抱き合ったまま、いつしか快い眠りに誘われて行った・・・・・。
―――――何にも着てない糸さんの方が好きなんだけどね
「・・・・・ばーか」
――――――――聞こえちゃった?
くすくすと微笑む真の長いまつ毛が、今にもあたしの顔に届きそうだ。
真は今、こんなにそばに居てくれる。
「・・・・・大好きだよ 真 きっと ずっと・・・・・・・・」
―――――だけどいつか あんな風に 真のとなりで 純白の花嫁衣裳を―――――
<もうひとつの夢>
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