「糸さん!
今 隆世ちゃんと話してたのが見えて降りてきたの
大丈夫だった あの子?
まさかこんなに長く外にいるとは思わなくて
隆世ちゃんて熱出しやすいから気を付けないと・・・」
「なんだよ
隆世ちゃん 隆世ちゃんて
あたしはなんだっていーのかよ!!強くて
こっちは目障りだ離れろださんざん言われて
なのにあんな仮病女まんまと信じてふざけんなっ」
「糸さん!」
「あの子は本当に病弱なのよ
そんなこと言っちゃだめ
それに隆世ちゃん そんなこと言う子じゃないし」
静かに雨の降り出した校門の傍に立つ糸と真琴。
糸は、ほんの少し前に真の婚約者である隆世から宣戦布告されたところだった。
≪あなたはマコト君のなに?
秘密―――――バラされたくなかったら
彼から離れてね
あなたは目障りだわ 三浦さん
婚約者は私なんだから≫
それ故に真琴が隆世を弁護することが糸には辛くて許せなかった。
―――ドンッ!!
持っていた傘を無理矢理真琴に持たせる糸。
「糸さん?」
「あたしべつに彼女ってわけじゃないし?
隆世ちゃんは婚約者だもんな」
吐き捨てるようにそう言うと、糸はいきなり真琴の口を塞いだ。
いつもの糸とは全く違う行動にただただ驚く真琴。
少しだけ真琴より背の高い糸の力強いキスは、真琴が校門の脇に押し付けられるのに充分だった。
真琴の右手は無意味に傘を握り締めている。
その傘はふたりの頭上からとっくにそれて、本来の役目は何も果たしていなかった。
糸は心の底で隆世に強い憤りを感じていた。
そしてそんな隆世をかばった真琴にも怒りと悲しみを感じていた。
もう、自分でも抑えられないほど、熱く悲しく淋しく―――――。
「――――つっ!」
糸は自分でも何故かわからないくらい執拗に真琴の唇を求めていた。
まるで一言の発言も許さないかのように。
これ以上真琴の口から、隆世の名を聞かなくても済むように。
真琴はまだこの事態を把握できていないのか抵抗する様子は無い。
糸は突然、真琴の股間にスカートの上から手を置いた。
うっすらと開いていた真琴の目が見開かれる。
「!?」
糸はかまわず、スカートの上から本来女性ならある筈の無い膨らみをぐっと掴んだ。
「やっ!」
さすがに真琴は糸を押し退けようとしたが、唇は離れても不意に掴まれた股間からは手が離れない。
驚きと恥ずかしさで真琴の身体からは力が抜け、顔に赤みがさして来る。
「糸さん、やめてっ!」
真琴の声に糸の怒りは更に膨れ上がった。
「あんまり馬鹿にするなっ!」
糸は真琴を自分の身体でぐっと壁に押し付けた。
糸に急所を抑えられている真琴は逆らえない。
そして糸に触れられ続けている本当の真からは徐々に脈打つ音が聞こえて来ていた。
自分の手の中で少しずつ盛り上がって行く真に気付いて、糸はそっと手を離す。
「―――――あっ!!」
ほっとする間もなく、今度はスカートの中に手を入れられた真琴は声も出ない。
糸は女装する為に真琴がはいていたスパッツを途中まで引きずり降ろす。
すぐにその下に着けていた男物の下着も迷わず降ろした。
そして糸の手は、スカートの中とはいえ、無防備に外気にさらされることになった真琴の突起を直に握った。
どくんどくんと血の流れる音が糸の手の中にさっきよりも強く熱く伝わって来た。
糸はほてる真琴の顔にキスをしながら利き手で真琴のまだ柔らかい突起をしなやかな指でなめるように触っている。
「やだっ・・・やめて・・・」
口に出す言葉とは裏腹に今まで感じたことの無い不思議な快感に真琴は目を閉じる。
それでも糸に自分の秘部を弄ばれているという恥辱も計り知れなかった。
真琴の心の中に葛藤が生まれる。
糸はそんなことには全くかまわず真の性器がどんどん本当の姿に変化していくのを掌に感じていた。
もう随分固くなり、はっきりと姿を現した亀頭からぬめりのある液が溢れ糸の細い指に絡みついた。
「うっ・・・」
真琴の口から漏れる声が糸の耳に届く。
その声に促されるように糸は真への刺激を強く速くしていった。
「あっ 糸さん だめっ」
真琴からの制止を求める声に糸は激しく動かしていた手をふっと離した。
「んっ」
糸の手は真に触れるか触れないかギリギリのところにあった。
荒い息遣いで真琴が糸の顔を見る。
糸は怒ったような悲しいような複雑な顔をしていた。
絶頂に達しそうになっていた真琴はすがるような目で糸を見る。
「・・・止めないで」
糸は真琴に静かにキスをすると、その優しいキスとは反対にもう一度強く真の性器を握った。
もうすっかり自立した真の肉棒が糸の手の中でまるで生きているかのように脈打っている。
糸は自己主張する小さな真を包み込むように握ると、根元から亀頭へ、また亀頭から根元へと移動を繰り返した。
そして我慢できずに愛液を少しずつ噴き出している亀頭をなめらかな指で更に鋭く刺激した。
「・・・はうっ」
真琴が糸の両肩にぐっと手をかけてのけぞった・・・・・。
真琴のスカートの中の見えない糸の手は真の精液でべったりと濡れていた・・・・・。
糸の肩にぐったりと顔をつける真琴を糸は満足そうに見つめている・・・・・。
――――――真琴の夢はあたしが守る
――――――真琴にはあたしがついている
糸の中にそれまで気付かなかった真琴への独占欲が激流のように注がれていた。
いつの間にか勢いを増して降り注がれていた糸と真琴を閉じ込めるこの雨のように。
<雨の校門>
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