「それから、ちゃんと言ってきたぞ」
「?」
「もうあたしを名前で読んでいい男は、家族とまこだけだからな」
「そうだね」

真琴は微笑んで、糸を後ろから抱きしめた。

「あっ」
糸の口から声が漏れる。
真琴に抱きかかえられながら、不安そうに糸が訊いた。
「ところで、あたしら女子寮戻れんの?」
「朝5時までセンサー働いてるらしいよ。それまでここで待機だけど」
何事も無いように答える真琴。
そう言う真琴の右手は、もう既に糸の胸元にすべり込んでいる。

「まこっ!?」
顔を赤らめる糸の頬にキスをしながら、真琴の右手は奥へと忍び込む。
そして、やがて糸の柔らかな乳房を包み、指先がTシャツで見えない乳首をもて遊んだ。

「んっ」
思わず声を漏らす糸。
更に真琴の左手は、Tシャツの下からなめらかな肌をなぞり、無防備な反対側の乳首に触れた。

「あっ、やだ」
言葉とは裏腹に、糸の腕にはもう力が入らない。
どこかで真琴に触れられるのを喜ぶ自分が居たから。

真琴の唇が糸の耳に触れつつ、優しい吐息をかける。
「好きだよ」
糸は自分の総てが熱くなるような気がした。
「あたしも」
選択部屋の石鹸の香りと真琴の匂いが糸を包みこんでいた。

糸は何もかもを真琴に委ねていた。
そして、恥ずかしさに閉じていた目をふと開けたとき、目の前に居たのは優しく微笑む真だった。

「まこー!」

はだけた自分の胸も気にせず、糸は真の首に手を回して抱きついた。
そんな糸を真はぎゅっと抱きしめる。
真は糸に絡めた腕を緩めて口づける。
糸の口を開けさせ、舌を絡める。
抵抗しない糸に真はどんどん激しくなっていく。
糸の舌を自分の口の中に吸い寄せる。
(可愛い糸・・・・・愛しい糸・・・・・)
真の想いはとどまる所を知らないようだった。
糸を喜ばせつつ、真の右手は下へ降りていく。

「やっ」
真のしなやかな指が糸の大切なところに触れる。
そこはしっとりと濡れていた。
思わず、その周りに指を這わせ、下着の隙間から自分の長い指を一本入れる。
その途端、糸はびくんと反応した。
真は嬉しくなり、あらわになった糸の胸に舌を滑らせた。
糸はどんどん敏感になっていく。

「・・・・・オレを受け入れてくれるね?」
「・・・うん」
微かな声で答える糸。
真は激しく口づけをする。
糸はその気持ち良さに酔っていた。
もうとっくに真の指を自分の中に受け入れているのを忘れるほど。
真は、一旦糸から指を抜き邪魔な下着を剥ぎ取った後、改めて入れ動かす。

「あーっ!」
驚いた糸から声が出る。
痛みなのか快感なのかわからない。
そんな糸を抱きしめ、指を抜く真。
そして、自分をあふれる糸の愛液の中に滑り込ませる。

「はあっ!」
糸はのけぞってしまう。
自分が動いてしまうほど、真を感じていることに気付かないまま。
真は糸に中に入りながら、たまらなく愛しく感じていた。

「ずっと一緒・・・」

想いがあふれる。

「・・・もう糸さんしか愛せない」

真の動きが速く激しくなる。
糸は真の総てを受け入れ、感じる自分が幸せだった。
その証拠に、自分が濡れていくのが解る。
(あたしはこんなにまこが好きなんだ)
このままずっと離れたくない。
身体も心も重なったまま、ふたりは上りつめて行った。

「・・・ん」
真の胸で糸が目覚めた。
顔に真の甘い吐息がかかる。
体がだるくて熱い。
(今、何時だろう?)
時計に目をやる--4時--
糸はまだ眠っている真に視線を戻して微笑んだ。
時計が止まっていることにも気付かずに・・・・・。


<<合同夏合宿の夜>>