Wデート☆
籍をいれて1年が経ったある日曜日の午後、今日は劇団はお休みなので久しぶりにデートしようということになった糸と真。
どこに行こうかと話しながら2人はとりあえず、駅の近くをぶらついていた。
そんな2人を、喫茶店でお茶をしていた女の子がじっとみていた。
「あれってもしかして・・・。」
「どうかした?」
「今日はどこ行こうか?」
「そうだなー・・・。あそこは!?新しく出来たテーマパーク!!」
「糸さん遊園地好きだよね。」
「悪いかっっ!?」
「全然☆じゃあそこに行きましょうか、お姫様vv」
「おまえなぁ・・・///」
あいかわらず、恥ずかしいことでも平気で言ってしまう真の一言に顔を真っ赤にする糸。
「マコト君?」
「「え?」」
2人同時に振り向くと、なんとそこには・・・。
「やっぱり!!お久しぶり、マコト君、三浦さん。」
「た、隆世ちゃん!!?」
そこにはなんと、隆世が男の人と手をつないで立っていた。
「あ、もう三浦さんじゃおかしいわね。」
「いいよ、劇団では三浦だし。それよりびっくりしたよ。誰かと思った。」
「俺も。真って呼ぶ人少ないしね。高校時代の人はさんづけだし・・・。」
「真琴さんは男の憧れの的だったもんな〜。まだお前のこと男だって現実的に見てない奴もいるし(笑)」
「糸さん・・・それはいじめですか?;」
「クスクス♪あいかわらず仲いいわね。」
「まだ結婚して1年だしね★」
「ところで隆世ちゃん、その人はひょっとして彼氏?」
糸の問いかけに、それまで3人のやり取りをだまって見ていた男が口を開いた。
「初めまして、大道寺由良といいます。お二人のことは隆世からよく聞いてますよ。」
「私そんなによく言ってるかしら?」
「言ってるよ★」
由良はそう言って、笑っていた。
「マコト君達もこれからデートなの?」
「もってことは、隆世ちゃんもデートなんだ?(笑)」
「俺たちは、新しく出来たテーマパークに行ってみようって言ってたとこだよ。」
「テーマパーク?」
「ほら、俺がさっき言ってた・・・。」
「あ!!さっきの!?」
どうやら2人もそのテーマパークに行こうとしていたらしい。
「じゃあWデートでもします?」
「なんかおもしろそうだな♪」
「私そういうの1回やってみたかったの!!由良・・・だめ?」
「いいよ、隆世がいいなら。」
「ありがとうv」
そういってしばらく笑いあう2人。
「なぁ、私ら邪魔なんじゃない?;」
「・・・かもね;」
真の提案でダブルデートをすることになり、一行はとりあえず新しくできたテーマパークに向かった。
「あーおもしろかった!!次どれいく?」
「糸さん元気だねー。・・・隆世ちゃん大丈夫?;」
「大丈夫・・・っていいたいところだけど。」
テーマパークについてからというもの、立て続けに絶叫系に乗っていたので3個目を乗り終わったころには、隆世がふらふらになっていた。
「少し休憩しませんか?」
「そうだね。それじゃ、何か飲み物買ってくるよ。何がいい?」
「あ、じゃあ私も・・・」
「俺が行きます。えっと・・・三浦さんは隆世とここで休んでてください。」
「え?でも・・・。」
「隆世、飲み物何がいい?」
隆世は、ちょうど木陰になっているベンチに座って休んでいた。
「スポーツドリンク系がいい・・・。」
「ほんとに大丈夫かぁ?;」
そんな2人の様子を、少しはなれたところから糸と真がみていた。
「私より由良君が側にいてあげたほうがいいと思うんだけど・・・。」
「んー・・・まぁ、本人が行くって言ってるし。糸さんは飲み物何がいい?」
「オレンジ★」
「了解!!隆世ちゃんとおとなしく待っててねvv」
人の目も気にせず糸の頬に軽くキスをし、なにやらゴキゲンな様子で真は歩きだした。
「なっっ///こんなとこでするなぁ!!!」
さいわい(?)誰も見ていなかったが糸の顔は真っ赤だった。
糸の叫び声で真が先に歩き出していたのに気づき、由良が後を追いかけた。
「あっっ。待ってくださいっっ!!!隆世、ちゃんと休んでろよ?」
「うん。」
由良が走って追いかけるのと入れ違いで、糸が隆世の隣にやってきて座る。
「隆世ちゃん大丈夫?ごめん、いつもの調子で絶叫ばっかいっちゃって;」
「そんな・・・三浦さんが謝ることじゃないわ。でも次の乗り物はもう少し静かなのが・・・。」
「隆世ちゃんの乗りたい物行こう。私が乗りたいのばっかいっちゃったし・・・。」
「それより私、三浦さんに相談したいことがあるの。」
「私に?」
「あのね、三浦さんは真君とあの・・・その・・・。」
「何?」
言いにくいことなのか、なかなか言えだせずに同じような言葉ばかり繰り返していたが、
決心したのか一息で本題を言った。
「2人は付き合ってどのくらいでした?」
「・・・え?;」
予期せぬ質問に言葉を失ってしまう糸。
「したって・・・やっぱり・・・////」
この手の話には鈍感だった糸だが、一発で分かるようになっているあたり、少しは成長している。
「私たちね、付き合ってもう半年近くたつの。それでね?普通はどのくらいなのかな・・・って。」
隆世の顔は真っ赤になっていたが、糸も負けないくらい顔を赤らめていた。
「で、でもそんなの人それぞれだし、自分達のペースでいいんじゃ・・・///」
「わかってる。でも参考までに聞きたいの!!お願い!!こんなこと聞けるのあなたくらいしかいなくて・・・。」
「隆世ちゃん・・・。」
隆世の真剣な表情に、糸は観念したのか少し小さな声で話し出した。
「私たちの場合、状況が状況だったからなー・・・。うーん・・・1年くらい・・・?」
「あの条件の中、付き合うのも大変だったでしょ?」
「隆世ちゃんもライバルだったし?(笑)飯塚隆士が一番邪魔だった・・・!!」
「私の事を考えてくれるのはわかるんだけど・・・。」
「そういえば、由良君とのことは認めてんの?」
「多分・・・。もともと由良は真君の次に私が見合いさせられる相手だったの。もうお見合いはしないって言ったのにお兄様が・・・。」
「どうせ隆世の幸せのためだとか言って勝手に行動したんだろ(汗)」
「やっぱりお見合いしたくなくて、逃げ出したの。そしたら由良に会って、お見合い逃げ出してきたって言うから意気投合しちゃって・・・。
結局捕まっちゃって、その時初めて由良がお見合い相手だって知ったのよ。」
「お互い知らずにあって意気投合ねぇ。」
「きっかけはお見合いだけど、ちゃんと自分で見つけたの。」
そう言ってやわらかく微笑みながら話す隆世を、糸は優しく笑って見ていた。
すると、ちょうど真と由良がジュースを手に戻ってきた。
「おまたせ★はい、糸さん。」
「さんきゅ!!やけに遅くなかったか?」
「そう?それより、何かいい感じで話してたけど何話してたの?」
「え?べ、べつにたいしたことじゃないよ。」
「ふーん?そういうわりに、糸さん顔赤くなってるけど?」
「ああ!!もう!!いいだろ!?なんだって!!」
「隆世これでよかった?」
「うん。ありがとう。」
由良からジュースを受け取る時に隆世の手が由良の手に触れた。すると、由良がぱっと手をひいた。
「どうかした?」
「な、なんでもない!!気にしないで。」
「何か由良変よ?」
なぜか同様している由良を見て、真が笑いをこらえている。
「何!?男同士でなにかあったの!?」
「女の子には秘密♪ね、由良君!?」
「・・・///」
由良は顔を真っ赤にして、何も言えないでいた。
「まこ、由良君に何したんだよ;」
「何も。ただ付き合ってどのくらいでするのかって相談されたから、ラブホテルのタダ券あげただけ★」
「!?ごほっごほっ。」
糸の耳元で隆世には聞こえないように真がこっそり言った。それを聞いて糸は飲んでいたジュースでむせてしまう。
「大丈夫?」
「なんでそんなん持ってんだー!!!?ってゆーか、だけってことじゃないだろ、それ!!」
「劇団の先輩にもらったんだよ。たまにはちがうとこでやってこいとか言って。」
「どの先輩だ、どの!!?何考えてんだ、まったく///」
「大丈夫、2枚あるからvv」
「・・・いかないよ?」
何もいわない真に少し警戒心を覚え、隆世に質問攻めにされている由良に少し同情しながらだまってジュースを飲み干した。
それから4人は、おとなしい系の乗り物をまわった。
そして、あたりも暗くなってきたのでそろそろ帰ろうとしたときのこと・・・。
「由良、なんか落としたわよ?」
「え?あ!!隆世ストップ!!」
由良が隆世に静止をかけた時には時すでに遅く、拾って書かれている文字を読んでいた。
「なにこれ?ラブホテル、タダ券・・・。」
隆世は完全に固まっていた。
「・・・やばいことになってる?」
「そうなったらおまえのせいだぞ?(たぶん大丈夫だと思うけどな;)」
「それ、真さんがくれて・・・。でもべつに使おうとかしてたわけじゃなくて!!」
「・・・いいよ、行っても。」
「うん、だからごめん!!・・・え?隆世今なんて・・・///」
「いいよ?一緒に行ってもって・・・///そう言ったの!!」
隆世は真っ赤になった顔を隠そうと、後ろを向いてしまった。由良が、後ろから優しく抱きしめる。
「・・・本当にいいの?」
「うん・・・。だって、焦るってことは私のこと真剣に考えてくれてるってことでしょ?」
「え?」
「由良はそういう性格だもの。私、よく知ってるわ。」
顔をあげて、満面の笑みを由良に向けた。
「・・・なんか話こじれずにすんだみたいだよ?」
「なんかあの2人、初々しくてかわいいよねvv」
「誰のせいでこじれそうになったかわかってる?;って、急に何してんだよ!!」
邪魔しないように少し離れたところから隠れて様子をうかがっていた糸と真。そして、急に糸の腰に真が腕をまわした。
「やー、なんかあの2人見てたらさ。糸さんはなんにも思わない?」
「もう///・・・好きだよ、まこ。」
「俺も。糸さんのこと愛してるよ。」
2人は、どちらからともなく唇を重ねた。
「ね、糸さん。あの券今日使おうよvv」
「あの券?あ・・・;やだ!!私行かないからな!!」
糸は真から逃げようとしたが逃がしてもらえるはずもなく、真の腕の中で暴れていた。
「糸さんは俺としたくないの?」
「なっ///・・・したくないわけじゃないけど・・・。ああいうとこ行くの恥ずかしいんだよ!!」
顔を赤くして糸はうつむいてしまった。
(あーもー、かわいいなぁvv)
と、真はうつむく糸を見つめていると突然、糸が顔をあげた。
「真、ジャンケンしよジャンケン!!私が勝ったら家におとなしく帰る。真が勝ったら・・・。」
「ホテル行っていいの?」
「だってじゃないと絶対連れてかれそうだもん(汗)」
「ミニジャンケンゲーム?(笑)」
「てっとりばやく言うとそんな感じ。ジャンケンゲームっていうか命令ゲーム?」
「それじゃ糸さん・・・。」
「「ジャンケン、ポン」」
果たして、勝負(糸?)の行方は・・・。
「さ、糸さん。隆世ちゃん達のとこもどろ?」
「なぁ〜、まこ。ほんとに行くの??;」
「勝ったらいいって言ったの糸さんじゃない。自分の言ったことには責任とらなきゃvv」
「まこと〜;」
どうやらWデートはまだ終わらない様子です。
〜この後、4人は一体どこに行くのでしょう。〜
<<管理人より>>
表に置こうか裏に置こうか迷いましたが
私の独断と偏見でこっちで公開させていただきました。
作者さまには掲載後の事後承諾をとろうという確信犯でございます。
だって、もらったもんっ! ←そうなのか??
今や新しい【Wジュリ】同人作品はとっても貴重だと思うので
見せていただけて感激ですvv
と、勝手に喜んで勝手に公開させていただきました。
・・・・・・いーよね??
(2004.05.29)