LOVE FEVER







「でもまこってホントいつでも余裕があるから卑怯だよな」



キスされてベッドに倒れこんでしまった糸だったが上半身だけ起き上がって言った。



「そんな事ないよ。オレだって余裕ない時だってあるし」


「嘘だー!!」


「(そんな叫ばなくても…)嘘じゃないよ」


「じゃあいつ?」


「うーん…例えば糸さんとのHの時かな?」


「なっ…はぁぁ?何でそんな話になるんだ!?」



Hというフレーズだけで照れが全面に現れてしまう糸。



「糸さんが知りたがっているから言ったまでだよ。それに言葉を濁しても納得しないでしょ?」


「!…それはそうだけど…」



痛いトコを突かれて視線をそらした。



「で、でもさ!…そーゆー時でも…冷静だし……あたしに色々としてくれる…余裕があるし…」


「それは糸さんを安心させる為だよ。それに攻められる方がイイでしょ?」


「うっ……そうだけど……」


「オレでも糸さんと一緒になれた時は理性が崩れて腰が止まらなくなるし」


「………」



こんな内容でも笑顔でさらっと言ってのける真に糸は心では『それ以上言わないでくれ』と訴えつつも反撃する気すら失せて耳まで真っ赤になりながら俯くしかなかった。






「…でも…余裕のない…あたししか知らないまこを知りたい…」



不意に視線は合わさずにか細い声で呟いた。



「糸さん……」



シーツを握り締める手を見て糸が心から思っているのを察知し、その姿に鼓動が早っていった。



真はある欲望が浮かび、苦悩しつつも恥じらう可愛らしい姿を見て本能に従うしかなかった。



「……糸さん、オレの前に座って両手を出して…」



顔を上げると真っ正面に真が座っていて、訳は分からないが両手を差し出した。



その細い手首を優しく掴むと



「無理しなくてイイし、もし嫌だったら言ってね」


「う、うん」



何の事を言ってるかさっぱり分からない糸は預けたその両手を真に託し、託された真は繊細で細いその両手をどんどんと下げていった。



「えっ‥」



そこはズボンの上からでも熱を帯びているのがはっきり感じ取れた。



「糸さんを前にすると意識に関係なく体が求めてしまうんだ」


「うん‥」



スゴく恥ずかしいのに…でもなぜか視線をそらせなかった。



「それにこうなるともう自分を抑えるのが無理なんだ‥‥糸さん‥大丈夫?」


「うん」


「やり方は分かる?」


「うん‥昔‥大晦日に竜良の部屋の掃除を手伝った時に偶然Hな本を見つけて‥‥でも初めてだから上手く出来ないけど平気か?」


「糸さんがしてくれる事は全部嬉しいから‥お願い‥」


「‥分かった」



普段何でもこなせてしまう反面、人に頼む事をしない真が切なそうな顔で懇願してきたから今は恥じらいよりも嬉しさが勝っていて、真に満足してもらいたい気持ちで一杯だった。








全てが初めてな糸は全身に響き渡る鼓動に耐えながら黙って真の指示を待っていた。



ズボンを脱ぎ去り下着姿となった真は真正面に座ってもらう様言うと、俯いたままの糸の両手を再び取り自身へと導いた。



布一枚減ったせいかさっきよりも温かく感じる彼のに触れるとまずは下着の上からゆっくりと指の腹で上下に擦り始めた。



「まこ‥‥痛くない?」


「平気だから続けて」



恥ずかしくてとてもじゃないが顔は上げられないからコクンと頷くと手の動きを少しずつ速めた。



真にとっては嬉しくもあったが、増し続けてゆく性欲からの欲求としては物足りない気持ちが強まる一方だった。



「糸さん‥両手で握って」


「‥うん」



本人はさせたくない、言いたくなくても、もう快楽の入り口に入ってしまった彼は自らではコントロール不能と化してしまった。



痛くないよう軽く握って初めて彼の太さを実感した。



「(まこのって‥‥こんなに大きいんだ‥‥今でもたまに痛い時もあるけど‥‥‥スゴい‥‥)」



今まで勝っていた恥じらいも和らいできてそれよりも興味心が沸いてきていた。



「(っ‥‥私が触っているから下着の上からでも形も大きさも分かっちゃう‥‥体温も固さも思っていたより‥‥)」



そして無意識に彼の表情を見ると微笑んではくれたけどいつもとは違和感を感じた。



「(あれ‥もしかして‥まこ)」


「直接触って‥」


「えっ、う、うん!」



僅かだけど呼吸が乱れる真に言われて、ぼぉーとしていた糸は慌ててまた視線を下へと向けた。



それぞれの手を足を通す側から入れてついに直に握る事となった。



すると先程とは比べものにならないぐらいの熱さと血管を流れる独特の生の実感に思わず驚いた。



しかしすぐにこれも彼なんだと思うと愛しくさえ思えてきていた。



どうすれば気持ち良くなってもらえるかは分からないけど、まこが痛がらない様にゆっくりと扱き始めた。



少し経つとボクサータイプの下着の一部、つまり彼のモノの頂の辺りの色が少しずつ変わってきた。


糸>(これって‥‥濡れてる‥って言うのかな‥)


その濡れたシミが扱く度に僅かに広がっていく様に見入っていた。



「糸さん‥‥一旦待って‥‥」



茫然としていた糸は慌てて手を離し離れた。



そして真は下着を脱ぎ去った。



再び正面を向くと何も纏わない彼自身が目に入った。



初めて直面するそれは糸には衝撃的で頭で分かっていても、その男である事を主張し誇示する熱り立つモノには思わずたじろいでしまった。



「怖い?」



その表情を見逃さなかった真は素直に聞いてみた。



「違う‥‥違うんだ!ただ‥‥まこは格好良いけど‥男性らしい‥怖い部分を今まで感じなかったから‥‥それで‥‥でも安心した‥‥まこも男で‥そんな所もスキだから‥‥」



頬を紅色に染めながら微笑む糸は気付いてないが、真自身はさらに熱り立ち、すでに自らの欲望を吐き出したい衝動に駆られていた。



「ありがとう‥‥糸さん‥‥それで‥‥」


「分かってるよ‥‥」


「えっ?」


「いつも‥‥まこは‥‥本当は嫌でも‥‥あたしが痛がらないように‥‥してくれるから‥‥あたしも‥まこの為にしてあげたい‥‥」



さすがにお願いするのを躊躇していたが、彼女の意志を素直に受け入れた。



頭を撫でながらゆっくりと近付けると、それから感謝の気持ちから頭を撫でる事は止めなかった。



―ペロ‥チロ‥ペロ―



愛おしそうに両手で彼のを包む様に握るとまずは全体を小さな舌で舐めていった。



その鈍くも今までにない刺激は小さな電流が流れるかの様に真の体を駆け抜けた。



「‥‥っ‥‥んっ‥」



その刺激で真の呼吸は少しずつ乱れて、何かを耐える声の漏れと僅かな身震いは糸にも自然と伝わっていた。



先端や全体に舌を這わせながら真を上目遣いで見ると瞳は閉じて快感に集中し溺れている余裕なんて感じられない表情をしていた。



「(あっ、本当だ)」



自分の奉仕でついに真が言っていた余裕のない表情を見れた糸は嬉しさに心が踊った。



そして自分が主導権を握り、真を犯しているかの様な錯覚に感じ酔い痴れてきた糸の行動はさらにエスカレートして…



「はむっ‥‥んっ‥んっ」



彼自身を口いっぱいに加えると一気に上下に首を振り始めた。



「んんんっ‥‥!!」



突然訪れた予想外の刺激に体はビクンと前屈みになり限界が一気に近づいてきた。



実は糸は竜良に貸していたビデオを勝手に取りに行ったが間違えてアダルトビデオを持ってきて、興味本位で終始見てしまい、それが今に生かされていた。



小さな口はまるで彼女の中に挿入してるかと錯覚する温かさと気持ち良さがあった。



「はぁ‥‥い‥とさん‥っ‥‥‥歯が‥を当てない‥‥で‥‥っ‥‥」



ようやく口に出来たセリフも感じた声と乱れる呼吸で途切れていた。



初めてだからでも愛する人がしてくれているだけでもその刺激は敏感な快感となりやがて快楽へと変わりもう限界がすぐそこまで来ていた。



「んっ‥んっ‥ぁ‥んっ‥」



息も出来ず、大き過ぎて喉を付いて苦しくも真のセリフからもうすぐだと分かるとその刺激を緩めなかった。



―ジュジュ‥ジュパ‥―



唾液は口から滴れ続け、空気と水温が交ざる音が二人を甘美に刺激した。



「んっ‥‥はぁ‥糸さん‥‥‥もう‥離して‥‥‥」



もう彼の欲望はすぐ近くまで来ていた。



しかし一心不乱に続ける糸は離そうとはしなかった。




そして‥‥




「あぁ‥‥出る‥糸さん‥‥出るっ‥‥んんっ!!」



―ビュッビュッ‥‥―



ついに耐え切れずに糸の口内で放たれた欲望は次々と溢れ出てきた。



「んんんっ!」



喉の奥にいきなり来た濃い液体に思わず声が出たが、決して口は離さずに受けとめ続けた。



真の体と自身はビクンビクンと何度も波打ち、それでも欲望はさらに出続けた。



「んっんっんっ‥」



口いっぱいに溢れた液体を糸は止める事が出来ずに飲み込んでいった。








ようやく欲望を出し切った真は長く息を吐くと我に返り慌てて自身を糸から離した。



「糸さん大丈夫!?」



小さく咳き込んでいたが頭を縦に振り、どうにか平気だと伝えた。



「ゴメン、糸さん‥ここまでさせるつもりじゃなかったのに‥」



真は申し訳なさそうにうなだれていたが糸は優しく笑うと



「平気だよ。もともと言ったのはあたしだし、いつもされてばっかだから下手でも真に気持ち良くなってもらえて嬉しいんだ。」



その笑顔に真はいつも救われていた…今もそうであるように。



「スゴく気持ち良かったよ糸さん、ありがとう」



いつものキラキラしたスマイルに糸は自分のした事を省みて恥ずかしくて仕方なかった。






「じゃあ今度は僕の番だね」


「えっ?」



いきなり糸の背後に回ると下着の上から秘部をなぞる様に触った。



「はぁ‥んんっ!」


「糸さんも感じてたんだね」



糸の目の前で濡れた指先を見せた。



羞恥心からカーッと一気に全身が熱くなる。



「ち、違っ!?これは‥」


「さっきのお礼に今度は糸さんを気持ち良くさせてあげるよ」


「あたしはいいって!」


「オレだけに余裕のない姿を見せてね」


「それならいつも見‥あんっ‥」



そして今夜も糸は快楽に溺れていった…
























<<管理人より>>





惜しみない御寄稿、誠にありがとうございます<(_ _)>

糸さん渾身のリッピサービス!←言葉を選びなさい。

うふふふふふふふvv
素敵ですねvv

どんどん女として開拓されましょうね!糸さんv(私も坂本に負けないMな人?)

個人的に頂いた作品ですが、
もらったものは私のものなので(ジャイアリズムです)
思いっきり公開いたします。

糸まこ萌え、いくらあっても嬉しいですよね??

椎名さんは、私の万倍も創作がお早くお上手なので羨ましいです〜(≧∇≦)

これからも熱い世界を見せて、乾いた心を潤わせてくださいませvv


このお話はまこりんのお誕生日祝い用に頂いた訳ではありませんでしたが、
私が勝手にまこりんのお誕生日祝い用に隠しておりましたです。

ありがたいことです〜(^^ゞ



まこりん、お誕生日おめでとうなのです♪


(2006.09.18)