紅き烙印







空が微かに赤みがかった中疲れた顔をして校門をくぐっていく二人の姿。


「今日も疲れたね」

「そーだな」


会話だけを聞くと女性が男性に話し掛けたかんじだが実は性別は逆である。


「でも今日の糸さんセリフをよく噛んでたね」

「え?ちょっとね…」


言い終わるとクスッと笑ってみせた真琴に尻つぼみな回答をした。


それから少しの間互いに話はせずに帰路を進んでいき、二人が別れる十字路に差し掛かったその時。


「ねぇ、まこ!あのさ…明日…家に来ない?///」

「えっ?!」


不意を突く提案に一気に笑顔になっていった。


「大丈夫なの?」

「実は実家に帰る予定だったけど今日部活あるからってあたしだけ残る事になったんだ。だから…明日はまこの誕生日だし…無理かな?///」

「無理なわけないよ♪」

「本当!嬉しい!!」


喜びのあまり飛び付く様に抱きついた。


「(あっ、あたしったら)」


幸い人は歩いていなかったが、周囲を気にせず抱きついた行動を赤くなりながら反省した。


しかしそれを受けとめた真琴は…


「ありがとう。チュッ」

「まっ!」

「それじゃあ明日11時に行くからね」


抱き締め返して耳元で囁くと糸の頬に軽くキスをして手を振りながら遠ざかっていった。


糸は左頬に手を添えて恥ずかしくもあったが嬉しそうに笑った。





―ピンポーン―


「開いてるよ〜♪」


翌る9月18日、玄関のチャイムを鳴らした真が今の天気の様に晴れやかな気持ちで待っていた。


―ガラガラガラ―


「おじゃまします」

「はーい…うわっ!」


―ボンッ―


玄関を開けてもそこには糸の姿はなかったがすぐに彼女がどこにいるのかが爆発音と悲鳴で分かった。


―タッタッタッタッ―


「糸さん大丈夫!?」

「う、うん。どうにか…」


糸は腰を抜かして両手をついて首だけを駆け付けた真に向けて答えた。
一方無事を確認した真は原因を探ろうとしたがそれは明らかであった。


「これは何をしたの?」

「ゆで卵を作ろうとしたら急に爆発したんだよ」


電子レンジから微かに煙が上がって中は卵が破裂して表現しがたい状況になっていた。


「実は今日まこの誕生日だから手料理を作って驚かせようと思ったんだけど」

「(もう十分驚いたけどね)」


真に助けを借りて立ち上がった糸は電子レンジの掃除をし始めた。


―パカッ―


「あっ、これはおいしそうだね」

「ホントに!」

「イイ香りだし早く食べたいよ」


弱火にかけられている鍋の蓋を開けると今も小さな気泡を出し続けながら煮込まれているカレーの香辛料の香りが嗅覚を刺激して、食欲を一気にかきたてられた。


「悠斗兄に聞いたらカレーなら失敗しないだろうって言われたからね」

「なる程ね(さすが悠斗さん)」


焦げない様にと鍋をかき回してみたが、そこには大きさがバラバラな野菜やお肉が入っていた。
真は悪戦苦闘しながら料理をする糸の姿を思い描いていた。


「どうしたん?にやけた顔して」

「何でもないよ」


首を傾げた糸だが急に態度を変えて言いづらそうにもじもじして真に寄り添った。


「あとさ、今日実はもう一つプレゼントというか…///」

「何かな?」

「今日…あたしに…一日…好きな事…言ってイイから///…例えば…ほら!食べさせてとか……添い寝…とか///」


真のシャツの裾を掴みながらプレゼントの説明をして後半はフェードアウトしながらも恥ずかしさを堪えて伝えた。


つまりプレゼントの中身は“糸を一日自由に出来る権利”で真にとってはこの上ないぐらいのものであった。


「……本当なの?」

「やっぱり時計とか物が良かったかな?」

「ううん、本当に嬉しいよ♪」


糸は喜んでもらえた事で言葉にならないぐらい嬉しくて飛び跳ねて一通り喜んだ後鼻歌混じりで料理を再開しようとした。


「じゃあさっそく」

「えっ?……んんっ?!」


口元を緩めた真は一瞬にして糸の唇を奪った。


「‥んっ‥ん‥‥っ‥‥」


突然の出来事に油断していた糸の口内を犯す事は容易であった。


「‥はっ‥んっ‥‥ん‥‥ぁ‥はぁ‥っ」


糸は苦しさから唇を離そうとしたが真に頭を押さえられ出来なかった。


「んんっ‥はぁ‥ぁ‥んっ‥‥ん」


やがて解放された糸は頭はぽーっとして肩で呼吸をし、真を潤んだ上目遣いで見つめていた。


「なん‥で‥きゅうに‥?」

「自由にしてイイって言ったから」

「そうじゃ‥なくて」

「召し上がる前にいただきます言わなかったね」

「そうでもなくて!」


心のどこかでは嬉しく思い頬を染めながら不意打ちな行為に睨み付けたが真にはむしろ逆効果であった。


「じゃあいただきます」


糸の反撃をかわした真は糸の背中に回り込み、服の上から胸を揉みながら首筋や耳にキスしていった。


「ちょっと待‥ぅん‥‥っ‥んっ‥離せ‥んっ‥」

「離さないよ」

「だいい‥ち‥‥ごは‥んっ‥‥は‥」

「糸さんを食べてからにするよ」

「なに‥いっ‥‥て‥んっ‥‥ひゃぁ!」


突然直にお腹の横を指で伝う様に触れられ、くすぐったさもあり小さな悲鳴をあげた。


「さっきいただきますも言ったよ」

「でも‥ひぁ‥あんっ‥」


今はブラを外さずに上にずらして胸を直接揉み出していた。


冷静に話をしながらも愛撫は確実に糸の敏感なトコを攻めていた。


「ココ固くなってきたよ」

「あんっ‥んっ‥‥もう‥いじら‥ぁ‥ないで‥ぅん‥」

「それともこっちの方が好きなのかな?」

「えっ‥ぁ‥はぁぁん‥‥」


両手で乳房や乳首を刺激していたが、右手だけを下へと這わせて大事な所を下着の上から割れ目にそってなぞり始めた。
糸は口を半開きにし、呼吸はさらに荒くなり瞳は潤んでいた。


「実は僕からも今日だけのプレゼントがあるんだよ」

「え‥ぁ‥‥んっ‥‥なに‥はぁ‥ぁん」

「コレだよ」

「コレ‥ぁ‥んっ‥てっ‥」


机の上に置かれたのは一つの小さめな箱だった。


一見何気ない箱ではあるがアパートでの真との行為の際に必ず目にしていたから糸はすぐに分かった。


―クチュクチュクチュクチュ―


「ぁ‥ぁ‥んっ‥‥はぁ‥ぁん‥‥」

「大分濡れてきたね。指入れるよ」

「あぁん‥くぅ‥‥ぁん‥んっ‥んっ」


胸への愛撫を緩めずにもう意味をなさないパンティをずらすといきなり指を糸の秘部に挿入した。
腰をうねりながら立っている事さえままならない糸の中はもうぐっしょりと濡れていて愛液は太股を伝い床にはポタポタと滴れていた。


―クチュクチュクチャクチャ―


「ぁん‥ぁ‥はぁ‥はぁん‥」

「もう音が部屋中に響き渡ってるよ」

「ぁん‥んっ‥言わぁ‥ない‥で‥ぅぅん‥ぁん‥」

「でもさっきより溢れてきてるよ」

「いゃ‥ぁん‥んんっ‥はぁ‥あぁ‥‥」

「もう我慢出来ないよ」


糸の感じる部位を把握しきっている真の愛撫に愛液は先程より勢いを増して溢れ膣はヒクヒクと動き、もうすでに何かを望んでいるかの様だった。
すると糸の上半身を目の前のテーブルにゆっくり倒すと真はズボンのチャックを開け、自らの肉棒に器用にゴムを装着すると一気に糸の膣内に差し込んだ。


―ズチュ、ズズズズズ―


「くっ‥はぁぁぁぁん‥」





それからの糸は二人しかいない家のいたる場所で真にされるがままに様々なシチュエーションや命令を受けてHな行為を繰り返していった。


ここではあえて述べずに皆様の御想像にお任せするとしましょう。


そして最後はやはり糸のベッドで‥‥‥





「あん‥あん‥はぁ‥ぁん‥‥っ‥まこっ‥」

「はぁ‥はぁ‥‥糸さん‥‥」


二人の結合部からは糸の愛液が漏れだす水音と、真が腰を動かす度にぱんぱんと大きな音が糸の部屋に響いた。
すでに一箱がなくなるぐらい何度もしている為か糸の感覚は麻痺して全身が性感体と成していた。


「はぁん‥ぁん‥まこ‥ぁ‥ぁ‥気持‥ち‥イイ‥ぁ‥ぁん‥」

「嬉しいよ‥糸さん」

「ぁぁん‥ぁん‥ぁん‥‥まこぉ‥ぎゅって‥して‥」


真は何も言わずに糸に覆いかぶさると糸は襲い続けてくる快楽の波から逃れる様にすぐに力強く抱きついた。
その瞬間真の背中には電気が走ったみたいな痛みを感じたが、糸と同様に襲ってくる快楽の波に飲まれていった。


―ズチュズボッグシュズチュ―


「ぁん‥ぁん‥ぁん‥ぁん‥ぁん‥ぁん」

「顔が‥ツラそうだよ‥」

「ぁん‥ぁん‥気持ち‥イイ‥よ‥ぁん‥んっ‥まこ‥ぁん‥」


羞恥心がなくなった糸は濡れた瞳で真を見つめながら挿入に合わせて腰を振り続けていたが、今日もう何度目かさえ分からない絶頂が訪れており真の声は届いていなかった。


―パンパンパンパン―


「はぁ‥ぅはぁん‥ぁん‥ぁん‥もう‥イク‥ぁん‥イッ‥ちゃう‥よ‥ぁん‥」

「イイよ‥糸さ‥ん‥」

「はぁん‥ぁん‥ぁん‥んっ‥くっ‥‥いやっ‥ぁん‥ぁん‥ぁ、ぁぁぁぁんんっ!!」

「くっ‥んっ‥ぁぁっ!!」


糸が絶頂に達した締め付けに耐え切れずほぼ同時に果ててしまった。


「「はぁはぁはぁはぁ」」


二人は呼吸を整えるとそのまま眠りについてしまった。





そして次の日





「真琴さんどうしたのその傷!」


放課後の部活を終えた部員達は汗で濡れたシャツを着替えていた。


「何かに引っ掻かれた跡がついてるわ」


女性も憧れる程美しい肌に爪で付けられた“紅き烙印”が4本不規則なラインが痛々しく刻まれていた。


「(あれってまさか?!)」


美咲達の驚きの声につられて振り向くと昨日の行為で無意識のうちに自ら付けた痛々しい証が目に飛び込んできた。


「そ、それ、うっ!いたっ!!」

「ダメだよ動いちゃ!練習のし過ぎだよ!」


慌ててフォローしようと立ち上がったが、昨日のあまりにも激し過ぎた行為で腰を痛めてしまった事をすっかり忘れてしまっていたのだった。
ちなみに皆には真琴相手に格闘の練習の際に痛めた事になっているのだが。


「昨日頑張り過ぎちゃったみたいね。大丈夫糸さん?」

「ま!ーーーーーっ!!?」


少し遅れて近寄ってきた真琴に文句を言いたい所だったが全身を駆け巡る激痛に言葉にならなかった。
皆で糸を落ち着かせて座らせてからはまたさっきの傷跡に話題が戻った。


「でも真琴さんその引っ掻き傷は?」

「これは昨日親戚の家に行った時にそこで飼っている猫に引っ掛かれちゃったのよ」

「そうだったのね」

「でもその猫って狂暴なの?」

「そんな事はないよ。普段は皆に優しくて周囲を明るくしてくれる存在なの。でも私の前だと特別甘えてきて時々可愛いしぐさや鳴き声をしてくれるのよ」

「とっても可愛いね」

「昨日はいつもより相手したから気付いたら引っ掛かれちゃったみたい」

「でもその猫ってどことなく糸さんに似てるカンジがするね」

「〜〜〜///」


糸は声にならないくらいに恥ずかしくてとにかく誰とも目を合わさない様にする事しか出来なかった。





それから部活帰りに真のアパートに寄って先程のやりとりについてポカポカ叩きながら文句を言ったが、言った場所が誰にも見られない二人きりと悪く、謝りつつも反撃代わりに真は糸の腰を気遣いながらも溢れんばかりの愛を糸へと二日連続注いだらしい‥





Fin.





























<<管理人より>>








椎名さん、ようこそおいでくださいませvv
再度のご寄稿いたみりますですvv
こっちの水は甘いでしょう??(笑)

実は昨年のまこりんのお誕生日祝いにいただいておりまして、
表世界の【紅き刻印】と対になっている作品でございます。
エロ度一気にアップvv
嬉しい限りでございますっO(≧▽≦)O

すご〜〜〜く長い間、ひとりで楽しませていただいておりましたっ!
こんなサイトに快くこんな素敵な作品をご提供いただいて、
その懐の広さに敬服いたしますですっvv

糸まこ愛は今のところ不滅と言い放てる私ですので、
今後とも萌えのままにエロ炸裂をお待ちしておりますっvv

・・・・・相変わらずえげつない生き様ですみません。

またの甘い水の差し入れを、涎を垂らしながらいつでもお待ちしておりますっ(*'-'*)
ごちそうさまでしたvv





(2006.01.25)