★★★★ ビー玉の思い出[真ver.] ★★★★










「タイムカプセル・・・?」

「へー。鳴子西小学校ってのがまこの母校なんだ。」



糸さんがオレ宛の葉書を見ながら呟いた。



「ええそうなの。家にこんな葉書が届いてて。真、小2の夏休みにクラスで埋めたって言ってたわよね。」

「まあ・・・。」

「えー!すごー 面白そー!」



目の前にはわざわざ葉書を届けてくれた姉さんが座っている。

隣では糸さんが嬉しそうにはしゃいでいる。

家に帰って客が待っているのに気付いた時は少しだけがっかりしたが、

この暑い中わざわざ足を運んでくれる優しい姉には毎度頭が上がらない。

オレ達の数少ない味方だしね。しかし・・・



「埋めたのは覚えているけど・・・何埋めたのか?」

「明日で夏休みも最後だし、糸さんと行って来たら?」

「うん。(ナイスなアイデアだ。ありがと、姉さん。)」

「えっ?あたしはまずいんじゃ・・・。」



馬鹿正直な糸さんが異を唱えた。その遠慮してうろたえている姿が可愛い。

姉さんは何も言わないけど、目を和ませて糸さんを見ている。

オレの心情をよくわかってくれる理解のある姉だ。



「いいんだよ。オレが一緒に行って欲しいんだし。それに埋めた物を糸さんにも見て欲しい。」

「ほ・・・本当にいいのか?」

「いいの。明日 昼一時にアパートに来て。」



遠慮しながらもすごく行きたそうな糸さんは明日の約束を取り付けた後、帰路に着いた。



実家方面だから少し電車を乗りつながないとだめだな。駅からも離れているけど昼の一時に出発したら余裕で明るいうちに掘り出せるだろう。



姉さんがニコニコしながら糸さんを見送っている。



「もしかして家まで送りたかった?」

「え!?何言ってるの。真ったら。」

「悠斗さんとはその後どう?」



がっ!



「嫌だ。私達の事はいいから!真ったら。」



思いっきり背中を叩かれて息が止まった。本当にこの姉も可愛いよなあ。



「でも、やっぱり似てるわね。」

「うん?」



「ちょっとした仕草とか、他の人に対する気の配り方とか。」

「はい?」

「目元の優しさとか!」



頬を染めて夢見心地にのたまう姉を見て、先ほどの慈愛に満ちた眼差しを思い出した。

どうやら悠斗さんと重ねていたらしい。なーんだ。



自分の誤解に気付き、ブルーがはいったオレを尻目にアパートの中に引っ込んだ姉はグラスをまとめて洗い始めた。



「ああ、そんな事しないでいいよ。姉さんはお客様なんだから。」

「すぐだからいいの。」

「ん・・・じゃ、サンキュー」



姉がグラスを拭きながら、感謝するオレに微笑んだ。



「糸さんと楽しんできてね。仲が良くて、姉としても嬉しい限りだわ。」

「そう?姉さんの支援にはいつも感謝してるよ。」

「真は自分ではわかっていないかもしれないけど、今の学校に移ってからすごく丸くなったよ。」

「え?オレ太った?」



彼女が意図する意味はわかった上で、照れ隠しに冗談を言う。



「今みたいに冗談を返す事は昔はなかったしね。これも糸さん効果だわ。」

「え・・・。そこまでひどかった?まあ、あの父さんの下で冷戦状態だったから。」

「それだけじゃないわよ。真、友達もいなかった。」

「姉さん、何言ってるの?」

「手下みたいなご友人はいたようだったけど、あなた、彼らを友人として扱っていなかった。」



オレはドキーンとした。



「真、外では徹底的に冷たかったようね。あなたに嫌われたかもって言って内緒で泣きついてきた子、いたわよ。」

「姉さん。」

「まあ、こんな相談を受けたのはたぶん私ぐらいだと思うわ。年が一番近かったしね。それと、話しやすかったのかしら?」



ちらりとオレを見やる姉さんの視線にぎくっとした。今だから明かすけどってやつ?



「いくら姉でも私が口出しするような問題ではないし、その子達にしてもあなたにいじめられているわけではない。相談されても困る旨を説明してわかってもらったからいいのだけど。」

「うん。」

「可愛い弟がこのままでは冷血人間に育つのでは・・・って心配していたのよ。」



相談したのは誰だ!?オレは内心冷や汗をかいていた。

男か?女か?でも自分からは聞けない。それこそ墓穴を掘りそうだ。



「今の学校で糸さんという可愛い彼女と出会い、演劇に熱中する事によって真が良く笑う年相応な男の子になってくれて、本当に安心したわ。」



なにげにセーフかな?



「まあ、どちらにしろ。過去の話だし、あなたの中学時代の悪行三昧は私一人の胸にしまっておきます。」

「悪行三昧って・・・ひどくない?オレは単純に普通に学生生活を送っていただけだよ。」

「癇に障ったお友達を足腰立たないほど叩きのめしたり、ウザイから顔出すなって言い放つのが普通の学生生活?」

「う・・・。」



よかった。セーフだ。



少し説教モードになった姉さんのお話を大人しく拝聴して、オレは開放された。

しかし、オレに隠れて姉さんに相談するなんて・・・ふざけた奴らだ。

目の前にいたら、いじめそう。あ、でも名前まで聞かなかったな。





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「遅い・・・。」



翌日、オレは外出準備をした上で糸さんの来訪を待っていた。既に1時間も遅刻している。

なんの連絡も無く、こんなに遅れるなんておかしい。彼女の家に電話をかけるともう一人の兄、竜矢さんが電話口に出た。



「一時間位前に出かけたらしーけど?何か友達が迎えに来たってクリスが。」

「(友達が迎えに来た・・・?)あの、クリスさんと替わっていただけますか?」

「ああ」



車と賊(笑)の風体と行き先を聞き出し、オレは家を出た。とっさにそこまで覚えているなんて、おかしな言動は気になるがお手柄だ、クリスさん。心の中で感謝しつつ、先を急ぐ。





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E海岸では灯台の近くにいる糸さんはすぐに見つかった。ま、青いワゴンを見つけたらその近くにいただけだけどね。縄でぐるぐるに巻かれて身動きがとれなくなっていた。



何かしているようなので、後ろから近づき覗き込むと、空き瓶の切り口で縄を切ろうとしているのが見えた。

悪戦苦闘の結果として成功しそうだったけれど、この作業で手首に傷をつけているのに気付いたオレはかなりむかついた。



「はい、そこまで。」



後ろから手を出して、空き瓶を遠ざけながら彼女を戒めている縄を切った。



「真琴ちゃん!?」

「なっ」



近くの灯台の上から坂本とつぐみ先輩がこちらに気付いて声をかけてきた。



「糸さんを迎えに参りました。今日は私と約束をしてましたので。」



残った縄を解きながら灯台の上に声をかける。



「ちょ・・・っと、待ちなさい!!こっちは命懸けの勝負で決めてるっていうのに!」

「あんた、いつも糸くんと一緒にいて、今日位いーでしょ!?」



まくしたてるつぐみ先輩のただならない形相を見て、オレは糸さんを振り返った。



「・・・何の話?」

「あたしに聞くな。」



連中の後ろから時先輩も姿を現した。やっぱりこいつも一枚噛んでいたな。

坂本から「愛のゲーム」というふざけた話を聞いて、オレは即座に勝負に加わる旨を伝えた。全く!なんて奴らだ。糸さんの傷ついた手首を見るたびに怒りが沸き起こってくる。

こういった手合いは、連中が納得する方法で打ち負かさない限りしつこく絡んでくるのはわかっている。

すでに時間をかなり失っている。今日の計画はすでにボロボロにされている。

せめて小学校までは行きたいしね。



「バカ。まこがやる事ないって!」

「こうでもしないと皆納得しないでしょう?」



灯台の階段を上がりながら、後ろから追ってくる糸さんに説明する。

心配そうな顔つきの彼女もラブリーだな。こんな状況でないなら、抱きしめて離さないのに・・・。



「待ちなさい!」



階段を上がったら、つぐみ先輩が待ち構えていた。



「ずるいじゃない。後からやってきて突然参加なんて。飛び入りのバツとして目隠しもしてもらうわ!!」

「つぐみ先輩!?」

「あら、これ位当然でしょ。一番最後が一番有利なんだしィー。」



慌てた糸さんが反論しようとしても、我関せずのつぐみ女子。まあ、勝負をあきらめさせようという意図はよくわかりました。よっぽど、警戒されているようですね。



「・・・わかりました。」

「おい、まこっ!?」



糸さんの顔色が真っ青になっている。心配させちゃってるね。



「大丈夫。心配しないで。」



なだめるように告げると、オレは目隠しをして支柱の上に立った。下からの風に気をつけてバランスさえ崩さねば問題はないでしょう。海に面している断崖の上に立っているので、視覚効果がない目隠し状態の方が有利かもしれない。



支柱の上をバランスを崩さないようにスタスタと歩いていくと、端に着いたらしく、それ以上進めなくなった。これでは線も引けないね。手にしていた油性マーカーを手放して、目隠しを自分ではずすと、遥か下の断崖のそばを、海に向かって落ちていくマーカーが見えた。



「・・・すみません。支柱がここまでなので。」



マークできない旨を謝罪しつつ、振り返って、呆然とオレを見ている3人にニヤリと笑う。

支柱の上を移動して戻っていくと突然つぐみ先輩が腰を抜かしたように座り込んだ。



「私の勝ちで文句ありませんね?」



にっこり微笑んで告げる言葉に対する返答はなかったけれど、気にせず糸さんの腰に手を回す。さ、いこいこ。予定があるしね。あ・・・。



言い忘れていた言葉を思い出して、オレはもう一度振り返った。



「勝負に夢中になるのは勝手ですが、糸さんに怪我をさせておいて愛とか言うのはやめて下さい。」



よし、反論も無いな。反論しようがないだろうけどね。

満足したオレは糸さんの手を握って先を急ぐ事にした。





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電車を乗り継いで、鳴子西小にたどり着いた時には辺りは既に暗くなっていた。

あ〜あ、帰りにどっかの店に寄ろうと思ってたのに。



ゲートの上を乗り越えながら糸さんが心配そうに聞いてきた。



「大丈夫か。明かりなくて。」

「平気。埋めた所覚えているし。」

「いてて。」

「糸さんこそ、傷大丈夫?」

「平気だって。なめときゃ治るし。」



ん。そうかな。んじゃ、お誘いということで。

彼女の手をそっと取って手首の傷に舌を這わせた途端にぎゃあっと叫ばれた。



「ってお前じゃなーい!」

「そんな 思いっきり嫌がらなくても。」



糸さんの血の味がした。血なんて、自分のだろうが人のだろうが、同じ味かもしれないけど、なぜか糸さんのだとおいしく感じる・・・。ああ、やっぱりやばい。

埋めた場所にたどり着いて木の根元を掘り返しながらオレは糸さんの血の味を考えていた。



しかし、10年の間にこの木も育ったなあ。場所を正確に記憶していなかったら、まじでわからなかったかもしれない。



「この木の下に埋めてあるのか?」

「うん。」



ザクザクと掘り返しながら糸さんと話す。こうして近くで話せるだけで、本当にオレを幸せな気分にさせてくれる人だ。



「よくさっきの勝負。何の躊躇いもなく出来たな!」

「ま、物心ついた頃からこんな稽古させられていたしね。不思議と拳法の稽古は嫌いじゃなかったけど。」



目隠しバトルの説明をすると、糸さんが目を見張って驚いている。

ぽつぽつと昔話などを話すと黙って聞いてくれる。そのようにして、穏やかな時間が過ぎていった。



「あった。これだ・・・!」



子供特有のバランスが悪い字で[10年ねん後の自分へ]と書かれた紙が張っている球体が古いビニール袋に入った状態で出てきた。糸さんが嬉しそうにからかう。



「すげー。幼い字ー。」

「・・・。」



10年前の自分が未来の自分に伝えたかったもの。託したもの。

その球体からは青いビー玉が2個出てきた。他には何も無い。

10年も地面に埋まっていたわりには、ビニール袋や球体のプラスチック入れ物などに守られていたせいか驚くほどきれいな状態だ。でも、一体何を考えてこれをタイムカプセルに入れたのか謎だ。10年前のオレって何考えてたんだろう?



「・・・まこ、これ色違う!」

「? (青じゃなく)紫だった?」

「ううん。違うこれ、七色。」



驚いた目で糸さんを見上げるオレを一瞥して、もう一度手にしているビー玉を糸さんは満月に掲げた。



「てっきり、一色かと思ってたら光あてたら全然違うんだ。もしかしたら、まこもこんな風にさ、自分にも色んな色の未来があるって思ったんじゃないか!?」

「あ・・・そうだ。確か・・・!」

「やっぱり!」



オレは本当に驚いた。なんで本人よりも糸さんのほうが先に気付くんだ?

言われてみたら、そのように考えて、未来の自分に対するメッセージとした想いがうっすらと思い出される。



「さすが糸さん。7歳の心理がよく」

「どーせ、ガキだよ。」

「そうじゃなくて純粋。」



オレはもう一度糸さんを見上げた。



「・・・オレは家に対して反発ばかりしてたから、自分を抑えるのは上手くなったけど、そういう気持ちは忘れて来たと思うからさ。(自分の昔の想いとかね。)」

「・・・・?」



糸さんは妙な目でオレを見ていたが、オレの言っている意味がわからなかったらしい。



「なんだそれ。おまえ。夢に対する気持ちなんて今と大して変わんないじゃん。」



オレを眺めながらふんぞり返って腰に手を当てながら告げる。



「忘れてはいても変わってないだろ?」



呆然としているオレを見ながら、付け加えた。



「ん?あたし何か変な事言った?」



もう、この人は・・・、まじで嬉しくなった。彼女の腰に腕を回して引き寄せながら、オレは彼女がこの瞬間一緒にいてくれることに感謝していた。



「糸さんがいると落ち着くなー。」

「ちょっと待て!このシチュエーションは落ち着かん!!」



夜の小学校に無許可に入り込んでいるんだから、もうちょっと声を低めてほしいよね。

花壇の外枠に腰掛けながら、じたばたしている糸さんの腰を抱きながらオレは低い声でしゃべる。



「・・・ガラス玉、ひとつ持っててね。今度は二人で思い出を作っていこう。」



見上げると糸さんはにっこり笑い、深く頷いてくれた。



その顔を見ながら、オレは嬉しくて子供のようにはしゃぎたくなった。

勿論、実行はしないけどね。

10年前のオレ。報告するぞ。10年後にはこんな素敵な宝を見つけちゃったぞ。

オレが冷血人間になるのではと危惧していた姉さん。ご心配おかけしました。

オレは大丈夫だから。ちょっと糸さんが絡むとやばい心理状態になるけど。



ん・・・?



急に思い出した。糸さん、今日は縛られていたな。オレの気分は突然悪くなった。

ああいう事はオレがするならいいけど、他の人間にされるのは大変むかつく。



「今日、誰が糸さんを縛ったの?」

「え?」



今までほのぼのとしていたのに、突然のオレの急変ぶりに糸さんが固まった。

時間をかけたら緩みが出るような甘い縛り方だったから、時先輩ではないだろう。

たぶん、残りの二人だな。



「つぐみ先輩と坂本?」

「あー・・・確か、坂本とつぐみ先輩の共同作業だったと思う。時ちゃんは運転してたしね。」

「なるほど」

「えっと・・・まこ、目が据わっているんだけど。大丈夫?」



糸さんの手首を見ながらオレは呟いた。



「ねえ、糸さん。」

「なに?」



急に猫なで声になったオレにびびって糸さんが逃げ腰になっている。

勿論、逃がさない。彼女の腰をがっちりと捕まえている状態でオレは囁いた。



「告白するけど。」

「いやいやいや、無理な告白は結構です。おなかすいたね。そろそろここを出よう!」

「オレってすごく独占欲強いの知ってた?」

「ひー・・・っ、うっすらと気付いておりました。」

「そう。」



糸さんの手首をとって、先ほどの傷跡に再度舌を這わしたら、糸さんが飛び上がった。



「痛かった?」

「おま・・・これはもういいから何か食べにいこう。ここ出たら家に電話するから。」

「もう血の味がしない。」

「え?」

「傷は治っているのかな。血の味が消えた。」

「知るか。おまえがなめ取ったんだろー。」

「んじゃ、他の体液でいい。」

「えーと・・・もしもし、まこさん。落ち着いて。ひえっ!」



足をすくってひざの上に横抱きにされた糸さんがあわあわしているうちに口付けた。

何回も角度を変えながら、口付けた後、目を覗き込みながら呟く。



「今度、縛っていい?」

「まこ?落ち着こう。そのような変態さんではないだろう。」

「オレがしたことない行為を誰かが糸さんに対して行った事実に耐えられそうも無い。」

「ええっと・・・どうどう。」

「オレを馬扱いするなら、ここで犯すよ。」



ピキーンと糸さんが固まった。



「返事は?糸さん?」

「わかった。縛るだけだぞ!」



あきらめたように糸さんがわめいた。



「声が大きい。変態さんと思われちゃうよ。」



嬉しくて、再度唇を合わせ、舌を差し込んで糸さんの口腔内をしばらく味わっていたら、酸欠状態になった糸さんからストップがかかった。なんで、呼吸しないの?理解に苦しむ。



ま、とても幸せな気持ちでオレは小学校の敷地を後にした。

糸さんは顔を赤くしながらも複雑そうな表情でついてきた。



さてその後、糸さんが家に電話を入れた途端に、真琴さんも誘えという命令が下されて結局糸さんの家の夕食にお邪魔することになった。おかげさまで、再度服を着なおしたり、かつらをつけることになったが、まあ、いいや。



今後の楽しみが増えたな。







今度は二人で思い出を作っていこうね、糸さん。







― 完 ―















★★★★ ビー玉の思い出[糸ver.] ★★★★








「タイムカプセル・・・?」

「へー。鳴子西小学校ってのがまこの母校なんだ。」



あたしはまこ宛の葉書をわくわくしながら覗き込んだ。



「ええそうなの。家にこんな葉書が届いてて。真、小2の夏休みにクラスで埋めたって言ってたわよね。」

「まあ・・・。」

「えー!すごー 面白そー!」



まこの前にはわざわざ葉書を届けてくれた茜さんが座っている。

隣に座っているまこは詳細は覚えていないらしく言葉を濁した。

今日はまこのアパートに二人で戻ってくると茜さんが待っているのに気が付いた。

いつ見ても優しそうだなー。

この暑い中、わざわざ足を運んでくれるお姉さんに恵まれたまこは果報者だ。



「埋めたのは覚えているけど・・・何埋めたのか?」



こいつも物忘れしたりするんだ・・・。ちょっと意外である。

まこの記憶力にはよく驚かされているこちらとしてはびっくりしてしまう。

でもまあ、小学校2年生って言えば7歳の頃だしね。



「明日で夏休みも最後だし、糸さんと行って来たら?」

「うん。」

「えっ?あたしはまずいんじゃ・・・。」



いつのまにか、話の流れでそうなっている。

あたしは部外者だよ。まずいんじゃないかな?



「いいんだよ。オレが一緒に行って欲しいんだし。それに埋めた物を糸さんにも見て欲しい。」

「ほ・・・本当にいいのか?」

「いいの。明日 昼一時にアパートに来て。」



やった!楽しそうじゃないか!まこが卒業した小学校だ。

隆世ちゃんでさえ知らない7歳のまこ!7歳の彼が何を見て、何を考えて、何を埋めたのか一緒に見ることが出来るんだ!わくわくするな〜。



まこと茜さんが見送る中、あたしはルンルン気分で家路についた。





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実際のところ、昨日、まこのアパート前で茜さんを見たときは少しほっとした。



先日帰ってきた合同合宿中は楽しかったけど、ちょっと困る事も起こった。

勿論、合宿から戻ってきた後もまこは変わらず優しいし、色々と手助けをしてくれる。

竜矢兄とクリスさんの件などでも、付き合って色々と骨を折ってくれたし。



(くすっ・・・。)



いかん、クリスさんの言動思い出すとおかしくなる。どこで日本語習ったんだろう?

さすがの竜矢兄も振り回されているよな。でもまあ、うまく落ち着いてよかった。



まこは大好き。一時も離れたくない。

でも、時々ひやりとする程鋭い視線を感じる。これって前はなかったよね。

二人っきりになりたいのだけど、少し怖いって感じるのは甘えかな?



「あ、お出かけデスか?中佐!」



玄関から出たら門の近くを掃除しているクリスさんと遭遇。中佐はあたしの事らしい。



「うん ちょっと遅くなるかもだから夕飯いらないって兄ちゃん達に伝えといてください。」

「はい!」

「それと「糸」でいいですよ、クリスさん。」

「イケません!シショーのご兄弟。クリス無礼者!」



・・・。意味わかって言ってんのかな・・・。

うーん。謎だ。今度、腰を据えてお話したほうがいいかしら?

いや、考えてみたら竜矢兄が教えることだよね。あたしがでしゃばっても・・・。



「さてはデートですね!?」

「友達ですよっ。友達っっ。んじゃ行ってきまーす。」



やべ、妙に勘がいい人かも・・・と思いながら、走り始めたら何故か走ってきた車の中に引き込まれた。え?



車の中には時ちゃん、つぐみ先輩、そして坂本がいて、嬉しそうにあたしを捕まえた。



「よ。」

「久しぶり。」



なにィーー!?



「糸くんゲーット!さあ、E海岸にレッツゴー!」

「朝から出てくる所を待ってたぜ〜〜〜!」

「な、なっ、何のマネだああぁあ!」



つぐみ先輩と坂本がロープをあたしにかけてぐるぐる巻きにしていく。まじか、動けないぞ。何じゃこれ!?



「ほどけよ。何だよ!これは!」

「心配しないで、糸くん。これは愛の固結び。」

「話聞け!」

「騒ぐなって。俺達悪者みてーじゃん。」



これが悪者以外の何者というんだ?真琴と約束してんのにー。



気が気じゃないあたしを乗せて車は快調に飛ばしていく。

行き先はどっかの海岸って言ってたな。

もう既に遅刻だ。まこ、待ってるだろうなー・・・



しばらくして車を止め、エンジンが切られた時、潮風を感じた。



「ささ、外に出ましょう!」



縛られたあたしも一緒に外に出された。E海岸かよ!

こんな岸壁に灯台があるだけの場所で何をするつもりだ?この連中は・・・。



「愛と勇気の根性ゲーム」の概略を聞いた時はさすがにあきれたぞ。

灯台から出ている旗の支柱を命綱無しでどこまで歩けるかだって?

その支柱は岸壁に向かって伸ばされているんだぞ?気は確かか!?



「[愛]がつけば、何してもいーのか?」

「おう」

「素晴らしい響きじゃない。」



落ちたら死ぬぞ・・・。

見ているとトップバッターの坂本が歩いている時に他の二人が安全圏から「落ちろ!落ちろ!」とはやし立てながら石を投げている。一体、こいつらの妙な情熱はどこから出てくるんだ?

こんな訳のわからんゲームの賞品があたしなんて・・・冗談じゃない。

近くの地面に落ちていた割れた瓶を縛られた手で拾い、何が何でも逃げてやると考えた。

早く逃げ出して真琴の所に行くんだ!





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奴らがマーカーを記した位置について言い争っている間もあたしは割れ瓶の切り口でロープを少しずつ切っていた。結構頑丈なロープだ。時間がかかっているなあ。

もう少しで切れる!間違って傷つけてしまった皮膚がちょっと痛いけど、負けるか。



「はい、そこまで。」

「!?」



突然、後ろから左腕が伸びて、空き瓶を遠ざけながらあたしのロープをあっさりと切る。

右手は私の肩をそっと支えている。よく知っているオードトワレの香りがふわっと流れた。



「真琴ちゃん!?」

「なっ」



近くの灯台の上から坂本とつぐみ先輩がこちらに気付いて声をかけてきた。何で?どうやってこの場所がわかったの?泣きたくなるほど、あたしは嬉しくなった。



「糸さんを迎えに参りました。今日は私と約束をしてましたので。」



残ったロープを解きながら灯台の上に声をかける。



「ちょ・・・っと、待ちなさい!!こっちは命懸けの勝負で決めてるっていうのに!」

「あんた、いつも糸くんと一緒にいて、今日位いーでしょ!?」



まくしたてるつぐみ先輩のただならない形相を見て、まこはあたしを振り返った。



「・・・何の話?」

「あたしに聞くな。」



連中のアホなゲームの説明など馬鹿馬鹿しくてする気にもならない。



連中とは話したくも無いほどむかついていたあたしは早く本来の予定に戻りたくて仕方がなかった。でも、結局は坂本から「愛のゲーム」の説明を受けたまこは勝負に加わる旨を表明。ちょっと待て!



「バカ。まこがやる事ないって!」

「こうでもしないと皆納得しないでしょう?」



灯台の階段を上がりながら、まこから説明を受けるが、あたしは納得できない。

こんな馬鹿馬鹿しいゲームは望むものだけすればいいんだ。こんな危険なゲーム。

あたしはよっぽど心細い表情をしたらしく、まこは慰めるように振り返って微笑した。



「待ちなさい!」



階段を上がったら、つぐみ先輩が待ち構えていた。



「ずるいじゃない。後からやってきて突然参加なんて。飛び入りのバツとして目隠しもしてもらうわ!!」

「つぐみ先輩!?」

「あら、これ位当然でしょ。一番最後が一番有利なんだしィー。」



何を考えているんだ!まこが死んじゃうじゃないか。



「・・・わかりました。」

「おい、まこっ!?」



あたしは叫びだしそうになった。やめてくれー!!

目隠しに命綱無しなんて・・・いくら何でも真琴だって・・・。



「大丈夫。心配しないで。」



なだめるように告げると、まこは目隠しをして支柱の上に立った。くそー、石なんて投げてみやがれ。一生呪ってやる。あたしは息を詰めてまこを見守った。



固唾を呑んであたし達が見守る中、なんとまこはすり足ながらもあっさりと歩き、3人がマークした線も越えて、支柱の端まで止まることなく歩いていった。それ以上は進めない事を確認して立ち止まると、手に持っていたマーカーを落とし、目隠しを自分ではずした。



油性マーカーは遥か下の断崖のそばを、海に向かって落ちていく。その距離はゾッとするほど遠くだった。



「・・・すみません。支柱がここまでなので。」



マークできない旨を謝罪しつつ、振り返って、魂を抜かれた様にまこを見ている時ちゃん達にニヤリと笑った。あれは男に戻った時に時折り見せる笑いだ。

こんな時だけど・・・かっこいい。思わず惚れ直した。

支柱の上を移動して戻って来た時につぐみ先輩が腰を抜かしたように座り込んだ。



「私の勝ちで文句ありませんね?」



にっこり微笑んで3人に告げ、あたしの腰に手を回す。



「ああ、それと勝負に夢中になるのは勝手ですが、糸さんに怪我をさせておいて愛とか言うのはやめて下さい。」



その言葉を聞いた時、どきっとしてまこの表情を盗み見た。

微笑みながらも3人を見る目は冷たい。

あたしに怒っているわけではないけれど、かなり心臓に悪い不穏なものを感じた。

でも、同時にとてもとても幸福な気分になった。

この人は本当にあたしの事を見てくれているんだなぁ。

そしてあたしが聞きたい、知りたい言葉と行動をもって繰り返し思い知らせてくれる。

どんなにあたしを大事にしてくれているのか・・・。

泣きたくなるほどの眩暈と共にあたしはまこに握られた手を握り返しながら走っていった。





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電車を乗り継いで、まこの小学校にたどり着いた時には辺りは既に暗くなっていた。



ゲートの上を乗り越えながら心配になってまこに聞いた。



「大丈夫か。明かりなくて。」

「平気。埋めた所覚えているし。」



ほほう、何を埋めたのかは覚えていないが場所はよくわかっているんだな。

まこが支えてくれたので左手を伸ばした時、傷が引き連れて痛んだ。



「いてて。」

「糸さんこそ。傷大丈夫?」

「平気だって。なめときゃ治るし。」



・・・ってそこで、何で躊躇無くお前が舐めるんだ!

思わずぎゃあっと叫ぶと拗ねたように返された。



「そんな 思いっきり嫌がらなくても。」



しゃれにならない・・・。こいつの行動はやはり心臓に悪い。

Tシャツに着替え、かつらを取った姿はそのまま男にしか見えず、二人だけで暗い学校に侵入するとよけい意識してしまう。



あたしはまこが卒業した小学校を見た。明日は9月。ここにも又子供達が戻ってにぎやかになる事だろう。本当は明るいうちにじっくりと見たかったが、やはりまこがここに通っていたと考えると感慨深いものを感じる。



まこはどんどん歩いて、大きな木の根元をザクザクと掘り返し始めた。



「この木の下に埋めてあるのか?」

「うん。」



小学校の頃はどんな風だったのかな?ちょっと知りたいかも。



「まこさ・・・。」

「ん?」



なんて聞けばいいのさ?いきなりだしなー。ちょっと恥ずかしい。



「よくさっきの勝負。何の躊躇いもなく出来たな!」

「ま、物心ついた頃からこんな稽古させられていたしね。不思議と拳法の稽古は嫌いじゃなかったけど。」



だーーーっ。聞きにくいので逃げちゃった。まあ、いいか・・・。



目隠しバトルの説明とかされて驚いた。ポツリポツリと小さい頃の話をしてくれる。

真琴の過去は聞けば聞くほど厳しいものばかり。あたしがまこにしてあげられる事って何だろう?



「あった。これだ・・・!」



可愛い子供の字で[10年ねん後の自分へ]と書かれた紙が張っている球体が古いビニール袋に入った状態で出てきた。思わずからかった。



「すげー。幼い字ー。」

「・・・。」



ちょっと頬を染めている。うっ!可愛いじゃないかーーー!



10年前の「真」が未来の自分に託したものは2個の青いビー玉だった。

10年も地面に埋まっていたわりには、ビニール袋や球体のプラスチック入れ物などに守られていたせいか驚くほどきれいな状態だ。でも、一体何を考えてこれをタイムカプセルに入れたのかはまこも思い出せないようだ。ふーむ。



そのビー玉を覗き込んでいると、あたしはひとつ気付いた。



「・・・まこ、これ色違う!」

「? (青じゃなく)紫だった?」

「ううん。違うこれ、七色。」



まこは花壇の外枠に座った状態で驚いた目であたしを見上げる。あたしはもう一度手にしているビー玉を満月に掲げた。



「てっきり、一色かと思ってたら光あてたら全然違うんだ。もしかしたら、まこもこんな風にさ、自分にも色んな色の未来があるって思ったんじゃないか!?」

「あ・・・そうだ。確か・・・!」

「やっぱり!」



驚いてる、驚いてる。そのびっくり眼で呆然と見上げてくる姿が可愛くて、あたしはにっこりしてしまった。



「さすが糸さん。7歳の心理がよく」

「どーせ、ガキだよ。」

「そうじゃなくて純粋。」



何それ?



「・・・オレは家に対して反発ばかりしてたから、自分を抑えるのは上手くなったけど、そういう気持ちは忘れて来たと思うからさ。」

「・・・・?」



まこは時々変なこと言うよね。小難しく考えすぎじゃないかなあ?



「なんだそれ。おまえ。夢に対する気持ちなんて今と大して変わんないじゃん。」



竜良に教え諭す時の様にあたしはふんぞり返って腰に手を当てながら告げる。



「忘れてはいても変わってないだろ?」



あれ、固まっている。



「あたし何か変な事言った?」



少し身を屈めてまこの顔を覗き込んだら、急にまこが破顔した。あっと思ったら、腰に腕を回して引き寄せられた。なんてハヤワザだ。



「糸さんがいると落ち着くなー。」

「ちょっと待て!このシチュエーションは落ち着かん!!」



どうしたんだ!唐突だぞ。さっきまで呆然としていたのに。

珍しく、あたしがまこに教えてる感があって、我ながら嬉しかったけど、突然立場が逆転している。おかしーな。



にっこりと微笑みながら、まこは低い声でしゃべる。



「・・・ガラス玉、ひとつ持っててね。今度は二人で思い出を作っていこう。」



おう!望むところよ!まかせなさい。あたしはにっこり笑い、まこを見ながら深く頷いた。

あたしの腰に抱きつきながら嬉しそうなまこを見てたらこちらまで嬉しくなる。

まこの頭を撫でながら、幸福感に浸っていたあたしは自分のすきっ腹に気付いた。

きりのいいところでここを出ようかね。掘り出した地面はもうまこが土を戻して平坦にしている。さすが効率がいいね。そつが無い子だ。



「さて。」



地面に落ちているタイムカプセルやビニール袋を拾うためにまこの腕を解こうとしたら、逆に抱きしめられた。あれ?何となく離したくない意図を感じ、あたしはまこの表情を見やった。



「?」

「今日、誰が糸さんを縛ったの?」

「え?」



今までほのぼのとしていたのに、何故か表情が冷ややかになっている。あれれ?



「つぐみ先輩と坂本?」

「あー・・・確か、坂本とつぐみ先輩の共同作業だったと思う。時ちゃんは運転してたしね。」

「なるほど」

「えっと・・・まこ、目が据わっているんだけど。大丈夫?」



何この突然の危機感!?何で昼間の事を今頃むし返すんだ〜?

あたしは絶望的な気分になった。油断したぜ。



「ねえ、糸さん。」

「なに?(ヒ〜〜〜)」



第一種緊急警報発令!この猫なで声はかなり危ないぞ。

何とか距離を置きたいんだけど、腰をがっちり捕まえられている。逃げられないよ〜。



「告白するけど。」

「いやいやいや、無理な告白は結構です。おなかすいたね。そろそろここを出よう!」

「オレってすごく独占欲強いの知ってた?」

「ひー・・・っ、うっすらと気付いておりました。」

「そう。」



奴はあたしの手首をとって、先ほどの傷にゆっくりと舌を這わした。いて〜・・・この舌先の圧力は消毒というよりは自分の存在感を思い知らせるため?今にも傷自体にがっぷり噛み付きそうな緊張感にあたしは本能的に大きい動作を控えた。



「痛かった?」

「おま・・・これはもういいから何か食べにいこう。ここ出たら家に電話するから。」

「もう血の味がしない。」

「え?」

「傷は治っているのかな。血の味が消えた。」

「知るか。おまえがなめ取ったんだろー。」

「んじゃ、他の体液でいい。」

「えーと・・・もしもし、まこさん。落ち着いて。ひえっ!」



ぎゃ〜!気付いたら、まこのひざの上に抱きとめられて、そのまま唇を合わせられている。

何回も角度を変えながら、口付けた後、あたしの目を覗き込みながら呟く。



「今度、縛っていい?」

「まこ?落ち着こう。そのような変態さんではないだろう。」

「オレがしたことない行為を誰かが糸さんに対して行った事実に耐えられそうも無い。」

「ええっと・・・どうどう。」

「オレを馬扱いするなら、ここで犯すよ。」



うぎゃっ!やりかねない・・・。キャンプファイヤーを背中に受けながら、穿いてるパンツを下着ごと落とされそうになった思い出がフラッシュバックする。



「返事は?糸さん?」

「わかった。縛るだけだぞ!」



とにかく、まこを落ち着かせないと・・・あれ?



「声が大きい。変態さんと思われちゃうよ。」



まこはガラリと態度を変え、慈愛に満ちた優しい表情で唇を合わせてくる。まこの舌が侵入してきて、あたしの口の中を舐めまわす。う・・・歯列まで数えるな・・・。苦しい。

両手でまこの顔を押しやると奴は少しだけ不服そうにしていたが、機嫌はとてもよさそうだ。くすくす笑っている。



・・・それより現在の問題点はあたしの失言疑惑。言質をとられた気分だ。



さてその後、あたし達は小学校の敷地を後にした。

家に電話を入れた途端に、真琴さんを夕食に誘えという命令が下され、結局夕食は家で食べることになった。夕食はいらない旨クリスさんに伝言してたはずだけどなあ。

どちらにしろ、まこは快く了解して再度服を着なおしたり、かつらをつけた。





う・・・ん。やはり機嫌がよさそうだな。(汗)







ま、少々危ないまこでも好きな事には変わりはないからいいか。





今度は二人で思い出を作っていこうね。







― 完 ―































<<管理人より>>





さて、さっそくのおかわり、
隠し財産を勿体ぶりながら公開しております。
相変わらずケツの穴の小さい管理人でございます。

【Wジュリ】好きさんの数だけ、
いろんな糸まこの世界があるんだなあ……と、
改めてうきうきしますねwwしませんか??

勿論、その世界がこっちの世界であればあるほど、
私は諸手を挙げてお迎えするんですけどねヽ(^o^)丿

いえーいw
どんと来いです〜〜〜ぅ♪

いえ、プラトニックもありでいーんですよ(←抑揚の無い声でお聞きください)。

と、大ウソついてないで、
せっせと更新の準備をしたいと思います。

k.さまの糸まこが、いい感じでオカズになるので、
(なまら褒めてるんですよーっ!)
しばらく自分で創らなくてもいーんじゃないかしら?
みたいに甘えてますが、
今回も大作を頂戴しまして、ありがとうございましたっ(^○^)

ぬらぬらするお話は大好物ですっw

もう興奮して日本語が腐ってますので、退場。。。





(2013.01.25)