食卓に戻ってくると、煽情的な光景が広がっていた。
今日は節分。
クリスマスや元旦のような華やかさには及ばないものの、成田家でも慎ましやかに恵方巻きと節分豆の用意をしていた。
今日は二人とも深夜までかかるような仕事は入っていなかったため、食事の時間としては少し遅めとはなるが、
幸いなことに一緒に食事を摂ることが出来た。
そしていざ、西南西を向いて恵方巻きを食べようとした瞬間、真の携帯が鳴る。
幸い真は口をつける直前だったが、糸は豪快に恵方巻きに齧り付いていた。
「ちょっと出てくるね。」
とすまなさそうに伝える真に対し、習わしで喋ることは禁止されているため、目だけで了解を示す糸。
真はそんな糸の様子に少しだけ笑み、部屋から出て電話に出た。
電話の相手は皆川で、内容も明日の仕事の簡単な確認であったため早々に電話を切り、
愛しい人の待つ部屋へと戻って来たのだが……。
糸はまだ恵方巻きと格闘していた。
どうやら結構な大きさだったためなかなか食べ進められないようである。
しかし真の目には、目を閉じて、呼吸しづらいのか顔を真っ赤にして恵方巻きを頬張っている糸は、
もっと違う意味合いを持ってその姿が捉えられた。
そんな糸を目にしては真の悪戯心が芽生えるのは必然で。
口の中のものに夢中になっている糸の後ろに回り込み、柔らかい耳朶をそっと舐め上げる。
ビクッと振り向き、何か文句を言おうとする糸を制し、微笑みを浮かべて言う。
「ほら、糸さん、ちゃんと目を閉じて西南西向いてなきゃ。それに喋っちゃ駄目だよ?」
言いつつ、糸を元の体勢に戻す。
ここで止めればいいのに、ムキになるのが糸の性質である。
「こいつ……あたしの邪魔するつもりだ。ぜぇーーーったい負けねぇ!」
そしてそんな糸の性格を熟知している真。
糸が再び食べ始めたことに気づくと、糸のただでさえ弱い耳を執拗に愛撫する。
息を吹きかけ、咥え、甘噛みし、舐める。
それらの行動にいちいち身体を強張らせ反応を示す糸を愛らしく思いつつも、悪戯は止められない。
糸の着ている服の上からそっと胸を撫でる。
いくら糸とはいえ真冬のため幾分厚着をしているが、それでも敏感な身体は快楽を伝える。
撫でるだけでは満足しない手は、次第に揉みしだくように動く。
まさか真がここまでするとは思っていなかった糸は声を上げそうになるが、幸いなことに口は塞がれている。
と言っても、顔は呼吸のしづらさから真っ赤になっているし、完全に声を抑えるということは出来ない。
感じていることは真にもばれているだろう。
「……んっ……ッ……。」
喉の奥で声にならない声を出す糸に満足した真は、そこで密着させていた身体を引いた。
背中にあった体温が急に無くなったことを訝しがりながらもこれを好機と考え、糸は残り僅かとなった恵方巻きを飲み込んだ。
「あっ……あほかーーーーーーーー!!」
真っ赤な顔で真の方に向き直り、久々に新鮮な空気を胸一杯に取り入れられたせいもあり絶叫する糸。
それでも真のにこやかな笑みは崩れない。
それどころか
「だって一生懸命な糸さんが可愛いんだもん。」
と言う始末。
全く悪びれることのない真の様子に、糸はいつものことかと溜め息をつき、
「いいからさっさとお前も食え!でないと先に豆まきするぞ!」
と告げ、腕組みをする。
頭の中では、どうやって真の邪魔をしてやろうかと考えながら。
数分後、何をやっても動じない真の姿に脱力する糸の姿がそこにあった。
管理人より
美味しくいただきました。
ありがとうございました。
ごちそうさまでした。
私に贈って下さった時点に、曝される覚悟はあったと思いますので、
問答無用で公開させていただきます。
さ、みんなで今夜のオカズにしましょう♪(←友達居なくなる発言)
ところで、躊躇されたとおっしゃるセクハラ版も、是非拝見したいので、来年よろしくです(●^o^●)
個人的おねだりw
恵方巻きネタは私も描いてましたが、
それは成田さんちネタで、しかも全然間に合わなかったので、来年にします。(←鬼が笑う)
今年初めての裏更新も他力本願で、
今年のこの世界の行方が暗示られますが、
えろえろエロ〜いの書きたいです。
もちろん、みなさまのえろえろエロい妄想も、いつでも受け取る気満々ですw
(2010.02.04)