あの物語が
ば ばん
帰ってくる。
ばばーん
おきらくてきとーなファンタジーもどき和風小説、『魔王の世界征服日記』が新章の掲載を開始する!
その名も
「かわらないぢゃん!」
こらこら、へんなところでつっこみを入れてこないように。
「続編じゃないの?!続編だったらタイトル変えるでしょ!」
あー。
そんな事を言われても、タイトルを変えようがないし変える気ないしめんどくさいし。
ぶっちゃけ続きでいいよ続きで。
「そうでございますとも陛下、所詮この物語は魔王陛下が出てなんぼでございます。ま、タイトルに偽りはありますが」
実際魔王が世界を征服することはもうないんだし。
前回も別に世界征服を続けてた訳でもないし。その辺いい加減だったし。
「じゃぁ変わらないってこと?……納得いかないけどなぁ」
ぶすーとほおをふくらませるまお。
「しかしながら陛下。『新・魔王の世界征服日記』では偽りでございます。魔王陛下は決してもう二度と世界を征服することはできません。金銭的理由から」
「きんせんてきりゆうかー!」
少し違う。
「はたまた『魔王の世界征服日記 Type-R』では陛下の肉を削って軽量化せねばなりませんし、『魔王の世界征服日記S』やら『魔王の世界征服日記R』やらはぱくりになります」
「……だいいち、それってアニメ化を前提にした方がよくない?」
実際してみたい気もする。かなりまおが暴れるシーンをアニメで見てみたい。
声はけっこーねっとりしたロリ声が嬉しいかも。
「そうですな。ではやはり考えないのであれば『続魔王の世界征服日記』が一番適当かと」
「ありふれてるけどねー。でも今回は私主人公じゃないよ」
はじめからちがう。
前作は一応ナオが主人公のつもりだった。そうは見えなかったが。
もちろんメインキャラの中では一番押したのがまおだが。
「いえ?今回の魔王の世界征服日記、side-Aとside-Bがあるそうです」
「彩度絵とサイどび?」
頭の上に?をいくつもとばして首をかしげるまお。
「なんですかそれは。今回は、一つの時間軸に対してふたつの物語を別系統で書いていくそうなのでございます」
そう言う実験作品ということで。魔王はいつまでたっても実験作なのである。
「たた、たいへんだよ!そんなの!」
まおはばたばたと腕を振って叫ぶ。
「そんなことしたら絶対物語終わらないよ」
うるさい。終わらせてみせるよきっと多分。