まいとし毎年へんなことばかりやってる様な気がする3月3日。
 今回は騙されてないというよりも、雛祭りあんまり関係ないし。
 でも、本編とすこーしだけリンクしてたり。
 「今年はだまされてないよ」
 ひなまツリーに飾り付けしたり、リアル雛壇にリアルお雛様をかざってみたりした或る意味横暴な魔王。
 しかし、この日だけはやはり彼女もおんなのこなのである。
 一応。
「他の何かを騙してないか?」
 にこにこ。
 まおの隣に座り、何故かおちょこを持たされているナオ。
 見上げると美しい桜が舞い散り、もう春爛漫我慢ならんしんぼうたまらんというかんじ。そんなかんじ。
 ちなみにオリンピックはサマランチ。勿論名前はオコ。
「だましてないよー」
 とくとくとく。
 多分白酒だから大丈夫。
「……なんだか先月から俺納得いかない事が多いんだけど」
 その頃、サッポロ防衛軍司令部。
「良いから非常線を張りなさい、非常線を!なんとしてでもナオを取り戻しなさい!」
「みーちゃん、興奮して命令しない。司令官はわたし」
 じろり、いやぎろりと振り向くフユ。
 それを見てはぁぁと力無くため息をつく。
「全軍出撃!」
「だからわたしが司令だって」

 丁度同じ時刻。
「いいかてめーら!判ってると思うがナオには傷一つつけんじゃねー!んなことしたらオレが貴様らに血反吐履くまでしごいてやる!」
「あー、そのね、キリエさん?」
 何故か対魔軍の先頭で気勢を上げるキリエに、相変わらずのんびりした雰囲気のタカヤ。
 流石に冷や汗を額に流しながら彼女をなだめようとしているというか。
「なに」
「いや何じゃなくて、キリエ?何故君が先頭でしきってるんだ」
「……タカ兄がふがいないから」

  ぐさっっ

 再びまおとナオ。
 白酒ながら少し酔いが回ったような貌で、ナオは眉を顰めた。
「凄く嫌な予感がする」
「ままま、いーからぐーっとぐーっと」
 とくとくとく。
 まおの向こう側には白酒じゃなくて日本酒が置いてあり。
 側にいるシエンタとアクセラがまおの分の酌をしている。
「……大丈夫かなぁ」
 彼の予感は、北の果てで勃発していた。
 ナオの居場所に向けて、サッポロ対魔軍全軍が既に動き始めていたのだから。
「ナオ。今行くから」
「みーなごろしじゃーっ!」