この100回というのは奇跡でも何でもなく予定の数値。
 だからまーったくきにしてなかったんだけど、そう言えば連載で100って初だなと。
 ふつーに100回越えたら俺、スゲー量書き込んでるものだから……
「って、いきなりなにー!この背景っ!まじー!まじー!」
「そ〜の〜と〜り〜で〜ご〜ざ〜い〜ま〜」

  ばきぃっ!

 破滅の音が彼の首で響いた。
「まじーっ!」
 目尻に涙を浮かべて、真っ赤な顔で怒るまお。
「きせつはずれだよ!なにさ!何なのよ!」
 しかしへんじがない。ただのししかばぶーのようだ。
「……ししかばぶー?」
「いえ、冗談ですが」
 いきなりまおの背後から再び現れるマジェスト。
 びくっとおどろいて、飛び退いた時にマジェストの恰好をして倒れたししかばぶーを踏んでしまう。
 ちなみにししかばぶーというのは、串に刺した巨大な焼き鳥のような料理である。
 結構おいしい。
「冗談はさておきですね。100回記念のTOPなのでございます」
「……にしては感謝感激とか、そう言うのじゃないのね。なに?このやたら暗いのは」
 そう。今回は真っ黒の背景がよく似合うのである。
 赤文字も必須である。
「致し方ありません。今回でコミカルなライトファンタジーであった魔王の世界征服日記は、ついに……」
 マジェストは眼鏡を外して、くっ、と言いながら右手で自分の額を押さえる。
「ついにライトファンタジーに昇格してしまいました」
「えと。……それって昇格なの?」
 小首を傾げるまお。まあそうだろう。それだけ聞いたって昇格には思えない。
 ちなみに私も判らない。
「ええ、そうでございますとも陛下。これで今後はライトファンタジーなのかコミカルファンタジーなのか迷う必要性はございませんぞ」
 確かに読者も困らないだろう。というか、私が重要なのは検索エンジンへの登録の際にジャンルが細かく分けられていることで困るだけなんだが。
 まおは呆れてジト目でマジェストを睨み付ける。
「それでなんでこんなに暗いのよ」
 マジェストははっとして、眼鏡をかけなおしてぱちくりと二度瞬く。
「陛下。……ファンタジーはダークな物で御座いますよ。『イコのクラスと。』しかり、『正鵠1092シリーズ』といい」
 イコのクラスと。は、主人公井子の級友と共にファンタジー世界に飲み込まれて級友同士で殺し合うという悲惨なもの。
 正鵠1092シリーズとは、敵味方関係なく真実その物ズバリを突く言語系攻撃を兵器化するファンタジー世界での冒険を書いた物である。
 つまりどちらも、まあ要するに皆殺し系。
「まじー。それってさ。『ダーク系』に属するものじゃないの?」
 はっ。
「では今後魔王の世界征服日記はダークファンタジーに昇格でございますね」
「させるな!」
 もう一発ぴこはんがマジェストの頭蓋に命中する。
 16トン※と描かれているのはお約束である。
「と言うことでうちのマジェストが非常に馬鹿な真似をしました。ごめんなさい」
 ぺこり。
「もう、元に戻すからね」
  ↑いうまでもないけどクリック!


※無駄なマニア判定
 16tと表示される台形の分銅の正体を知っているひとはゲーマーです。
 またカルトゲーを思い浮かべればきっとディープなマニアです。 きっとどくでんぱでできています
 でも出典を調べていくと突き当たるモンティパイソンを知っていれば流石になります。
 あなたは流石でしたか?