ガンダムカフェ、行きました。
 そんな勢いで思わずやっちゃった作品。

萌えよ!人民よ!

「我々は今、この投票を結集し、防衛軍に叩きつけて、初めて真の勝利を得ることができる。
 この勝利こそ、敗北者全てへの最大の慰めとなる。
 人民よ萌えよ!悲しみを怒りに変えて、萌えよ!人民よ!
 我らまおう国人民こそ選ばれた民であることを忘れないでほしいのだ。
 ゆーりょー種であるわれらこそ人類を救い得るのである」
 まおは上機嫌だった。何故か演説ぶっちゃうほど。
「というのも、既に逃げ切りがおおよそ確定したからでございます」
 まじーは眼鏡をきらりんと輝かせると、少し顎をなでてふむと唸る。
「現在の所、魔王陛下、フユ将軍、私の順でございます」
「なんでだ」
 何故か何処かで見た軍服姿のまま、まおは振り向きざまに鋭く突っ込みを入れて、マジェストの語りを止めてしまう。
「何で、ですと?今何でだと仰いましたね魔王陛下!魔王陛下!」
「にかいいうな」
 くい、と眼鏡を中指で押し上げてお説教モードおん。
 でも別にお説教する訳じゃなくて。
「ふふふーん、この私マジェスト=スマートと言えば、この魔王軍屈指の」
「色物、かつ狂言師」
 ぐ、と珍しくマジェストは言葉を詰まらせて苦虫を噛みつぶす。
「いやさ苦虫程度この私の無敵の奥歯にかかればっ」
 何故か意味不明な叫び声を上げて大きく腕を振るう。
 無意味に元気である。
「でもーあれだねー。メインキャラ三人で張ってるってのはジャンプ系だね」
「確かにそうでございますなぁ。登場回数と表向きに張ってる性格のせいではないでしょうか」
 まおVSフユの構造は欠かせないし、外せない。
 まおが居たら必ずマジェストの姿を見逃すなって感じである。
「……何故ナオがこんな扱いなんですか」
「っ、でたな神出鬼没ショートカット吊り目女!」
「魔王陛下、罵っておりませんぞそれでは」
 今回のフユは巫女装束風言霊師最凶装束である。
 しかも言霊扇を両手に携えている最凶装備である。
「――この装備であれば確実に殺しきってみせましょう」
「まー、まてまてっ!まてったらまて!そこだよそこ、そう言う性格が、読者受けをはずすんだよ?」
 いや、まおには悪いがそこがいいらしいぞ。
 ちなみに私もフユが一番お気に入りだったりするんだが。
 あ、まおの顔に縦線が走った。
「にやり」
 フユの勝ち誇った表情に、まおの『がーん』という貌。
「まあまあまあ。魔王陛下、私はいつまで経っても魔王陛下の元で参謀を務めさせていただきますぞ」
「なぐさめてない」
「というわけで、死になさいナオの敵!」

  ひゅ か

「わわわっ!こらっ!」
「五月蠅い黙れ!」
 ばたばたと駆け出すまおを追うフユ。
 そして、それを見送るマジェスト。
 彼はため息をつくと、両手を上に向けて肩をすくめるとノートパソコンに向かった。
「〜〜♪、二人のいないうちに」
 かちかち。
「自分で投票するな!」