在りし日のこと。
 ある日、それを見つけた時の衝撃と言ったらなかった。
 ……なぜだ。

 ぺこり。
 まおがいつもの袖無しワンピースを着た格好で、ぺたんと正座して頭を下げる。
「この度は魔王の世界征服日記をごらんにわざわざお越し頂いてありがとうございます」
 後ろにはいつもの如く、マジェスト=スマートがぬぼーっと突っ立っている。
「魔王陛下、陛下のために来てるとは限らないのですが」
「五月蠅い黙れ」
 後ろで突っ込みを入れるマジェストを一睨みして、再び正面を向く。
「来る5/23(SAN)、ぶんぶん!8に参加します」
「予定だったオフセは流してしまいましたが、魔王まおの世界征服日記がでます」
 まおに続いてマジェストは言う。きらりんと眼鏡が光る。
「カラー表紙とかはないけど、それは次回以降だけど、一応でます」
「余った既刊も総て持っていくので、是非この際在庫処分にご協力下さい」
「うるさいだまれ」
 まおはもう一度一睨みして、正面を向いて小首を傾げてにっこりと笑う。
「『Project Hena-CHOCO』で……って、あれ?」
 茶色いクラフト封筒を逆さまにしてぶんぶんと振ってみる。
 サークル通行証、サークル参加案内、見本誌用シール。
「……スペースが判らない?!」
 愕然。
 いや、かくいう私も愕然。
「ちょっとまってよ!これじゃ宣伝どころじゃないじゃないの!」
 ぐっと握りしめた拳をぶるぶる震わせるまおに、マジェストはふう、とため息をついて肩をすくめる。
「それ以前の問題です、魔王陛下。会場に着いたは良いが、店開きすることが出来ませんぞ」
 がーん。
 そんな感じに打ちひしがれるまお。
「そ、そんなぁ……いや、会場に行ったら素直にスタッフに聞けばいーんだ」
 そんなはた迷惑な。
 カタログ買えよ。
「まあ、カタログを予約購入しなかった奴が悪いんですが」
「そ、そーよ!私が悪いんじゃないやい!」
 いや、誰もまおが悪いなどとは一言も言っていないが。

 かまた文芸ジャンボリーぶんぶん!8は5月23日(日)11:00〜15:00!
 もしかするとHAL氏がこられるかも知れません。多分。