がかっ
なんだかそんな音を立てて、稲妻が走る。
「……ぶらふ?」
「はい。よろしいですか?ごーるでんたいむというのはどういう時間でございますか?」
ゴールデンタイム、通称金色の時間。
「『誘おう、私の世界へ』で瞬時に加速した時」
一瞬の沈黙。
目が点になったマジェストが、こほんと一度咳払いすると、まおはぼんっと赤くなる。
「陛下がネタとは珍しいですね……一番視聴率を稼げる時間帯の事でございます。尤も、ここにはテレビはございませんが」
そう言って彼は眼鏡をきらりんと光らせて、カレンダーをびしりと指さす。
「ですから!ごぉるでんうぃいくというのは、『稼ぎ時』なのであります!」
「とかなんとかー。どーせ著者の知り合いの殆どがこの日休めないだけでしょーが」
忙しい企業人を含め、自営業でもこの週間に休める奴なんかいないよ。
土日ですら厳しいってのに。
「毎日がお休みで、たまに仕事がある人もいますがね」
「…………仕事しよ、まじー」
こくり、とマジェストも頷いた。
「仕事があるだけまだ幸せでございます」
何となくしみじみしてしまった。
「今度のラジオの収録の予定も確認しておいてくださいね、陛下。陛下が逃亡するとラジオが遅れるんですよ」
「ひとのせいにするなー!さくしゃがわるいんだろーが!」
ごもっとも。