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ほろこぉすと教室


北倉明美(以降明美):は〜い♪明美ちゃんでーす。
真桜冬実(以降冬実):……冬実です。
明美:今回は予定通り「なのましんとわ?」ということで、特別ゲストを依頼しました。
冬実;…特別?…ゲスト?
明美:そーよ。だって、なのましーんなんて言われても、あたし達にはちんぷんかんぷんだもん。
冬実:…………おつむ日本晴れ。

  ぶちん

  しばらく おまちください

明美:みーちゃん?
冬実:(へんじがない ただのしかばねかもしれない)
明美:……みーちゃんは仕方ないから、ちょっとお休みさせて貰いましょう。では、ゲストの方どうぞ〜!

  ぢゃかぢゃ〜ん

柊宰(以下博):ふむ、この私が呼ばれるのは遺憾であろう。
明美:Holocaustのネロ博士こと、柊宰博士です!
博:……無視しないでくれ。それに、それは非常にやばい表現だと思うが。
明美:まーまー。時に博士、今回の議題ですが。
博:「なのましん」だったな。有無。資料はここにはないが、説明ぐらいはしてやろう。
明美:わーい。
博:技術そのものは、20世紀中頃には提唱されていたし、またSF黎明期に『Assembler』の名前で原子・分子サイズのロボットは想像されていた。
 そうでなくても、事実上人間は原子レベルの世界を見る事がその時代に既に可能だった。
明美:でんしけんびきょう?
博:そのとおり。様々な種類の電子顕微鏡があるが、詳しい説明は省く。どうせ著者も資料はなくしてるだろう。
(作者):ぎくり。
博:代表的なものでも四種類以上あり、試料は完全な真空状態で見るものがほとんどだろうが、それすら忘れているだろう。
(作者):ぎくぎくぎくっ
明美:大学の知識って、そんなものですよ〜。
博:明美、全国300万人の受験生が今ゲシュタルト崩壊したぞ。
明美:気にしてはいけませんよ。
博:……まあ、続けよう。
 そんな顕微鏡の技術の内、試料とプローブの間に電位差を発生させる顕微鏡がある。
 この電位差をCRT上に明暗で映し出すという単純な原理の電子顕微鏡だ。
 日本某社が、この顕微鏡を使って『原子単位』で文字を書くという偉業を成し遂げた。
明美:ふつー、そんなのはただのおふざけかお遊び扱いでしょ……麻雀牌を幾ら積み上げられるかとか、トランプのお城とかと同じじゃない。
博:(無視)日本某社が『原子を1ドット』で描き世界最小の文字を試料の上に刻んだのだ。
 真似した海外の某研究者は、せいぜい数ドットだったというからには、どれだけの偉業か果たしてわからん。
明美:ひまねー。
博:今では原子スイッチなど、数eV単位で作動するスイッチが現実になっているし、ナノチューブや超々弾性綱繊維なども、マクロながらこのナノ技術になる。
明美:……実用化してなかったり、所詮釣り糸にしかならない技術が何に役に立つの。
博:(徹底して無視)今現在最先端のCPUの構造に至っては、数原子単位のプリント配線による何億というダイオードやトランジスタが小指の爪程の面積に詰め込まれているのだ!
明美:…………ぜんぜんなのましんじゃない。
博:それら細かい基礎技術に裏付けられた、炭素を核とし、熱源をエネルギーとする1分子単位がユニットとなるロボット。これをナノマシンというのだ。
 ナノとは10のマイナス9条メートル、過去にangstromという10のマイナス10条メートルの単位が存在したが、これが概ね原子一つのサイズと言われている。
 ナノサイズの機械=原子サイズの機械、すなわちナノマシンなのだ。
明美:ふーん、そーなの。
博:(むか)っっ!これだから女という生き物は!
明美:ふーん。
博:この偉大な偉業を聴いて感動しないのか!そんなものを制御する技術があると言う事に驚かないのか!
明美:うん。博君(宰のことではなく、北倉博人、彼女の夫の事である)の寝言の方が驚くし、博君の愛の囁きの方が感動するから。
博:何という奴だ。これだから私は選んだのだ、壊れる事のないものを、永遠に続くものをっっ!そして私はっ!

   ぶうん  ごげす

明美:ふう、突然ゲストが騒ぎ出すからどうしようかと思ったわ。……おとなしくなったかしら。
 なんだかこれからって時に静かになっちゃったけど……
冬実:誰のせいだと。
明美:う、うわっ、冬実ちゃん、生きてたんだ。
冬実:(`へ´)
明美:…………
冬実:何だか凄く危険な会話に満ちてた今回の「なのましんとわ!」でしたが、いかがだったでしょう。はっきり言ってご意見無用です。
明美:あからさまに読者サマに喧嘩売ってるね、この連載。
冬実:不定期だし、どうせ呼んでるかどうか判らないオリジナル連載だからいいの。
明美:相変わらず身も蓋もないわね。
冬実:それより次回予告。
明美:うん。では、次回は『人格』について。稚拙な説明をさせて戴きます。
冬実:……珍しい、姉さんがそんなにへりくだるなんて。
明美:みーちゃんみたいに身も蓋もない人間だったら困るじゃない。あたしこれでもおねーさんだから。
冬実:(だったらもっとしっかりしてよ)
明美:みーちゃん。
冬実:なに?おねえちゃん♪
明美:……もういいわ。では、次回も宜しく〜。
冬実:……よろしくお願いします。


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