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贄――sacrifice――
登場人物紹介:細部背景設定


□ 秋月節良(Akiduki Setura) 男、年齢不詳
 この物語の主人公。身長160cm、体重52kg、少し長い目の癖のない細い黒髪、吊り目につんと尖った小さな鼻。
 外観が整っているせいで、身長と年嵩の御陰で服装次第では女装も難しくない。
 実年齢は不肖、細い手足だが実は非常に筋肉質で無駄な贅肉がないとも言う。
 『実行部隊』、罪悪感なし、どこかいつも苛々しているように見える。
 身体能力は非常に高い。二年間ほどスタント絡みの訓練を積んでから子役に転身、時々『稀な必要性』から呼ばれる事がある。
 尤も、もうすぐ『子役』ではなくなるのだが。


 海外で言えば『マイケル・J・フォックス』のような『童顔・小柄』な青年。まだ少年の方が通じやすいか。
 イメージはむしろ男装させられた男勝りの小学生、という雰囲気。
 普段はだぼっとしたペインターズボンに腕まくりしたジャケットという出で立ちである。
 尤も一番似合うのは学生服だったりセーラー服だったりするのだが。
 一人称は『オレ』冬来は『カズ』(時々「姉」と呼ぶように言いつけられた時だけ『姉い(ねい)』と呼ぶ)。
 

□ 秋月冬来(Akiduki Kazuna)
 普通そんな名前で読まれません、というか読めませんという感じの名前の女性。
 身長168cm、体重55kgと女性にしては少々大柄な体型をしている。
 ロングヘアに猫目、まん丸い小さな耳、均整のとれた体型をしている。
 ちなみに均整がとれていて当たり前、実は女の子らしい体で目立たないけど筋肉質。美人と言うより可愛い印象。
 一応『スタジオAK』の名前でタレント・明築瀬津良(節良の芸名)を売り出している事になっている。
 スタントの教官ができるほど身体能力は高い。まあ、彼を教え込んでいるのも彼女だからだ。
 一応独身。行きつけのバーのマスターと仲がいいのは周知の事実。
 年齢は不詳。かなり若く見えるし若作りではなさそうだが……。
 一人称はあたし。節良は『セツ』、まじめもーどの時は『セツラ』と呼ぶ。

□ 春日居あおい(Kasguai Aoi)
 高校一年生。身長149cm、体重はひみつだが40kgは絶対にないだろう。くるっとアップでまとめた髪型が彼女のお気に入り。
 日本人らしい可愛い感じがする外観で、本人は控えめながら実は活発。
 『積極的』という表現が似合わないが、意外と自分を見失って踏み込んでくる危ないタイプ。
 だがその世間知らずなところが災い(幸い?)して節良と出会う。
 一人称はわたし。

□ 昌信さん(マスター)
 バー『麿宇戸』のマスター。清潔な感じのする髪型と、僅かに高い声色で女性客に人気らしい。
 身長176cm、体重76kg。過去は知れないものの、妙な存在感のある男。
 なお、カクテルの腕も料理の腕も実は相当の物。このバーでは市販されている冷凍食品などは一切でてこない。
 総て手作り(?)である。
 口調は丁寧、一人称は『私』、誰に対してもさん付けで呼ぶ。
 
 
 


■ 舞台
 東京都東竹川町(元・現千葉県)が舞台。
 近未来から現代ぐらいの時代背景を持つが、所謂史実が少々違う世界。
 PRTO(Pacific Rim Treaty Organization)、環太平洋条約機構(台湾、日本、ロシア、カナダ、東南アジア諸国の一部、オーストラリア)が存在し、『防人』と呼ばれる徴兵制がしかれた日本。
 徴兵は通常19歳〜30歳までの間、連続した3年以上を義務づけられる(学校に行く期間を免除されるためこのような幅になる。例外として16歳からの兵役が認められる高校が存在する)。
 体力的に大学の時期をずらす制度もあり、入学が決まってから兵役につくものが殆どである。
 環太平洋条約機構は本来、米国・中国を含んでいたが、元々台頭を始めた中国・北朝鮮の動きを抑えるための組織であったため中国は早くに脱退、米国はNATO、対テロ対策のため実権をロシアに奪われる。
 『太平洋を挟む隣国とはいえ、ロシアに任せる』形で米国も脱退する。
 この為日本は『米国の身代わり』としての地位につき、環太平洋条約機構内の装備としては異例な形で旧東側・西側兵器を交えた特殊な状況を呈している。
 旧式化したF-15に代わりSu-37改、F-35C、F-3(純国産)を擁し、それぞれ同じ形式のJCRS(Joint Common Radio System:共通統合通信機):准国産(元米国)、PRTO共通を積む。
 東竹川周辺地域には基地は存在しない。
 エネルギー源としてはメタンハイドレートの実用化に世界で最も早く実用化し、国内では既にガソリンの一掃しその殆どを金属吸着ガス(solid pack)と置換している。
 生産量ではアメリカに一歩引くが、実用化が早い分工業製品に関し10年以上リードしているとも言われ、現在世界で三番目の大国と言われるようになっている。
 環太平洋条約機構から米国が引いた理由もここにある(日米安保によるところも大きい)。
 なお、この時冗談のように流行した言葉が『遠くのアメリカより近くのロシア』だった(2027年調べ)。
 統合軍(PRTO正式名称:環太平洋条約機構軍日本統合軍)の構造はほぼ自衛隊と代わらなかったが、法整備・人員整備により軍隊としての活動が行われるようになる。
 ディーゼルからガスハイブリッド(メタンガスエンジンとモーター)、モノエレクトロ(電気自動車)へと変化する軍用車両に対し、民間では未だに従来車両、ガス置換車両が主流である(バイクに関しては既に流通品は電気が殆ど)。
 生活様式に大きな変化は見られていない。都市集中からベッドタウンへ、人が流出し過疎化しつつあった街も、人口増加の為に土地を求めて人が帰ってくるような形になっていた。
 この為数回各市・町の統廃合・分離が行われ、その結果として出来上がったのが東竹川市(元千葉県浦安市付近?)である。
 東竹川町は人口四万五千の中規模都市である。郊外に埋め立て地を利用した工業地帯を持つ都合、光石グループ、日本テクニカルエレクトロニクス(日テク)、日本新重工業(新重)と呼ばれる企業関係者が多い。
 なお日テク、新重は政策により作られた共同企業体であるが、現在は独立した一企業と捉えられている。


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