弱小企業を救え! 絶対売れるゲームのストーリーシンポジウム
*「本日はお忙しい中お越しいただき誠にありがとうございます。
*「それでは長らくお待たせいたしました、
【弱小企業を救え! 絶対売れるゲームのストーリーシンポジウム】
を始めたいと思います。
*「本日のシンポジウムの講師、ヒラーノユウ様にお越しいただいております。
盛大な拍手でお迎えください。
こんにちは、ユウです。挨拶が出来ない子は嫌いです。
まず、近年のゲーム業界は元気がありません。
売上トップのタイトルの数字だけ見れば、それなりに体裁がとれているようにみえますが、
下の方はヘドロ状のウンコまみれな数値になっており、
DSソフトを200万で作れなど、素敵な発注の話が乱れ飛ぶ昨今、
7号業界に助けを求める開発メーカーなどもザラではありません。
そこでノベルゲーム程度のシステムで解決させる事が出来る、
絶対売れるアドベンチャーゲーム向きのストーリーをこの日の為に考えて参りました。
勿論著作権フリーですので、どうぞご自由に丸パク、改変などして金を貪りやがってください。
まず、エロゲの世界にはゲーム業界の中でも最大最悪の矛盾がある事を御存知でしょうか。
ゲームですから矛盾はつきものですが、エロゲの業界には一度成功したからと言ってずーっとスタンスを変えることなく続けられた矛盾があるのです。
それは、都合がよすぎる事。
基本、冴えないけれどもちょっと頑張ったらカッコよくみえるという
どこでもいそうな凡夫的人物が主人公になる事が多いこの業界。
そして、そんな彼を取り巻く可愛い幼馴染をはじめとする綺麗どころのヒロイン達。
まー、そんな都合のいい環境などまずないのが人間界というものです。
そういえば私にも幼馴染がいましたが、小1の時に自分が転校してそれっきりですよ。わっはっは。
高校生の時に偶然一緒の学校に…なんてことも当然ありません。
なんせ私自身2度目の転校で島根県行きという島流しにあって、1%の可能性すら砕けちってましたからな。わっはっは。
状況だけですら現実世界ではこんなもの。まず綺麗どころが凡夫の周りにあつまってくる事自体がおかしい。
エロゲを好むようなうっ屈したような人種が共感を持てる主人公像の人物なぞに、
魅力的な女性がよってくる筈がないっ!!
ダーーーーーン!!!
(机を思いっきり叩く音)
大体、女性はなぜ綺麗になろうとするのですか?
いい男と出会いたいがためでしょう!!
綺麗どころが身近にいたとしてもね! こんな凡夫完全アウトオブ眼中(死語)ですよ! アウガン!!
ツンデレとかクーデレ(クールデレ)とか言ってる場合じゃないですよ? ツンです! クールです! 死です!!
0と1で言うなら0! 0.3とかそういうファジーで救いがあるかも…的な選択肢ないから!!
タクハチと戯れたいから女は綺麗になるんじゃねーんだよ!!!
いい男を捕まえたいが為だ!
わかったか!!!!
というわけでですね、とことん
「現実」
をゲームにするんですよ。
高校生から始まって…、そうですね、40歳くらいまでをテーマにしましょうか。
タイトルは…、そうですね、
「OTAKU THE グレイト・ラグタイムショー」
あたりにでもしておきましょうか。
高校生時代のパートではね。ウンコみたいな同じ友達と毎日しょーもない事を話す様が綴られてね、
でもワンシーンだけ綺麗どころの同級生と会話するシーンがあったりしてね、
一通り話終えてキモッみたいな反応されてオワリ。
社会人時代はね。え? ああ、大学なんてないよ。まぁ、裏モードで大学ルートもあるけど、大体高校時代と同じ展開。
サークルも漫画研究会でやる気無く女っ気もなく過ごしちゃったみたいなでオワリ。
で、社会に出れば給料もらって自立できて女もできるとか、わけ分からん幻想抱いて適当に就職するけど、
職場にはおばちゃんと既婚者しかいねーの。ま、既婚者に割って入る甲斐性があれば、このゲームに出演してませんね。
社会の厳しさにも音をあげ、転職しては退職を繰り返し、当然キャリアビジョンも全く持てない。
会える女はDVDのデジタルデータの中にいる、演技している女だけの生活。
いつしか、歳をとってやぐされた主人公はDVDのデジタルデータに影響を受けすぎて盗撮やのぞきという外道な趣味に走り出す…。
そこで、堰を切ったかのようにサービスカットの連発。
女は求めなければ得られない。30を超えて気付いた悲しい主人公のとった行動は、犯罪だった。
そのうち警察につかまってオワリ。
GOOD ENDING。
バッドではない、これが本筋のゲーム。
つまり、こうならないように、若いうちは活発に行動して生きて行きましょうねという教育ゲームなのだ。
教育ゲームなんで、18禁でもなく、社会人時代ののぞきシーンは反面教師のドキュメンタリー。
決してエロスを目的としたものではないと主張することができ、審査も抜ける事ができるだろう。
きっとバカ売れするはずだ。私は確信している。
*「ユウ様、お忙しいところありがとうございました。
あー、そこ。石を投げないでください、壁を殴らないでください、建物に火をつけないでくださーい。
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