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小学生編 弟3話: 布団にまつわるエトセトラ


♪ 完全睡眠マニュアル

  ――こどもはそろそろ寝る時間です

「かーくん、シーツのはしっこ、ひっぱって〜」
「うんしょ、っと… できたよ〜、おねーちゃん」

  お布団、完成〜

「…かーくん、パジャマのえりが立ってるよ〜」

  ――おりおり

「はい、なおったよ。それじゃ、お布団に入る前に…」

「歯はみがいた?」
「うん」

「おトイレはすませた?」
「うん」

「おとーさん、おかーさんに『おやすみなさい』は?」
「したよ〜」

「じゃあ、茶色の明かりにするね〜」 (← 真っ暗だと眠れないタイプ)
「は〜い」

  ――パチッ

「ふぁ… それじゃ、おやすみなさ〜い、おねーちゃん」

  チュッ

「うん、おやすみ〜、かーくん」

  チュッ

「お寝坊しないようにね〜」



   ※ この頃は、子供部屋が与えられ、自分たちで布団を敷いて、二の字になって寝てました。
   ※ 姉が弟の面倒を見て、弟は姉を手伝う、という自立のための教育方針だったようです。
   ※ また、「おやすみなさいのごあいさつ」には、ほっぺにキスをする習慣でした。
   ※ これは、家族への愛情表現と国際交流を見越しての教育方針だったようですw





♪ ツンデレトイレ
  ――ユサ… ユサユサ…

「…かーくん、起きて …起きなさい、」
「…むにゅ〜 なぁに? 眠いよぉ…」

「寝る前にジュース飲んじゃってたでしょ?
 今のうちにおトイレに行かないと、おねしょしちゃうよ」
「え〜 あまり飲んでないからだいじょぶだよぉ〜」

「ダメよ! おねーちゃんのいうことが聞けないの?
 暗いから、危なくないように手を繋いで行くわよ!」
「…はぁ〜い」


  ――ポツーン

「…おねーちゃん」
『なぁに?』
「…なんで、ボクじゃなくておねーちゃんが入ってるの?」
『お、お化けがいないか先に調べてあげてるのよ!』
「…そーなんだぁ、ありがと〜」 (←眠いのでどうでもいい)


  ――ザー
  ――ガチャッ

「さ、かーくんもしておきなさい。
 している間はお外で歌を歌っててあげるわね」
「歌?何で?」
「かーくんが、さみしくないようによ」
「別にへーきだよ〜」

「いいからしてきなさい!」

「…はぁ〜い」


  ――♪♪♪♪

『ホントに歌ってる…』


  ――ザー
  ――ガチャッ

「おねーちゃん、終わったよ〜」
「じゃあ、またお手て繋いで、お布団に戻ろうね〜」



   ※ しっかり者の姉も、やっぱり女の子なので、夜中にトイレに行くのは怖かったようです。
   ※ そんな時は、取ってつけたような理由で起こされ、ついて行かされてました。
   ※ 歌は、自分が怖いから歌っていたようです。
   ※ 行きは「べ、別に怖くなんてないんだからねっ」という感じで、帰りは「手を繋いで戻ろうね」という、ある意味ツンデレ状態でしたw




♪ 交差する寝相

  ――ムぎゅ…

『…ん、なんか暖かいけど、動けない…』

  ――クゥ…

『なんか耳に風が…
 あれ… おねーちゃんの布団に入っちゃったのか…』

  ――ぎゅ…

『うあ!? ガッチリ捕まえられてる〜』

「お、おねーちゃん〜 起きてよ〜」

  ジタバタ


  ――ふぁ?

「…かーくん …あさ?」

「朝じゃないよ〜 寝れないからはなしてよ〜」


  ――んん…


「…むか〜し、むか〜し」


「…お話してほしいんじゃなくて、動けないんだよ〜」


  ――むぅ…

「…かーくん、あったかいの〜♪」

「…あのさ、ボク、湯たんぽじゃないんだけど。
 いいからはなしてよ〜」


  ――ジタバタ


「…かーくん」

「なに?」

「…じっとしてなきゃ、めっ」

  ――クゥ…


「また寝ちゃったよ…」







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