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小学生編 弟1話: お風呂という名の戦場


♪ 小学生にありがちな会話

  ――友人が、ニヤニヤしながら話しかけてきた

「ねぇ、ちゃんと風呂に入ってる?」

「…は? なんだよ、いきなり」
「ねぇ、ちゃんと風呂に入ってる?」
「…ああ、毎日入ってるよ。オレ、臭うのか?」


  ププッ


「お前、お姉ちゃんと毎日風呂入ってるのかよ! 恥ずか…」

「ああ、入ってるよ。毎日じゃないけど。

 いつも『ちゃんと100まで数えなさい!』って、うるさいんだよなぁ…」

「…へ?」

「この歳になってまで『頭洗うんだから、シャンプーハットつけなきゃダメ!』なんて、カンベンして欲しいよな…」

「…そ、そうだな」

「あれ、どうした? 顔がクラいぞ?」
「…」
「ほれ、どうした?」


「お、お前のねーちゃんデ〜ベソ! ウワァァァン」

    ド ド――

「…なんなんだ、アイツ?
 あ、そーだ。
 おーい、うちの姉ちゃんはデベソじゃないぞ〜」


   ※ うちは、小学生までは、たいてい一緒に風呂に入ってました。
   ※ それが当たり前だったので、当時は彼の反応がよく分からなかったのデスw





♪ 落語で言うなら時蕎麦
  今日のお風呂は、追い炊きしすぎてやや熱め

「い〜い? ちゃんとあたしが百数えるまで出ちゃダメよ!」
「…はぁ〜い」

  ――カポーン

「にじゅご、にじゅろく…」
「おねーちゃん、熱いからもう出ようよ〜」

  勝手にあがろうとする弟の頭をグリグリ押さえつける姉

「めっ! まだ百まで数えてないでしょ!」
「そんな〜 もういいよぉ〜」
「湯冷めして風邪ひいちゃうでしょ! おねーちゃんのいうことが聞けないの?」
「…はぁ〜い」

  ――カポーン

「しじゅいち、しじゅに…」

  …ヒマなので、タオルに空気を入れ、お湯の中でブクブクさせてみた

「見て見て〜 オナラ〜w」
「も〜! 遊んでないで、肩までちゃんとつかってなきゃダメでしょ!」
「うぅ〜
 …あ、そういえばさ」
「なによ?」
「タオルに空気入れると、タコの頭みたいだよね〜
 あ、それじゃオナラじゃなくて、スミ発射〜」
「スミはアワじゃないわよ! つまんないこと言ってないで…」

  ――カポーン

「……」

「おねーちゃん、どったの?」
「も〜! かーくんがヘンなことばっかするから、どこまで数えたか忘れちゃったじゃない!」

「あ〜 それなら、さっき、しじゅうちょっとだったよ」
「…うーん、そういえば、そんな数え方してたような??
 あとの『ちょっと』って、どれくらいだったかな…」
「じゃ、しちじゅうから数えればいいんじゃない?」
「そうね! そうしよっか。
 じゃ、しちじゅー、しちじゅいち…」

  ――ニヤリ


   ※ お湯が熱いときに、姉特有の間延びした数え方をされると、のぼせてしまうのデス…
   ※ なので、姉が頭を洗っているスキに、こっそり水を足したりしてましたw






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