「おはよう、フェアさん」

「おはよう、ルシアン」

ほとんど毎日顔を合わせる。顔見て安心して、いつものように時を過ごす。

「おつかれさま、ルシアン」

「フェアさんも、おつかれさま。また明日」

いつものように、挨拶を交わして、また明日も会えますようにと願う。そんな毎日。


「何？」

「え？ああ、フェアさんが笑ってくれると、なんだかほっとするなって思って」

何それ。そんなこと言われるとは思わなかった。


最近これまでと違って、たびたびドキッとさせられて、
恥ずかしかったり、嬉しかったりして、少し悔しかったりする。

なのに、ルシアンがひどく嬉しそうな顔をするから、余計に悔しくて、負けたような気分になる。


「どうかした？フェアさん」

「え？ルシアンって、すごいなって思って。
よく色々と気付いてくれるからとても助かるよ。わたし、そういうところがさっぱりだから、頼りにしちゃうな」

お返しだよというつもりで、隙を見て言うと、ルシアンが照れて赤くなったり慌てたりするから、
よし、勝った！と、なんだか嬉しくなる。


一勝一敗で今日は引き分け。


いつもの「おはよう」と「また明日」に、最近は勝負をプラス。

負け先行は悔しいから、明日は勝つと毎晩考えてる。