「あばよ」
そう言い残して魔王は消えた。夏美を連れて

皆の苛立ちが痛くて
一人憑き物が落ちたようなバノッサに苛立ち
あっさりと壊れてしまった父を憎んだ

でも、何より自分が憎かった
何の確証もなく彼女が戻ると信じ、魔王に従ってしまった自分が許せなかった

皆で戻れると信じていたのに…
最後の夜、彼女には帰してやると言いながら、別れはまだ先だろうと思っていた
少なくともこのような形になる筈ではなかった

眠れぬ夜が続き
長い一日が何度も過ぎ
取り戻したいと願っても、その手だては何もなく
ただ、増していくだけの渇きが心にあるのを確認するだけ
















………………ああ、そうか

見かねた仲間達が、いくらかでも気が紛れれば、と送り出した道中
目を開き、眠れぬまま横たわっていた寝台を降りる
正直、同行者には悪いと思いつつも、彼の荷物を探り、目当ての包みを取り出す

−魅魔の宝玉−

ギブソンの様子をうかがい、目を覚ます気配がないのを確認し、そっと宿を抜け出す
目指すは−あの森。自分が育ったあそこには、充分な資料があるだろうから。





そう、魔王を召喚しよう
そうすれば、自分の望みは叶えられる



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魔王EDで、これはリィンバウム的に見ればハッピーエンドじゃないのかな、 と思ったのですが、残されたパートナーはどうするんだろう、と考えた結果がコレ(汗)
はじめ、どの組み合わせでも適応されるものにしようと思ったのですが、 三人称で彼だの彼女だの書いた時点で断念しました。
一応、主人公:夏美、パートナー:キールで。