ケロウナ カナダのゴルフ天国

*** 2002年7月19日〜2002年7月30日 ***

☆旅の始めに
☆カナダって。。
☆ケロウナへの道
☆ケロウナのフリーマーケット
☆ケロウナのゴルフ事情
☆ROSE爺さんのワイナリー
☆湖水浴の人々
☆RVパークって何?
☆カナダってしっかりしている
☆B&Bの3カ国会談
☆旅は終わって


☆旅の始めに
懲りもせず夏になれば夏休みをとる。仕事が忙しいと若干の後ろめたさを感じるが、これだけはやめられない。
休むために仕事をしている私としては、休めないなら仕事をやめるしかない、なんて少々言い過ぎ。
ということで今年も夏休みを取った。ここ2年間はフロリダ半島でゴルフ三昧だったが、ふと気がつくとアメリカの他の州のことはあまり知らない。
アメリカの田舎でのんびりゴルフをしたいものだとインターネットで検索していると、なにやら「ケロウナ」という町がヒットした。
ケロウナ?初耳だ。よく見てみるとケロウナはカナダの町だ。バンクーバーから車で5時間とある。人口は10万人、かなり大きな町だ。
そのHPには「周辺にはゴルフ場が30以上もあり、カナダのゴルフ天国として知られている。だが、日本人の姿はほとんど見かけない。」とある。
なるべく日本人の少ないところに行きたい私としては、これだ、と感じるものがあった。結構単純なのだ。
それで今回の目的地はケロウナということになったのだ。

☆カナダって。。
カナダはこれで3度目だが、たいした経験はない。
1度目は、学生時代にアメリカを旅している途中で寄ったナイアガラ。たしか1泊しただけだ。
2度目は7〜8年前にスキーで行ったウィスラー。スキーのハワイとか言われるているようで、日本人比率も高く、ラーメン屋があったり、日本語が通じる店があったりして、どうも旅の風情に欠けていた。もちろん、自然は素晴らしいのだが。。。
私にとってカナダはこのウィスラーの印象が強くてあまり積極的に行きたい国ではなかったのだ。

そもそも日本人にとってカナダっていうのは知られているようで、意外と知られていない国なのではなかろうか。
プロ野球だってプロバスケットだってアメリカと一緒にやっているようだし、どこがアメリカと違うのだろうという感じ。アメリカの一地方みたいなイメージだ。
知っているカナダ人っていうと、うーん、あのベン・ジョンソンとかセリーヌ・ディオンくらいだ。
ということで、早速「ワールド・カルチャーガイド カナダ」という本を買って、少々カナダの勉強をした。
この本によると「イギリス系が主流を占めているせいか、一般的に考え方や生活態度が保守的である。アメリカ人と比べて少しとっつきにくい感じがするが、親切で、あまりことを急がず、のんびりしている。」ということだそうだ。うーん、アメリカ人とは違うのかぁ。
さらにこの本にはこうある。「アメリカは人種の”るつぼ”と言われるが、カナダは人種の”モザイク”である。各国の移民が自国の文化と特異性を失うことなく、モザイクのように組み合わさって国家を形成している。」
ふむふむ、何やらよさそうな国ではないか。そんな感じで私のカナダの旅は始まった。

☆ケロウナへの道
バンクーバーからケロウナへはいくつかのルートがある。
一番楽なのはホープという町まで1号線で行き、ここから5号線(コキハラ・ハイウェイ)に乗るルート。
起伏もさほどなく、時間的にも一番かからないのではないだろうか。私は往路はこのルートを取った。(約5時間)

時間はもう少しかかる(約7時間)がお勧めは、やはりビーバー街道。
バンクーバーからカナディアン・ロッキーにアクセスするルートとして有名で、ケロウナが位置するオカナガン地方は、このルートのだいたい中間地点だ。
バンクーバーからだとスキーで有名なウィスラーを通り、ペンバートン・リルエットを経由してカルムープスまで行く。ここでビーバー街道を外れて97号線でケロウナまで2時間くらい。
ホープ経由のルートよりかなり北まわり。起伏はかなりあって運転は疲れるが、景色に変化がある。海岸、湖水地帯、牧草地、砂漠地帯、夏でも雪をいだく山岳地帯といった具合で、おお素晴らしい、思わず唸ってしまう景色が目白押しである。私はケロウナからの帰路にこのルートを取った。

☆ケロウナのフリーマーケット

ケロウナに到着したのは土曜日。前回のオーストラリア旅行(ブッセルトン)で海外フリマに目覚めた私の妻(アクセサリー職人)が、きっと日曜日にフリマがあるはずだと、宿のマネージャーに聞いてみた。すると、宿から車で5分くらいのエルクス・ホールというところで毎日曜日に開催されているという。
そういうわけで、私の妻は海外フリマに再びチャレンジすることとなった。
当日朝9時くらいに行ってみると、もうだいぶ店が出ている。会場は屋内と屋外。日本のフリマだと当日参加というのはなかなか難しいが、その点カナダはおおらかだ。オーストラリア同様に、空いてるところで勝手にやってよとのこと。ちなみに出店料は10ドル(約800円)だった。
屋外のテーブルに品物を並べたのはいいが、あまり売れないのだ。オーストラリアではかなり売れたものだから拍子抜け。
そもそも客の年齢層がかなり高い。ここケロウナは温暖な気候で退職者に人気の土地とのこと。たしかに老人が多い。電気車椅子を自分で運転している老人も珍しくはない。
さすがに昼近くなって若い人たちの姿も増えてきた。しかし、なかなか売れない。お客さんはけっこう興味深げに見てはくれるが、なかなか購入までいかないのだ。そうしているうちにようやくチョーカーが1個売れた。しかし、いつまでたっても売上は1個のまま。
ここで神風が吹いたのだ。40代くらいの女性がビューティフルを連発。まずは自分の3人の娘のためにとチョーカーを3個お買い上げ。彼女はそのあと2度も戻ってきて、従姉妹にあげるのだとかいろいろいって大量に商品を買ってくれた。しかも、バンクーバーで委託販売できる店があるとかで、店名(ブルー・ルビー)まで教えてくれたのだ。よほど気に入ってくれたのだろう。職人冥利に尽きる。(と妻は感じたに違いない。)
結局買ってくれたのは2人だけだったのだが、売上としてはまあまあで、ケロウナのフリマはおしまいとなった。

☆ケロウナのゴルフ事情
この地域(オカナガン地方)は、カナダのパームスプリングス(アメリカのロスアンゼルスから東へ180km、砂漠の中のリゾート地。ゴルフ場が70もある。)とか、カナダのゴルフ天国とか呼ばれているらしい。
気候もパームスプリングスに似て、半砂漠地帯とかで、夏場は気温が35度を超す日もあるが、最低気温は15度くらいまで下がる。
日本でHPで調べたが、たしかにゴルフ場の数は多い。この地域に30以上のゴルフ場がある。
カナダでゴルフをするのは初めてなのだが、気づいた点をを報告しよう。
●トワイライト料金
日本のゴルフ場は大体曜日で料金が異なる。(平日料金と休日料金)
それに対してカナダでは1日の時間帯によって料金が異なる。ゴルフ場にもよるが、朝料金(正午までにスタート)、昼料金(午後3時までにスタート)、夕料金(午後3時以降にスタート)という順番で安くなっていく。夕料金は英語ではトワイライト。朝料金の3割から5割くらい安くなるのでとてもお得なのだ。
午後3時以降というと日本の感覚ではハーフしか回れないのだが、なにせこちらの日没は午後9時なので、午後5時くらいまでにスタートすれば十分にワンラウンド回れてしまう。(もちろん1Rスループレー)
私も最初のうちはトワイライト料金の安さに惹かれ、毎晩8時くらいまでプレーしていた。

●夏のケロウナはメチャ混み
7月下旬、つまり夏休みシーズンの真っ最中ということで、町も込んでいるが、ゴルフ場もメチャ混みだった。
最初のうちは午後3時以降のトワイライト料金でプレーしていたのだが、けっこう混んでいるのだ。ゴルフ場にふらっと行ってもなかなかすぐにはプレーできない。
客があまり来ないから安いというわけでもないようなのだ。しかも、各ゴルフ場は週に一度 Men's Night とか Lady's Night とか称してコンペを開催している。(ビジターも参加可能)
たしか木曜日の午後だったが、 Shanoon Lakes GC 、Shadow Ridge GC, Kelowna Springs GC という順番で Men's Night か Lady's Night を理由に連続して断られてしまった。たらい回しみたいなもんで、もうため息の連続だった。
やはりこの時期のケロウナは少なくとも前日に予約を入れたほうがいいようだ。

●カナダ人はゴルフ好き?
トワイライトは混んでいるので朝なら空いているのかもと思い、 Kelowna Springs GCで土曜日の朝にプレーしようと、前日に予約を試みた。
ところが、空いているのは6時16分と11時28分だけだというのだ。なんという混み具合だ!リゾート地の夏の土曜日ということを考慮してもすごい混み具合だ。
カナダ人ってけっこうゴルフ好きだと感じた次第。

もう一つカナダ人のゴルフ好きを感じた出来事を紹介しよう。
前日に予約(午後3時30分スタート)を入れ Shanoon Lakes GCに行ったときのこと。
宿から車でゴルフ場に向かう途中から珍しく急に天気が崩れ雨が降ってきた。ゴルフ場に着いた途端にものすごい嵐になってしまったのだ。雷は鳴るし風は吹き荒れるし、しばらくゴルフ場の駐車場で待機していた。30分近く降っていただろうか、もうあたりは水浸しだ。以前にもこんなことがあった。フロリダのマルコ島でゴルフをしている最中に嵐に遭遇し、木の下で待機をしていた。嵐が過ぎ去るともうゴルフ場には人はおらず私たちだけ。他のプレーヤーたちはもう帰ってしまっていた。雨でもプレーするのは日本人だけだという笑い話もあるくらいなのだ。
ところが今回は違った。雨が小降りになったのでプロショップに行ってプレーできるか聞いてみた。すると、「もちろんOKだ。このあとまた雨が降るかもしれないけれどね。」と言う。
よしせっかくだからと受付を済ませてコースに出ると、もうプレーヤーが待機しているのだ。そして雨はあがり、皆何事もなかったかのようにプレー再開だ。
うーん、カナダ人ってゴルフ大好き人間なのだ。

●かついでプレーはあたり前
国によってプレースタイルが異なるので面白い。日本でも最近はセルフプレーが主流になってきて乗用カートや手引きカートも普通になってきた。
カナダであれっと思ったのは、カートを使用しない人がけっこういるという点だ。つまり自分でキャディバッグをかついで回るのだ。日本でも学生はかついでまわるようだが、ここカナダでは年配の人や女性でもかついでいる人はそれほど珍しくない。これはアメリカやオーストラリアではあまり見かけなかったシーン。
こういうタフさっていうのは(いつの日か)見習いたいものだ。体力がないので今は無理だが。(笑)


●なかなか一人では回れない
オンシーズンで混んでいるということもあったのだろうが、なかなか1人や2人では回らせてもらえなかった。すぐに組み合わされてしまって3人とか4人で回ることになる。 
たまたま空いているときに行ったときもあったのだが、やはり組み合わされてしまった。こちらの人たちはそういうスタイルに慣れているようで、初対面でもすぐにうちとけて楽しくプレーをする。(ように見える。)
だから今回はほとんど初対面の人と一緒に回っていた。私と一緒に回ったのは全てカナダ人だった。
やはり初対面ということで緊張する。ましてや私はあまり英語が聞き取れないので、けっこう苦労する。でも、ほとんどの人がこちらが日本人の旅行者とわかると、いろいろと気を遣ってくれるので、気持ちよくプレーさせてもらった。
土曜日に一緒に回ったスティーブはそのゴルフ場で働いているという。どういう仕事をしているのかと思ったが、次の日また同じゴルフ場でプレーしていると、芝のメンテナンスをしている人が急に女房に抱きついてきた。なんとスティーブだった。

●お値打ちゴルフ場紹介
毎日プレーするので料金の安いところばかりでプレーしていた。でも、どのコースもとても素晴らしかった。

<ケロウナ・スプリングスGC>
宿から近いので、何度も回ったSemi Privateのコース。現地のガイドではValue Courseとして紹介されており、料金も低め。
トワイライト料金で一人30ドル(約2400円)くらいだ。
料金が安いのであまり期待していなかったが、とても気持ちのよいコースだった。
とても平坦で距離は短め。White Tee を使用すると、パー4で長くても380ヤードくらい。300Y前後のホールもいくつかある。
池はいっぱいあるが、フェアウェイはけっして狭くないので、難易度的には日本の河川敷コースよりも簡単かもしれない。
まっすぐに飛ばしていればかなり良いスコアが生まれる。
料金が安いのであまり期待していなかったが、芝はけっこう良い。手入れをしているのか、あるいは気候が良いからか、フェアウェイ、グリーンとも日本の河川敷コースとは比較にならないくらい状態が良い。だから、とても気持ちよくプレーできる。
それに景色が素晴らしい。周りは牧場やワイナリーで、なだらかな丘陵地帯だ。こうした風景のゴルフ場は初めてだった。
クラブハウスの2階がレストランになっている。デッキにもテーブルが用意されているので、間近にプレーしている人々を眺めながら食事ができる。
ここで飲む生ビールは格別だ。

<サンセット・ランチGC>
ケロウナ・スプリングスGCのすぐ近くにあり、料金も同じじくらい。
だが、コースは大違いでかなりアップダウンがあり、山岳コースに近いくらいだ。ちょっと曲げると谷に落ちてしまいたいへんだ。
そしてグリーンも起伏があるうえに、とても速い。
ケロウナ・スプリングスGCに比べてかなり難しいコースといえよう。




<シャヌーン・レイクGC>
シャヌーン・レイクという池に面したとても美しいコース。トワイライト料金は一番安い。(23ドル、約1800円)
コースは上記2コースの中間くらいで、ほどほどの起伏があるが、それほどきつくはない。手引きカートでまわってもさほどきつくはない。
宿から遠かったので1度しかプレーしなかったが、コース的には一番のお勧めだ。

●ジュニア・ゴルファーたち
ジュニアゴルファーをよく見かけた。親と一緒に回っている子供もいれば、子供だけで回っていることもある。
初日に回ったときは前の組がジュニアだけの3人組だった。小学校高学年から中学生くらいだろうか。プレーが遅くて詰まってしまうのではないかと心配したが、特に問題はなかった。まだあまり上手ではないので、プレー自体は遅いのだが、前の組との感覚が空いてしまうとそのホールのパットをやめてしまうとか、それなににプレー進行に気を遣っていたようだ。
気がつくと途中で人数が2人に減っていた。1人は帰ってしまったようだ。まあ、子供たちにとってゴルフは普通の遊びなのだろう。

ゴルフ場の人に話によると、例外はあるが、12歳以上だと子供だけで回れるとのこと。カナダはジュニアの育成に力を入れているとかで、そのゴルフ場では年間200ドル(約16000円)で回り放題ということだ。うーん、素晴らしい環境!
カナダの有名プロというとマイク・ウィアーくらいだが、近い将来カナダ出身プロがもっと活躍するのかもしれない。

☆ROSE爺さんのワイナリー
オカナガン地方で一番有名なのはワイナリーだ。温暖な気候がワイン作りに適しているということらしく、大小様々なワイナリーがワイン作りに励んでいる。
あまり観光をしない私だが、妻の要請もあり、やむなくワイナリーを訪れることにした。
地図を見ると宿の近くにもワイナリーがある。House of Rose Vineyards というワイナリーだ。
車で10分も走るともう着いてしまった。駐車場らしき場所がなくウロウロしていると、顔中髭だらけの老人が家から出てきた。
私たちがワイナリーを見たいと言うと、俺についてこいと言う。どうやら客は私たち以外に誰もいないらしい。
大きな倉庫のような建物の中で説明を受けた。ワインの製造工程をいろいろと説明してくれているらしい。
もちろんゆっくり話してくれるのだが、私の英語力では3分の1くらいしか理解できない。
室温は13度に保たれているとか、瓶詰め用の機械が4万ドル(約320万円)するとか、まあそんなことしかわからない。(笑)

次はワインショップに場所を移して、お楽しみの試飲だ。
ワインショップといっても、本当に小さな建物で小屋みたいなところだ。ここにいろいろなワインが陳列してある。
爺さんはカウンターの奥の冷蔵庫からワインのボトルを取り出し、私たちのために注いでくれる。
まず白を3種類。どれも美味しい。私は違いがわかるほどのワイン通というわけではない。というか、そもそもワインなど滅多に飲まない。でも、爺さんがいろいろと熱心に説明してくれるので、わかったような神妙な顔をして飲み続ける。
白の次は赤が3種類くらい出ただろうか。少量ずつとはいってももう酔いがまわってきた。
爺さんは相変わらず熱心に説明を続けている。
爺さんが強調したのは、、大きなワイナリー(Mission Hillとか)は原料の90%を輸入ものに頼っているが、それに対してHouse of Roseのワインは100%国産だということ。
ずいぶんと手間をかけてワインを作っているらしい。
そんな話を聞いていると、ここのワインは一味違うような気になってしまう。爺さんの話によると何度もワインの賞を取っているらしい。たしかに、賞状もいっぱい飾ってある。
よし、お土産に何本か買おうと値段を見ると意外にもけっこう安いのだ。10ドル(約800円)くらいのものが多い。
爺さんに何でそんなに安いのか、と聞くと、爺さんは答えた。「俺はフェアにやっているんだ。」
そして、ここのワイナリーのパンフレットの表紙を示した。そこには「Award Winning Wines Affordable Prices」と書いてあった。
爺さん、あんたは偉いぞ。ほろ酔い気分の私は爺さんに、日本の友人にも紹介するよ、と言ってワイナリーをあとにしたのだった。
皆さんがもしケロウナに行くことがあったら、是非 House of Rose Vineyards を訪ねてみてください。爺さんの親身の説明を受けられます。
(ちなみに Rose というのは爺さんの名前(Family name)とのことでした。)

☆湖水浴の人々









オカナガン地方は湖や池がいっぱいだ。このあたりは夏の最高気温が35度にもなるので人々は湖水浴に出かけることになる。
湖の数が多くて分散しているからだろうか、混むといってもさほどでもない。水はきれいに清んでいて、水温はちょっと低目。でも子供達は元気に泳いでいる。
日本とちょっと雰囲気が違うのは各家庭に子供がいっぱいいるという点。子供が3人いるのは珍しくない感じで、一家総出で楽しんでいる。
詳しいことは知らないけれど、カナダが少子化で困っているということはないのではなかろうか。

☆RVパークって何?
カナダの道路を車で走っていると、やたらと「RV 」という文字を見かける。「RV Park」とか「RV Center」とか。
最初のうちはRVの意味がよくわからなかったが、ようやくわかった。RVは Recreatinonal Vehicle の略なのだ。でも日本のRVとは意味する車がちょっと違う。
こちらでRVっていうと、日本でいうキャンピング・カーを指すようなのだ。
だから「RV Park」っていうのは、キャンピングカーのキャンプ場のことだし、「RV Center」っていうのは、キャンピング・カーの販売センターなのだ。
たしかに、カナダのこのあたりではキャンピング・カーを非常に頻繁に見かける。トラックかなと思うと、だいたいがこのRVなのだ。
ためしに「RV Center」に行ってみた。あるある、様々なRVが展示されている。自走式のものだと数百万円もするが、自分の乗用車で引っ張るタイプだと百万円台のものもある。
でも総じて結構高いなあという印象だった。



今回ケロウナ滞在の後半の宿は「Holiday Park Resort」。私たちはこのリゾートのコンドミニアムに滞在したのだが、コンドミニアムの数は非常に少なくて、敷地の大部分はRVのための敷地なのだ。
さまざまなRVが並んでいて、もうRVの町みたいな感じだ。このリゾートは基本的には会員制で、会員として自分の敷地を確保してしまっている人たちは、もうそこに住みついてしまっているようで、花を植えていたりして妙に生活感がある。
こういうところに短期間でも滞在していると、カナダ人の余暇の過ごし方が身近に感じられて面白い。みんなのんびりと本を読んだり、お茶を飲んだり。でもこれってどこかと似ていないか?そうだ、オーストラリアのキャラバンパークだ。(キャラバンパークは「みちの七 西オーストラリア州の旅」を参照)このリゾートはちょっと高級感があったりするが、普通の「RV Park」はもっとオーストラリアのキャラバンパークと雰囲気が似ているのだろう。
オーストラリアとカナダ、いずれも広大な大地、溢れる自然、そして少ない人口。こういう環境が揃うと人は皆アウトドア大好き人間になってしまうのか。

☆カナダってしっかりしている
わずか10日あまりの滞在でカナダがどうとか、カナダ人がどうとかいうのもおこがましいが、ちょっとだけカナダ人ってしっかりしていると思ったのだ。
そのいくつかを紹介しよう。

●スーパーマーケットのショッピングカート
私の旅の楽しみの一つは現地のスーパーマーケットに行くこと。だいたいキッチン付きの宿に泊まるので、いろいろと食料を買いこんだりする。
今回も早速ケロウナのスーパー(Super Storeという名のスーパー)に行ってみた。
アメリカやオーストラリアのスーパーはだいたい駐車場に手押しカートが散在していたりするのだが、ここはどういうわけか駐車場にカートは見当たらない。店の中にもカートはない。それで探してみると、駐車場の一角に屋根付きのカート置き場があった。しかも1ドルをディポジットとして挿入しないと使用できないようになっている。そして、カート置き場に返却するとその1ドルが戻ってくるようになっている。そういうわけで、皆、買物を終えるときちんとカートをカート置き場に戻すというわけだ。
こういう方式は全てのスーパーで採用しているわけではないようだが、かなりポピュラーな方式のようだ。

●スーパーマーケットのガードマン
これも同じスーパーでの話。私がリュックサックを背負って店内に入ると女性ガードマンに呼び止められた。何かと思ったらカバンは持込禁止とのことだった。
リュックサックを車に置いて来て、店内を観察し写真を撮っているとまたその女性ガードマンがやってきた。今度は撮影禁止と怒られた。
うーん、ちょっと厳しい。




●宿のクッキングヒーター
最初の宿のオーブンは電気を使うもの。渦巻き状のシーズヒーターというやつだ。
スーパーで肉を買ってきて、さあステーキだと張り切ったが、ヒーターがいつまでたっても熱くならない。しょうがないので電子レンジで調理することになった。
あとで宿の人に聞いたら、「換気扇を回しましたか」と言われた。そうです、換気扇と連動していたのでした。

●ゴルフ場の手引きカート
ゴルフ場のカートは有料。もちろん乗用カート(Power Cart)は日本でも有料だが、こちらでは手引きカート(Pull Cart)も有料。せいぜい2〜3ドルだ。手引きカートは外に並べて置いてあるのだが、ちょっと変。というのは、なんと表現したらよいのか難しいのだが、ハンドルの部分(まさに手で引っ張る部分)が付いていないのだ。
最初は面食らってしまった。手引きカートのくせに手引きできないのだから。どうしたらよいのかわからずウロウロしていると、プロショップの人がハンドル部分を持ってきてくれた。
そうなのだ、プロショップで料金を払ってハンドル部分を受け取ることになっているのだ。そして自分で取り付けていざプレーということになる。
うーん、カナダってしっかりしてるぞ。(ちょっと慎重すぎるような気もするが。。。)

●ゴルフ場の時間管理
ゴルフ場ネタをもう一つ。
日本でもよくスロープレー禁止とか、ハーフ2時間目標とかゴルフ場にポスターが貼ってあったりする。ゴルフ場によっては、係員が巡回して注意したりする。
でも多くのパブリックゴルフ場はさほど気にとめていないので、ハーフ3時間とかかかってしまうこともある。(私は6月に日本でハーフ3時間半を経験した!)
さて、ケロウナ・スプリングスGCの対応法。
まずスコアカードに注目。Target Timeという欄がある。最初は何のことやらわからなかったが、要はプレーの所要時間の目安なのだ。ホールごとにそのホールの所要時間と、そのホールまでの累積所要時間が記してある。このようなスコアカードにお目にかかったのは初めてだ。
次は3〜4ホールごとに置いてある時計。あれ、この時計は随分遅れているぞと思ったが、よく見ると普通の時計ではないのだ。例えば私が8時30分にスタートして、3ホールを終えたとしよう。そして、目標所要時間40分に対し60分かかってしまったとしよう。すると、次のホールのティーグランドの時計は8時50分を指していることになる。今の時刻は9時30分なので、きちんと時間を守っていると8時50分スタートのプレーヤーがそこにいるはずだ。そういう意味で時計は8時50分を指しているのだ。時計の下に説明書きがあって、この時計に自分のスタート時間が追い越されてはいけないというようなことが書いてあるのだ。
うーん、カナダってますますしっかりしているぞ。





●酒には厳しい
ついでにゴルフ場ネタをもう一つ。
欧米社会はアルコールに厳しいということをよく聞く。人前で酔っ払うことは恥ずかしいことだとか。
カナダもアルコールには厳しく、基本的には公衆の場ではアルコールは禁止。(のようだ。)だから、湖水欲でもビールを飲んでいる人は見かけない。ビーチは公衆の場だからだ。
そういう点ではゴルフ場はプライベートな場所なので、ビールはOKだ。売店でも売っているし、コースを走り回っているドリンク販売カートでも売っている。
シャヌーン・レイクGCで気づいたのだが、あるホールを終え、次のホールに向うときのこと。次のホールは道路を横切っていくことになっている。すると、この道路の手前に看板が立っている。看板には次のようなことが書いてあった。「公衆の道路ではアルコールを飲んだり、アルコールを手に持ったりすることは禁止されています。」
そうなんだ。その道路は公衆の道路なので、当局が念のためにアルコール禁止の看板を立てていたのだ。
そういえば、乗用カートにもそんな張り紙がしてあったが、そういうことだったのだ。
うーん、しっかりしている、というかカナダって厳しいぞ。(ああ、オーストラリアは気楽でよかった!)

☆B&Bの3カ国会談

カナダはイギリス系の人が多いということだ。イギリスの宿といえばB&B。
ゆえにカナダでB&Bはポピュラーな宿泊施設ということになる。
カナダではB&Bに泊まるべし、ということで旅の最初と最後はB&Bに泊まることにしたのだ。

最初のB&Bはチリワックという町の「Cascadia Bed & Breakfast」、最後のB&Bはバンクーバーの「Pacific Spirit Guest House」だ。
どちらもとてもこじんまりとした宿で、客室は2室。主に奥さんが切り盛りしている。
部屋はとてもきれいで装飾にもいろいろと気を遣っている。2室に共用のバスルームと小さなリビングがある。
空き部屋貸します、みないなあっさりとした宿を予想していたのだが、奥さんはいろいろと気を遣ってくれる。(Pacific Spirit Guest Houseでは冷蔵庫にはビールまで置いてあった。)
そして驚くべきが、朝食の充実ぶり。飲み物はミルク、ジュース、コーヒー、紅茶なんでもあり。そしてワッフルとかフレンチトーストとかボリュームたっぷり。さらに各種フルーツもてんこ盛りなのだ。
こんなに快適な宿が一泊(2名)で5000円から7000円という具合。カナダではB&Bはお勧めだ。

B&Bでは、至れり尽くせりの朝食を他の客と一緒のテーブルで取ることになる。
バンクーバーで泊まり合わせたのはフランス人夫妻。旦那はテレビ関係の仕事でソウルで働いているとのこと。
ここでの会話を紹介しよう。

私「日本では、フランス人は長いバカンスを取ると言われているけれど、本当かい?」
フランス人「ああ、本当だよ。我々フランス人はバカンスのために働いているようなものだからね。」
私「今回の旅行期間はどのくらいなの?」
フランス人「これから8週間かけてカナダを回ることにしているよ。」
私「うぉー、それはすごい。私なんか今回は10日ちょっとだけれど、それでも日本では長いほうだよ。」
カナダ人(宿の奥さん)「たしかに8週間はすごいわよ。私の夫はこの前頑張って長期休暇を取ったけれど6週間だったから。」
私「うーん、私はフランス人になりたいよ。(笑)」
フランス人「その気持ちはよくわかるよ。(笑)」

ああ、負けるな、日本人。。。

☆旅は終わって
いつもは帰りの飛行機の中で最後の文章を書くのだが、今回は書き損ねて帰国後1ケ月が経過した。
しかし、日本(東京)は暑い。最高気温36度、最低気温27度なんて日が続いていた。これは熱帯地方の気候だ。私はひいひい言いながら会社勤めを続けている。熱中症気味で体調もよくない。
ああ、1ケ月前が懐かしい。最高気温は同じだが、最低気温は15度だし、湿度も目茶苦茶低かった。日本に比べれば天国だ。日本人だけが何故こんな気候で苦しまねばならないのだ、と文句の一つも言いたくなる。しかし、カナダ人は言うのだろう、その代わり俺達にはつらく長い冬があるのだ、と。うーん、おあいこなのか?
こうも気候が異なると、気候について考えてしまう。気候が人々に与える影響とか。こういう厳しい気候に生まれ育つ日本人(東京人)は果たして我慢強い人間になるのだろうか、あるいは切れやすい人間になるのだろうか。うーん、難しい。

気候もそうだが、今回もまた自然に圧倒された。町から10分も車で走るともう広大な自然の真っ只中。
人間は生まれる土地は選べないけれど、住む土地は選べるわけだ。快適な気候で暮らすにこしたことはないし、自然に囲まれた土地で暮らすほうが、気持ちがいいにきまっている。

今後生活する土地を考えたくなった。
そんなことを真剣に考えるきっかけになった旅だった。


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