チェンマイ ゴルフと屋台の旅


本当は「オーストラリア ゴルフと釣りの旅」の予定だったのだが、ケアンズは今は雨季で、アウトドアにはあまり適していないシーズンだということがわかったので、急遽「チェンマイ ゴルフと屋台の旅」に変更した。

この文章を書いているのは、すでに旅の終わり、成田行きの便を待つバンコクのドンムアン空港。(2月28日)
今回の旅はやけに忙しかった。ホテルのプールで一度も泳げなかったし。こんなことは珍しい。
逆に言うと、それだけチェンマイは面白い場所だったのだ。
女房も珍しく大満足だったらしい。
金曜日の夜からの5泊6日、私達がどんなことをしていたのか、ちょっとだけ報告してみよう。


☆チェンマイというところ
チェンマイというと多くの日本人はあまり良いイメージを抱いていないかもしれない。
たしか、大昔に「玉本事件」とかいうのがあった。玉本氏がチェンマイに現地妻をかかえていて何か問題を起こしたような・・・。
そもそもどんな事件だったかも定かではないが、チェンマイ=女というイメージが日本人の頭にはあるのではなかろうか。
そして、あのテレサ・テンが死んだのはこのチェンマイである。(中国政府に暗殺されたという噂もある。)
何やら胡散臭い街というのが大方のイメージだが、私達にとってはこのうえもなく楽しい街だった。

チェンマイはバンコクから北へ約700km。北部タイに位置し、ミャンマー国境にもさほど遠くない。
それゆえバンコクに比べるととても過ごしやすい。
今はチェンマイのベストシーズンということで、最高気温は30度を超えるが、最低気温は15度くらいまで下がる。(バンコクの最低気温は25度くらい)
2月の上旬には花祭りが開催されており、街は色とりどりの花できれいである。

ガイドブックを見てみると、チェンマイは昔王朝が置かれていたということだ。いわゆる古都である。
日本でいえば,京都みたいなもんであろうか。
だから、街にはやたらとお寺が多いし、旧市街はお堀で囲まれており、ところどころに当時の城壁が残っていて、なかなか風情を感じさせてくれる。
タイでバンコク(700万人?)に次いで大きな街ということだが、人口は30万人(?)ということで、バンコクとは桁が違う。
もちろん、大きな街なので、街には車や人が溢れ、空気も悪そうだ。
けれども、バンコク慣れした私にとっては、ほどよい街の大きさといおうか、ちょっとのんびりしたところもあり、気に入ってしまったわけだ。
もちろん、タイの街独特の猥雑さも持ち合わせているが、ほどよい猥雑さなのだ。

☆チェンマイの乗り物
チェンマイは動きやすい街だ。旅行者にとっての移動手段はいくつもある。
安いほうから紹介しよう。
まず、サムロ。これは人力車をイメージしてください。日本の人力車は人が走ってお客を運ぶが、サムロは自転車でお客を運ぶ。
旧市街では少しみかけたけれど、どんどん数は減っている模様。料金は近場だと20〜30バーツくらい。
次はソンテオ。ミニバスともいうようだ。軽トラックの荷台に屋根をつけてお客を乗せるもの。
このソンテオがやたらと街を走り回っている。歩いているとソンテオがクラクションを鳴らして、乗らないかと誘ってくるので、自分の行先を告げOKであれば乗り込めばよい。料金は近場だと20〜30バーツくらい。
基本的には乗合なのだが、お金を多めにだせばチャーターすることも可能。
その次はトゥクトゥク。バイク(?)の後部に座席を付けたもの。走るときのエンジン音がトゥクトゥクトゥクトゥクと聞こえるので、この名前が付いた。(らしい)
走ると風がさわやかで気持ちがよい。料金は近場で40〜50バーツくらい。
最後はタクシー。タクシーとはいっても、日本のようにタクシーと表示していないので、見た目はただの自動車。
ホテルの近くでホテル客を狙って運転手がたむろしている。料金は高めで、近場でも100バーツくらいはかかる。
ホテルから空港へ行くときに、100バーツにしろと交渉したが200バーツからはまけてくれなかった。そのかわり、ソンテオの運転手に(2人で)100バーツで乗せるように話してくれた。やはり、各乗り物の相場は崩せないということか。
ということで、乗り物が充実しているので、日本人の感覚では非常に安く街の中を移動できるわけだ。

☆チェンマイのマッサージ
チェンマイのマッサージというと、何やらいやらしい感じがするが、もちろん健全なマッサージである。
街を歩いているとたまにマッサージの看板がある。タイ式のマッサージはかなり古来からのものらしく、バンコクの何とかいうお寺(たしかワット・ポー)には古式マッサージの学校があったりする。
タイマッサージは私のタイの旅の楽しみの一つである。昼間にゴルフや水泳で体を動かし、夕食を食べたあとでほろ酔い気分で受けるマッサージのあの心地よさといったら・・・。
今回は滞在したホテルの隣がマッサージ屋だったので、ためしに入ってみた。
中は薄暗く、マッサージ室がいくつも並んでいる。部屋ではズボンを脱いで腰巻みたいなものを身につける。あとはマッサージのお姉さんに身を委ねるだけである。
タイマッサージは足のマッサージを念入りにしてくれる。1時間コースだとたっぷり30分くらいは足をもんでくれる。最後はかなりアクロバティックな体位(?)をさせられたりするので最初はびっくりしてしまうが、慣れてしまえば何でもない。
気になる料金だが、1時間いくら?と聞いたら200バーツ(約600円)という。これはいわゆる旅行者用料金である。そんなときは、えっという顔をして、150バーツにしてよ、というと簡単に値下げしてくれた。本当の現地人だと1時間100バーツくらいではないかと想像する。
この料金だったら安心して2時間くらいマッサージを受けられる。日本の街中のマッサージが15分1500円であることを考えると、(日本人にとっては)まさに激安である。
皆さんもタイに行ったら、是非タイマッサージを経験しよう。どんな街にもあるだ。

☆チェンマイの屋台
昨年の上海では、屋台の衰退ぶりに愕然とした私だったが、チェンマイは屋台の街であった。というか、タイは屋台の国なのだ。
何せ屋タイというくらいだから。と外してしまったが、本当に街の至る所に屋台があり、また、あらゆる種類の屋台があった。
もう屋台に言葉はいらない。屋台の写真を見てください。

☆チェンマイのゴルフ
さて、本題に入ろう。ゴルフである。
私もそんなに多くの経験をしているわけではないが、アジアでゴルフをするのであれば、タイをお勧めしたい。
なにしろ、文字通りあのタイガー・ウッズを生んだ国なのだから。(タイガーの母親はタイ人)
タイのゴルフは、(日本人からすると)料金は安いし、食べ物は美味しいし、キャディは性格がいいし・・・。
もちろん、異国の地のゴルフゆえ、つらいこと、あれっと思うこともあるけれど。

・料金等
もちろん、コースによって高い安いはある。一番安いのがロイヤルチェンマイ。
街から遠い(1時間くらい)ので、平日は710バーツ(キャディフィー込み)。
私は何年か前、このコース併設のホテルに滞在して1週間くらいのんびりしたことがある。
空港で迎えの車に乗ったのはいいが、いくら走ってもまわりは畑しかない。こりゃあ、へんだ。ひょっとして俺は誘拐されたのかもしれない、と思ったときに忽然とクラブハウスが姿を現した。
とにかく田舎です。でもゴルフ三昧したい人にとっては最高のロケーションだ。
次に安いのがランナゴルフクラブ。街から近いというか、街の中にあるゴルフ場。
今回の私の主戦場はこのゴルフ場だった。
滞在したホテル(アマリ・リンカム)からは車で10分とかからない。料金は平日で750バーツ(キャディフィー込み)。
27ホールあるゴルフ場で開場から30年くらいたっているようだ。
ユニークなゴルフ場で、競馬場に隣接しているために、競馬場をコースが横切ったりする。調教中の馬がいたりしてのどかなもんです。
日本人の感覚からすると、コースの手入れに不満を感じるゴルファーもいるだろう。
フェアウェイでも硬い土の上に薄い草がちょこっと生えているだけなのだ。ボールを正確にヒットしないといいショットにはならない。
だから、良いスコアはなかなか出ない。なんていうのはヘボゴルファーのいいわけか。(笑)
もう少しグレードが高いのが、グリーンバレー・ゴルフクラブ。ランナ・ゴルフクラブから車で15分くらいのところ。
ここは少々バブリーな感じのクラブハウス。カラオケだってあるし、従業員もきちんとしている。(つんとしている。)
料金は平日で1200バーツ(キャディフィー込み)。旅行前にインターネットで調べたときは950バーツだったが最近値上げをしたようだ。
たしかに高い料金をとるだけあって、フェアウェイの芝の状態はランナよりもよい(芝が厚い)し、キャディも皆、かたことの英語をしゃべる。
あといくつかのゴルフ場があるが、まあだいたい似たようなもんでしょう。

・プレーヤー
タイのゴルフというと、さてどんな人がプレーしているのかというのが素朴な疑問。
タイ人でゴルフをしているのはかなりの金持ちのようだ。日本人にとっては安い料金もタイの人々にとっては大変な金額なのだ。
それ以外はやはり現地駐在の外国人。
欧米人、東洋人が入り混じっている。
私が組まされたのは、初日は台湾人、2日目が欧米人、(英国・スウェーデン)、3日目は私1人でまわって、4日目はタイ人だった。
日本人もいるようだが、中国人との区別がつかない。日本人かなと思うと中国語で話していたりする。
(ティーショットをミスして「アイヤー!」と叫んでいた。やはり彼は中国人。)
キャディさんの話ではチェンマイの近くのランプーンというところに工業団地があって、ここで多くの外国人が働いているようだ。
グリーンバレー・ゴルフクラブには、かなり高価そうな洒落た家(邸宅)が建てられていた。キャディさんに聞くと、現地駐在の欧米人達が住んでいるとのこと。私もこれなら外国駐在してもよい。(笑)

・プレースタイル
やはり各国の文化というか、慣習があってこれが面白い。
日本では普通プレーヤー4人、キャディ1人の計5人でまわるが、タイではキャディはプレーヤーごとに1人つく。
そして、プレーヤーは4人とは限らず、6人だったり、8人!だったりする。
プレーヤーが8人だと、キャディも8人で何と16人だ!!フェアウェアイはピクニックをしているかのような賑わいぶり。
私はランナ・ゴルフ場でこの16人の団体を目撃したが、さすがタイでもこれはやりすぎ、マナー違反のようだ。
グリーンバレー・ゴルフクラブのキャディさんによると、プレーヤーは多くても6人までとのことだった。
タイの人はのんびりとプレーする。
日本人の私からすると「おい、もっと早くプレーしろよ。」といいたくなってしまう。
プレーヤーが5人も6人もいてのんびりプレーするわけだから、すぐに後ろがつまってしまう。
私は1人か2人でプレーすることが多いので、すぐにつまってしまう。
平日ならば追い抜かせてもらえるが、土曜、日曜だと、その先もまたつまっているので、打つ時間より待つ時間の方が長くなってしまう。
今回も日曜日の午後プレーしたときは、最初の9ホールで3時間かかってしまった。こういうときはもうあきらめるしかない。
日本のように9ホールで食事、食事のあとまた9ホールという習慣はなく、18ホールを通しでまわってしまう。
空いていれば3時間半くらいで18ホールまわれてしまう。
クラブハウスではもちろん食事はできるし、メニューもそれなりに充実しているが、プレーを終えてから食事というスタイルだ。
コースの中には売店もある。飲物や食物の売店は日本にもあるが、こちらで面白いのは、ところどころでロストボールを売っている
10ヶで100バーツというのが相場のようだ。
面白いのはそのボールの集め方。
ランナ・ゴルフコースは池が多い。夕暮れどきにあれっと思った。池の中に人がいるのだ。最初は暑いから泳いでいるのかと思ったが、どうやら
池ポチャのボールを拾っているというのが私の推理。何故なら昼間は池に人が入っていないのに、夕暮れ時になるとやたらと人が池にいるのだから。

・プレーヤーの実力
タイ人ゴルファーに限って私の感想を言わせてもらう。
正直言ってあまりうまい人はいない。
特にフォームが個性的で、皆思い思いのフォームをしている。
そういう点では、日本のアマチュアゴルファーの方が実力は上だろう。
私も今回、4日目にタイ人ゴルファーと2人でプレーした。
私のフォームもあまりたいしたものではないが、彼は極端なクロススタンスで、しかも極端なオーバースウィング。
よっしゃ、日本人ゴルファーの実力を見せてやろうと気合を入れたが、結局は大差で負けてしまった。
彼はタイ航空の従業員(メカニック担当)だそうで、年に30回はランナ・ゴルフコースでプレーしているとのこと。ハンディは12。
その実力どおりのプレーにただただ脱帽するのみ。
おみそれしました!

・コース・コンディション
ここからは半分は私のいいわけです。
タイは暑い国なので、当然ながら芝のコンディションを良好に保つのは難しい。(芝の手入れをしている人々はたくさんいるが・・・。)
私などがプレーするタイの庶民派ゴルフ場は、やはり芝が悪い。
グリーンはあまり気にならないが、フェアウェイはやはり難しい。
日本のじゅうたんのようなフェアウェイからすると、土の上のボールを打つような感覚だ。(ちょっと大袈裟)
芝が薄いので、ボールをクリーンにヒットしないとナイスショットにはならない。ちょっとでも手前を打ち込むと、もうひっかけの打球しかでないわけだ。
それがこわいので、なかなか打ち込めなくてトップが多くなってしまう。
だから、私のタイのゴルフの平均スコアは国内に比べるとかなり悪い。5〜6打は悪いかもしれない。

なんて言っても、やはりタイのゴルフは楽しい。スコアなんて関係ない。
今回も4日間で計5.5ラウンドしてしまった。最終日は生涯はじめての1日2ラウンド。プレー後のシンハ・ビールのあの美味しさ!
でも、いつの日かタイのゴルフ場で好スコアを連発したい。
帰路の機中でこの文章を書いているが、私の心は次なるタイ・ゴルフツアーに飛んでいる。
タイはいつまでも私にとって安らぎの国なのだ。


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