早稲田大学グリークラブOBメンバーズ 演奏会の録音

[演奏会の録音:Concert2001より]
「19世紀のチェコ男声合唱曲集」より 

1. 交友歌 (1:44) 
1.25MB


2. 我等同胞 (6:43)
4.68MB


3. スラヴ魂 (4:11)
2.93MB


4. さくら草 (2:39)
1.88MB


5. モラヴィアに捧ぐ (3:11)
2.25MB


6. 我が祖国 (6:18)
4.39MB


■録音日:2001年10月6日 ■録音場所:北とぴあ(東京都北区) さくらホール  
■Concert2001 (4.は本邦初演)
■演奏:早稲田大学グリークラブOBメンバーズ / 編曲・指揮:山崎知行 / ピアノ:片桐由佳
■WMA形式128kbps圧縮ファイル

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Concert2001演奏会パンフレットより 〜「演奏にあたって」〜  指揮者:山崎知行

数世紀にわたってドイツの勢力下に置かれていたチェコにおいて、ハプスブルグ家衰退と民族独立意識の先鋭化が噛み合った19世紀中盤以降、自国語の詩による愛国歌ともいうべき合唱曲が、多くの作曲家達によって生み出された。「モルダウ」で有名なスメタナもまたその一人であるが、今回の曲集は日本に知られていない作曲家の作品ばかりである。彼らの歌には大地とその恵み、兄弟仲間の大切さが骨太に表現されており、歌い込むにつれて強靭なチェコ魂とでもいうべきものがはっきりと感じられるのである。

「交友歌」は、男達が集い、祖国のワインや娘達や大地を誉め讃える。武骨な中にも暖かみの感じられる曲である。

「我等同胞」は、団結こそ、腕を組み大いなる鎖を築くことこそ、栄光ある民族が永らえるために大切なことであり、それは父から子へと脈々と受け継がれていくのであろう、と地平線を思わせるような旋律で歌われる。

「スラヴ魂」は、スラヴ人であることの強烈な誇りを快活に歌う。しかしそこに威圧感や敵対心は無く、心の持ち様につながる誇りである。

「さくら草」は今回の曲集で唯一、文芸詩を用いた作品。「さくら草のある風景」といった風情で、聞き流してしまえば何ということはない 2分足らずの小品である。だが歌う者にとっては、完璧に仕組まれた各パートの動きやテンポの揺れや音程の跳躍に翻弄されかねない難曲であり、弦楽四重奏の強者が揃うチェコならではの曲と言えよう。

「モラヴィアに捧ぐ」は、祖国という大聖堂への想いがシンプルに歌われる。それは快活な精神と勇敢な心という鎧で加護して下さる事への感謝と、チェコ民族の明るい未来への確信と。

「わが祖国」は、祖国からの贈り物である美しい自然や産物への感謝と歓びが、全く無駄のない音の配列による旋律感と躍動感で表現される。名曲であり、難曲である。

本日演奏するチェコ男声合唱曲集は、楽譜を入手するまで実に11年を費やしている。当方がまだグリー現役であった1987年秋、とあるレコード屋の廃盤コーナーで「19世紀チェコ男声合唱の復活」というような題のレコードを偶然発見したのが発端で、それまでに聴いた事の無い曲想が気に入って楽譜の探索を開始したのである。
だが、どの楽譜屋にも知らぬと言われ、レコード会社に問い合わせてもなしのつぶてで、その後細々と探索を続けていたところ、1998年春になって、遂にかのレコードの演奏団体であるA.P.S.Moravanのメンバーと連絡が取れたのであった。数度の文通の後、同年秋に御厚意で20曲以上もの原譜を郵送して頂いたが、古色蒼然たるそれらの楽譜から数曲を選び出して浄譜し、習った事も無いチェコ語から逐語訳と意訳を作成するには、更に半年が必要であった。