ADSLの申し込みは済んだ。でも「LANカードとLANケーブルはお客様がご用意ください」と書いてあったけど、お店にはいろんな種類があるよ。そこでこのページではLANケーブル(メタリック)についてのお話しを書いてみます。

■LANケーブルはツイステッドペア(より対線)

外見はカラフルな1本の太い線ですが、その中身は(図1)のように8本の細い線で構成されています。8本の線は2本1組でより合わされ、その4対の線がさらにより合わされる(図2)複雑な構造になっています。この「より」は計算された微妙な「より」で、それにより誘導電流を相殺します。つまりノイズに対して強いケーブルを実現しています。

LANケーブルの構造a LANケーブルの構造b
図1.2対X4対 図2.ケーブルの被覆を取ったところ

■芯線の種類

芯線には用途が違う2種類のタイプがあります。ストランデッド・タイプは数十本の細かい銅線が束になっているもの(図3)。ショップで売られているほとんどのタイプはこれです。構造上ソリッド・タイプより柔らかく取り回しが楽です。普通はこれを使いましょう。ソリッド・タイプは1本の銅線で出来ています。ストランデッド・タイプよりも曲げにくいですが、伝送品質は高いはずです。こちらは配線距離が伸びるハブ間などの接続で、しかもあまり曲げたり、動かす必要がない場合に使うとよいでしょう(図4)。

ストランデッド・タイプ ソリッド・タイプ
図3.ストランデッド・タイプ 図4.ソリッド・タイプ

■ケーブルのグレード

ケーブルは「カテゴリ」と呼ばれるLANの速度別に規格化されています。現在私たちがショップで目にするものは、アメリカのTIA/EIAという組織が定めた規格に適合しているもので、次のグレードが一般的です。
【カテゴリ3】・・・・・10BASE-T 10Mビット/秒のLAN向け。
【カテゴリ4】・・・・・100BASE-TX 100Mビット/秒のLAN向け。(写真1)
【カテゴリ5e】・・・・エンハンストカテゴリ5と呼び、1000BASE-T 1Gビット/秒のLAN向け。(写真2)
さて、私たちはどれを使うかですが、迷わず[カテゴリ5e]を買いましょう。各カテゴリ間の値段は、1メートル当たり数十円くらいの差しかありません。おっ!安いと思ったら要注意。有名ベンダーか、ケーブルの被覆に「CAT-5」等と表示されているものにしましょう。

カテゴリ5 カテゴリ5e
写真1.カテゴリ5 写真2.カテゴリ5e

またケーブルにはシールド(外部からの電磁ノイズ対策)が施されたものと、そうでないものの区別があります。一般にはUTPケーブルを用います。
【UTP】・・・・・Unshielded Twisted Pair シールドなしの一般的なもの。
【STP】・・・・・Shielded Twisted Pair シールドされた耐ノイズ性能が高いもの。

■ストレート・ケーブルとクロス・ケーブル(リバース・ケーブル)

これらのケーブルは、結線方法が違うだけで外見は変わりません。ストレート・ケーブルは両端にあるコネクタの同じピン(8芯なので8本)同士を接続したケーブルです。両端のコネクタを同じ向きにして見てみると、同色の線が同じ順番で並んでいます。クロス・ケーブルは片方の出力信号線を他方の入力信号線に、また、もう片方の入力信号線を他方の出力信号線に結線してあるケーブルです(図5)。つまり、ケーブルの入力と出力の配線がクロスしているのでこの名前が付いたのでしょう。

ストレートとクロスの違い
図5.ストレートとクロスの違い

■MDX/MDXI スイッチ

さて、ここでちょっとケーブルの話から離れます。ADSLモデム,ハブ,ブロードハンド・ルータの背面を見てください。機種によってはLANケーブルの接続口(ポート)に、下の写真のような「MDI/MDIX」と書かれたスイッチがあります。

WAN側MDIX/MDI LAN側MDIX/MDI
写真3.WAN側 写真4.LAN側

写真は私の使っているブロードバンド・ルータの背面を撮影したものです。(写真3)の黒いボタンがWAN(ADSLモデムを接続する)側のポートのスイッチです。また(写真4)は4つあるLAN(パソコンやハブを接続する)側の4番ポートだけに設けられたスイッチです。これらのスイッチは「クロスとストレート」を切り替えることができるもので、例えばこのスイッチのあるポートを使えば、本来クロス・ケーブルを使ってつながなければならないハブとの接続でも、スイッチの切り替えによりストレート・ケーブルが使えるようになります。ちなみにフレッツADSLのN型モデムのポートにもこのスイッチがありました。

■MDI(Medium Dependent Interface)

端子の1-2番に送信、3-6番に受信が接続された状態。代表的なのはパソコン内蔵のネットワーク・ポートや、LANカードのポートがこのタイプになります。(図5参照)

■MDIX(Medium Dependent Interface Crossover)

相手の送信が自分の受信に、自分の送信が相手の受信につながるように、送受をクロスした状態。代表的なのはハブの通常ポートがこのタイプです。(図5参照)
現在は接続された環境を自動認識して動作する「AUTO-MDI/MDI-X」機能を搭載する製品が出てきています。

■Uplinkポート(アップリンク・ポート,カスケード・ポート)

前項では[MDI/MDIX スイッチ]でクロスとストレートを切り替えられるポートがあると説明しましたが、このUplinkポートは最初から[MDI]スイッチを押した状態と同じ専用ポートです。ですからスイッチは付いていませんが、このポートを持ったハブやルータは、他のハブの普通のポートとストレート・ケーブルで接続できます。

■LANケーブルの使い分け

クロス・ケーブルとストレート・ケーブルの使い分けは、接続するそれぞれのポート・タイプが[MDI]なのか[MDIX]なのかによります。つまり同じタイプのポート同士を接続するにはクロス・ケーブルを、異なるタイプのポート同士にはストレート・ケーブルを用います。代表的な組み合わせは次のようになります。
【MDIとMDIX】・・・・ストレート・ケーブル(パソコンとハブの通常ポート間など)
【MDIとMDI】・・・・・クロス・ケーブル(パソコン同士を直結する場合など)
【MDIXとMDIX】・・・クロス・ケーブル(ハブとハブ間など)

■コネクタ(プラグ)

おっと!忘れるところでした。今度はケーブルの両端に付いているコネクタの話です。LANケーブルに使われているのが(写真5)の8極8芯の「RJ45」タイプです。(写真6)は参考にアナログ電話の6極4芯の「RJ11」を載せました。

RJ45コネクタ RJ11コネクタ
写真5.RJ45 写真6.RJ11

いかがでしたか?上手く説明できなかったかもしれませんが、分かっていただけたでしょうか。(^^;
太くて丈夫そうなLANケーブルも、実は細い銅線が規則的によられた繊細なケーブルなのです。踏んづけたり、ねじったり、折り曲げたりは厳禁です。通信速度の低下や、悪くすれば断線で通信不能に陥ります。これを機会に大切に扱ってくださいね。(^_-)それでは次回をお楽しみに。

 

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