子供の発熱・急病

最終更新:2017.11.15

子供が急に発熱すると親は慌てる。特にまだ十分意思を伝達できない乳児の場合は困惑する。平日の昼間なら良いが夜間とか休日の場合は、日曜当番医や救急外来を受診すべきか判断に迷うことになる。以下はいろいろな情報を参考にして、風邪やインフルエンザによる発熱を中心に熱の出る病気の対処法をまとめたものである。

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2015年は異例の早さでインフルエンザがはやり始めているそうだ。すでに9月に流行が始まり、全国14の学校で学級・学年閉鎖が出ている。「2009年に猛威を振るったAパンデミック型とB型のビクトリアタイプのダブル流行になる恐れがある」と予測する医師もいる。Bビクトリア型は抗体を持っている人が少なく劇症化する恐れがある。ワクチンは出来るだけ早く打ったが良い。10月下旬から11月上旬はまだ診療室は風邪の患者も少なく絶好だ。今年のワクチンは、Aパンデミック型+A香港型+B山形系統+Bビクトリア系統の4種混合で接種効果は上がるが、費用は例年より1000円程度高い。

もう一つの脅威は、人がまだ免疫のない「新型ノロウイルスGU.17Kawasaki2014」の流行である。潜伏期間は1-2日、症状は嘔吐・下痢が1-2日。ワクチンや特効薬はない。予防には、1.調理器具の洗浄。次亜塩素酸ナトリウムが良い。2.食事、調理前に石けんで30秒もみ洗い、流水すすぎが効果的という。

 

子供の発熱

  • 体温が37.5度以上を一般的には発熱と考える。
  • 普段の平熱との差が1度以下で、元気があり食欲なども大きな変化がなければ慌てず様子を観察する。
  • ただし、生後3ヶ月未満の乳児が、38度以上の発熱があったり、何度も吐いたり、下痢をしたりする場合は救急病院を受診する。(免疫力が弱く、細菌感染の可能性が高い。病気が急に進む恐れがある)
  • 痙攣が起きたり、意識がはっきりしない時は急いで受診する。
  • ウイルスや細菌に感染すると身体の防御反応が起きて発熱する事によりウイルスや細菌の活動を抑えようとする。(従って、解熱剤でむやみに熱を下げる行為は良くない)
  • 乳児は大人のような体温調節機能が発達していないので、部屋の温度が高かったり、厚着させれば当然体温が上がる。熱が出たときの原因で意外に着せ過ぎの事が多いからチェックしよう。暑がるときは一枚脱がせて熱を放散させると良い。逆に、低温環境では低体温になる。従って、自動車内には絶対に子供を放置してはならない。夏でなくても春や秋でも天気が良く太陽が照り続けていれば、車内温度は60度にもなるので子供は耐えることが出来ず死亡してしまう。(熱中症についてはこちらを参照下さい
  • 注意:解熱剤として小児にも使われる「アセトアミノフェン」が稀に、スティーブンス・ジョンソン症候群と中毒性表皮壊死症(初めはインフルエンザ様の症状がみられた後、発疹、水疱形成、皮膚表面の広範囲の損傷が生じる。)や急性全身性発疹性膿疱症(発疹などの皮膚反応)を引き起こす事があると米国食品医薬品局(FDA)が警告した。近く、製品のラベルに警告が表記される予定。同薬の使用中に発疹などの皮膚反応が生じた場合は、服薬を中止し、すぐに医師の診察を受けること。(2013.8.21)

親が注意すること

  • 子供の普段の元気な時の熱を、同じ体温計、同じ時刻、同じ部位で計測して平熱を知っておくこと。(平熱は、元気なときの朝か夕方、食前に何回か測って平均しておく)
  • 熱以外の症状をよく観察すること。病院を受診した場合には症状を漏れなく医師に伝えることが正しい診断につながる。
    CHECK POINTS!
    ・食欲はあるか、水分は十分摂れているか

    ・元気に遊んでいるか、意識はしっかりしているか

    ・顔色は良いか
    ・吐き気や嘔吐はないか
    ・便はでているか、下痢はしていないか、下痢が続いていないか。
    ・お腹が張っていないか
    ・尿はきちんと出ているか(通常、乳児の尿回数は一日7-8回。12時間以上尿が出ない場合は尿路感染の疑い。
    ・尿の色や臭いはいつもと同じか
    ・咳や痰、鼻水はでていないか。(激しい咳が2週間続いたら百日咳を疑う)
    ・どこか痛がる部位はないか(耳、喉、頭、腹など) 口の中に口内炎などが出来ていないか?
    ・耳だれや目やには出ていないか、耳たぶを軽く引っ張っただけで痛がらないか?(中耳炎併発の疑い) 目は赤くないか、目やには出ていないか
    ・呼吸は苦しそうではないか、脈拍が異常に早くないか?新型インフルの場合、早期に肺炎を起こすことがあるので、呼吸数に注意する。 5歳以上の場合は1分間の呼吸数が30回以上、1歳〜5歳未満は40回以上、1歳未満は50回以上なら注意が必要。肺炎を起こしている可能性がある。
    ・身体に発疹は出来ていないか
    ・目がくぼんでいたり、表情がいつもと違っていないか
    ・声が枯れたり犬の遠吠えのような声を出していないか?(クループ症候群)
    上記はチェックポイントの例だが、熱があっても、元気に遊んでいる(ぐったりしていない)、何度も吐いたり、下痢はしていない、どこか痛そうにはない、咳や痰が絡んで呼吸が苦しそうにはしていない、水分は飲んでいるような場合は一安心。今後の経過、変化をよく観察しながら、いつでも飛び出せるように、病院の住所・電話番号、必要な荷物をまとめておこう!
  • 医師の診断は万能ではなく、時として考えが及ばないこともあるので、診断に納得がいかない、不審なことがあれば、積極的に、このような病気は考えられないかと問いただして見ることによって正しい診断につながることがある。
  • 親が風邪を引いたときは、子供にうつす可能性が高いので注意する。マスク、手洗い、換気、加湿、温度、空気清浄機など。親が咳が出るときはマスクをする事は当然であり、又、鼻を噛んだ時は、ちり紙を通過して手指にウイルスが付着している可能性が高いので、そのまま子供に接触した場合は感染させる事になる。本来守らなければならない可愛い子供に対して犯罪者、加害者にならないように注意したいものだ。部屋にアルコール消毒スプレーを準備しておけば一々手洗いに行かずに済む。
  • 熱がある時は、特に、水分は十分に補給する。また、あまり食べない時は、すり下ろしたリンゴやスープなどの汁物を与える。
  • 下痢をしている時は便の色に注意する。白い便はロタウイルス、赤い便は細菌性胃腸炎による出血、黒い便は十二指腸の病気を疑う。
  • を単独では飲まないときは、アイスクリーム(又はヨーグルト)に混ぜると飲ませ易い。
  • 鼻をかむ:  まめに鼻をかまないと副鼻腔炎(蓄膿症)になったり、中耳炎になったりする。
    1. 鼻をかまないと炎症が悪化したり、症状が長引く。
    2. 両方を同時にかまないで片側ずつやることが重要。 片方の鼻を指で塞いで、片方の鼻は開放した状態で弱めに鼻をかむ事。両方の鼻を一度にかむと、 鼻腔内の圧力が強くなり、細菌に感染した鼻汁が耳管に入り中耳炎になりやすい。
    3. 鼻水をすすらないこと。鼻水をすすると中耳炎になることもある。
    4. かんだ鼻をティッシュで取る場合は、最低でも4枚のティッシュを使わないと、鼻汁の中のウイルスがティッシュを通過して手に付着する。実験では8枚使って0%になると言われる。
    5. 鼻をかんだ後は必ず手を良く洗う
    6. 子供が鼻をうまくかめないときは、親が吸引器で鼻を吸ってやると良い。
      ママ鼻水トッテ  耳鼻科の先生が考案した鼻すい器、対象年齢:0ヶ月から、丹平製薬、AMAZONが\1500以上の購入で無料配送。乳幼児のいる家庭では便利。
  • 部屋が乾燥すると抵抗力が落ちるから、加湿器を使ったり、洗濯物を室内干しにして湿度を上げると良い。
  • 冬、初詣、デパート等の雑踏の中に乳幼児を一緒に連れ出すのは、風邪を引かせる実験をしているようなもの。人混みは埃などでばい菌の巣窟。マスクやうがい等で自衛が出来ない無防備の乳幼児をそのような環境に連れ出せば風邪を引きやすくなる。 親のエゴで寒い冬に乳幼児を一緒に連れ出すのは見合わせたい。特に、年末年始は医院も休診が多く、診療体制が手薄になっているから特に注意を要する。
家庭での注意事項
子供が風邪等になった時、注意すること
(子供から親が感染しないようにすることも大事)
子供は学校や保育園で集団で生活するので色々な感染症にかかりやすい。子供がインフルエンザや風邪を引いた結果、親や同居の家族(特に老人)に感染する事が多い。子供に接する時は、その前後に手洗いを励行したい。 親が子どもから感染すると世話も出来なくなる。特に、親が妊婦の場合は注意が必要。親が症状が出たら、医師に『家族に新型インフルエンザ患者がいる』ことを正確に伝え、すぐにタミフルやリレンザによる治療を受ける。妊婦の場合は、発症したら、重症化する危険性が高いので、子供が感染したらタミフルの予防投与が必要になる。また、祖父母など手伝ってくれる人がいるならば、子供の看病を頼った方が良い。
  1. 患者を個室に移す
  2. タミフルの服用の有無に拘わらず、発熱後2日間は子供の様子(異常行動がないか)を監視する。乳幼児だけでなく小学生・中学生にも注意が必要。→インフルエンザ脳症については、下欄参照。
  3. 看護する人はマスクをする(子供も可能ならマスクをさせる)
  4. むやみに鼻や唇を触らない(ウイルスが手から侵入する)→マスクをしていると触る機会が減る
  5. うがい(水でよい)
  6. 歯磨き、舌磨き 口の中の細菌を減らすとインフルエンザの感染が1/10に減る。口内に細菌が多いとインフルエンザにかかりやすい。特に、舌の表面には細菌が多いので、歯ブラシで奥から手前に掻き出すと良い。
  7. 手指を洗う又はアルコール消毒液(特に鼻をかんだらその追度必ず手指を洗う。ティッシュは最低でも4枚は使わないと鼻汁のウイルスがティッシュを通過して手に付着して手指はウイルスだらけになる。8枚使えば0%になると言われるので4枚のティッシュを折り返して使うのは良い方法) 1日5回以上手を洗う。
  8. 時々お茶を一口飲んで喉を潤す。必要に応じてトローチやのど飴で喉をなめらかにして咳を減らす
  9. 暖房で部屋を22度以上に
  10. 加湿器で湿度を55%以上に
  11. 室内の除菌にクレベリンを活用する。(下記欄外参照。プラズマクラスターイオンとの併用は避ける)
  12. 空気清浄機でウイルスを除去又は不活性化する。濡らしたタオルを振り回してウイルスを吸着するのも簡便で有効
  13. 換気扇又は部屋の窓を時々開けて新鮮な空気を入れる
  14. 朝夕部屋の掃除をして浮遊する埃やごみを最小限に
  15. 鼻をかんだちり紙やマスクはポリ袋に密封して捨てる(ゴミ箱に捨て乾燥するとウイルスが室内に舞い上がる)
  16. 睡眠を充分にとる(最低でも普段より+1時間)→免疫力が強ければ感染しても発病しない
  17. 栄養価の高いものや免疫力の高まる物を食べさせる(バナナ、ヨーグルト、干し椎茸、ブロッコリー、蟹、海老、ゆで卵、チョコレート、納豆、茄子、大根、キュウリ、人参、タマネギ、ビタミンC、亜鉛等々
  18. 親にも症状が出たら、かかりつけ医に『家族に新型インフルエンザ患者がいる』ことを連絡し、すぐにタミフルやリレンザによる治療を受ける。親がたまたま妊婦の場合は、発症したら、重症化する危険性が高いので、子供が感染したらタミフルの予防投与が必要になる。また、祖父母など手伝ってくれる人がいるならば、子供の看病を頼った方が良い。

病院を受診する場合

  • 生後3ヶ月以内の発熱・下痢・嘔吐は例え、元気そうに見えても早めに受診する。4ヶ月以上の場合で、元気があって、水分も飲んでいる時、呼吸も普通の時は通常は緊急に受診する必要性は薄い。注意深く経過を見る。
  • 痙攣が起きたり、意識がはっきりしない時は急いで受診する。特に、痙攣が7分以上続くときは救急車を呼ぶ。
  • 熱が出た時は子供の状態をよく観察する。顔色、元気、水分摂取、排尿。これらが問題なければ上記の対処法を実施して様子を見るのも一法。むやみに病院に行けば、逆に風邪やインフルエンザを貰ってくることにもなる。
  • 次のような症状があれば病院を受診した方が良い
    1. 熱が39度以上に上がった(髄膜炎、尿路感染症、急性喉頭蓋炎、心筋炎等を疑う)
    2. 咳がひどい
    3. 何度も吐いたり、下痢する(脱水、腸閉塞、敗血症等を疑う)
    4. 身体に発疹が出たり、頭痛・腹痛を訴えたり、首のリンパ腺が腫れている
    5. ひどく元気が無く、ぐったりしている。食事をしない。遊ばない。
    6. 呼吸困難がある(乳幼児の場合、腹痛と勘違いしやすい)
    7. 顔色が悪くなる、唇が紫になる。
    8. 時間と共に症状が悪化している
  • 病院を受診する場合は、事前に病院に電話して、症状、診察券番号などを予め伝え、当直医の有無や都合を聞いた上で受診する。
  • 小児の診察では子どもが嫌がって泣くような診察行為はなるべく最後にして貰う。2歳以下の乳幼児の診察は、次のような手順で行うのが一般的とされている。
    (1)まず顔の表情を見ながら、頭を撫でながら大泉門を触診する。
    (2)頸部を触診し、頸部リンパ節等を確認する。
    (3)衣服を脱がせながら胸腹部の視診をし、心音と前後の呼吸音の聴診を行う。
    (4)腹部を視診・触診し、さらに腸音を聴診する。
    (5)頭部に戻り、耳鏡で左右の鼓膜と鼻腔を見る。
    (6)最後に舌圧子を使用して、咽頭の視診を行う。
    大泉門は頭頂部、ひたいの上部にある、骨と骨の継ぎ目部分。大泉門が膨らんでいるような場合は、水頭症、脳腫瘍、髄膜炎、脳炎などを疑う。但し、普段から見ておくこと。
  • 病院を受診した場合は、医師も人間だからミスもあるので、疑問があれば、遠慮無く尋ねよう。もし簡単な問診、聴診、喉を見るだけで診断を下すようなら、インフルエンザ検査、溶連菌感染症検査、採血、胸部X線検査等の必要性を問いかけてみよう。
病院・医院での感染から身を守る

病院や医院は病人が集まる所なので当然の事ながら、細菌やウイルスの巣窟となっており、特に、インフルエンザの流行する1月〜2月の時期に病院に行くことはかなりの感染リスクを伴う。しかしやむを得ず受診しなければならないときは、感染症に対する配慮をしている病院を出来るだけ利用して、病院に行ったために風邪やインフルエンザを貰ってくるという事態を避けたい。

毎日患者に接する医師は常に感染の危機にさらされている。もっとも雑菌には強くなっていると思われるが、やはり医者でも風邪を引く。最近、大きなコップにお茶を入れて、患者を一人診るたびに一口お茶を飲む医師を見かけるが、お茶を飲むのは医師だけでなく、待合い室に給茶器を置くなどして患者にも飲ませて貰いたいものだ。それが結果的に医師や患者間の風邪の蔓延を防ぐことにもつながると思う。

  1. 診察室、トイレ、待合室の清掃が行き届いている病院
  2. 暖房、加湿器を使用して室温を25度以上、湿度を50%以上に保っている病院
  3. 空気清浄機を使用している病院
  4. 患者用のマスクを受付に準備している病院
  5. 給茶器などを設備して患者が自由に利用できる病院
  6. 先生や病院スタッフ全員がマスクを着用している病院
  7. 午前と午後の合間に窓を開けて換気に努めている病院
  8. 明らかにインフルエンザと思われる感染症の患者は直ちに別の診察室に受け入れ診察する病院

上記の様な患者に対する配慮やサービスをしている病院はまだ少数派だが、2003年のSARS騒動や昨今の新型インフルエンザの発生予測と共に確実に増えている。人類が未知の新型インフルエンザの発生が危惧される現在、病院側も感染症に対して医療従事者自身並びに患者側の安全を守るため万全の配慮をして欲しいもの。

我々も病院に行ったときは可能な限り自衛するのが良い。

  1. マスクをする(診察室でも取らない)
  2. お茶を持参して喉を潤す
  3. トローチやあめ玉を舐めて喉を潤す
  4. 病院に備え付けの雑誌類は出来るだけ触らない
  5. 濡れタオルを持参して手を良く拭く(アルコール消毒剤を持参すれば尚良い)
  6. 帰宅後すぐに手洗い、うがいをする
  7. 脱いだ衣服にはその後8時間は触らない

熱の原因

  • 多くはウイルス感染(90%を占める)、細菌感染などに対する身体の防御反応の結果熱が出る。
  • 一般的には熱の高さと病気の重さは比例しない。

風 邪

  • 新型インフルエンザについては、別項「新型インフルエンザ」を参照下さい。
  • 母親から受け継いだ免疫力が低下する6ヶ月以降は感染症にかかる可能性が増えるので注意。
  • ほとんどはウイルスによるもの。ウイルスは100種類以上あるから、同じウイルスには免疫が出来ても、別のウイルスにやられれば、何度でも風邪にかかる可能性がある。
  • 生後6ヶ月位までは母親の免疫力のお蔭で仮に風邪を引いても高熱は出ず、37度台で治まる事が多い。それ以降は免疫力も低下するので高熱が出る事がある。
  • 症状は、鼻水、咳、くしゃみ、喉の痛み、腹痛、下痢、発疹などが出る。
  • 昔は高熱が出るとバカになるとも言われたが、熱が39-40度出ただけでは脳に影響が出ることはない。
  • ウイルスに効く薬はないので、対症療法で症状を緩和する。
  • 身体を暖め、温かいものを飲むことにより発汗を促す事で治ることも多い。→風邪の初期に葛根湯なども人によっては効果があるので医師や薬剤師と相談すると良い。常備薬として持っておくことも薦められる。(頭痛、発熱のある時。但し、汗を多くかいている人、体力の弱い人、食欲の無い人は不適)
  • 熱があるときはとにかく脱水にならないように水分補給を心がけるのが第一。湯冷まし、麦茶、幼児用イオン飲料、リンゴジュースなどが薦められる。
  • 下痢があるときは消化の良いお粥やうどんにする。
  • 咳が出るときは1才以上なら蜂蜜が効く。薬以上の効果があることも。
  • 夜間、咳で寝られないときはヴィックスヴェポラッブ(カンフル,メントール,ユーカリオイル配合剤)が効く。ランダム化比較試験(RCT)済。
  • 風呂は熱が下がるまで避けたが無難。
  • 普通の風邪は基本的には自然治癒するもので抗生物質は有害無益。喉の痛みや扁桃腺が腫れる咽頭炎・扁桃炎でもほとんどはウイルス性のため抗生物質は不要。細菌感染が疑われる場合を除いて抗生物質は安易に飲まない方がよい。(細菌感染で起きる溶連菌感染症は抗生物質が効く)
  • 夏に多い風邪の一種で「ヘルパンギーナ」と「手足口病」がある。(下記参照)
  • 咽頭炎扁桃炎もウイルスによるものと細菌によるものがある。発熱、喉痛、ものを飲み込む時に痛い等が特徴。
  • 犬がほえるような咳が出て、声がかれ、呼吸が苦しくなる、冬に多い病気に「クループ」がある。喉の奥(咽頭)が腫れ空気の通り道を塞ぐ病気で、ウイルス性は6ヶ月〜3才に多く、細菌性は3〜6才に多い傾向がある。呼吸困難が強ければ入院加療する必要がある。

インフルエンザ

  • 2011年冬〜2012年春のインフルエンザの特色についてはこちらを参照下さい。
  • 鳥インフルエンザについては、別項「新型インフルエンザ」を参照下さい。
  • 国立感染症研究所感染症情報センターのホームページでは2009年9月現在の情報として、下記の記述がある。
    「10 代の季節性インフルエンザ患者に対するタミフルの使用と異常行動に関しては、明らかな因果関係が否定されておらず、現在でも国内において使用が制限されている。しかし日本小児科学会より、治療の有益性が危険性を上回ると判断された場合、患者・両親の承諾の下、使用することは可能であるとの提言が示されている。これは、1歳未満の乳児に関しても同様である。また、米国CDCからも1歳未満の乳児を含む小児のインフルエンザ患児に対するタミフルの使用が示されており、臨床的に必要であると判断された場合には厳重な監視下でタミフルを使用することは妥当であろう。また吸入薬であるリレンザは5歳以上で国内健康保険適応となっている。」
  • インフルエンザウイルス(A、B型)に感染することにより起きる。潜伏期間は1〜3日。
  • 風邪の症状に似ているが、寒気を伴う高熱が急に出ることが多い。発熱時の熱性痙攣は1才前後の乳児に多い合併症。2〜5%の子供がインフルエンザで痙攣を起こすと言われている。
  • けいれんには一過性の「単純型けいれん」と、それ以外の「複雑型けいれん」がある。けいれんが、15分を超えて続く、繰り返し起きる、体の左右ばらばらに起きるとき、また、症状が治まったあとも意識がはっきりしないときは複雑型けいれんが疑われる、脳症の心配もある。けいれんを起こしたら必ず受診すること。
  • 乳幼児は中耳炎、気管支炎、肺炎やインフルエンザ脳症、心筋炎の合併症が怖いので医師を受診して、インフルエンザ診断キットでA、B型のインフルエンザかどうかの鑑別をして貰う。
  • 普通は1月にA型が先行して流行し、ついでB型が2-3月に流行するパターンが多い。B型よりA型の方が脳症になりやすいと言われる。A型は喉鼻などの上気道、B型は胃腸にくる事が多い。
  • 子どもは、2011年秋以降、ワクチン摂取量を増やしたので効き目が良くなると思われる。

    子どものワクチン摂取量の改訂

    2011年秋以降
    生後6ヶ月〜3才未満
    0.25mlx2回
    3才以上〜13才未満
    0.5mlx2回
    13才以上
    0.5mlx1回
       
  • インフルエンザの場合はタミフル(2001/2発売)などの特効薬「抗ウイルス薬」を発病後48時間以内に服用すると回復が早いと言われる。(統計的には熱の下がりが1日早い) ただ、タミフルの安全性はまだ十分解明されておらず、脳症のはっきりした症状が出ないまま、8才頃までの小児が突然死したり、17才くらいまでの子供の精神異常行動が起きる例が報告されている。従って、10歳代の子供には使用しないが良いと思われる。又、1才未満の赤ちゃんの使用は慎重に考えた方がよい。尚、2009年になって、タミフルがまったく効かないタミフル耐性ウイルス(Aソ連型)が見つかった。→タミフル神話の崩壊。(下記参照)
  • 2007.3.20 厚生労働省は10代へのタミフル原則使用中止を求める緊急安全性情報を出すよう、輸入・販売元の「中外製薬」に指示した。尚、10才未満の子供はインフルエンザで重篤な容態になったり、インフルエンザ自体による死亡事例があるので、これを減らすため、親の監視下でのタミフルの服用が引き続き推奨されている。ただ、その後も調査を続けた結果、2007年12月現在の厚生労働省薬事・食品衛生審議会安全対策調査会の報告では、インフルエンザの際にタミフルを服用した場合と、タミフルを服用しない場合とで異常行動の出現率に大きな違いはない、むしろタミフル服用時の方が若干少ないとの調査報告もあり、何が正しいのかまだ完全には分かっておらず現場を混乱させている。従って、インフルエンザに罹患した場合は、タミフルを服用したかしないかに拘わらず、発熱後2日間は親は子供の行動を監視しておいた方が良い。(異常行動はインフルエンザ脳症の前駆症状なのかもしれないが、未だはっきりしたことは分かっておらず早期解明が望まれる)

    ☆タミフルの服用基準(2007/12現在)
     
    タミフル
    備考
    1 才未満 慎重 禁忌ではないが安全性などが充分解明されていないので、医師とよく相談
    1〜9才 使用可 この年代はインフルエンザ罹患率が高く、特に、インフルエンザ脳症は5才以下がなりやすいので、親の監視下、タミフルの服用が推奨されている
    10才〜19才 原則使用中止 体力もあり、異常行動時、親が制御することが困難なので使用中止。但し、免疫力・抵抗力が特に弱い子供は服用したが良いという判断もあるので医師とよく相談。2013年74月の調査では、10-19才の患者に対しても16.5%の医師はタミフルを使っていた。
    20才以上 使用可  

    2009年の治療薬の判断の目安

     
    タミフル
    リレンザ
    20才以上
    10才〜19才

    5才以上〜9才

    1才〜5才未満
    1才未満
    △慎重、医師と相談
    新型インフル
    A香港型
    Aソ連型
    B型
    備考

    飲みやすい。
    2009年Aソ連型には無効。
    5才未満はタミフルを使うしかないが、Aソ連型なら効果はない。

    吸入しづらい、Aソ連型にも有効なので、5才以上はリレンザが良いことになる。
  • 新薬・富山化学工業「アビガン(開発コードT-705)」(錠剤) 2014年4月に市販開始:A(H5N1)及びA(H7N9)等に対する抗ウイルス作用を期待
    富士フイルムグループの富山化学工業がインフルエンザウイルスのみを殺す力があるアビガン錠(開発コードT-705)という新薬が2014年3月製造販売承認を取得した。アビガン錠は、ウイルスの細胞内での遺伝子複製を阻害することで増殖を防ぐという新しいメカニズムを有する薬剤(RNAポリメラーゼ阻害剤)。そのため、「とげ」の突然変異に左右されない強みがある。更に、耐性化にも左右されないとなれば強力な薬剤になる。治療薬タミフルが効きにくい高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)にも効果があることを、東京大の河岡義裕教授(ウイルス学)らが確認した。このタイプが流行しても感染者の致死率を大幅に下げることができると証明したもので、 中国で流行しているA(H7N9)等に対する抗ウイルス作用も期待されている。まだ有効性の検証実績が無いため、当面は新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症が発生し、本剤を当該インフルエンザウイルスへの対策に使用すると国が判断した場合に、患者への投与が検討される医薬品。
  • リレンザ吸入タイプ。A、B型共に効果がある。A香港型の他、2009年タミフル耐性問題が起きたAソ連型にも効く。これまではタミフルと比べて使用方法が面倒なことからあまり使われなかったが、タミフルがAソ連型に効かなくなったことから急激に需要が増えていると言う。ただ、リレンザにも異常行動の報告があり、薬のせいか、インフルエンザそのものに起因するのかの解明はなされていない。従って、リレンザを処方された場合はタミフル同様子供の行動の監視が必要。5才以上に使用。リレンザの吸入方法などはグラクソスミスクラインのHPを参照下さい。→こちらでリンクできます。
  • 塩野義製薬の1回投与で済む世界初の静注用抗インフルエンザ薬「ラピアクタ」登場!
    タミフル、リレンザに次ぐ第三の抗インフルエンザウイルス薬「ラピアクタ」が2010年1月登場する。A型、B型のインフルエンザに効能がある。
    使用法は、300mgを15分以上かけて単回点滴静注する。合併症等により重症化するおそれのある患者には1日1回600mgを同様に点滴静注するが、症状に応じて連日反復投与が出来る。
    経口投与が困難な患者や、吸入剤をうまく吸入できない高齢者などに適している。
    15分程度の1回の点滴静注だけで治療が完結する。それ以降の投薬は必要ない。H1N1型のほか、季節性、強毒性のH5N1型の鳥インフルエンザにも効果が期待できるという。
    国内での臨床試験結果では、24.7%に副作用が認められているので、当面副作用の出現には十分な注意が必要。主な副作用としては、下痢(5.8%)、好中球減少(2.8%)、蛋白尿(2.5%)などであり、重大なものとしては白血球減少、好中球減少(どちらも1〜5%未満)が認められている。
    2010/1時点では15才以下の小児への使用はまだ認められていない。塩野義が2007年に米バイオクリスト社から日本での開発・販売の権利を得て、開発を進めてきたもの。
  • 第一三共から純国産の吸入薬「イナビル」が2010年新登場:
    4番目のインフル治療薬。厚生労働省の薬事・食品衛生審議会は第一三共が開発した純国産のインフルエンザ治療薬「イナビル吸入粉末剤20mg」(一般名・ラニナミビル)の承認を了承した。2010年秋発売予定。リレンザと同様、口から吸入するタイプ。タミフルやリレンザは1日2回、5日間の服用が必要だが、イナビルは1回の吸入で済むのが特徴。A型とB型のインフルエンザに効く成人と小児向けの吸入薬。⇒実際は薬局の指導の下、1回吸入するので効果が確実。
  • インフルエンザの熱は通常1週間程度続く。最初の晩又は翌日が一番高く、3日目には少し熱が下がるが、また4日目〜5日目にはまた上がるという2山型が多い。抗ウイルス薬の効果で、1−2日で熱が下がっても、ウイルスは体内にあって排出されるので1週間は他人に感染させない注意が必要。
  • 主に5才以下の子供がインフルエンザにかかり、高熱を出して、嘔吐、痙攣意識障害、異常言動や異常行動があるようならインフルエンザ脳症を疑う。症状が急速に進行し、重篤になり死亡率10%を超え、助かっても後遺症が残る率が高いので、急いで救急車で高度の治療が出来る総合病院へ行き、下記のガイドラインに記載された、支持療法、特異的治療、特殊治療を受けることが重要。
    インフルエンザ脳症ガイドライン(2005/11厚生労働省)はこちらを参照
  • インフルエンザ脳症の発症原因はまだ解明されていないが、予防接種をしていない子供に多い事から、ワクチン接種が薦められる。
  • 乳幼児のインフルエンザワクチン
    1. 一般には生後6ヶ月以上に勧められる(1歳以上が良いという医師もいる)
      生後6ヶ月未満の新生児はインフルのハイリスクだが、ワクチンは接種出来ないので、周りの人がワクチンを接種し、出来るだけ近寄らないことである。
    2. 大人ほどはっきりした効果はない(有効率30%程度とそれほど高くはない)
    3. 基礎疾患のある乳幼児ほど重症化防止に勧められる
    4. 卵アレルギーの子供は禁
    5. 発症したときタミフルを飲ませたくないと考える親はワクチンを接種したがよいかも知れない
  • 治るまでは、@安静、A保温、B水分補給、C部屋の加湿と温度、D空気清浄機、E看護者は手洗い、うがい、マスクを励行する。
  • 廣津医院(川崎市)院長の廣津伸夫氏は学校の出席停止の期間の基準としては、「インフルエンザは、解熱した後2日を経過し、かつ、治療を開始した後4日(幼児にあっては5日)を経過するまで」を提唱している。
  • インフルエンザに関する一般的な説明はこちらを参照下さい。
  • インフルエンザ罹患年齢別内訳: 国立感染症研究所のデータ(2006/9-2007/3)
    年齢
    罹患率
    0才〜9才
    49.9%
    10才〜19才
    29.7%
    20才〜39才
    11.8%
    40才〜59才
    6.3%
    60才以上
    2.4%
  • インフル治療薬一覧:インフルエンザ治療薬(タミフル・リレンザ・イナビル・ラピアクタ・アビガン錠)の詳細は別項を参照ください。→こちらを参照

発熱時の手当

  • 熱が37.5〜38度の時は、30分〜1時間毎に検温して経過を見る。
  • 熱が38度以上になった場合は、「薄着」にする。但し、本人が寒がっているときや震えている時は無理に冷やさない。
  • 更に熱が上がって、38.5度を超えたらクーリングを実施する。
    クーリング:@脇の下に少し大きめのアイスノン等の保冷剤を挟むとか、A足の付け根を保冷剤で冷やす。B背中に保冷剤をくくりつける方法も有効。脇の下や足の付け根は太い血管があるので冷却効果が高い。但し、本人が嫌がっている時は無理にしない。
  • 冷えピタ等でおでこを冷やす方法は、多少気持ちは良いものの短時間で効果が薄れ、身体の熱を下げる効果はほとんど期待出来ない。

室内と服装

  • 夏は25度前後、冬は20度前後に室温を保つと良い。
  • 冬は加湿器で湿度を50%以上にすると良い。
  • 厚着させると体温が益々あがるので、下着一枚程度にし、寝るときは、バスタオルやタオルケットをかける程度にする。
  • 熱が高いのに手足が冷たいときは手袋や靴下をはかせて、身体の中心は冷やすと良い。

水分摂取

  • 発熱や下痢により水分が身体から奪われるので水分の補給が一番重要。
  • イオン飲料・経口補水液等が薦められる。水分の他にナトリウムなどの電解質を含んでいる。
    (ほうじ茶・麦茶は良いが、湯冷ましやリンゴジュースなどは避ける。ジュースは糖分が多く塩分が少ない)
  • 1才未満の赤ちゃんの場合は、ポカリスエットを湯で1/2に割った薄目の物を与える。
  • ヨーグルトやミルクは少なめにした方が胃の負担を軽減する。
  • こまめにスプーンで1〜2杯ずつでも飲ませる。

解熱剤

  • 解熱剤はむやみに使用しない方がむしろ安全。微熱程度では使用しない方が良い。解熱剤はウイルスを殺す人間の力を削ぐのでむやみに使わない方がよい。使う場合は38.5度以上の時に比較的副作用が少ないと言われるアセトアミノフェン。
    ※15才未満の子供が飲んではいけない解熱剤:サリチル酸、ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸。
    (大人は何を飲んでも問題ない)
    アスピリンはライ症候群という重篤な脳症を起こしやすいと言われているので使用厳禁。
    ライ症候群:子供がインフルエンザや水疱瘡になって、解熱し、そろそろ完治という頃になって、急に意識障害、痙攣、昏睡が起きて死亡する病気。米国ではアスピリンが疑われ、その使用を禁止したら発生がほぼなくなった。我が国では米国ほどの強力な原因究明作業や措置は取られておらず、“解熱剤との関連性が明確になっていない”実情にあるが、解熱剤で脳症にならないために、強い解熱剤は拒否する自衛策が必要と思われる。(ボルタレンやポンタールは不可)
  • 使うタイミングは、38.5度以上で元気がない時等が目安。せいぜい1度下げるつもりで使用する。平熱まで下げるのはむしろ危険。解熱剤が効きすぎた場合は次回は量を減らすなど調整する。
  • 38.5度以上あっても元気が良く、水分も取れている場合は解熱剤は使わず、クーリング(身体を冷やす)で様子を見るのが良い。但し、クーリングもやりすぎないこと。クーリング中は経過を慎重に観察すると共に、本人が嫌がる時はやめる。
  • 解熱剤はむやみに使用すると病気の回復を遅らせたり、副作用が出る可能性がある。どうしても解熱剤を使用する場合はアセトアミノフェン(家庭では小児用バッファリン等)に限る。但し、アセトアミノフェンの解熱効果は弱い。
  • もし解熱剤を使用したら、最低でも6時間はあける。
  • 熱性痙攣が過去起きた子供の場合は、38度以下でも解熱剤を使用するようにかかりつけ医から指示が出ることがある。
  • 薬には飲み薬の他、座薬、貼り薬などもある。医師と相談しよう。
  • 米国食品医薬品局は2007年10月、咳止め、鼻水止め、総合感冒薬等の風邪薬は6才未満の小児には使用すべきではない
    勧告した。咳や鼻水や熱は身体が風邪と戦っている証拠で、これを薬で止めるのはむしろ逆効果。薬には必ず何らかの副作用があることを忘れてはならないとしている。日本の風邪薬も米国と同様の成分が使われているので、副作用が起きる確率は米国と同様なので使用は慎重にした方が良い。特にシロップは薬液をスポイトで計量するが多めに飲むこともあり得るので特別の注意が必要。従って、風邪薬は、高熱があっても元気そうなら解熱薬は使わない。40度前後の高熱でぐったりし、食欲がなかったり、ぐずって寝ることも出来ないような場合に限って使うとよいかもしれない。
  • 常備薬:小児科が近くにないとか夜間救急外来がないとか、受診が困難な地域に住んでいる人は、予め医師や薬剤師と相談の上、漢方薬の「葛根湯」(風邪用)と「麻黄湯」(インフルエンザ用)を常備薬として持っておくのも良い。風邪の症状が出たとき早めに服用させて様子を見る方法がある。但しどちらも汗をかき始めたら服用中止を考える。漢方薬服用中は身体を冷やさないようにする。(冷たいジュースやアイスクリームは与えないで、温かい飲み物や葛湯などを与える。クーリングもしないこと) 漢方薬にも副作用があるのでタミフルなど他の薬との併用はしないこと。服用後異常がでたらすぐに医師と相談。
    葛根湯:頭痛、発熱時等風邪の引き始めに使用。(汗が多く出る人、体力の弱い人、食欲不振の人は不適)
    麻黄湯:(2才以上で服用量は指示された量を厳格に守ること)風邪の初期やインフルエンザの初期で発熱、悪寒、節々の痛み、鼻水、鼻づまり、咳、喘鳴があるときに使用。(汗ばんでいる人、自然に汗が出る人、体力の弱い人、2才以下は不適。子供はタミフルとの併用はしないこと。インフルエンザのひき始めの段階(ウイルスが増殖する前)に服用しなければ意味が無く、高熱が出てしまった後に服用しても効かない。1-5歳の乳幼児が万一インフルエンザ脳症に罹ると、致死率は10%を超えるので、麻黄湯で発熱期間を短縮できればそれだけ解熱剤の使用が減り脳症の発症予防になる。)

抗生物質

  • 抗生物質は細菌感染を治療するために使われる。ウイルス性疾患には効果がない。
  • 抗生物質が医師から処方された場合はきちんと服用する。症状がなくなったからと、自己判断で勝手にやめないこと。中止・減量は医師に相談する。抗生物質を中途でやめると細菌が完全に死滅しないで、生き残った細菌がまた盛り返してくる事があり、抗生物質が効かない耐性菌となる可能性がある。
  • 残った抗生物質を次回類似の症状の時に再使用することは危険なのでやめたが良い。(薬の有効期間や変性、治療に必要な量が残っていない、症状が中途半端に消えて医師が診断を間違う恐れがある等々)

普段の準備品

  • 体温計
  • 保冷剤(アイスノン)・イオン飲料・ポカリスエット・乳幼児用冷却衣ク〜ルくる
    薬局で市販されている子供用のイオン飲料や経口補水液が良い。
    →急ぐ場合の経口補水液の作り方:湯冷まし1リットル+塩3g+砂糖40g+レモン少々添加。スプーン1-2杯をこまめに飲ませる。
  • アセトアミノフェン解熱剤(有効期限に注意)、麻黄湯(備蓄)
  • 加湿器
  • 空気清浄機
  • エアコン、温風ヒーター
  • マスク(インフルエンザなどの場合は高性能のマスクが良い)

高性能マスク

一般に市販されているマスクの中でインフルエンザなどの感染症に効果が高いと管理人が推奨するマスクは以下の通りである。(2016.2.10現在)

ダチョウ抗体マスク ダチョウ抗体マスクのホームページはこちら
ダチョウ抗体マスク CR-55 一般用Rサイズ/サージカルタイプ 25枚(5枚X5)
販売元:
Crosseed社
京都府立大学大学院 生命環境科学研究科 塚本康浩教授等が『H7ダチョウ新抗体』の有用性(中和力)を確認済
ナノダイヤマスク 超空気清浄ナノダイヤマスク   日本特許:4825496号、 北里環境科学センターでウイルス阻止効果試験実施、日本食品分析センターで抗菌効果試験実施など
フルテクトマスク

メーカーはシキボウ

Amazonで購入:フルテクトマスク(30枚入り)

抗ウイルス加工「フルテクト」フィルターとバクテリア捕集効率に優れた高性能フィルターをポリプロピレン不織布で、はさみ込んだ4層構造により、ウイルス飛沫や細菌、花粉をしっかりブロック。
3M製2827Jマスク Amazonで購入:スリーエムジャパン 3M(スリーエム) 3M スタンダード耳掛け式フェイスマスク 白 2827J 50枚入   軽量・三層構造の快適な着け心地で、呼吸を妨げないウイルス対策医療用マスク(2827Jは1827Jの後継品) 

 

中耳炎

  • 鼻風邪から中耳炎を併発する事が多い。特に乳幼児は耳管が短い事や粘膜の抵抗力が弱いので、鼻から細菌が耳管に感染して中耳炎を起こしやすい。 1歳までに7割が急性中耳炎を経験する。生後半年から1歳半は免疫が未熟で最も重症化しやすい。 中耳炎は5才位までが特に多く、8才位から少なくなる。主な原因となる肺炎球菌とインフルエンザ菌の耐性菌が1990年代半ばから急速に増えており治りにくい重症例も目立つので要注意である。特に、免疫力の低い子どもが耐性菌に感染すると重症化しやすい。
  • 症状は、耳の詰まった感じ、耳の奥が痛い、発熱、耳だれなど。子供の様子を観察し、耳に手を当てる仕草をする、食欲がない、熱が出たような時は中耳炎のサインの可能性があるので要注意。
  • 中耳炎になると高熱が出ることが多いが、乳幼児では耳の痛みを訴えない事が多いので、耳たぶを引っ張るとか、耳たぶの後ろ側の頭を軽く叩いてみて、大泣きする場合は中耳炎の可能性が高いので耳鼻科を受診すること。耳鼻科医が鼓膜を見ると正常な乳白色の鼓膜が中耳炎では赤く腫れ上がり、ひどくなると、膿がたまった鼓膜を見ることが出来る。医師が鼓膜を見れば診断はすぐに出来る。
  • 耳を冷やしたり、抗生物質を服用して治療する。鼓膜を切開して膿を出すと、痛みも減り、早く解熱する事が多い。肺炎球菌による中耳炎は重症化しやすく、耳の後ろに膿がたまって腫れたような場合は、入院して耳の後ろを切開し膿を出し、耐性菌に効果がある抗菌薬を点滴すると解熱し鼓膜の腫れも治る。
  • 鼓膜の炎症が軽度の場合は、自然に治る事も多いので様子を見る、耳が痛い中等度の場合は、抗生物質(アモキシシリン)の服用、ひどい耳痛や発熱の重症例は抗生物質の投与と鼓膜切開。鼓膜は膿が出た後、熱が下がれば切開した痕は2-3日で治る。
  • 大人でも子供でも鼻を強くかむ事は危ない。(鼻は絶対に両方一緒にかまない。片方ずつかむこと) 器具で鼻を吸うのは効果がある。
  • 日本は抗菌薬の使用が多く、薬が効かない耐性菌の増加が問題になっている。 抗菌薬を使う場合は耐性菌を出さないようにきっちりと使い、2歳以降はなるべく使わないようにするのが良い。 日本耳科学会などが作成した指針でも、軽症は抗菌薬を処方せず、3日間改善しなければ処方することが盛り込まれている。肺炎球菌の耐性菌を調べた結果では、0〜2歳児では耐性菌比率が77%、3〜5歳児では62%が耐性だった。
  • 反復性中耳炎は半年に3回以上または1年に4回以上、急性中耳炎を繰り返す場合で、このような場合は、 鼓膜チューブ留置手術と言って、鼓膜に穴を開けて、直径1ミリ、長さ1センチ程度のチューブを差し入れ、ウミが持続的に流れ出るようにする方法が有効。
  • 急性中耳炎とウイルス感染との関係も注目されている。子どもの中耳炎の4割以上は、RSウイルスやアデノウイルスなどが原因との報告もある。

脳炎と脳症

子供が急に意識障害を起こしてくる病気に脳炎や脳症がある。主な症状は、元気がない、熱が高い、頭痛、嘔吐、意識障害、痙攣等が現れる。脊髄液検査、脳波検査、CT、MRI検査、脳血流シンチグラム等が行われる。脳に浮腫や血流の低下が見られる。

脳 炎
インフルエンザ、ヘルペス、はしか、風疹、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)、日本脳炎などのウイルス感染の後、脳実質に直接炎症が起きるもの。髄液検査を行えばウイルスが検出されることが多い。インフルエンザの後遺症として脳炎が起きると子供の場合死亡率が50%と高いので高熱、意識障害、痙攣が起きたら要注意。
脳 症

6歳以下の乳幼児(特に1-3歳)に多く、A型インフルエンザが原因のことが多い。季節性のインフルエンザでは年間50〜100人発症すると言われる。インフルエンザで発熱してからほぼ1日以内に脳症は発症する事が多い。「発熱後数時間〜1日」のところが脳症になるかどうかのヤマといえるので良くwatchしよう。 症状はけいれんや意識障害。嘔吐・下痢・腎機能障害とともに意識障害も出現する。脳症は、ウイルスが喉から脳に入って炎症を起こす。喉と脳の距離が短い子どもは脳症になりやすい。髄液検査ではウイルスが検出されない。以前、解熱剤にポンタ−ル・ボルタレン等が使用されており、これが原因ではないかとする意見もある。いずれにせよ、現在では、解熱剤としては原則としてアセトアミノフェンという薬以外は使用しないことになっている。 死亡率は徐々に改善しているが、約10%が死亡、20%に後遺症が残る。
脳症をふせぐ確実な方法はないが、以下のことが重要。

  1. インフルエンザにかからない(うがい・手洗い・予防接種)
  2. 15才未満の子供はアセトアミノフェン以外の解熱剤(熱さまし)を使用しない
  3. 大人用の風邪薬を子供に飲ませない。
  4. 先生と相談してワクチンを接種する。(年齢と基礎疾患の有無を判断)

脳症のサインとは?
インフルエンザ様症状(発熱等)に加え、以下の症状がある。発熱後1日間は良く観察する。乳幼児だけでなく小学生・中学生にも注意が必要。

  1. 呼びかけに答えない、反応が鈍いなど意識レベルの低下が見られる
  2. けいれん重積および、けいれん後の意識障害が持続する
    (注)けいれん重積とは、けいれん発作が30分以上持続した状態やけいれん発作を繰り返し30分以上意識が完全回復しない状態を言う。
  3. 意味不明の言動が見られる

治療は原因があきらかな時は対処法はあるが、原因不明の場合は脳の浮腫を取る治療、免疫を抑える治療等が行われる。インフルエンザウイルスによるよる時は、リレンザ等が、ヘルペスウイルスによる時はアシクロビルやビダラビン等が使用される。その他、全身管理や痙攣に対する治療が行われるが後遺症が出たり、死亡することもある。自然に治る場合もある。こうならないためにもインフルエンザやはしかのワクチンの接種が望ましい。

熱性痙攣

  • 熱が急激に上がる過程で、生後6ヶ月〜5才にかけて脳が刺激されて痙攣が起きる事がある。解熱剤で熱が下がった後再び上がるときにも起こりやすい。
  • 6%〜10%の子供が痙攣を起こすと言われ格別珍しい病気ではない。高熱に対する脳の生理的な反応。
  • 痙攣が起きた場合は、絶対に慌てず、痙攣の状態(持続時間・手足や目の様子、顔色)を良く観察して医師に正しく伝える事が大事。一般に多い症状は眼は白眼になり、意識がなく、身体や両方の手足を硬直させてがたがたと震わす。痙攣発作は5分以内に自然に治まる。
  • 熱性痙攣なら良性で、それだけで死亡することはない。
  • 熱性痙攣は50%〜60%の子供は一回だけで、それ以降は痙攣を起こさないが、残り40〜50%の子供は、小学校までの間に風邪で高熱が出たような時に、再び痙攣を起こす可能性がある。成長すれば自然に治る。
  • 痙攣が起きた時は、静かに寝かせ、身体をゆったりさせる。吐き気があるときは仰向けではなく体位を横向きにして喉に物が詰まらないようにする。
  • 熱性痙攣の様子は、@左右対称に起こり、A腕を曲げて足を突っ張る形が多い。B時間が長く感じるが、通常は5分以内に治まる。C痙攣が治まったら検温する(高熱が出ている事が多い)
  • 痙攣が起きたときに絶対してはならない事:
    1. 口の中にスプーン、割り箸やハンカチなどを挿入しないこと(昔は舌を噛むとか言われたが、舌を噛むことはない)
    2. 大声をかけたり、身体を揺すったりしない。
  • 5分以内の痙攣で、痙攣の後の様子(意識・顔色・元気・水分摂取)が問題なければ、一般的には慌てて受診する必要はない。翌日一番でも良い。初めての痙攣の場合は、受診して髄膜炎や脳炎の随伴症状ではないことを確認して貰う。痙攣が30分〜60分続かないと脳への影響は無いと言われる。5分以上続く場合は、万一を考えて救急車を呼ぶのがよい。
  • 痙攣が1日に2回以上起きたとき、両手でなく片側だけの痙攣、痙攣後に意識を回復しない場合は原因究明のために受診が必要。
  • 熱性痙攣予防薬「ダイアップ座薬」
    過去に熱性痙攣を起こした子供が再び痙攣を起こすのを予防する目的で処方される。37.5度以上の発熱があった時は、出来るだけすみやかに予め処方されている坐剤を肛門内に挿入する。38度以上の熱が続く場合は、8時間後にもう一回だけ坐剤を肛門に挿入する。ダイアップ坐剤と他の解熱剤を併用する場合は同時には使用せず、30分以上の間隔をあけること。ダイアップ坐剤の結果、多少の眠気やふらつきが出ることがあるが通常は問題になるような副作用はない。万一、ダイアップ坐剤を挿入後、30分以内に排便があって明らかに坐剤が漏れた時は再挿入する。ダイアップの予防的効果については、医師によっては否定的で使用しない医師もいる。
  • 抗痙攣薬(アレビアチン、ヒダントール、フェニトイン、デパケン等)の効果については否定的な見解が多い。痙攣の持続時間が長いとか、24時間以内に複数回の痙攣が起きる等の場合に限定して使用するべきとの意見が一般的。
  • 熱性痙攣を起こす子供が、インフルエンザ脳症になりやすいというデータはない。

熱性けいれん以外のけいれん:

てんかん 通常は平熱時にけいれんが起きる。高熱や睡眠不足、抗てんかん薬の飲み忘れの時にも起きる。子どものてんかんは薬を3-4年服用すれば70-80%は治る。
急性脳炎・脳症 熱と共にけいれんがおきる。多くは感染症が原因となる。予防接種を受けておくことで発症の可能性を減らすことが出来る。
髄膜炎 熱と共にけいれんがおきる。多くは感染症が原因となる。予防接種を受けておくことで発症の可能性を減らすことが出来る。
ウイルス性胃腸炎 生後6か月から3歳の乳幼児がロタウイルスやノロウイルスなどのウイルス性胃腸炎にかかった時に起き、5分以内のけいれんを短期間に繰り返す。熱がない時に起こることが多いが、熱があって起きる場合もある。胃腸炎が治ると、けいれんも止まる。

読売新聞2010.12.6付け記事を参照

けいれんの対処法:

  1. 熱、光、音など刺激の少ない場所に子どもを移動させ、あおむけに寝かせて、タオルなどを丸めて首の下に入れます。
  2. けいれん中に吐いたり、つばを誤嚥したりすることがあるので、窒息しないようにあおむけの姿勢で顔を横に向けるか、左側が下になるように横向きに寝かせます。
  3. 衣服を緩め、楽にします。
  4. いれん中に転落したり、周囲の物にぶつかったりしないような場所に寝かせます。けがの原因になるような家具や置物は遠ざけておきます。
  5. けいれん中に口の中に指やスプーンなどの物を入れるのは危険。ただし、食事中にけいれんが起きた場合は取り出せる範囲内で取りだします。
  6. 5 分以上続いたら救急車を呼びます。
  7. 携帯電話やビデオがあれば、けいれんの様子を動画で記録しておきます。
    (京都第二赤十字病院 長村敏生副部長による。読売新聞2010.12.6掲載)

意識障害と呼吸、脈拍

  • 急に子供の意識がなくなったら、回りに人がいれば助けを求めると同時に救急車を要請する。
  • 子供では呼吸が止まる事があるので、息をしているかを確認する。
  • を取る。(腕より首の方がわかりやすい)
  • もし子供が呼吸していなかったら、人工呼吸と心臓マッサージをして救急車の到着を待つ。
  • 乳児の場合の人工呼吸は、乳児の気道を確保した後、口と鼻に同時に息を吹き込む。1分間に20回程度。吹き込んだ結果胸が膨らんだりしぼむ場合は良いが、そうでなければ、気道に何か詰まっていないか確認する。
  • 心臓マッサージは胸骨(胸の中央)を片手で2-3CM沈む程度に圧迫すると良い。1分間に100回程度の早さで行う。

肺 炎

  • 気管支炎も肺炎もウイルスによるものと細菌によるものがある。気管支炎は発熱、長引く咳や痰が特徴。
  • ウイルスや細菌などが肺に感染して炎症を起こして肺炎になる。通常は、風邪や気管支炎をこじらせて肺炎に移行する。症状の経過は、発熱が出て、その後、食欲がなくなり、顔色も悪く、呼吸も早くなり、更に病状が進むと息苦しい等呼吸困難になることもある。3日間以上高熱が続いたり、咳がひどく、食欲が落ちる等の症状が出るのが一般の風邪との違い。このような症状が見られたら小児科を受診すること。生後2ヶ月未満の乳児の場合、高熱や咳が顕著に表れないこともあるのでおかしいと思ったら早めに受診。
  • 細菌感染によるものは抗生物質、ウイルスによるものは安静と水分補給が基本となる。細菌感染かウイルス感染かの検査が行われるが1回の検査では判別が難しい事もあり、その場合継続して検査が行われる。通常は入院して治療する。
  • 肺炎球菌が元で肺炎を起こした場合は、ウイルス性肺炎と違って重症化しやすい。→予防は小児用肺炎球菌ワクチン(PCV-7)
  • マイコプラズマ肺炎はこちらを参照下さい。クラミジア肺炎はこちら。マイコプラズマ肺炎の治療の第一選択肢はマクロライドです。
  • 厚生労働省は2012年5月23日、接種費用が原則無料となる「定期接種」の対象ワクチンの追加について、インフルエンザ菌b型(Hib=ヒブ)、小児用肺炎球菌、子宮頸がん予防の3種類を優先する方針を決めた。厚生科学審議会の予防接種部会が同日にまとめた提言などを踏まえたもので、同省の担当者は「今通常国会への予防接種法改正案の提出を視野に入れながら、市町村など関係者と調整していきたい」と語っている。

ウイルス性胃腸炎(ノロ、嘔吐下痢症、ロタ、感冒性胃腸炎、感染性胃腸炎)

  • 冬になると嘔吐と下痢を主症状とするウイルス性胃腸炎が流行するが、11月から12月に多いのがノロウイルス、1月〜4月に多いのが2才以下の子供に多いロタウイルスによる胃腸炎。
  • 主たる症状は、嘔吐、水溶性の下痢、腹部痙攣、熱、悪寒などの風邪様症状が1日以上続くことがある。症状が1番強く出るのは、6ヶ月〜3歳くらいの子供。通常吐き気が先行し、嘔吐がなくなっても、その後下痢症状が数日続く。
  • 原因となるウィルスにはロタウィルス、ノロウイルス、アデノウィルス、エンテロウイルス等
  • ノロウイルス胃腸炎は、2006年は過去25年で最大の流行となった。2012年の感染性胃腸炎の報告数は10月中旬から増加が続いており、第44週(10月29日〜11月4日)の定点当たり報告数(5.58)が、2000年以降で2006年を超える高い値となっていることが、国立感染症研究所感染症発生動向調査で明らかになり注意が必要。ウイルスは毎年変化し、2012年は変異ウイルスが出ているので、これまでの免疫機能が働かないらしい。特に、子どもや高齢者は感染しやすく、高齢者はジェットのように吐くらしい。ウイルスは冬には長く生きられる事、人間の免疫力が冬に落ちることから冬に蔓延している。ワクチンなし、感染しても治療薬なしなしで対症療法だけ。ノロウイルスは33種類あるので、一度感染しても、また別の型のウイルスに感染する事はある等とても厄介だ。
  • 2015年3月「GU・17」という遺伝子型のウイルスの一部が変異した新型が川崎市内で見つかった。従来型GU・4と同程度の強さだが、誰も免疫がないので大流行するのではないかと心配されている。今まで以上に手洗いが必要。
  • 嘔吐下痢症は、非常に感染力が強いウイルス性胃腸炎で、経口感染する。患者の世話をしている家族が次々と感染するケースもあるので下痢便や吐いた物の始末には注意し、石けんでよく手を洗い、うがいを励行する。ウイルスが付着したものが乾燥すると空気中に浮遊するのでマスクが有効。食材は加熱調理する。(85度で1分間)
  • 抗生物質(抗菌薬)は無効。下痢止めも通常は使わないこと。アルコール系の消毒剤も無効
  • 水分を補充して脱水症を防げば自然治癒する。脱水が激しいときは入院して点滴。 子供は大人に比べて脱水になりやすい。乳幼児の場合は一度にたくさん飲ませると吐くので、“少量を頻回に”が基本!おちょこ一杯を何度も。
  • 嘔吐と下痢は身体の防御反応で毒素を体外に出しているので無理に抑え込まないこと(出来るだけ出す)
  • 子供が嘔吐が続いたり腹痛を訴えたり、ぐったりしているときは医療機関を受診。吐き続ける時や脱水症状が強い時は点滴や入院が必要。
  • 嘔吐物・糞便中にウイルスが存在する。一緒に洗濯すると洗濯機の中はウイルスだらけになる。別途塩素系洗剤でつけ置き洗い。洗濯機は使用しない。手袋をしてやる。アルコール消毒でもウイルスは死なない。
  • 乳幼児の場合はお尻が下痢でタダレるのでケアをすること。お湯で洗う等。
    ロタウイルス胃腸炎
    1. 「白色嘔吐下痢症」、「仮性コレラ」、「冬期乳児嘔吐下痢症」とも言われる。一般にノロウイルスより症状が強く、下痢や嘔吐を繰り返す。
    2. 11月から4月までの冬季。5才までの乳幼児が100%感染する。大人も感染する(軽症)。特に2-3月に多い。生後3か月までの赤ちゃんは、母親からの移行抗体を胎児期にもらっているので、感染しても症状はほとんど出ない。
    3. 潜伏期は約1-2日。感染力が強い。
    4. 水様性の下痢と嘔吐が3〜6日続く。激しい症状は半日〜2日位で、5〜6日位で自然にウイルスが体外に排出されて治るのが一般的。
    5. 発熱と腹痛、咳や鼻水が見られる場合もある
    6. 黄色〜白色の下痢便が特徴。酸っぱいニオイがすることも。
    7. 免疫は出来るが弱いのでまたかかることもあるが、二度目は軽い
    8. 脱水防止が大事。抗ウイルス薬はないので、体の免疫機能がウイルスを体外に排除してくれるのを待つしかない。吐き気止めの薬はほとんど無効。OS-1等の経口補水液を飲むのが有効(一気に飲まず様子を見ながら一口ずつゆっくり飲むこと)
    9. 下痢便を処理した後、よく手を洗わないとうつる。アルコール消毒や熱にも強いので、念入りな手洗いが重要。
    10. 下痢が止まっても2〜3日は他人に感染させるので注意
    11. ロタリックス(2回接種)、またはロタテック(3回接種)という2種類の経口ワクチンが任意でおこなわれている。100%感染を防げるわけではないが、感染した場合は軽く済む。ワクチンを接種すると、ロタ胃腸炎の患者を70%以上減らし、重症化を90%以上減らすというデータもある。但し接種後は念のため、腸重積の症状(嘔吐・不機嫌・血便)に注意を払うこと。これから生まれる赤ちゃんは生後2か月からロタワクチンの接種が推奨されるが、ワクチンを接種しない時は冬の間は手洗いを欠かさないようにしたが良い。
    12. 便中のロタウイルスを検出する迅速診断キットがある。10〜20分以内に診断可能。
    13. 年間数十例だが脳炎・脳症を起こす。
    ノロウイルス胃腸炎
    1. 食中毒の中では最も多い。 年間の患者数は集団感染等の報告事例だけで1万人を超え、食中毒の3/4はノロウイルスと言われるほど多い。ウイルスで汚染されたシジミ、ホタテ、カキ等の二枚貝を食べた時に多い。
    2. 感染経路としては、以前は食中毒による経口感染がよく知られていたが、最近では、患者との接触、嘔吐物や下痢便を介した飛沫感染、或いは感染しているが症状が現れない保菌者との接触感染等のヒト−ヒト感染が問題になっている。そのため、流水・石けんによる手洗いの励行と吐物や下痢便の適切な処理をしないと家族内に感染が広がる危険がある。
    3. 「冬季嘔吐下痢症」、「白色便性下痢症」、「冬季嘔吐症」とも言われる。
    4. 11〜3月に多い。例年ピークは12月下旬。患者は子どもが多い。 ワクチンや特効薬はなく対症療法のみ。
    5. 乳幼児や高齢者が感染すると脱水を起こして重症化しやすい。保育園が危険地帯。第一子が保育園で初めてノロにかかると強力な感染力のため、看病する家族は次ぎ次感染して一家総崩れになる恐れがある。おむつや嘔吐物の処理は万全の注意が必要。子育てが初めての場合はウイルスに対する免疫が出来ていないから感染すると重症化しやすい。子供⇒母親⇒父親⇒手伝いに来た親戚と感染していく。2006年は高齢者福祉施設や病院、ホテル等での大人や高齢者の集団感染が目立つ。食品→人より人→人への感染が多い。2010年は7才以下が70%。
    6. 潜伏期間は通常1〜2日。ノロはごくわずかなウイルスが口に入っただけで感染する。ノロウイルスは乾燥にも強く、公衆トイレのドアノブや、階段の手すりなど、乾燥した環境の中でも、なんと数時間〜数日も感染力を保つことができる。
    7. 主症状は嘔吐とそれに続く下痢。腹痛や時に発熱も出現し、後に下痢。白色〜クリーム色の水様性の下痢便が特徴。
    8. 通常は微熱程度だが、高熱(38〜39度)が出ることもある。微熱程度では解熱剤は飲まないが良い。
    9. 抗生物質下痢止めは飲まないで、出来るだけ早くウイルスを体外に出すことが望まれる。
    10. 感染後1〜2日で急速に増殖し、激しい「下痢」や「嘔吐」を繰り返す。吐しゃ物や便と一緒にウイルスが排出されれば、病気は終わり。脱水症状さえ気をつければいい。 腹痛や下痢は3日以内には改善し、「吐き気」は2日以内にはケロリと治ることが通例。高齢者、子供ではまれに死亡する事もある。抗体が出来ても長く保持できないので免疫にならないので何度でもかかる恐れがある。免疫は長くて6ヶ月。治療には、水分を充分に摂取し、出来れば2食抜くと治りが早い。早期に水分補給をすることが大切。吐き気の強い時は、少量ずつ、頻回に補給すると良い。
    11. 嘔吐の悪循環を絶つには5-6時間絶食してから暖かい野菜スープなどを少量ずつ食べれば快方に向かう。症状が治まっても便にはウイルスが排出し続けているので用心。会社は他の人のためにも休んだがよい。ひどい場合は、激しい嘔吐、下痢、腹痛 脱水になる。水を飲んでもまた吐いてしまう場合は、病院で点滴して貰う。1日筆舌に尽くしがたい苦しみを味わうことになる。 
    12. 感染力がインフルエンザウイルスよりも強いので集団感染が起きることがある。インフルとは違うので街中を歩いただけでは感染しない。予防は、石けんで良く手を洗い、流水で洗い流すことが一番大事なこと。ウイルスが大量に嘔吐物、下痢に含まれる。ウイルスは通常7-10日生きている、環境によっては10日以上生きている(-20度でも死なない)。 下痢が止まっても、その後1ヶ月はウイルスが便からか検出された事例もあると言うから厄介。嘔吐物にはウイルスがたくさん含まれており(吐瀉物1g中にウイルス1億個)、処理が不十分なまま乾燥するとウイルスが空気中に浮遊して空気感染するのできっちり消毒すること。ウイルス10個吸い込んだだけで感染する程の強力な感染力を持つ。マスクが有効。処理には使い捨てのビニール手袋着用、家庭にある塩素系漂白剤を使用すればよい。(ハイター、ブリーチ等の塩素系漂白剤は50-100倍に薄めること。カップ1杯(10ml)を500mlの水を入れたペットボトルに入れる感じ)部屋の換気をしながら使用すること。スチームアイロンで85度で1分以上で死滅する。インフルエンザ対策でマスクと手洗いを励行すれば、ノロウイルス胃腸炎も減る。
      参考資料:東京都作成の「ノロウイルス対応標準マニュアル」に嘔吐物や下痢の処置方法などが詳しく解説されているので参考になります。→こちら
    13. アルコール系消毒剤は効果が弱いので、インフルエンザにもノロウイルスにも効果の高い弱酸性次亜塩素酸ナトリウム系の商品が出ている。除菌スプレー パソクリーン80(弱酸性次亜塩素酸ナトリウム除菌水)TU-80 〜空港(検疫部)で使用されているスグレモノ!〜 (注)手指を直接消毒することには絶対使わないこと。
    14. 家庭内感染者が出たときは、トイレの便座、ドアノブ、水道の蛇口、おもちゃ等を使い捨てのビニール手袋を着用して、拭き取り消毒して家庭内感染を防ぐ。徹底した手洗いを励行する。衣類やパンツの洗濯は塩素系で洗う。色落ちは諦める。嘔吐物へのアルコールの噴霧は効果がない。汚物が乾かないうちに拭き取る。廃棄用ビニール袋、ビニール手袋、マスク、使い捨て布、塩素系洗剤などを準備してやる。手袋して嘔吐物をビニール袋に入れた後、床面とビニール袋内を塩素系洗剤で消毒する。アイロンをかけるのも有効。掃除器はウイルスを排出して空気感染するので使わない方が無難。どうしても使うときはゴミ処理は風通しの良い戸外でマスクしてやる。トイレを流すときは必ず蓋をして流すようにしたい。開けたまま水を流すとウイルスがトイレ内を飛散する恐れがある。☆嘔吐物の処理方法:参考情報はこちら
    15. 貝類(カキ貝、2枚貝の生食)には注意。中心部を1分間以上、85度以上に加熱すればよい。
    16. 一番の感染源は嘔吐物。吐いた物の処理がポイント。他にトイレのドアノブ、便座。外では、トイレ、ドア、吊り革、お札、エスカレーター等々。→厳密には触る度に手を洗うのが理想。(一行為、一手洗い)
    17. 予防は、1.手洗い(15秒以上)、2.トイレの消毒(便座、ドアノブ、レバー、スイッチには次亜塩素酸ナトリウムがよい)、イレは蓋をしてから流す。3.飛散するウイルスにマスクは効果絶大
    18. ノロウイルスはインフルウイルス、ヘルペスウイルス、コロナウイルス、アデノウイルス等のウイルスより小さく、手のしわに入り込みやすい。だから、徹底した手洗い(2度洗い)をしないと除去出来ない事が多い。
    19. 脱水に注意。アクエリアス、ポカリスエットなどのスポーツドリンクは不充分で、経口補水液などのもっとナトリウムやカリウムの濃いものがよい。(みそ汁、スープ等) 整腸剤は少しは効く。ウイルスを出来るだけ早く体外に出すために下痢止めは不可。吐き気止めはのんでも良い。
    20. 人の体内で変異してウイルスの毒性が強くなってきている傾向がある。免疫力が弱い人は症状が強く出るので注意。血液型でA型が一番感染しやすい。次いでB型→O型→AB型の順。
    21. 検査には遺伝子検査、 酵素抗体法、迅速簡易検査キットがある。いずれも保険適用外。確定診断は遺伝子検査。医療現場の多くは問診、症状から判断しているのが現状。迅速検査は20分くらいで結果は出るが、自費なので5-6千円かかる他に排便する必要があるので厄介で普及していない。
    22. 感染しても症状の出ない「不顕性感染」が30-60%もいて、ウイルスを排出して人にうつすので危険。ヒト→ヒト感染の元になる。ウイルスはどこにでもいるという認識を持つことが大事。
    23. 国立感染症研究所感染症情報センター作成の「ノロウイルス感染症とその対応・予防」はこちら
    24. 乳製品に含まれる「ラクトフェリン」という物質が腸内でノロウイルスの感染を減らすという研究結果がある。 ラクトフェリンは牛乳・ナチュラルチーズなどの一部に含まれている。
    25. ノロウイルスは、症状消失後であっても1週間以上、長いときには1か月間もの長い間、ウイルス排出が続く可能性がある。症状が良くなってからも、しっかりと手洗いをする必要がある。
  • 下痢をしている時の食物:
    食べて良いもの:
    水様便など下痢が激しい時期
    軟便など下痢が治まって来た時期
    白湯、アクエリアス・ポカリスエット・アクアライトなどのイオン飲料(冷えすぎていないこと)、薄い番茶、重湯、野菜スープ、リンゴのすり下ろし汁(カスは不可) おかゆ、うどん、食パン、薄いみそ汁、リンゴ、ウエハス、ジャガイモの裏ごし、ベビー用塩煎餅

    食べてはいけないもの:
    1.乳製品や刺激の強いもの:牛乳、コーヒー、香辛料
    2.脂肪分の多いもの:バター、牛乳、肉、揚げ物、脂肪の多い魚、卵
    3.繊維の多いもの:ゴボウ、芋、海藻、豆腐、わらび、ゼンマイ
    4.砂糖分:ヨーグルト、プリン、ジュース、お菓子、果物、カステラ
  • 医者から処方される薬の例:医療機関を受診した場合、診察時の症状によるが、下記のような薬が処方される。
    1.吐き気止め:ナウゼリンドライシロップ等
    2.胃液分泌や胃の動きを抑える薬:ロートエキス散等
    3.整腸剤:ビオスリー散等
    4.細菌性の胃腸炎が疑われる時は抗生物質
    5.おむつがぶれ治療用軟膏
    6.脱水が激しいときは点滴
  • ウイルス性急性胃腸炎の対処法
    1.脱水防止に水分の補給は「温かいものを少しずつ飲む」(冷たい物は胃腸を刺激し下痢になる)
    2.塩分摂取(具のない味噌汁、インスタントコンソメスープ、昆布茶などが良い)
    3.最初の2日間はできるだけ体を休め、食事は最小限にする。胃腸を休めることが大事。

突発性発疹

  • 赤ちゃんの初めての高熱のケースになる場合も多く、母親にとっても最初の試練になる事も多い。
  • ヒトヘルペスウイルス6型の感染で起きる。 高熱があっても、発疹が出るまでは医師も確定診断は出来ない。のどちんこの両わきに、赤い斑点(永山斑)が先行して出ることがあり、医師はこれを見つけて突発性発疹を疑う事はある。
  • 症状は突然38度〜40度の発熱があり、熱が下がる頃(4日目当たり)に胸や腹部に発疹が出て全身に広がる。熱の他に便がゆるくなることが多いが、ひどい下痢になることは少ない。⇒お尻がただれる事が多い。⇒ラミシールクリーム1%x10gやアンダーム軟膏 5%x10gを処方して貰うと良い。
  • 母親から貰った免疫が無くなってくる生後4ヶ月〜1才くらいの幼児がかかりやすい。特に1才前後が圧倒的に多い。(90%の人は1才までに経験する) 2才迄に罹らなければ、その後に罹る事はまずない。一度かかると一生免疫出来る。 ヒトヘルペスウイルス7型でも同じような症状が出るため、結果的に2度突発性発疹になる人も希にある。
  • 潜伏期間は7日〜14日。発症の季節性はない。
  • 発疹は2〜3日で薄くなりやがて消える。かゆみや色素沈着はない。はしかや水ぼうそうのウイルスほどは感染力は強くない。
  • 風邪やインフルエンザに比べれば症状は軽く元気も良いのが通常。 鼻水や咳はあまりない。治りかけのときに機嫌が悪くなり何日間かぐずって仕方がないということがあるが自然に治る。
  • 合併症として、発疹が出る前後くらいから下痢が始まることが多い。又、10%の頻度で熱性痙攣が起きる。 ごく希に回復期に脳炎、髄膜炎になったりするので発疹が出た頃から経過観察を行い症状があれば受診が必要。
  • 解熱剤は必ずしも必要ではない。水分を補給し脱水に注意。合併症が無い限り特別な治療は不要。
  • 高熱のために頭がおかしくなるようなことはない。
  • 突発性発疹の後は一時的に免疫機能が若干低下している傾向があるので、2週間出来れば、1か月間は生ワクチンの予防接種は控えた方が良い。
  • 発疹が残っていても、熱がなく、元気が良ければ、通常入浴はかまわないが、最初はお尻を湯で洗う程度にするのが無難。

溶連菌感染症

  • 2014年11月は過去11年で最多の流行状況になっている。
  • 子供の溶連菌感染症(A群β溶血性連鎖球菌感染症・A群溶血性レンサ球菌咽頭炎)は風邪に似た症状を呈するので鑑別が必要。
  • インフルエンザの流行期は、溶連菌感染症の流行期と重なる。従って、インフルエンザ流行期に、咽頭痛、つまり、扁桃の腫脹・浸出物、前頸部リンパ節腫脹・圧痛を認めた場合には溶連菌感染症の事もあるから、溶連菌迅速検査(強陽性、弱陽性、陰性の3段階で判定)を行って貰ったが良い。
  • 溶連菌には色々なタイプがあるので1回だけでなく何度もかかる可能性がある。大人もかかる事がある。
  • つばき等による飛沫感染と手指・皮膚からの接触感染がある。
  • 急性上気道炎では、潜伏期間は1-4日間で発熱(39〜40度)、咽頭痛、頭痛、嘔吐、腹痛等が起きる。のどが赤くなり、扁桃腺や舌に白いものがつく。4-5日で苺舌になる。身体にぶつぶつ発疹が出たり手のひらが赤くなるる。発疹は頚部、腋、鼠径部等柔らかいところに出る事が多く、水泡になる。首のリンパ節が腫れることもある。川崎病に似ているが、手足のむくみがないこと、唇も赤くならないことや血液検査で鑑別がつく。咳や鼻みずはほとんどない。2〜10歳頃に多く(ピークは5〜10歳頃)、大人は少ない。冬に多い。予防接種はない。
  • 猩紅熱も溶連菌感染症の一種で、5-15才の子供に多い。潜伏期間は2-7日。1-3才では症状が少ない事が多い。大人は少ない。発熱、頭痛、腹痛が起きる。発症後半日〜2日で赤い細かい発疹が出て皮膚全体が赤く見える。7日頃から皮膚の皮がむけてくる。ただ、口の周りだけは白くなる。
  • その他、リンパ腺炎、中耳炎、とびひなどの一部も溶連菌の感染で起こることがある。 
  • 綿棒で咽頭の菌を採取して簡単に検査出来るので医師に頼んで検査して貰おう。
    1)A群溶血性連鎖球菌迅速診断キットで数分で溶連菌が存在するか分かる。
    2)咽頭培養検査:溶連菌だけでなく他の細菌も診断できるが、検査には数日かかる。
    3)血液検査(CRP、白血球、ASOやASKなどの抗体検査)
    尚、抗生物質服用後に検査した場合は、正確な診断ができない。
  • 普通の風邪では抗生物質は効果はないが、この場合は適切な抗生物質(ペニシリンかセフェム系)を服用すると2-3日で解熱、発疹も含めて4〜5日で症状は治まってくる。早期に治療を開始すれば、典型的な経過をたどらずに早く症状が消えることが多い。
  • 溶連菌感染症はきっちり治さないと、急性腎炎やリューマチ熱を引き起こす事がある。このため症状が治まっても10〜14日抗生物質を服用することが推奨される。 (抗生物質を服用して早期に症状が消えたからと言って服用を中止すると、再発しやすいので注意。症状が消えても処方された薬は飲み続けること。)
  • 発熱、頭痛、喉の痛み等にはアセトアミノフェンなど痛みや熱をやわらげる薬が使用される。
  • 猩紅熱は法定伝染病に指定されているが、溶連菌感染症自身は法定伝染病に指定されていない。
  • つば・目やに・便を介して家族に感染する可能性があり、発病までの潜伏期間は5-7日。調査によれば兄弟間で50%、親には20%感染すると言われる。また、感染者の50-80%が発病すると言われるので、家族も喉の検査を受け、医師の指示により抗生物質を服用するのが薦められる。
  • 30才以上に多く、突発的に発症し、急速に多臓器不全に進行する「人食いバクテリア」(劇症型溶血性レンサ球菌感染症)という一刻を争う病気がある。最近増えているようで年間200名〜300名が発症し30%が死亡している。初期症状は四肢の疼痛や腫脹、 発熱、血圧低下などで、急速に進行し、手足の壊死、急性腎不全、呼吸窮迫、多臓器不全等を引き起こし、ショック状態から2日程度で死亡することも多いので救急の受診が必要。治療にはペニシリン系薬が第一選択薬として用いられている。手足の腫れや激しい喉の痛みなどが出たら緊急で医療機関を受診したが良い。溶連菌は1年中そこらに存在している一般的な菌だが、劇症化の仕組みは解明されていない。糖尿病、肝硬変、慢性腎臓病、がんなど免疫力が落ちる病気がある人は特に怪我の手当等はきっちり行ったが良い。

プール熱(咽頭結膜熱)

  • 高熱、咽頭炎(咽頭発赤)、結膜充血症状を主とする小児の急性ウイルス性感染症。(アデノウイルスによる) プール熱ともはやり眼とも呼ばれる。7〜8月にピークがある。5才以下の幼児に一番多い(60%を占める)が、学童もかかる。
  • 夏風邪の一種で感染力が強い。予防接種や特効薬はなく対症療法が行われる。水分は充分摂取する(イオン飲料やスポーツドリンクも良い。ヨーグルト・プリン・ゼリー・アイスなども薦められる)
  • 夏にプールで感染する事が多いので、プールに入ったら、目をよく洗う、シャワーで身体を洗う、手洗いを行う。
  • 発病までの潜伏期間は5-7日。通常、1〜2週間程度で治る。アデノウイルスが感染しても咽頭結膜熱の症状を呈さないこともある。
  • 突然39度以上の熱が出る。熱は4-5日続く。喉と目の両方に症状が出る。喉が赤くなり、痛みも出る。結膜(特に下まぶた)が充血したり、目の痛み、まぶしさ、目やにが出る。頚部リンパ節が腫れたり、頭痛や吐き気、腹痛や下痢が起こることもある。幸い角膜などに永続的な障害を残すことは少ない。
  • アデノウイルス迅速キットでアデノウイルスの感染の有無を確認できる。
  • 症状が治まった後も、ウイルスは、咽頭からは発症後7〜14日間、糞便から30日間程度排出が続き、感染力が非常に強いので注意が必要。
  • 家族にも感染するので、感染予防のため、患者との密接な接触を避ける、おむつ交換は手袋着用、うがいや手指の消毒を励行する。(流水、石けん、エタノール使用) タオルの共用は厳禁。
  • この病気はウイルス感染症であり、本来抗生物質は無効だが、医師によっては合併症予防などの目的で抗生物質を処方する医師もある。
  • 主要症状が消えても2晩経つまでは学校へは登校は出来ない。

ヘルパンギーナ(急性ウイルス性咽頭炎)

  • 2014年夏は急激に流行が拡大している。子供から親にも感染する事があるので注意。
  • エンテロウイルスやコクサッキーウイルス等が唾液などで飛沫感染して起きるもので夏風邪の一種。潜伏期間は2〜7日。4才までに70%の乳幼児が感染すると言われる。大部分はエンテロウイルスで、流行性のものは特にA群コクサッキーウイルスの感染によるものである。
  • 突然39度前後の発熱がある。喉の奥に水疱が出来る。水疱が破れて潰瘍になる。痛みで機嫌が悪いことが多い。よだれが出る。口に指を入れようとする。
  • 熱は2〜3日でほぼ解熱し、約10日で治癒する事が多い。
  • ワクチンは無い。特効薬はない。何度も罹ることがある。
  • 感染症が疑われるときは抗生物質が投与される。
  • 水分補給と安静につとめる。熱が高いときはクーリングを実施。ゼリーやプリン、ヨーグルト、アイスクリームなど刺激の少ない口当たりの良いものを与える。食事や飲み物を飲まないときは医療機関で輸液などして貰う。
  • 喉痛があるときは食欲が落ちる。この場合でも水分だけは与える。熱が下がっても喉痛は更に2〜3日続くことが多いので機嫌が悪いかもしれない。
  • 治ったあともウイルスの排泄は2-4週間続いているので注意。
  • 40度を越す高熱・嘔吐・ひどい不機嫌があれば無菌性髄膜炎(ウイルス性髄膜炎)の事もあるので、早めに医療機関を受診する。発熱初期に熱性痙攣を起こすこともある。

手足口病

  • 例年7〜8月にかけて流行のピークがみられる夏型感染症の手足口病が2017年は過去10年同期比で最多となっていることが国立感染症研究所がまとめた患者報告で分かった。
  • 通常、1〜5才児が最も罹患しやすいが抗体のない大人もかかる。
  • コクサッキーA16、コクサッキーA10、エンテロウイルス71型など夏に流行するウイルスの感染により発症するもの。潜伏期間は3〜4日。
  • 熱は37〜38度程度が多いが、手のひら、足の裏、膝、臀部、口内、指などに水ぶくれのある米粒大の発疹が出来る。口の中の発疹は潰瘍になったりするので痛みが強い事が多い。ヘルパンギーナとの症状の違いは、口腔粘膜の他、四肢末端に2〜5mm程度の水疱から潰瘍が出来ること。
  • 2011年の特徴は、感染力が強い、発疹が大きい、高熱、全身に発疹が出ることが多い、大人も罹る、1-2ヶ月後に爪が剥がれることがある(爪は再生する)。徹底した手洗い、マスク、便の処理が必要。
  • 特効薬はない。予防ワクチンもない。皮膚疾患の二次的細菌感染防止に抗生物質が処方される事もある。
  • 水分補給と安静につとめる。かゆみが強ければ抗ヒスタミン剤など。口内炎の痛みが強ければケナログ軟膏を塗る。母乳や水をなかなか飲まないので、 水分をどう補給してあげるかがポイント。効果的なのは、アイスクリームやプリン、ゼリーなど、冷たくて甘く、ドロッとした食べ物が良い。
  • 手足口病はひまつや便の接触を通じて感染。保育施設や幼稚園などで集団感染が起こりやすい。基本的には軽症で数日間で治る。感染しても発症しない人もいるので、全員がしっかり手洗いをする必要がある。おむつを適正に処理し、タオルの共用は避けた方がいい。(通常熱は1-2日で下がる、口内炎も2-3日、手足の水泡も7日程度で治る)
  • 飛沫感染の他、便にウイルスが排出されるので、手洗い、うがい、特におむつ交換後の手洗い(熱が下がったあと約1ヶ月間)を励行。
  • 40度を越す高熱・嘔吐・ひどい不機嫌があればまれに無菌性髄膜炎(ウイルス性髄膜炎)や脳炎を起こして重症化することもあるので、早めに医療機関を受診する。
  • 大人が発症すると子供より重症になることが多いので、喉の痛み、微熱、倦怠感等、初期の段階で内科又は皮膚科受診が望ましい。

RSウイルス感染症

  • 本来は冬にピークがある感染症だが、2017年は8月後半に患者が急増するなど過去最速のペースで流行が起きていると国立感染症研究所が警戒を呼びかけている。乳幼児で熱と咳があれば本症を疑うこと。短時間で変化し、初めて感染した場合は、肺炎や脳症を引き起こして重症化することがある。0才児、1歳児の患者が多く、全体の70%以上を占めていると言う。生まれて間もない赤ちゃんは親の免疫が働くのだが、この病気には免疫が機能しないので、重症化しやすく、インフルエンザの2倍の致死率があるので注意。終生免疫が出来ず、その後何度でも罹るが、健康な大人が罹ると比較的症状は軽いが、抵抗力が弱い高齢者は肺炎等を起こし重症化しやすい。手洗い、うがい、マスクを徹底。
  • 生涯に亘って感染の可能性はあり、乳幼児にとって重要な呼吸器感染症。乳児の場合は細気管支炎になったり、インフルより重症化する傾向がある。常在性のウイルスで毎年冬期に必ず流行する。1才までに半数、2才までにほぼ100%かかる。小さい子供ほど重症化しやすく、特に、一歳未満の乳児や妊娠35週以前に誕生した早産児では重症化して突然死することにもなる可能性のある病気の一つ。生後数週から数カ月の期間にもっとも重症な症状を引き起こす。1回の感染では免疫が十分つかず、その後何度でもかかる可能性があるが、感染の都度免疫がついてくるので症状は軽くなる。2才以上で再感染した場合は、鼻風邪程度で済むこともある。4歳未満の乳児の問で再感染を繰り返しながら流行している。最初に感染する年齢をいかに遅らせるかが大事。
  • 通常は冬に多い。特に11-12月がピーク。
  • 空気感染(飛沫感染)と接触感染で起きる。感染力は非常に強く、会話しているだけで感染する。身体に付着すると30分ほどで感染するほど伝染力が強い。特に、初感染時は大量のウイルスを排出しているために看護する親は十分な注意が必要。普段からおしゃぶりなどの口に入れる物や手指も清潔にしておく。乳幼児の多い保育園等で感染する事が多い。風邪を引いている大人から子供にうつることは大いにあり得るので、風邪の人には子供(特に乳幼児は危ない)を近づけないこと母親の免疫がある生後6カ月以内で皮肉にももっとも重症化する。最初の1年の間に50〜70%以上の新生児が罹患し、3歳までにすべての小児が感染、抗体を獲得する。
  • 生後6ヶ月以内の乳児は感染すると重症化しやすいので、冬には風邪の人や雑踏からは遠ざけること、家族全員が手洗い励行、家族がマスクを着用などに留意する。ウイルスは4-7時間は感染力を持っている。
  • 症状は、鼻水→発熱(38-39度)→咳が主体で、治癒まで1-2週間かかる。大人でも4日以上セキが続けば要注意。
    -38度近い熱がある(熱がない場合もある)
    -呼吸が浅く、ゼイゼイ、ヒューヒューとせきが続く
    -たんが詰まる
    -食べたり飲んだりがつらそう
    -あまり眠れていない
    ※夜に悪化しやすいので早めの判断が大事。全身に広がると中耳炎、心筋炎、脳症等を併発。
    ※熱が下がっても、呼吸がおかしい場合は重症化の兆候なので再度医療機関を受診すること。
  • 潜伏期間は2-8日。典型的には4〜6日とされている。初感染の場合、発病前並びに治癒後1-3週間は感染力がある。再感染の場合はウイルスの排泄は初感染よりは短期間になる。
  • 20-40%の乳幼児が気管支炎、肺炎に移行する可能性があるので注意が必要。呼吸数に注意し、通常は1分間に40回程度だが、60回近くなると要注意。中耳炎にも警戒が必要。 乳幼児の肺炎の半数はこのRSウイルスが原因と言われるほど。早産児や心肺系や免疫の疾患がある場合も重くなりやすいので注意が必要。
  • インフルエンザとの鑑別が重要。共に冬に多い。症状では見極めが難しい。それぞれの迅速検査キットを活用すれば数分で分かる。
  • 抗生物質は効かない。予防ワクチンもない。特効薬はなく、酸素投与やステロイド剤で炎症を抑え、安静にするしかない。
  • 水分補給・睡眠・栄養・保温を心がける。細菌感染が疑われるときは抗生物質が使用される。
  • 早産児には、重症化予防の目的で抗体シナジス(一般名:パリビズマブ)という薬を注射する方法がある。流行期に月一回注射することでRSウイルスが増殖するのを抑える効果がある。2002年保険適用。発熱や患部の腫れなどの副作用も若干あるので医師に聞いておくこと。シナジスを知らない医師も多い。シナジスは各自治体の乳幼児医療費助成制度の対象になるので問い合わせること。投与施設はこちらを参照→こちら
  • RSウイルスは、生体外でも長時間の感染力を保つ。通常は鼻炎などの上気道炎の原因となるが、乳児や高齢者が感染すると、下気道炎を発症させることが問題となっている。
  • 手洗いや市販の消毒用アルコール等を使用して、呼吸機能の弱い高齢者や慢性肺疾患患者、免疫力の落ちている患者は感染すると重症化しやすいので注意が必要。大人の健常者なら例え感染しても重症化することはほとんど無く軽い鼻風邪様の症状で終わる事が多い。
  • 機嫌、元気、食欲、水分摂取などの状況を観察し、普段と違う場合は再受診すること。
  • 大人同士でも感染するので、調理や食事の前、鼻をかんだ後等は石けんでよく手を洗うようにする。大人は感染しても軽い風邪症状で終わるが、糖尿病などの基礎疾患がある人、免疫が弱い人は肺炎、気管支炎など重篤化する事もあるので注意。
  • 検査:2012年10月に、インフルエンザとRSウイルス(RSV)感染症の同時検査ができる診断キット「クイックナビFlu+RSV」が発売されており、罹患したかどうかは簡単に分かる。

麻疹(はしか・ましん)

  • 麻疹ウイルスの感染による。空気感染により鼻や口から入る。感染力が大変強く、一人の患者が平均12〜18人にうつす(インフルエンザは2〜3人)と言われており、患者の側に行くと麻疹の未感染者はまず100%感染する。空気感染が主体で50m先まで飛び感染するので、マスクやうがいでは予防できない。すれ違っただけでも感染する可能性があると言われる。接触感染は比較的少ない(ウイルスは体外では早く死滅するので器物を通じての伝染はほとんどない)(2m程度の飛沫感染が主体のインフルエンザよりもはるかに広範囲に感染する。電車内など同じ空間にいるだけで感染する。)尚、この病気は三日ばしか(風疹)とは別の病気。
  • 好発年齢は6ヶ月〜2才。冬から春に流行がある。1993年にワクチンの副作用問題などでワクチンの使用が制限されたことなどもあり、諸外国に比べて麻疹の患者が多く、麻疹後進国、麻疹輸出国と非難されており、今後一層ワクチンの接種徹底が求められている。アメリカでは麻疹はない。未だに麻疹のある国は先進国では日本くらいのもので恥ずかしい限り。早く根絶する必要がある。2007年は大学生の感染が発生し休校が相次いだ。
  • 最近は10代、20代、30代前半の患者も増えており、発疹の症状は一般に子供より重い。特に、10〜19才が免疫がなく危ない。肝炎や気管支痙攣、細菌感染の合併、肺炎、脳炎を起こしやすいので注意が必要。小児期にワクチンを接種していない、麻疹を経験していない人は特に注意。最近は2回接種が標準だが、昔ワクチンを1回しか接種していない人の10%程度は充分な免疫が出来ていないので今からでも2回目の接種をした方が良い。自分は罹患したのか、抗体が十分か、わからない場合は、ワクチン接種したほうがベター。風邪症状の後に全身に発疹が出た場合は、麻疹を疑い受診すること。(1978-1994年ははしかワクチン接種が義務化されていた。1989-1993年は三種混合ワクチンが使用されたが接種していない人もいる。1994年以降はしかワクチンは任意となった。)
  • 一度発症するか、ワクチンを接種すると免疫力を持った抗体が出来る。1度罹患すると終生免疫が獲得されるが、麻疹が流行っていなくてウイルスに接する機会が減るとワクチンでできた免疫力は個人差はあるが、10-15年で弱まっていくが、ウイルスに再び遭遇して感染すると免疫力が再び強まる。(予防接種による免疫力は、実際に発病した場合に得られる免疫力に比べると弱い)
  • 潜伏期は10日〜12日でこの時期は感染力はない。感染しても発症しない人がいる。
  • 感染源となる時期は、発症初期の2-4日が一番感染力が強く、40度前後の高熱や発疹が出る発疹期(3-7日間)は感染力も弱くなる。
  • 生後6ヶ月以内の乳児は母親が麻疹を経験していると麻疹にかかりにくい。但し、母親が予防接種により免疫をつけている場合は、免疫力は6ヶ月より短い傾向がある。
  • 感染する可能性のある人:@ワクチンを接種していない人、Aワクチンを接種したにも拘わらず免疫が出来ていない人(5%程度)、Bワクチン接種したが免疫が弱まっている人→ワクチンを接種するか、免疫力をチェックしたがよい。感染したと思われるときは急いでワクチンを接種すれば3日以内なら間に合う。予防接種後、免疫が上がり始めるには約10日必要で、1ヶ月程度経過すればほぼ十分な免疫が得られる。
  • 発症すると、発熱と共に、咳、鼻水、くしゃみ、目の充血、目やに、まぶしさ等の風邪に似た症状が出現する。熱は38-39度が3-5日続き、一度下がってまた上がる(最初より高く40度以上にもなる)のが特徴。最初の熱が下がる頃(発病2〜3日後)、口腔内の奥歯に近い頬の内側にコプリック斑と言う1-2MMの小さい青白い斑点が出現するのが典型的な症状。その後2〜3日後に2度目の熱の時に発疹が出る。発疹は首や耳の後ろ、顔面(額)に出るが、その後、胸、腹部、背中、手足など全身に広がる。咳、鼻水、目やには更にひどくなる。全身に発疹が出る頃(発疹出現後3〜4日後)、熱は解熱に向かう。通常は10日程度で全快する。解熱後、3日を経過するまで登校禁止。
  • 治療:発症した場合はウイルスに有効な薬はないので、対症療法となる。熱が高ければ解熱剤(アセトアミノフェン)で下げ、氷で冷やす、脱水しないように水分を補い回復を待つ事になる。ビタミンA(カボチャ、レバー)を多めに食べる。
  • 注意すべきは、高熱・痙攣・昏迷・昏睡などが起きて、全身に出血斑が現れる重症出血性麻疹や、麻疹のあとに、中耳炎、クループ、重い肺炎や脳炎(発症率は1000人に1人程度)を合併することで、1000人に1〜2人程度が死亡する。
  • 二峰性発熱、咳・鼻汁・目やに、コプリック斑等の発疹症状で診断が付く。
  • 確定診断は、血清中の抗麻疹ウイルスIgM抗体の上昇、又は発病初期と2週間後とで比較した抗麻疹ウイルスIgG抗体の4倍以上の上昇を証明する。ウイルス分離により麻疹ウイルスを証明すれば更に確実になるが検査に時間がかかり一般的ではない。
  • 検査:肺炎の疑いがある時は胸部X線、脳炎は頭部CT検査等を行う。CRP等の炎症反応も検査する。
  • 治療は、麻疹ウイルスを直接殺す薬はないので、対症療法が主体となる。直接麻疹を直す薬はないので、隔離入院して自分の力で自然に治すしかない。二次的細菌感染の恐れがあれば抗生物質が使用される。
    1. 熱にはアセトアミノフェン解熱剤やアンヒバ座薬・アルピニー・カロナール
    2. 咳や鼻水には、メジコン、ムコダイン、アスベリン、ペリアクチン等
    3. ビタミンAの服用
    4. 安静・水分補給・加湿・熱があるときは入浴は避ける
    5. 二次感染には抗菌薬:メイアクト等
    6. 発病阻止の為のガンマグロブリン
  • 予防法
    1. 血液検査で抗体の有無がわかる(\3,000〜\5,000、5日間)→10分で分かる迅速診断キットが国立感染症研究所チームで開発されつつある。→近く臨床試験に着手し実用化を目指す(2007/7情報)
    2. 麻疹ワクチンの接種:ワクチンで予防することが可能。ワクチンによる免疫獲得率は95%以上。麻疹ワクチン未接種で麻疹未罹患の人は出来るだけ早い時期にワクチンを接種した方がよい。接種後発熱が約10〜20%、発疹は約10%に認められるが、ほとんど軽症であり、その後自然に消失する事が多い。平成18年6月から麻疹と風疹のワクチンは混合ワクチンとなり、1才児期と就学前児期の2回接種となった。対象外の子供には従来の麻疹、風疹それぞれ単独ワクチンが接種される。初めて接種すると1ヶ月後、2回目以降は24時間後に抗体が出来る。費用:\10,500。
      予防接種:個々人には当てはまらないが、統計的には、麻疹の予防接種を受けて起きるかもしれない副作用のリスクより、予防接種をしないで麻疹を発症し、重症化するリスクの方が高いと言われているので予防接種はした方が良い。
    3. ガンマグロブリンの注射:麻疹の患者と接触後6日以内に注射して発病を防ぐ。(ガンマグロブリンの効果は一時的なものなので、5-6ヶ月後にワクチンを接種するのが良い)
  • 予防接種を受ける前にはしかに罹り、麻疹が完治した後、5-10年潜伏していたウイルスが再び暴れ出し、脳に侵入してSSPE(亜急性硬化性全脳炎)を発症するケースが稀にある(発症率は麻疹に罹患した人の数万人に1人で、現在の患者数は約200人、年に5-10人)。従って、麻疹にならないように予防接種をしておくことが大事
  • 厚生労働省の2012年麻疹制圧計画:免疫不足の若者に2回目の予防接種を実施、具体的には中学1年生と高校3年生を対象に2008年度から5年間、2回目の予防接種を実施して、2012年を目標に国内のはしかの制圧を目指すと言う。はしかの患者全員を捕捉するため、医師から保健所への通知を義務づける。
  • 2007年に麻疹は大流行した。2008年の国内患者数は11,000人で米国のわずか66人に比べると異常に多い。
  • 2014年の状況については管理人のブログ参照下さい。⇒こちら

川崎病

  • 1967年、当時の日本赤十字病院の川崎富作医師が最初に「小児の急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群」と報告したことからこの名がある。
  • 1才前後に多い。4才以下の乳幼児がかかり、3才までで75%を占めている。未だに原因は不明。人から人への感染は報告されていない。季節を問わず発症する。
  • 年間患者数約14,000人。増加傾向にある。2010年までに国内の患者総数は27万人を超えた。男児が女児の約1.5倍。
  • 主な症状は
    @発熱が5日以上続き、
    A急性期に手足が硬く浮腫み、手のひらや足の裏、手足の指先が赤くなり、回復期には指先の皮がむける、
    B体に大きさの一定しない発疹がでる
    C両目の充血、
    D唇が赤く、いちご舌、口の粘膜も赤くなる
    E急性期に頸部リンパ節腫脹、
    の6症状がある。
    但し、6症状が全部揃う人は40%、5つの人は80%、3〜4つの人は20%。
    6つの主な症状のうち、5つ以上がみられた場合と、4つの症状しかなくても冠動脈瘤がみられた場合は川崎病と診断する。症状はそろわないが、他の病気ではないと判断された場合は「非定型の川崎病」として扱かわれる。
  • 血液検査では白血球・CRP・肝細胞逸脱酵素が上昇し、ナトリウム、アルブミンが低下する。
  • BCG接種部位が赤くなる等の特徴的な所見も出る。普通の解熱薬は効果がない。最初は発熱だけで他の症状が揃わないとインフルエンザ等との鑑別が困難。
  • 近くの開業医だけでは早期に診断がつかない恐れもあるので、症状が揃ってきたら、家族が川崎病を疑って、直接大学病院等に患者を連れて行き早期診断の上、早期治療を開始するのも冠動脈に瘤が出来るのを防ぐために重要。
  • 急性期の1、2週間を過ぎた後に、心臓冠動脈に瘤ができる場合があることがこの病気の特徴。急性期の炎症が強かったり発熱が10日以上続いたりすると、冠動脈瘤ができやすくなるので、少しでも早く炎症をおさえる治療が必要とされる。
  • 心臓に冠動脈瘤ができているかどうかは断層エコー図(心エコー法)で調べる。心断層エコー図の検査は、超音波を用いて行なうために痛みもなく、冠動脈瘤の有無、心臓全体の状態などを調べることができるが末梢(先の方)の詳細な検査は困難。MRIによる冠動脈描出を完全無痛でX線被ばくもなく外来で行っている病院もある。→東京逓信病院等。
  • 診断が付けば10日間程度の入院治療が行われる。冠動脈瘤の発生予防の目的で早期にγ-グロブリンの大量療法が行われる事が多い。ガンマグロブリンは10%〜20%の患者には効かないので、ステロイドの点滴などが追加される。このステロイド療法は心臓の冠動脈に瘤が出来る事を防ぐ効果が高いことが分かり、標準治療になる可能性が高まった。
    重症の川崎病患者に対する免疫グロブリン(γグロブリン)+アスピリンの標準的な初期治療に、ステロイドを追加すると、冠動脈病変の発生を抑制できることが、群馬大学医学部の小林徹氏らが行った無作為化試験で明らかになった(2012/3)
  • 200人に1人心臓の冠動脈に瘤が出来て、2,000人に1人が死亡する。心臓冠状動脈瘤や冠動脈拡張が起きると突然死の原因になる事が報告されている。
  • 川崎病発症から2〜3ヶ月しても冠動脈径が4〜6mmを超えるときは、心臓カテーテル検査による冠動脈造影を受けることが勧められる。
  • 冠動脈異常が見つかった患者は、血液をさらさらにするアスピリンやワーファリンを服用しなければならず、長期に亘って、心臓エコー、負荷心電図や必要に応じて冠動脈造影検査を行い経過を観察する必要がある。冠動脈の狭窄の程度がひどい場合は冠動脈バイパス手術等が行われる。
  • 最近(2009)、順天堂大のチームが川崎病が、体内で大量に増えた複数の細菌の感染によって引き起こされる可能性が高いことをつき止めた。〈1〉ブドウ球菌によって免疫反応が強まり、高熱や腫れの原因になる〈2〉桿菌の仲間は血管内皮細胞にHSP60という特殊なたんぱく質を作らせ、これが免疫細胞の標的となり、冠動脈で過剰な免疫反応が起きるという。炎症を抑える血液製剤を大量に投与しても効果がない患者7人に、ブドウ球菌や桿菌を抑えるST合剤という抗菌薬を投与したところ、6人が回復した。今後さらに多くの症例を調べれば治療法を確立できるだろうと話している。 (2009.11.17 読売新聞記事より)
  • 子どもの頃に川崎病にかかったことがあるが、大人になってからは治療をしていない又は治療を中断している人は大人になって突然心臓発作を起こして死亡することもあるから要注意。川崎病の子供を持つ親の会では大人になって受診できる病院を教えてくれる。
  • この病気の詳しい解説が循環器病情報サービスにあり利用できる。→こちらを参照
  • 川崎病の治療実績の多い病院は、東京都内では、東京都立小児総合医療センター、日本大学医学部附属板橋病院、都立墨東病院、東邦大学医療センター大森病院、国際成育医療研究センター、昭和大学横浜市北部病院、昭和大学病院、日本赤十字社医療センター、順天堂練馬病院、東京逓信病院等々がある。

急性喉頭蓋炎

  • 喉の奥にある喉頭蓋が細菌の感染によって炎症を引き起こす病気。最初は喉の痛みや発熱、唾を飲み込むと痛みを感じる等で始まるが、その後数時間の内に呼吸困難やゼーゼーする喘鳴、 含み声と呼ばれる、「マフラーを巻いたような声」が起きてくる事があり、時には命に関わる怖い病気。腫れ上がった喉頭蓋が気道を塞ぐと、窒息することもある。 急速に症状が進行する場合は緊急に耳鼻科や入院施設のある大きな病院を受診しよう。このような時は内科クリニックを受診してはならない。耳鼻科では間接喉頭鏡検査や喉頭ファイバースコープ検査で、喉頭蓋のはれを確認することで診断する。
  • 窒息の危険があると医師が判断すれば、救急医は喉の輪状甲状靱帯の上をメスで切り、太い管を差し込んで呼吸を確保するための緊急処置も行われる。声帯の下で切るので声は失われない。
  • 通常は細菌感染が原因で、そのほとんどはB型インフルエンザ菌(Hib)や肺炎球菌、溶連菌で感染するが、ストレスや疲れなどで、免疫力が落ちていると、自分の体内に常在する細菌(嫌気性菌を主体とする常在菌)でも急性喉頭蓋炎は発症すると言われている。細菌は喉頭蓋だけで局所的に増殖するため、他の粘膜よりも治りにくいといわれている。
  • 年間患者数およそ1万4千人。2-5才の子供に多いが、成人例も少なくない。成人では過労、糖尿病、喫煙者、飲酒などで免疫力の落ちた人がかかりやすい。ほとんど入院治療になる。気道の確保が第一の治療。抗生剤とステロイドなどの点滴で治療。尚、喉頭蓋は図のように喉の奥にあり内科医では見つけることは出来ない。風邪を引いて、その後短時間で喉の痛みが強くなったら必ず耳鼻科を受診すること。

    NHK総合研修医ドクターGより(2013.6.14)

無菌性髄膜炎 (ウイルス性髄膜炎

  • 激しい頭痛(小児ならひどくぐずる)・吐き気・40度近い発熱・脱水が特徴。首が曲がりにくい、両足を伸ばして持ち上げると嫌がる等の特異な症状も見られる。夏〜秋に多い。地域で流行する事がある。年間患者数は約2,500人。髄膜に炎症を起こす。
  • 10歳未満の子供の患者が多いが、20-30代の患者も少なくない。免疫のない大人も罹患する。
  • 原因はエンテロウイルスおたふくかぜウイルス。無菌性髄膜炎を起こし得る病原体は多種多様で、ウイルスによるものが多く、全体の約7〜8割はエンテロウイルス属のウイルスが原因。また“無菌性”とはいえ、結核菌や梅毒などの細菌が原因になることもある。
  • 潜伏期間は2-5日。手足口病、ヘルパンギーナ、単純な夏風邪から移行する事がある。
  • 有効な治療法がない。脱水防止のための水分補給が行われる。症状が重いので入院して治療するのが基本。診断は腰から針を刺して髄液を採取する髄液検査。細菌性髄膜炎は運動・知的・聴力障害等の後遺症が残る事があるため、髄膜炎が疑われたら細菌性との鑑別が必要。
  • 予防は手洗。
  • 現在は細菌による髄膜炎は減って、ウィルスによる無菌性髄膜炎が大部分を占めている。ウイルス性なら通常は一週間程度で治癒する。適切に治療されれば、通常は後遺症もなく治るので過度の心配は無用だが、新生児は後遺症が残る事もあるので注意が必要。
  • 解熱し嘔吐症状もなくなれば退院し、自宅で安静にして経過を見る。動いても頭痛や嘔吐が起きなければほぼ完治と判断され通学・通園も可能になる。
  • けいれんを伴う場合、熱性けいれんとの鑑別が必要。細菌性髄膜炎(化膿性髄膜炎)との鑑別が重要。

小児髄膜炎 (細菌性髄膜炎・化膿性髄膜炎) ・ヒブワクチン

  • 細菌性髄膜炎のほとんどは、生後6ヶ月から増え、5才未満の乳幼児が罹る。特に、2才未満が約80%、1才未満が約50%を占める。
  • 細菌性髄膜炎はHibヒブ=インフルエンザ菌b型)とよばれる細菌(約60%)や肺炎球菌(約30%)により起きる。ヒブは鼻や喉にいる常在菌で、調べれば、生後18ヶ月までには30%の幼児に定着が見られる。乳幼児がかかる。特に、抵抗力の弱い0歳児がかかりやすい。次に1才未満。年齢が低いほど発症しやすい。
  • 頭痛、発熱、嘔吐、痙攣等の症状が出現する。赤ちゃんが熱が出て吐いたり、ぐったりと苦しそうにしていたら細菌性髄膜炎を疑うこと。秋から冬にかけて発症数が増える。例え、夜中であっても受診し、腰椎に針を刺して髄液を取る検査をする必要がある。
  • 年間600人程度が発症している。(5歳未満の乳幼児の2,000人に1人の割合(年間1000人)で発症し、5%が死亡し、25%に後遺症(てんかん、難聴などの聴覚障害や発達の遅れ))が残るとされている。Hibによる細菌性髄膜炎は予後が悪いので注意を要する。) ウイルス性髄膜炎より重症になる事が多い。
  • 風邪やウイルス性の胃腸炎に似ており診断が難しい。発症しても初期段階では血液検査に異常が現れない事がある。確定診断は背骨から髄液を抜いて検査する。とにかく、感染し発症すると、症状の進行が速く手遅れになりがちなので、ワクチン接種が勧められる。(ヒブワクチンと小児用の肺炎球菌ワクチンは生後6ヶ月前に必ず打っておく)→厚生労働省が検討会で議論を重ねた結果、接種と死亡に明確な因果関係は認められず、ワクチン接種の安全性に特段の問題は無いと結論づけ2011/4予防接種は再開された。
  • 脳炎は脳実質に炎症が起きるが、髄膜炎は脳咳髄膜に炎症が起きる。
  • 治療は抗生物質の投与だが、最近、耐性菌が急激に増えており35%は抗生物質が効かない。
  • 世界では100か国以上でHibワクチン(アクトヒブ)が使用され患者が激減(米国では導入後髄膜炎患者の発生が1/100以下に激減)しており、世界保健機関(WHO)は乳幼児への定期接種を推奨しており、日本は先進国中唯一承認されておらず著しく立ち後れていた。審査業務を行う独立行政法人・医薬品医療機器総合機構の審査業務の遅延によるもので早急な承認が望まれていたが、ようやく2007年1月になって認められ、2008年冬から接種できるようになったが、健康保険等はきかないため自費で1回\7,000程度かかる。第一三共が2008.12.19からHibワクチンを発売開始した。国や自治体の補助などが望まれる。
  • 接種対象は2ヶ月以上5才未満。具体的には、生後2ヶ月以上7ヶ月未満は4-8週間隔で3回接種し、1年後に1回接種する(合計4回)、7ヶ月以上12ヶ月未満は同様に2回接種し、1年後に1回。1才以上は1回のみ。三種混合ワクチンと同時に(両腕に)接種するとスケジュール管理がしやすいとされる。ヒブワクチンは5歳未満まで受けられる。インフルエンザ桿菌による髄膜炎は5才を超えると少なくなる。
  • 30%程度に軽い副作用が出現する。500円玉くらいの赤い腫れができる子供はいるが、2〜3日で消え、38度程度の発熱が出ることもある。稀なケースだが、接種後数時間以内に、息切れ、かれ声、ゼイゼイと息をする、じんま疹、顔が蒼白になる、虚弱感、鼓動の高まりやめまいなどが起きた場合は、すぐに接種医に連絡をするか、大きな医療機関を受診した方が良い。
  • 海外での使用実績から、Hibワクチンの有用性は出ているので費用負担軽減のための対策を早急に実施する事が望まれる。
  • 厚生労働省は2012年5月23日、接種費用が原則無料となる「定期接種」の対象ワクチンの追加について、インフルエンザ菌b型(Hib=ヒブ)、小児用肺炎球菌、子宮頸がん予防の3種類を優先する方針を決めた。厚生科学審議会の予防接種部会が同日にまとめた提言などを踏まえたもので、同省の担当者は「今通常国会への予防接種法改正案の提出を視野に入れながら、市町村など関係者と調整していきたい」と語っている。

肺炎球菌ワクチン

  • 子供の肺炎球菌ワクチンは2013年11月から従来の7価ワクチン(PCV7 :7種類の肺炎球菌に予防効果があるワクチン)が13価ワクチン(PCV13:13種類の肺炎球菌に予防効果があるワクチン)に切り替わった。接種対象は生後2カ月から6歳以下の子ども。ワクチンの接種回数は初回の接種月齢・年齢によって接種間隔・回数が異なる。65才以上の高齢者も接種が勧められる。このワクチンは約90種類(血清型)ある肺炎球菌のうち、特に小児で重い症状を引き起こす13種類の肺炎球菌による感染症を予防するもの。尚、高齢者用の肺炎球菌ワクチン・ニューモバックスは23価でこれとは別物。

    肺炎球菌は小児の細菌感染症の原因として最も多いといわれ、肺炎球菌感染症は肺炎(重症化する)の他、髄膜炎、菌血症、敗血症、中耳炎をおこす毒力が強く、急激な経過をたどる怖い病気。中でも髄膜炎が特に怖い病気と言われるが、これは点滴による抗生剤が病気の進行に追いつかないことがある程進行が早いから。細菌性髄膜炎はかかった子どもの半数以上が0歳の赤ちゃん。早期診断が難しく、意識障害や痙攣が起きて診断がついて、抗生物質を投与しても耐性菌も多く、5%は死亡し、15-25%に後遺症が残ると言われる。年間1000人近くが発症していると言われる。原因は60%がヒブ(インフルエンザ菌b型)、30%が肺炎球菌。生後2か月からヒブワクチンと同時接種で受けるのが望ましい。3か月からはこれに加えて、四種混合ワクチンも同時に接種できる。肺炎球菌ワクチンの接種費用は1回\10,000で補助はない。効果は一生涯続く。(鼻の保菌もなくなる)

日本脳炎

  • 中国・四国・九州・千葉県に発生が多い。(全体の80%)→蚊に刺されない等、予防策の徹底が必要。
  • 蚊(コガタアカイエカ)に刺されることにより日本脳炎が起きる。人から人への感染はない。日本国内の豚の多くは未だに日本脳炎ウイルスに感染しており、豚→蚊→人にウイルスが感染するので予防は今でも必要。ワクチンは流行しない内に接種しておくもの。 
  • 蚊に刺されても大多数の人は発症しないが、100-1000人に一人程度が発症すると言われる。6〜16日間の潜伏期間の後に、発症すると、高熱、頭痛、嘔吐、光への過敏症、意識障害、神経系障害が起き、10-30%が死亡する。生存出来ても、約半数に重い後遺症を残す重大な病気。九州・沖縄、中国・四国地方を中心に、最近10年間で58人の患者が報告されている。
  • 国立感染症研究所によると、2016年6月現在、3歳未満で日本脳炎と診断された子どもが過去7年間で3人いて、このうち千葉県では2015年、生後11か月の赤ちゃんが発症した。これを受けて、千葉県では3歳からが標準とされる接種の時期を大幅に早めて、生後6か月から受けるよう運動を行っている。2015年夏のデータによれば千葉県と茨城県、中部・近畿の太平洋側の県、中国・四国の一部の県と、九州北部の各県で豚の感染率が8割以上に達し、人間への感染のリスクも高いとされている。
  • 予防策は、長袖、長ズボン着用や防虫薬の使用で蚊に刺されないこと、予防接種をすること。
  • 従来のワクチンの副作用としては、稀に発疹、じんましん、かゆみ等の過敏症や発熱、さむけ、頭痛、倦怠感、はきけ等。ただ、70〜200万回の接種に1回程度、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)を発症する可能性があるため、2005年に勧奨中止となった。(重症のADEMは1000万回に1人)→2010年から積極的勧奨再開
  • 最近、日本脳炎の予防接種をする人が激減したため、0-4才児で免疫のある人は20%台まで減っているという。
  • 日本脳炎の新たなワクチンが、2009年6月2日に発売された。この乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン(商品名ジェービックV)は、2009年2月23日に製造承認を取得し、国家検定が行われていた。同日公布・施行された省令により、この新ワクチンは予防接種法における定期接種として使用可能になった。現在、日本脳炎の定期予防接種スケジュールは、第1期3回(初回接種2回、追加接種1回)、第2 期1回の計4回となっている。今回発売された新ワクチンの生産量は約30万ドースで、対象者全員の必要量に満たない。また、第2期接種における有効性・安全性はまだ確立されていないことから、現時点では第1期の初回接種のみに使用されるワクチンとして位置付けられている。2005年の勧奨中止によって接種の機会を逃してしまった対象者にどう対応するかは、今後も継続して検討となっている。新ワクチンはVero細胞(アフリカミドリザル腎臓由来株化細胞)を用いて製造されるため、接種によるADEM発症のリスクは低いと期待される。(日経メディカルon line 2009.6.2)
  • 厚労省は、接種を受けた方がいい人として「九州・沖縄、中国・四国などに住み、接種を受けていない3〜7歳の子ども」を挙げている。
  • 3才2回、4才1回、9才1回の計4回が標準。
  • 参考情報:感染症情報センター  予防接種スケジュール
  • 2012/7に接種後に急性脳症を起こして1週間後に死亡。2012/10に小学5年生男児(10)が日本脳炎の予防接種の約5分後に心肺停止状態になり死亡する事故が起きている。→この問題に関する厚生科学審議会予防接種部会の小委員会は2012年10月31日、ワクチン接種後の死亡例が2例報告されたことを受けてワクチンの安全性について協議し、 「接種を中止する必要はない」と結論付けた。いずれの死亡例についても「ワクチンそのものと死亡との関連は薄い」との意見が相次ぎ、「危険性が高まったわけではない」と判断した。接種を中止することで、患者の増加が懸念されることも考慮した。
  • 厚生労働省によれば、2009年6月に導入された「ジェービック5」と2011年4月からの「エンセバック」と言う二つの日本脳炎ワクチンは2012年6月までに1000万回以上接種されたが、104人(ジェービックが93人、エンセバックが11人)に副作用と疑われる事例が発生した。症状が出たのは、10歳未満か10歳代が大半で、主な症状はけいれんや発熱、嘔吐など。大半が回復しているが、少なくとも数人に後遺症が残り、特に、ジェービックでは2012年7月と10月、接種を受けた子供が死亡している。

百日咳

  • 2週間以上咳が続く患者の1/4は百日咳が疑われるという。
  • 流行のシーズンは春から夏にかけて。10才以上の増加が目立つ。
  • 潜伏期間は5日〜14日間。インフルエンザの5倍の感染力がある。乳幼児には重症化することがあり怖い病気の一つ。2016年は全国で500人が重症化して入院した。
  • 風邪に似た症状で始まる。長引く咳が特徴。熱は微熱。2週間目以降からは咳はその後発作性けいれん性の咳(痙咳)となる。1日15回くらいは激しい咳が出る。つまり、コンコンコンコン→ヒューと特有な咳発作が見られる。咳発作は、夜間の方が多く、昼間は、無熱、無咳のことがある。咳が激しいので肋骨骨折を起こすこともある。咳が止まらないほどの激しい咳が長引いたら受診。ただし、咳以外の熱、白血球数、胸部X線などの所見は変化がないことが多くあまり参考にならない。
  • 1才未満の症状は、鼻水・くしゃみといった風邪のような症状で始まるが咳が激しい。顔を真っ赤にしてコンコンと連続して咳き込み、その後ヒューと音を立てて息を吸い込むのが特徴。これを繰り返すが、息が止まることもある。
    1才以上の症状は、典型的な咳が見られないこともあるが、咳が長引く。発熱も少ない。
  • 大人では激しい咳が長引くが、熱などは微熱で、発症に気づかないことも多く、子供に感染させるもとになる。
  • 母親の免疫を継承しないため、1歳以下の乳児、特に、生後6 カ月以下では死に至る危険性も高い。
  • ワクチンを接種していない乳幼児が感染すると肺炎、手足の麻痺、目や耳の障害が起き、0.2-0.6%は死亡する。
  • 2016年7月に百日咳菌に対するIgM抗体とIgA抗体を測定する血清学的検査(体外診断薬「ノバグノスト 百日咳/IgM」「ノバグノスト 百日咳/IgA」)が発売され、2016年10月に、後鼻腔ぬぐい液から抽出した百日咳菌を核酸増幅法(LAMP法)によって検出する遺伝子検査(体外診断薬「Loopamp百日咳菌検出試薬キットD」)が発売された。この結果、2016年11月、「小児呼吸器感染症ガイドライン」が改訂され、百日咳の診断基準が見直され発症早期の百日咳患者の確実な診断と早期治療が日常診療で可能になった。また、咳の期間について、重症化しやすい1歳未満では咳の期間を限定せず、成人を含む1歳以上では1週間以上咳が続いた場合は百日咳を疑うとした。
  • 四種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風)は生後3ヶ月から接種出来る。
  • 百日咳ワクチンの効果は中学生までに半数は効果がなくなると言われる。だから、若者や成人の感染が増えている。欧米では10年ごとに百日咳ワクチンの接種が実施されている。
  • DPTワクチンを接種していても、その後実際の感染経験がなければ、百日咳抗体価は10年程度で減衰してくるので青年期以降の感染率はそれほど低くはないと言われる。
  • 20才以上の大人の罹患率が30%を超えている。成人の場合は長引く咳で済むが、ワクチン接種前の乳幼児がかかると重症化する危険がある。
  • 抗生物質が有効で、エリスロマイシン、クラリスロマイシンなどのマクロライド系抗菌薬が10日〜2週間程度投与される。これは患者の治療よりも周囲への感染防止に主眼が置かれる。 セフェム系が処方されることもある。

アデノウイルス感染症

  • 学童、幼稚園児、保育園児に好発する。大人や赤ちゃんはうつりにくい。1-3才の子供は特に重症化に注意。
  • アデノウイルスには51種類あるので何度もかかる。(免疫が付きにくいので何度でもかかる)
  • 一般的に予後は良好だが、乳幼児の場合重症の肺炎を起こすことがあるので甘く見ないこと。
  • 唾液の飛沫、鼻水、便、涙などにより感染する。
  • 潜伏期間は5-7日。扁桃腺やリンパ節に潜んで増殖する。
  • 診断:症状と流行状況により診断可能だが、迅速診断キットにより確実に診断がつく。
  • 主要疾患:咽頭結膜熱(いわゆるプール熱でアデノウイルス3型による)、扁桃腺炎、急性濾胞性結膜炎、流行性角結膜炎(はやり目でアデノウイルス8型による)、胃腸炎(嘔吐下痢症)、出血性膀胱炎(アデノウイルス11型)、肺炎(アデノウイルス7型等)
  • 治療:特効薬はない。(細菌感染ではないので抗生物質は効かない) 対症療法になる。体内にウイルスに対する抗体ができるまで待つしかない。水分を十分に与え、安静にする。
  • 解熱剤を使うときはアセトアミニフェンにして、しかも38.5度以上で元気や食欲がないつらそうなときに使うとよい。(元気のあるときは使わない方が良い)(アスピリンは良くない)
  • タオルやコップ、食器の共有は避ける。
  • 経過:高熱が出たり、下がったりが5日間程度続く。ウイルスは眼や喉から2週間、便から4週間程度排泄されるので要注意。重症例や難治例にはステロイドやガンマグロブリンが使われることがある。 アデノウイルス3・7・21型は、(重症の)肺炎を起こすことがあり、乳幼児がかかると、髄膜炎、脳炎、心筋炎などを併発することもあるので長引く場合は注意。
  • 登校:症状が取れて2日間は出席停止。

水疱瘡(水ぼうそう)・水痘(すいとう)

  • 麻疹に次いで感染力が強い。ヘルペスウイルス科の水痘・帯状疱疹ウイルスが空気感染、飛沫感染、接触感染する。
  • 幼児・学童期前半に多い。厚労省の推計では9才以下を中心に年間に約100万人が感染し、治療薬はあるが、重症化する事もあり、年4000人が入院、20人程度が死亡する。
  • 最初は虫さされのような3-5mmの赤い米粒大のかゆみを伴う発疹で始まる。発疹→水ぶくれ→膿疱→かさぶたと変化する。
  • 熱はあってもそれほど高くないことが多い。
  • 発疹はどこにでも出る。かゆみがある。
  • 潜伏期間は約2週間。
  • 発疹の出る1-2日前からかさぶたになるまでは感染力がある。家族内感染が90%で見られる。家族内感染の場合は、後から発症する人が重い傾向がある。
  • 3〜4日たつと、水疱は乾いて黒いかさぶたになり、かゆみもおさまって来る。
  • 全部かさぶたになるまでは感染力が持続するので、学校、幼稚園は登園禁止。
  • 必ず小児科を受診して指示をもらう。1才以下や大人の感染は重症化しないように注意。アシクロビルやバラシクロビルという特効薬がある。早期に投与すれば症状が軽い。
  • 治っても、神経節などにウイルスは潜伏していて、免疫力が下がったときや、疲労・ストレス時に帯状疱疹を発症する。
  • 成長してから水ぼうそうになると重症化する。新生児、妊婦、免疫抑制状態にある患者も重症化して死亡する事もあるので注意。
  • 予防は予防接種による。まず発症を防げるし、万一発症しても軽く済む。日本の接種率は40%程度、アメリカは90%。かかってなければ大きくなってからでも予防接種は有効。2014年10月から水痘(水ぼうそう)を予防する小児用ワクチンを予防接種法に基づいて自治体が行う定期予防接種に指定した。対象は1〜2才児。ワクチンは患者を大幅に減らせると期待される。接種は、1才の誕生日の前日から3歳の誕生日の前日までに2回。麻疹と風疹の混合ワクチン(MRワクチン)との同時接種も可能。
  • 今まで水ぼうそうにかかったことに無い人が、万一水ぼうそうにかかっている人と接触した場合、感染してから3日以内にワクチンを緊急接種する事で感染発症を未然に防ぐことが出来るので急いでかかりつけ医に相談するとよい。
  • 子供がきちんと予防接種をすると水疱瘡にかかる子供が減る。一方、大人は免疫力が減るので帯状疱疹になる人が増える傾向がある。

おたふく風邪(流行性耳下腺炎)

  • ムンプスウイルスの感染で起きる。ウイルスに効く薬はない。
  • 初夏に流行し、年間約200万人が発症する。一度かかり免疫が出来ると再感染はしない。
  • 国立感染症研究所によれば、2016年夏は前回の流行(2010年〜2011年)に次ぐ流行になることが予測されているので注意が必要。
  • くしゃみや咳による唾液の飛沫感染や手指による接触感染でうつるが、感染力は強い方ではない。マスクは有効。
  • 3歳〜7歳が中心、他に20歳〜40歳の人も発症する。
  • 潜伏期間は2〜3週間程度。感染力は強い。30%は感染しても症状が出ないまま終わってしまう(不顕性感染)。合併症の症状だけ出ることも多い。
  • 唾液腺が腫れ、耳の下や頬の後ろ、あごの下辺りが痛んだり腫れたりする。(片側のことも両側のこともある) 発熱を伴うことが多い。熱も腫れも3日から1週間ほど続いた後、治る。
  • 無菌性髄膜炎(数%)や難聴の他、思春期以降に感染すると30%が精巣炎や乳腺炎を、10%は卵巣炎や甲状腺炎を合併する。おたふく風邪で不妊になることがある。
  • 頭痛や吐き気、けいれんの症状が出たら無菌性髄膜炎や脳炎を疑って念のため受診。ただし後遺症が残ったり、命に関わるようなことはない。
  • 子どもを中心に流行し、発熱や耳の下の腫れを引き起こすウイルス性の感染症である「おたふくかぜ」 にかかり難聴になった人が、去年までの2年間に全国で少なくとも314人に上ったことが日本耳鼻咽喉科学会の調査でわかった。(発生率0.01%〜0.5%) 学会はおたふくかぜの重症化を防ぐため、又、おたふくかぜによる難聴は治療で回復させるのが難しいとしてワクチンの接種(2017年9月現在は任意接種)を受けるよう呼びかけている。難聴になった人を年齢別に見ると、10歳未満が49%と半数近くをしめたほか、10代が22%、20代が7%、30代が11%などとなっていると言う。(2017.9.5NHKニュース)
    →子供が朝起きたら耳が聞こえない、有効な治療法もなく、生涯難聴という悲劇を防ぐためにはワクチン接種が必要だが、政府は安全性の高いワクチンの開発と、無料化を早急に再検討すべきです。(追記)読売新聞2017.9.6の報道によれば、「日本でおたふく風邪のワクチン接種が進まないのは、安全性が実証されたワクチンが確保できていないため」とある。自費でしかもリスクもあるなら誰も積極的には接種しないと思われる。
  • 予防にはワクチン接種。(任意) 大人でも接種が薦められるが、事前に免疫の有無(抗体検査)を血液検査で調べること。ワクチン接種で副作用の無菌性髄膜炎は接種者の0.03%〜0.06%に留まるが、おたふく風邪で無菌性髄膜炎が起きるのは患者の1.24%とのこと。(厚生労働省2003年度の報告) 従って、ワクチン接種によるものは、はるかに低く、また治りやすいと言われ接種が勧められているが接種率は3-4割と低い。このため、国は定期接種化を目指し、新しいワクチンの開発を製薬会社に促している。
  • ワクチン接種は2回接種が基本で、1回目と2回目は1ヶ月以上あける。接種後4週間ほどで効果が出る。日本小児科学会では1才前半と5-6才の計2回の接種を推奨している。接種費用は全額自費で、摂取率は3-4割程度と推測されている。
  • かかった覚えが無い人、ワクチンを接種したかどうか分からない人は抗体検査をすると良い。
  • 鎮痛剤としてアセトアミノフェンが経口投与されることがある。
  • 自宅では、水分補給と安静。口を開けると痛いときはストローを利用。腫れが引くまで学校は休む。
  • 唾液腺が腫れる病気はほかにもある。

風疹(三日はしか)

  • 風疹(三日麻疹)は発疹、発熱、リンパ腺の腫れを生じるウイルス性疾患です。
  • 飛沫感染で鼻や喉から感染する事が多い。潜伏期間は2-3週間。
  • 発疹は顔面に出現し、1-2日で首、胴体、手足へと広がる。麻疹の発疹に似ているが、色が薄く、3日で消える。半数の患者に発熱が有り3-4日続く。耳の後ろや首のリンパ節が腫れる特徴がある。
  • 風疹の症状は子供では比較的軽いと言われるがまれに脳炎、血小板減少性紫斑病などの合併症が、2000人〜5000人に1人くらいの割合で発生することがあるので軽視できない病気。2013年は大流行中。
  • 妊婦、特に妊娠初期(特に、受胎から20週以内)の女性が風疹にかかると、胎児が風疹ウイルスに感染し、難聴、心疾患、白内障、そして精神や身体の発達の遅れ等の障害をもった赤ちゃんがうまれる可能性があり、これらの障害を先天性風疹症候群(CRS)という。2013年3月現在で、患者数は昨年の22倍の2021人に達している。2013年の場合、風疹の診断を受けた患者の90%近くは予防接種を受けていない人が多い20代以上の年齢層で占められていると言う。
  • これから妊娠する予定のある女性であって風しん罹患歴又は風しんワクチン接種歴のない人は、予防接種を受けることにより先天性風しん症候群の発生を防止することができる。風疹の抗体の無い人は麻疹の抗体も無い場合が多いので、「麻疹風疹混合ワクチン」の接種が推奨される。但し、妊娠した人は予防接種は受けられない。女性は過去一回は接種しているはずだが、十分な免疫を獲得していない場合がある。妊娠してからでは受けられないので妊娠を考えている女性は妊娠前に2回目の接種を受けることが望ましい。妊娠前に接種することにより自分自身も免疫を獲得し、妊娠中の感染も守られ、生まれてくる赤ちゃんに麻疹と風疹の抗体を与えられるので子供を守れる。母から赤ちゃんへの最初のプレゼントになる。パートナーの男性も一緒に受けると尚良い。
  • 妊婦への感染波及を抑制するため、特に、妊婦の夫の他に子供及びその他の同居家族等が予防接種を受ける事が勧められている。
  • 妊婦は夫や家族などから感染する可能性があるが、他にも通勤電車や劇場などでも感染する可能性があるので十分注意する必要がある。
  • 大人の風疹はこちらを参照

ギランバレー症候群

多くは(約2/3)は風邪や下痢の後1〜2週間して症状がはじまる。急に両手足に力が入らなくなり動かせなくなる。手足のしびれ感もよくある症状。ひどい場合は呼吸困難になる。症状は1ヶ月以内にピークとなり、6〜12ヶ月で多くの患者がほぼ完全に回復する。後遺症が残る場合もあり、約10%は自力歩行ができない。死亡は1%未満。子供から高齢者まで発症の危険があるが、男性にやや多い傾向。おかしいと思ったら出来るだけ早く神経内科を受診すること。早期に血漿交換療法或いは免疫グロブリン大量療法を行うと症状が軽く早く回復する。

子供の怪我(キズ)の治療

本ホームページの首題である「発熱」とは違うが、子供は発熱と同様、怪我(切り傷、すり傷)をしやすい。消毒薬やガーゼを使わない、痛くないキズの手当法を紹介する。⇒詳細はこちらを参照

大人の風邪とインフルエンザ

大人の風邪、風邪とインフルエンザの違い、インフルエンザウイルス、予防と治療、インフルエンザ診断キット、インフルエンザ予防接種、特効薬タミフル、肺炎、肺炎ワクチン、鳥インフルエンザ、新型インフルエンザ、咳喘息、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)等についてはこちらを参照下さい

 

マイコプラズマ肺炎とクラミジア肺炎

大人にも子供にも起きるが、2016年は5年ぶりの流行となっていて、過去10年で2番目の多さなので注意を要する。高齢者は重症化、合併症がまれにある(重症肺炎、脳炎、肝炎).。一般的には14才以下が80%。抗菌剤が効かない。症状は、発熱(通常38℃以上)・倦怠感・頭痛、その後3-5日後に咳が出るようになる。一番の特徴は咳が強いことで、1ヶ月も咳が続いたりする。アルコール消毒が良い。
詳細は肺炎の項参照。
マイコプラズマ

クラミジア

敗血症

米国のデータでは、敗血症の患者数は肺癌、乳癌、前立腺癌を合計した患者数よりも多い。
正確な統計はないが、日本では、年間約10万人が敗血症によって死亡していると推定される。
肺炎や尿路感染症など、どの感染症でも、敗血症に至る可能性がある。
敗血症患者の生命を救うには、感染症から敗血症に移行しそうな段階で診断し、集中治療に移行する必要がある。

診断基準qSOFA:(2016年6月策定)
1.呼吸数22回/分以上
2.意識レベルの低下
3.血圧が100以下

1つで要注意
2つは救急受診
3つは死亡率上昇

従来は体温、心拍数、呼吸数(または動脈血二酸化炭素分圧:PaCO2)、白血球数の4項目中2項目以上を満たせば陽性とされた。

ただ、qSOFAやバイタルサインは、症状が非定型な小児や高齢者には当てはまらないとして独自の判断基準を策定している病院も多い。

例1:下記が1つでもあれば緊急対応開始。

・呼吸数    8回/分以下又は28回/分以上
・酸素飽和度(SpO2) 90%未満
・血圧     90以下
・心拍数    40回/分以下又は130回/分以上
・尿量の低下  50ml/4時間以下
・意識レベルの低下

例2:下記が1つでもあれば緊急対応開始。

・意識レベルが普段と違うとき
・血圧  200以上 又は 90以下
・脈拍  120回/分以上 又は 50以下
・呼吸数 30回/分以上 又は8回以下
・体温  40度以上 又は 35度以下

感染症の伝染力の違い

感染者が感染中に他人に病気をうつす人の数

 感染症名 感染させる人数 
 インフルエンザ  1〜3人
 ノロウイルス 3〜4人 
 天然痘 5〜7人 
 風疹 6〜9人 
 水痘 8〜10人 
 百日咳 12〜21人 
 ロタウイルス 28〜191人 

日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール

小児科学会は2012年5月、以下3点につき修正を行った。
(1)ヒブワクチンの追加接種効果を早期に得るために、4回目の接種は生後12 カ月から開始するよう推奨。
(2)ロタウイルス5 価ワクチンを追加。1 価ワクチンとともに、生後8 週から15 週未満の期間に1回目の接種をするよう推奨。
(3)水痘ワクチン2 回目の推奨接種期間を、生後18カ月以上2 歳未満に変更。

日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール
http://www.jpeds.or.jp/saisin/saisin_110427.pdf

http://idsc.nih.go.jp/vaccine/dschedule/2012/ImmJP12.pdf

不活化ポリオワクチンの定期接種が2012年9月1日から始まった。これまで定期接種に使われていた生ワクチンでは、接種後にまひを発症する恐れがあるため、不活化ワクチンへの切り替えが待たれていたもの。不活化ワクチンとDPT(ジフテリア、百日ぜき、破傷風)ワクチンを混ぜた4種混合ワクチンは2012年11月に導入される。ポリオ=急性灰白髄炎

2012年9月から導入された不活化ポリオワクチンを接種された0歳児が19日後に死亡していたことが2012年10月24日わかった。不活化ワクチン接種後の死亡例の報告は初めて。ワクチンを接種した医師も「因果関係はない」としている。厚生労働省は「現段階では接種と死亡の因果関係は不明」としているが専門家検討会に報告する。

参考ホームページ

こどもの救急(日本小児科学会作成。生後1ヶ月〜6才児のためのお母さんのための情報満載)

日本小児科学会予防接種スケジュール

子供の病気治療関連
東京消防庁救急相談センター #7119 (東京都、一部地域を除く)

小児救急電話相談
(夜間や休日、小児の急病で対応に困ったとき電話するところ)
プッシュホン短縮番号: #8000
上の電話番号に電話すると都道府県毎の相談窓口に転送され、小児科医や看護師がアドバイスしてくれる。ただ#8000は電話がつながらないことが多いらしく、その場合は下記のHPに各県別電話番号が掲載されているのでそちらも利用すると良い。対応時間帯や携帯電話でもOKかどうかは自治体により異なるので、HPで確認のこと。
厚生労働省のホームページ
問い合わせ先
厚生労働省医政局指導課救急医療係
電話: 03−5253−1111(代表)
内線(2551、2550)

 

この頁は、書籍・文献・新聞・テレビ報道などより得た情報や先生方から直接お聞きしたことを整理したものです。子供の発熱についての全てを記述したものではありません。医学の進歩は日進月歩であり、新しい治療法が見つかることも、また、従来の治療法が否定されることもしばしばあります。全ての内容を常に最新の状態に更新することは困難で、通常は随時、部分的に更新する事になり、この結果、新旧情報が混在する事もありますので、最新情報は各自で医師や医療機関にご確認下さい。情報を参考にされることは構いませんが、対処法は個人の症状や体質などにより違ってきますから、この情報による効果や影響に関しては個人の責任と判断で行ってください。また、情報の利用の結果、万一、利用者に不都合、不利益が起きても一切の責任は負えないことをご理解下さい。記述は正確を期していますが、間違いにお気づきの場合は、「okiちゃんの趣味のアルバム」Top Pageよりメールをお寄せ下さい。

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更新履歴:初稿2005.1.22、最終更新2017.11.15

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