アルツハイマー病・認知症の診断と治療

最終更新:2014.8.19

日本の認知症の患者は550万人(厚生労働省2013年6月発表は462万人)で高齢者の15%。認知症の予備軍とも言える軽度認知障害(MCI)の高齢者も400万人いて早急な認知症対策が求められている。九大の福岡県久山町の調査結果から推定すれば、60才以上の人が生涯に認知症になる確率はなんと55%にもなるそうで、最早誰もが認知症になることを意識して生活習慣を見直す事が必要になった。認知症の中でもっとも多いのはアルツハイマーで脳血管性認知症の患者より4倍も多い。脳血管性認知症は増えておらず横ばいだが、アルツハイマー型認知症は糖尿病の増加を背景に増加の一途をたどっている。認知症は、65才以上の8人に1人は発症すると言われるほど、高齢者に多い病気だが、最近は18歳〜64歳の若年の認知症(アルツハイマー)が増えていると言う。正確な統計はないが、10万人はいると言われている。65才以上の老年痴呆に比べて人生の活動期だけに始末が悪い。今や、アルツハイマー病は高齢者だけの老化による病気ではなく、極端な言い方をすればどんな年齢でも起こりうる。ただ、高齢化が進むにつれて患者が益々増える事は間違いなく、根本的な治療法の確立が望まれている。

従来、かかったら治らないと言われてきたアルツハイマー病だが医学の進歩はめざましく、理化学研究所の西道博士はアルツハイマーの原因物質と言われるアミロイドβを分解して減らすネプリライシンという酵素を見つけた。将来、この酵素を含む薬を飲むことによってアルツハイマーが予防できるかも知れない。画期的な治療法が確立するまであと5年、何とかアルツハイマーにならないでいたいものだ。それまでは、1日60分の散歩、週2回の有酸素運動、バランスの良い食事、趣味等で脳をせいぜい刺激しておこう。尚、このHPではアルツハイマー病を中心に、広く認知症全般を解説する。最近の研究で認知症と似た症状を呈する病気に大人のてんかん(子どものてんかんより多い)があることが分かった。この病気は抗てんかん薬を使うと80%の人は症状が軽快することが分かり、正しい診断が重要である。

2014年になってこれまでの常識を覆すほどの認知症対策が世界で次々と成果を上げている。認知症の進行を食い止める可能性のある薬が意外なところで見つかった。 脳梗塞の再発防止薬「
シロスタゾール」と糖尿病の治療薬「インスリン」である。また、介護の現場では、介護者を悩ませる徘徊や暴力がフランス人イヴジネスト氏が提案するユマニチュードという方法で穏やかになることが分かった。又、運動・減塩・禁煙等で認知症が有意に減少する事も分かった。認知症が心配で仕方が無い人、家族が認知症の人は2014.7.20 NHKスペシャルで放送された認知症をくい止める世界の最前線の動きは必見である。→こちらを参照


アルツハイマーとは

認知症の66%はアルツハイマー型、20%が脳血管性、レビー小体型が6%と言われている。

アルツハイマー型はβアミロイド蛋白と言われる蛋白質が脳の神経細胞に蓄積し、更にタウが溜まって神経細胞が破壊され脳が萎縮することにより脳機能が低下するもので、脳の血管が詰まる脳血管性痴呆と区別される。認知症の原因として一番多いのがアルツハイマーで70%を占める。次いで、脳血管性痴呆。高血圧や脂質異常症を治療し運動・睡眠など生活習慣を改善することにより予防したり、進行を抑えられる脳血管性痴呆と違って、アルツハイマーの場合、生まれつき異常な遺伝子を持っているものなので、最終的にはぼけるしかない。症状を一時的に軽くは出来ても進行をくい止める事は難しい。最近の若者は魚(DHA)の摂取が少ない傾向にあり、老年になってからアルツハイマーを発症する人が増える事が危惧される。

2012年7月にカナダ・バンクーバーの国際アルツハイマー病会議で、アルツハイマー病は発症の約25年前からアミロイドβが溜まりはじめ、脳脊髄液に変化、発症15年前に脳内アミロイドベータの他にタウ蛋白質の増加が顕著となり、10年前から海馬が萎縮、5年ほど前から脳の糖代謝の低下やエピソード記憶の障害が確認されたと言う。

大阪大の森原剛史助教(精神医学)らの研究チームが、アルツハイマー病の原因となるたんぱく質が脳にたまる量を左右する遺伝子を見つけたと2014年2月米科学アカデミー紀要電子版に発表する。研究チームは人間にもある「KLC1E」という遺伝子に注目し、人間の神経細胞を使った実験で、この遺伝子が作る物質の量を8割減らすと、アルツハイマー病の原因たんぱく質とされる「アミロイドβ」の量が4〜5割減った。逆にこの遺伝子が作る物質の量を増やすと、アミロイドβの量も増えることを突き止めた。研究チームは、アルツハイマー病患者の脳にあるKLC1Eが作る物質の量が、病気でない人より3割多いことを確認した。病気の診断や薬の開発につながる可能性があるとして期待されている。

アルツハイマー病の経過

「人や物の名前を忘れる等の記憶障害」→「日付が分からなくなる、お金の管理が出来ない、薬の管理が出来ない等日常の生活に支障が出てくる」→「自分がいる場所が分からなくなる、徘徊を始める、介護が必要になる」→「自分の妻や子供など人物が分からなくなる」→「寝たきりになる、施設介護が必要になる」と数年〜十数年かけて進行するのが特徴。人の名前や物の名前が出てこない等年齢の割に物忘れが目立つものの、料理が作れる、身だしなみを整える等認知機能に障害が無く、生活に支障がない場合は「軽度認知障害」と言い、「認知症」とは診断されません。しかし、放っておくと1年に10%が認知症に移行すると言われていますので、運動や食事を工夫して認知症への移行を遅らせることが大切です。

軽度認知障害(MCI)が最初に起きるが、この段階での対処次第で、アルツハイマーに移行する人と、アルツハイマーにならない人がいる。ど忘れや、物の置き忘れは日常生活にはほとんど支障がないが、最近の出来事を忘れるとか、少し前の記憶が非常に悪くなるとか、物忘れが年齢相応を超えているとか、物忘れがどんどんひどくなるようなときは要注意でアルツハイマーに移行する恐れがあるので医療機関を受診しよう。

国立長寿医療研究センターの島田裕之自立システム開発室長のグループでは、MCIの人を対象に海馬の萎縮を食い止める予防プログラムを考えた運動である。1年後、参加者の海馬は大きくなり記憶力は高まった。「もしかしたら薬を飲むより大きな効果を得られるかも知れない。認知機能を改善保持することは運動によって確実に出来る。絶対やった方が良い。」と島田室長は言っている。→詳しい事は管理人のブログに2014.1.19放送のNHKスペシャル「アルツハイマー病をくい止めろ」のテレビ放送の内容をメモしたので参照下さい。

認知症の種類

アルツハイマー 徐々に進行 女性に多い(2対3)
脳血管障害 段階的に進行 男性に多い
レビー小体 徐々に進行 男性に多い

アルツハイマーの前触れ (初期症状)

  • 認知症(痴呆症)と診断される6〜7年前から色々な初期症状が始まる事が多い。 初期には、車の運転や金の計算などは出来るのに、少し前の事を忘れるのが特徴。この物忘れは初期段階では本人も自覚している。だから、病院でも先生の質問に対してその場を取り繕うことが出来るので、よほど巧妙に質問しないと医師もアルツハイマーの始まりを発見出来ないことが多い。
  • 老化による物忘れの段階から、アルツハイマー病に移行する迄の間に、「軽度認知障害」(MCI)という予備段階が存在する事が分かってきた。軽度認知障害になった人の50%程度が将来アルツハイマー病に移行すると言われている。軽度認知障害では、記憶力が低下するが、日常生活は支障なくできるので周りの人でも発見するのが困難。ただ、この軽度認知障害の段階で対策を考えればアルツハイマーへの移行もかなり阻止できるので、早期発見の必要性が高まっている。→早期発見の新兵器は「SPECT」(アルツハイマー病に多く見られる脳の帯状回後部の血流が低下していないかを検査するもの)
    軽度認知障害(MCI)の診断基準
    @主観的な物忘れの訴えがある
    A年齢に比して明かな記憶障害
    B記憶以外の認知機能は正常
    C日常生活には支障を来していない
    D認知症の診断基準は満たさない
  • 最も初期の症状は学習能力が落ちて新しい事を覚えていられないこと。論理的な思考力がなくなると言われる。 最近のことをすっかり忘れて全く思い出せないのは、海馬が壊れて記憶が定着しないもので要注意。
  • 物の名前や人の名前が出なくなる。ただ、すっと出てこないだけで、ヒントを与えると思い出したりする場合は記憶機能は壊れていない証拠でこれは良性の物忘れのことが多い。
  • 目標に対してプランを立てたり、スケジュールを立てたりすることが出来なくなる。 家事や仕事の段取りが上手く出来なくなるのが最初の徴候。例えば、お皿をうまく片づけられない、調理の手順を間違える、冷蔵庫の管理が出来なくなる(空っぽになったり、逆に、同じ物を重複して買ってきたり)、着物をうまくたためない、字が下手になった、捜し物が多くなる、ガス栓などの閉め忘れ、飲み薬の管理が出来ない、身だしなみがだらしなくなり、おしゃれをしなくなった、風呂に入らなくても平気、駅で切符が買えない、いつもの道を間違える、同じことを何度も言ったり聞いたりする、置き忘れやしまい忘れが目立つ等々が初期に出る。
  • 短気になる。些細なことでもすぐに怒るようになる。
  • 物をどこに置いたか忘れることが多くなった
  • 相手の話を聞いている時に、同時に自分が言うことを考えることが出来なくなる。 他人との会話が上手く行かない。
  • 好きな事でも関心がなくなる、日課をしなくなる。 元気が無く憂鬱な感じになる。あちこち身体の不調を訴える。料理を作るのが面倒になったり、品数が減る。
  • 米国・イサカ・カレッジのLaura Z. Gras氏らによる研究によれば、「歩行とバランスの乱れ」はアルツハイマーのサインである可能性が高いと言う。(2014/5)
  • お金や物品を盗まれたと言うようになった。
  • 行き慣れたスーパーでの買い物は出来るが、1人で旅行に行くのは難しくなる。
  • 食事の支度は出来るが、ビデオの録画のような操作が分からなくなる。

アルツハイマーの症状

  • 何度も同じ事を言う、同じことばかり聞く、何度も同じ事をする、置き忘れやしまい忘れが目立つ、化粧、料理や買い物をしなくなった、以前は熱中したことに興味や関心を示さなくなった等はアルツハイマーの始まりの事が多い。半年も同じ事が続くようなら物忘れ外来を受診したほうがよい。
  • 少し前のことを忘れる。聞いたばかりの事を忘れる。
  • 「電話をかける」等自分が主体的に関わったことを忘れてしまい、人から指摘されても思い出せない。このような物忘れは要注意。
  • 物忘れが徐々に激しくなるが、自分ではあまり意識しない。(聞いたことを直ぐに忘れるとか自分がやった事を覚えていない等新しい記憶が定着しないのが特徴。覚えた事でも少し時間がたつと忘れる特徴がある。人か指摘されても思い出さない。)
    ⇒顔は分かるのに名前が出てこないとか、テレビでよく見るタレントの名前を思い出せないとか、別の部屋に行って、何をしに来たのか分からなくなり、元の部屋に戻って考えたら思い出す、漢字を忘れて辞書を引く、物をどこに置いたか忘れた、昼ご飯に何を食べたか思い出さない等知っているのにその記憶が取りだしにくいのは加齢に伴う良性の物忘れ。 アルツハイマーの場合は一部の記憶消失ではなく、関連する事を含めてごそっと記憶が抜け落ちる特徴がある。 だから、昼ご飯を食べたかどうか、トイレをしたかどうか等を忘れる。記憶がすっかり抜け落ちてしまう。従って、他人がそのことを指摘しても思い出さない。
  • 家族が分からなくなる。
  • 認知症の行方不明者が1万人を超えた:外出して帰り道が分からなくなるのは、認知症の程度が軽い初期の段階の人に多いと言われるので家族は注意したがよい。
  • 進行すると理解力や判断力が低下する。⇒自分の居場所が分からなくなり迷子になる、食事が順序よく作れなくなる、時計の針の意味が分からなくなる。・・・・・
  • アルツハイマーに似た症状の病気は多い。鬱病、脳腫瘍、多発性脳梗塞、慢性硬膜下血腫、特発性正常圧水頭症、甲状腺機能低下症、飲酒、栄養不良・貧血など。これらの病気の中には完治するものも多く、そうではないかと疑ってこれらの病気との鑑別を行う必要があり、物忘れなどがあるからと言ってせっかちに診断を下すのは危険である。アルツハイマーとは違うのだが、高齢者がかなりひどい貧血になると痴呆の初期に似た症状が出ることもあるので、血液検査が必要。ヘモグロビン値の正常値は男性13グラム、女性12グラム以上。
  • アルツハイマー病を発病した場合、自分自身を自覚している期間はおよそ10年程度と言われる。
  • 認知症になると歩くときに歩幅が狭くなる傾向がある。
  • アルツハイマー病は物忘れで始まることが多いが、稀に、物忘れよりも、物を盗られたと言い出す、妄想や泣き叫ぶ、怒りっぽくなるとか性格の異常から始まることもあり、周りの人もアルツハイマーではないかとは気づかないことが多いのが問題。
正常老化によるもの忘れとアルツハイマー病の鑑別
加齢による良性の物忘れ
病気の認知症(アルツハイマー、痴呆症)
物忘れは一般に加齢に伴い起きる良性の変化。一般に60才を過ぎると衰えてくるが、65才を過ぎると益々物忘れが多くなる。 治療を要する病気
昼ご飯に何を食べたか思い出せない、テレビで良く見るタレントの名前が直ぐに出てこない(名前は忘れて出てこなくても、テレビドラマに出ていたとか、どんな役で出ていたとか、コマーシャルに出ていたとかは覚えているような場合は良性)、とっさに言葉がでてこなくて言葉につまる、ものを置き忘れる、同じ物を二度買う等。ヒントを与えれば思い出すのは良性のことが多い。記憶には短期記憶(体験したことを一時的に保存するもの)と、長期記憶があるが、良性は、長期記憶を上手く取り出せないもの。 昼ご飯を食べた等体験した事を忘れてしまう、数分前のことを忘れる。同じ事を何度も聞いたり、質問したり、自分が話したことを忘れ、何度も同じ話をしたりする。
※加齢による物忘れの場合は、ヒントがあれば思い出す事が出来るが、認知症の場合はヒントを貰っても思い出せない。
30分前のことなら思い出さないことはない 30分前の体験を忘れてしまったり、今さっき聞いたばかりのことまですっかり忘れてしまうことがある
物忘れや記憶力の低下を自覚していて、自分は認知症ではないかと心配する 本人は物忘れの自覚に乏しく気にもしていない。家族がおかしいと気づいてしばしば指摘する
今日の日付や曜日、今いる場所は分かる 今日が何日か、何曜日か、住所等を忘れる。帰り道を忘れる、どこにいるか分からなくなる
進行性はあまりない 年単位でゆっくり進行する。10年程度経つと一日中ぼけーっとして物を言わなくなる。最後は寝たきりになるのが多い。
判断力はほとんど落ちないので日常生活にそれほどの支障はない 判断力が低下する。忘れたことを自覚しなくなるので日常生活にも支障が起きてくる。
炊事、洗濯、掃除などは今まで通りできる 料理の品数が減ったり、今まで出来ていた料理の作り方を忘れたりする。最終的には料理を作らなくなる。
心配になるので自分自身で病院に行く 家族に付き添われて病院に行く事が多い


加齢による正常な老化による物忘れの特長:

テレビでよく見るタレントの名前がすぐに出てこない等の物忘れが起きると、認知症?と心配になるが、通常は正常な脳の老化による物忘れなので過度な心配は要らない。正常な物忘れの特長は下記の通り。

  1. 何年経っても、もの忘れ(記憶障害)がほとんど進行しない
  2. 例え、もの忘れ(記憶障害)があっても、それによって、日常生活には重大な支障が起きない
  3. 迷子や徘徊、暴力行為などの行動障害が起きない
  4. 自分が今どこにいるのかの場所に対する自覚がある
  5. 人格が保たれている

アルツハイマーの原因

  • アミロイドβたんぱくという異常物質が脳に10-30年かけてたまり神経細胞が死滅する。東京大学大学院薬学系研究科の松木教授らのチームで、2002年、脳内のβアミロイドが神経細胞間の情報伝達を妨げている事を突き止めた。新薬開発に期待がかかる。
  • 老人班というシミが出来る。脳に炎症が起きて神経細胞が死滅する。⇒抗炎症薬が脳の炎症を止め、老人班があっても、アルツハイマーの発症を抑える作用がある。
  • 2010.9.5付け読売新聞の報道によれば、食後血糖値が下がりにくい糖尿病の人はアルツハイマーの原因とされる老人斑が出来やすい事が岩城九州大教授等の研究の結果分かったという。記事によれば、福岡県久山町住民の長期追跡調査のデータを解析。1988年に検診を受け、98〜2003年に亡くなった男女135人(平均年齢79・5歳)について、糖尿病の危険因子と老人斑の関連を調べた。老人斑が見つかったのは88人。検診で食後の血糖値が下がりにくかった人は正常な人に比べ、老人斑が認められる割合が1・7倍多かった。老人斑ができやすい遺伝子の型を持つ人で食後に血糖値が下がりにくい人は、通常型遺伝子で血糖値が下がる人に比べ、38倍も老人斑ができやすかった。食事や運動などに気をつけて糖尿病を予防すれば、アルツハイマー病の発症を防げるかもしれない。
  • 2012.9.26放送のNHKためしてガッテンでは「高血糖状態が長く続くような食生活をすればアミロイドβが脳に貯まってアルツハイマー型認知症になる確率が高くなる」とのこと。→内容はこちら
  • アルツハイマー病の患者の脳を調べたら90%の人にクラミジア菌がいることが判明した。クラミジア菌がアルツハイマーの原因菌であるかどうかは今後の研究課題。
  • アルツハイマー病の原因物質と考えられているたんぱく質「アミロイドベータ(Aβ)」のうち、これまであまり注目されていなかった「Aβ43」が、アルツハイマー病の大きな原因となっていることを、理化学研究所などのチームが突き止め、ネイチャーニューロサイエンス(電子版)に2011年7月4日発表した。新たな治療戦略や診断法の開発に役立つ可能性があると期待されている。

アルツハイマーの検査

  • たった一つの質問で認知症を早期発見する方法:
    認知症やその予備軍を発見するのには色々な方法が実施されていますが、極めて簡単な1つの質問で見極めが付くことが分かったそうです。(岩手県で行われている方法)
    質問は、「最近のニュースはどんなことがありましたか?」です。この質問の答えが出てこず、「古い話をしたり」「返事があいまい」、「忙しくてニュースは見てない」などとその場を取り繕う場合は認知症が疑われるそうです。(2010.9.22NHKあさイチで岩手医科大学 高橋智准教授の話)
  • たった二つの質問で認知症を早期発見出来る方法
    スペイン・ミシェル・セルヴェ大学病院のTirso Ventura氏らは下記の2つの単純な質問は現在までに報告された最善の方法と述べている。
    質1:あなたは何歳ですか
    質2:あなたは何年生まれですか
  • 記憶力テスト:例えば、犬・桜・電車⇒この3つの言葉を2分後にも覚えていて言えるか?
    まず、犬・桜・電車を覚えさせる、次ぎに、100から7を次々に引く計算を暗算でさせる(100-7=93,93-7=86,86-7=79,79-7=72・・・)、2513を逆に言わせる、答え:3152、次ぎに、最初に覚えた3語を言わせる。犬・桜・電車の内2つ以上言えれば合格。
  • アルツハイマーの早期診断
    従来はCT、MRIなどの検査を行っても、アルツハイマー病と確定診断出来る指標はなかった。従って、慎重にあらゆる他の病気の可能性を排除した後に、ようやくアルツハイマーとの診断を下していたが、最近、ガンの診断にも使われるPETではCTやMRIでとらえにくい早期のアルツハイマーがかなり高い精度で把握できる事が分かってきた。昔はMRIでは早期診断は無理と言われたが、機器の性能向上により、海馬や扁桃核等の大きさの変化を調べる事で認知症のリスクが分かる様になってきた。特にPET−CTは症状が出る前のかなり早い段階で異常を察知できる。従って、アルツハイマーが疑われたら、頭部のPET−CT又はPET検査装置のある病院を受診する事が望ましい。但し、現時点ではPETは保険がきかない。(浜松医療センター先端医療技術センター尾内康臣医長、国立国際医療研究センター田和雄科長、順天堂東京江東高齢者医療センター等で実施中)
    PETカメラでアミロイドβの蓄積具合(分布)を調べる。健康な人でも10年以上前の早い時期からアミロイドが貯まり始めるので、PETで分布状態がつかめれば、将来アルツハイマーを発症するかどうかが予測出来る。ただ、どの程度の期間で本物のアルツハイマーに移行するかはまだ分かっていない。アミロイドの蓄積のあることが分かった結果、発症する危険があることが分かれば、予防薬を投与することになるが、既にその実験が始まっている。→アルツハイマーを心配する人はPET検査を受けると良い。
    順天堂東京江東高齢者医療センターの物忘れドックでは、今は症状が出ていなくてもあと何年で認知症になるかが分かったり、アルツハイマーなど認知症のタイプが発症前に分かると言う。同センターの井関栄三教授は「PET検査で脳内のブドウ糖代謝を見る事で認知症の診断が出来、どんなタイプの認知症になるか、発症時期はいつ頃かが推定できるようになってきた。又、脳の内側にある後部帯状回の代謝が低下しているとアルツハイマー病に進むとか、レビー小体型認知症に進む人は後頭葉・視覚野の代謝が低下している等が分かる」と言う。
  • 国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)などは2014年1月21日、1滴の血液でアルツハイマー病などの検査を簡単にできる新装置を開発したと発表した。ほかの病気にも応用可能で、家庭向けの医療機器として2015年度末までの実用化を目指す。新技術は、病気にかかると発生する血液中の特殊なタンパク質(抗原)を利用。抗原と反応する抗体の微粒子を組み込んだカード型装置に採取した血液を載せる。
  • アミロイドの蓄積を画像で診断する「アミロイドイメージング」がアルツハイマー病の診断に注目されている。低分子化合物でこのアミロイドを標識し、PET(陽電子放射断層撮影法)やSPECT(単光子放射型コンピュータ断層撮影法)を用いて検出する分子イメージングと呼ばれる診断方法の一つだ。アミロイド画像診断は臨床現場に普及していないものの、実際の診断よりも10年早くアルツハイマー病を診断することを可能にすると言われる。検査技術が進歩したことで、発症前に脳の異変が分かるようになったものの、必ず発症するとは限らず、また、現在のところは確実な予防法も根本的治療法もないので、無用な検査横行の可能性もあり、国内外で実施を巡る議論が活発になっている。
  • アミロイドPET検査の結果が陰性の場合は、認知症であってもアルツハイマー型の可能性はほぼ否定され、今後5〜10年以内にアルツハイマー病に移行する事もない。陽性の場合は、正常者であっても今後5〜10年以内にアルツハイマー病を発症する可能性が高く、軽度認知障害の人は数年以内にアルツハイマー病に移行する可能性が高く、認知症の人はその病気がアルツハイマー病である可能性が高くなる。尚、現在はアミロイドPETは研究や治験以外の目的で利用出来ないが、アミロイドPETのMERITと積極的な利用を主張する医師も多い。
  • 日本イーライリリーは2013年5月、脳内に蓄積したアミロイドβを可視化するアミロイドPET検査と老人斑に特異性高く結合する診断薬の合成装置の薬事承認を申請した。これは、アルツハイマー型認知症の病理所見として知られる老人斑神経原線維変化を画像診断しようするもの。
  • 画像検査(SPECT検査)で脳の血流を測定し、脳の帯状回後部の血流が低下していないかを検査することで軽度認知障害やアルツハイマーを診断出来るようになってきた。最近開発された、脳血流SPECT画像統計解析法(イージス法)によれば従来のSPECTに比べてより早期に診断出来るようになった。スペクトによる脳血流検査は自費の場合約5万円。(全国に約500個所設置されている)
  • 東京工大武者利光名誉教授(脳機能研究所)の研究で、脳波のパターンをNATで測定初期のアルツハイマーを発見出来るようになってきた。
  • 脳脊髄液の中のリン酸化タウの量を調べてアルツハイマー病を発症しやすいかが分かるようになってきた。アルツハイマーは脳の神経細胞が急速に死滅する。その過程で、「リン酸化タウ」という異常なたんぱく質が脳内にたまり、一部が脳と脊髄の周囲を巡る髄液に流れ出す。そのため、髄液中のリン酸化タウの量を調べて普通の人よりも3倍程度多ければ、アルツハイマー型認知症の疑いが強いと判断できる。腰に針を刺して髄液を採取する「腰椎穿刺」を行い、髄液を分析機器にかけてリン酸化タウの量を調べる。この髄液検査は1997年頃から、東北大などが研究費を使って実施してきたが、2012年4月から保険で検査を行えるようになった。費用は6800円で、患者負担はこの1〜3割。リン酸化タウが一定量を超えれば、80%以上の確率で、すでにアルツハイマー型認知症を発症しているか、今後、発症の恐れがあるという。腰椎穿刺で頭痛が残る人もいるので副作用についてよく説明をして貰う事。
  • 軽度認知障害」の段階で本格的な治療を開始すれば、本物のアルツハイマー病への移行を阻止したり、遅らせたりする事が出来るようになってきた。軽度認知障害でも、昼寝30分、ウオーキング、緑黄色野菜や青魚を食べる、料理を作る、趣味など生き甲斐を持つ、ストレスをなくする等を積極的に行うことで良い状態を維持できると言われる。
  • 認知症の人の脳をMRIやCT検査すると脳が萎縮し、海馬が小さくなり周りの細胞も死滅して大きな隙間があいているのが確認できる。但し、脳に萎縮があっても認知機能に異常がない人がいる。社交ダンス、合唱、俳句・短歌、有酸素運動(早歩き)、健康的な食生活など、何らかの活動を継続的に行っている人で、これらの人は症状が出ない事がある。→活発に頭や身体を使っている人は脳の細胞が減っていても認知症の発症予防になっていると言える。
  • 腰から脳脊髄液を採取してタウ蛋白を測定する方法も診断に活用される。タウが一定以上に検出されるとアルツハイマーと診断出来る。どこの病院でも検査が出来る。早期診断に活用できる。(保険はきかない)
  • 発病の10-20年前から脳組織に異常が現れる事が分かっており、アメリカワシントン大学では血液検査だけで早期診断する方法の研究が進んでおり成果が期待される。米国ワシントン大学では発病前に血液検査でβアミロイドの測定する方法を臨床研究中で成果が期待される。
  • 武田薬品工業の子会社の和光純薬工業がアルツハイマー病の原因物質とされるβアミロイド42の血中濃度を測定する世界最初の試薬キットを開発し、2006/12から販売するとのことで、早期発見に寄与すると期待されている。
  • 米国では、発症する10年〜15年前から、脳の海馬の隣の内嗅皮質が萎縮していないかをMRIで調べて、早い段階で認知症の兆候を掴み、早期治療する研究が進められている。認知症の症状が出る10年以上前から脳の異常を捕捉して治療すれば効果が高い。→MRIを撮ったら海馬に隙間はないか、海馬が痩せていないかを調べて貰うと良い。
  • 2008年国立精神神経センターが中心となって、全国の医療機関をつなぐネットワーク作りが始まった。軽度認知障害の患者などの画像データなどを集めて分析し、アルツハイマーになる人はどのような経過をたどるかを研究するもの。今後3年で600人分集めると言う。各医療機関ではデータを共有する。東京大学大学院医学系研究科 岩坪威教授が中心。
  • アメリカの研究者は血液検査でアルツハイマー病を検出する研究を進めている。ペプトイドという分子を用いて診断する。今後の成り行きに注目したい。
  • 認知症かどうかの簡易テスト「RDSTテスト」  
    テレビ朝日系のたけしの「本当は怖い家庭の医学」で紹介された方法。
    ドイツで発表された、新しい認知症のスクリーニングテストで、わずか2問、3分程度で、80%の高確率で認知症患者と健康な人を見分けることができると言う。 短時間で出来るので試しにやってみると良い。毎年一回やって点数を比較すると良い。
    問題
    点数と判定
    問題1:コンビニやスーパーで買えるもの(品名)をできるだけたくさん思い出して1分間の間に用紙に書き出して下さい。 判定:答えられた数で判定する。
    4個以下が0点。
    5〜7個が2点。
    8〜10個が4点。
    11〜13個が6点。
    14個以上が8点。
    問題2
    下記の漢数字をアラビア数字に、アラビア数字を漢数字に直して下さい。(制限時間はない)
    <例>41→ 四十一  三十六 → 36のように書き直します。
    問題は下記4つです。
     (1)209→   
     (2)4054→   
     (3)六百八十一→   
     (4)二千二十七→
    正解
    (1)二百九 
    (2)四千五十四 
    (3)681 
    (4)2027
    正しく直せた場合、1つにつき1点とする。

    総合判定:問題1と問題2の得点の合計が、7点以下は認知症が疑われる。4点以下は強く疑われる。
  • 浴風会病院院長大友英一氏が使用されているぼけ予測テスト10問:
    ほとんど該当しないなら 0点、 たまにあるなら 1点、 頻繁にあるなら 2点とする。
    合計点を出して、0-8点は「正常」、 9-13点は要注意、 14-20点は病的ぼけの始まりが疑われるので物忘れ外来を受診したがよい。
1
同じ話を無意識に繰り返す
2
知っている人の名前が思い出せない
3
物のしまい場所を忘れる
4
漢字を忘れる
5
今しようとしていることを忘れる
6
器具の説明書を読むのを面倒がる
7
理由もないのに気がふさぐ
8
身だしなみに無関心である
9
外出をおっくうがる
10
財布など物が見あたらないことを他人のせいにする

アルツハイマーになりやすい人

  • 高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病はアルツハイマー病・認知症発症の危険因子。(たとえば糖尿病の人は健常者の2倍アルツハイマー病を発症しやすいとの調査結果がある) 高インシュリン血症の人は特に要注意。(インシュリンが増えると老人班が増えたり海馬がやられる)
  • 高齢である人。男性より女性に多い。60歳を超えると多くなり、85歳以上では一段と増える。
  • 頭を使わない人。
  • 高学歴の人は進行が早い(発症しにくいが、一旦発症すると進行が早いとのこと)
  • 1時間以上昼寝をする人。(昼寝は30分以内にすればアルツハイマー病の予防になる)
  • 偏食の人はなりやすい。肉が好きで、特に緑黄色野菜(ブロッコリーや人参)や魚の嫌いな人は統計的にアルツハイマーが多い
  • 酒に弱い遺伝子の人は強い人の1.6倍なりやすい。(遺伝子の問題なので酒を飲む練習をしても効果はない)
  • どんな酒でもグラス3杯程度飲む人がアルツハイマーが一番少ない傾向がある
  • 喫煙はアルツハイマーになる危険度を2倍にする。
  • 運動をしない人。ドイツでの研究によれば、運動をしない人がアルツハイマーになる確率を1とすれば、週2日、1回20分以上の有酸素運動をする人のリスクは0.38に減るという。軽いジョギングでよいからやること。 
  • アルミニウムの恒常的な摂取になるような事は控えた方が良い。
  • 女性の肥満は危険因子。
  • をほとんど食べない人。
  • 高脂肪食を過剰に食べる人
  • 食事の量が少ない人。
  • 水分の摂取が少ない人
  • 睡眠の質が悪い人(ベッドの中で動き回る人)
  • 真面目な人。ストレスがある人。米国の調査では、クヨクヨ悩んだり、沈み込んだり不安に思うなど否定的な感情を持ちやすい人は、活発な人の2倍アルツハイマー病にかかりやすいと言われる。物事に悩む人は記憶力の減退が著しいと言われる。
  • 物事を悲観的に考えたり、不安な気持ちや鬱傾向の人は将来認知症になる可能性が1.3倍高いと、米国メイY−クリニックが発表している。(2005/3)
  • 女性ホルモンの一種である「エストロゲン」を長期に服用している人。若返りや老化防止に効果があるとして期待されているエストロゲンを高齢者が服用し続けるとアルツハイマーや物忘れがひどくなる危険性が40%近くも高まると米国の研究チームが警告している。
  • 町内の人とは挨拶以外の会話がない、同窓会には出ない、人の好き嫌いがはっきりしているなど社交性に欠ける人はぼけやすいので注意が必要。料理、旅行、楽器演奏などを積極的に行うのがよい。
  • 歩くときに歩幅の狭い人は認知症になるリスクがかなり高くなる。特に、女性では5.8倍高い。(2013年 東京都健康長寿医療センター研究所谷口優研究員)
  • 遺伝性はほとんどないと言って良い。
  • どの病院を受診すれば良いか、迷ったら、「認知症疾患医療センター」に問い合わせるのも良い。各県のホームページなどに医療機関名が紹介されている。2012/3現在全国に157カ所。認知症の専門医が1名以上配置されている。

アルツハイマーの予防(認知症の予防)

  • アルツハイマー病を3倍、6倍なりにくくする予防術:(2010.9.22NHKあさイチで放送)
    3倍なりにくくする予防法は「有酸素運動軽いジョギングやウオーキングなど。汗が出る程度の運動を1日20分、週2回。
    6倍なりにくくする予防法は「生活習慣病にならない食生活」で「高血圧」「糖尿病」「脂質異常症(高脂血症)」を治せばアルツハイマーも逃げていくそうです。
    軽いジョギングで脳が活性化すると認知症の予防になる、ウオーキングよりゆっくり走るスロージョギングがよいと、筑波大運動生理学征矢教授、福岡大学運動生理学田中教授。スロージョギングは時速4-5kmのニコニコペースで週合計2-3時間程度。カロリー消費はウオーキングの2倍で1分1キロカロリーになる。
  • 血糖値が高い状態が長く続くと起きるのが「糖化」。糖化は万病の元。糖化を予防する食事のコツは、 「先に葉物野菜を食べること」、 「グレープフルーツ、みかん等の柑橘類を先に食べる」、 「サラダ・海藻・キノコを先に食べて最後に炭水化物を食べる」
    のが有効。他に、カモミールティーが良いと言われる。→詳細はこちらを参照。リプトン カモミールハーブ アルミ 50袋
  • 赤ワインを毎日2-3杯飲むと海馬の働きをよくして認知症予防、改善効果があることを名古屋市立大大学院医学研究科の岡嶋研二教授と原田直明准教授らのグループが突き止めた。赤ワインの中のポリフェノールの一種レスベラトロールの効果によるもので全てのタイプの認知症に効果が期待できるという。詳細はこちらを参照。赤ワイン2-3杯のレスベラトロール含有量は約5mgと言われる。

    但し、赤ワインの飲み過ぎには注意下さい。「顔が赤くなる人が飲酒すれば食道がんのリスク77倍!」との研究もあります。→こちらを参照下さい。
    サプリメントにより補充するのも一つの方法です。例えばこのようなサプリがあります。
    国産サプリメントPUR レスベラトロール no.07
  • 高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病にならないように注意する。特に腹部の脂肪を減らすことが重要。(男性はウエスト(へそ周り)85cm、女性は90cm以下に保つ事が大事) 2005/6 米国の研究で45才前後の人で内臓脂肪が多い人(ウエスト85cm以上)を追跡調査した結果、30年後には90%が認知症になったとの報告がある。1日の摂取カロリーが2500kcalを超えると多くなる。→高脂肪食をやめ、かろりーを制限すると良い。降圧治療は認知症の発症を遅らせる効果がある。
  • 運動は認知症の予防に効果がある。一日60分程度の散歩で良いから毎日やること。これにより、脳血流の改善、血圧安定、血液中のコレステロール値の低下が得られる。理化学研究所神経蛋白制御研究チーム西道隆臣氏のグループでは、運動する→ネブリライシンが増える→アミロイドβを分解する→アルツハイマーの予防になるとの関連を動物実験などを通じて検証中。
    膝曲げ運動
    :手は椅子に捉まり、膝を1/4程度屈伸して中腰になる膝曲げ運動を1日10回する(ゆっくりでよい)→高齢になって下半身の筋肉が弱って歩けなくなることを防止する。利根プロジェクトで使われている「ふりふりグッパ」運動も推奨される。
  • ハワイ大学のロバート・D・アボット氏の報告によれば、1日に3km以上歩く人は500mしか歩かない人に比べて、認知症の発症リスクが半分に減るという。更に、ただ歩くだけでなく、歩きながら引き算をする。例えば、132-7-7-7・・・等。また、3歩歩いたら手拍子を打つ等も脳に刺激を与えるので有効と思われる。
  • 2011.8.9付け毎日新聞によれば、老化で減る脳の神経幹細胞を増やす仕組みを産業技術総合研究所(茨城県つくば市)と筑波大の研究チームが解明し、8月8日発表した。運動をすると、特定の細胞から分泌されるたんぱく質の因子(Wnt3)が増え、これが起点となって神経が新生する現象をマウスの実験で突き止めた。うつ病や認知症の新治療法や創薬開発に役立つという。米実験生物学誌に掲載された。マウスにベルトコンベヤー上で毎日10分間2回ずつ走らせる運動を2週間続けたところ、運動前と比べてWnt3産出量は若いマウスで10〜15倍、老齢マウスでは20〜30倍と飛躍的に増えた。運動すると脳が活性化する事実は知られているが、老化で低下した神経を作る機能が復活し脳の「若返り」につながる仕組みを細胞レベルで解明したのは初と言う。
  • 体を動かすことが予防によい。園芸やスポーツなどが特によいらしい。趣味の種類別では、男性は、庭いじりや家庭菜園などの園芸、寺社巡りなどの観光、楽器演奏などの音楽の順で認知症になりにくかった。女性はグラウンドゴルフやウオーキングなどのスポーツ、園芸、観光の順だった。 (星城大学(愛知県東海市)の竹田徳則(とくのり)教授(社会福祉学)の調査による。読売新聞2011.5.10付け記事より)
  • 脳は使えば使うほど発達すると言われる。新しいことに意欲を持って取り組めば、脳は発達し、活性化する。脳は病気や老化で細胞が死んで減少してしまって、物忘れがおきるようになっても、普段の生活の中で脳に刺激を与え続けて、脳を活性化すると、生き残った脳細胞が機能を回復する事が出来ると言われている。
    @ その日の行動を思い出しながら日記を付ける。(字を書く事は脳の老化を遅らせる)
    A 簡単な計算をする。(17+7=24,17-9=8等)
    スーパーのチラシを使って、食材を3,000円分購入する組み合わせをやってみるのも良い。(3分間で、金額はぴったり\3,000になること。例:\500x4個+\100x10個等)
    B 新聞や本を声を出して読む
    これらの事を一日10分程度で良いから毎日続ける事が重要。
    「脳力トレーナー」
    というゲーム感覚で前頭前野を刺激する携帯型商品が発売されている。セガトイズ\5,250(2004/10発売)電子手帳サイズで液晶画面に次々に出題される足し算やかけ算に如何に早く正答するかを競う中で脳を活性化するという。東北大学川島教授とセガトイズが共同開発。
  • 脳を鍛える簡単に出来る3つの事: 林修の今でしょ講座2014.5.13より(茂木健一郎、林修)
    1)雑談を楽しむこと。 雑談は脳の記憶回路を動かす。
    2)未体験、新しいことに挑戦すると脳の老化を防ぐ。 HOMEよりAWAY。
    3)ど忘れ、物忘れしたらしつこく思い出す事が大事。 あきらめず思い出す。側頭葉にある記憶を前頭葉に呼び出せないのがど忘れだが、 あきらめずに問い合わせを続ける。思い出すと嬉しい。 ど忘れはチャンス。思い出すまであきらめない。
  • 記憶力UP法: 林修の今でしょ講座2014.5.13より(茂木健一郎、林修)
    1)寝る事が大事。寝ている間に記憶が定着する。7時間は寝る。15分の昼寝でも有効、記憶が定着する。
    2)情報は入れるより出す。 文章を作る。問題を解くと記憶が定着する。 独り言を言いながら繰り返す。 覚えているだけではダメで、誰かに教えるのが一番良い。 記憶したものを言ってみるとよい。これで記憶が定着する。
    3)うるさい場所で勉強するとよい。居間等。 心地よいノイズがあって良い。 喫茶店もよい。公園や電車の中でも良い。 騒がしい場所で集中するのが大事。
  • ポールウォーキングが認知症の予防にもなると最近実行する人が増えている。2014.6.2テレビ東京NEWSアンサー及び2014.5.5のワールドビジネスサテライトで紹介された。二本棒を持って歩くだけ」の簡単な歩行法だが、姿勢がよくなる上、メタボ予防になる他、認知症予防にも役立つのではないかと期待されている。通常の歩行より歩幅が増え、筋肉を使うので結果として運動負荷が増える。日本ポールウォーキング協会もできて普及に取り組んでいる。テレビ東京の放送はこちら
  • 歯のかみ合わせが悪いと、アルツハイマー病の原因とされる「アミロイドベータ」と呼ばれるタンパク質が脳の海馬に増えることを岡山大大学院医歯薬学総合研究科の森田学教授のチームがラットで突き止めた。アルツハイマー病はアミロイドベータが脳内に蓄積し、記憶障害を起こすのが一因とされる。チームは「歯が抜けたり、入れ歯が合わなかったりする人は、治療をすることでアルツハイマー病の予防や進行を抑えられる可能性がある」としている。「かみ合わせが悪いと脳に刺激が伝わりにくくなり、ストレスを感じて、アミロイドベータが増えるのではないか」と分析している。いずれにせよかみ合わせに注意が必要。(2011/9)
  • リウマチの治療等に用いられる非ステロイド系解熱消炎剤(イブプロフェン、アスピリン、インドメタシン等)を二年以上毎日服用するとアルツハイマー病の発病率が最大で80%も減少することがドイツの大規模臨床試験で判明した。アルツハイマー病の原因と言われるβアミロイドが脳内で生成するのを抑える結果であると推測されている。
  • 米カリフォルニア大学デービス校の研究グループによれば、「悪玉」(LDL)コレステロールを抑え、「善玉」(HDL)コレステロールを増やすことは、心臓だけでなく脳にもよいとの結果を得たという。空腹時のLDLコレステロール値が高く、HDLコレステロール値が低いほど、脳内のアミロイド斑の蓄積が多いという結果が出た。米国では、血中HDLコレステロールは60 mg/dL以上がよく、心疾患リスクの極めて高い集団では、LDLコレステロールは70 mg/dL以下にする必要があるとされている。記憶障害や認知症の徴候のある人では、心臓の健康状態にかかわらず正常なコレステロール値を維持することが重要としている。研究論文は、「JAMA Neurology」オンライン版に2013年12月30日掲載された。
  • 降圧剤のARB投与群は、アルツハイマー病と診断されていたかどうかにかかわらず、脳のプラークが少なかった。これはARB投与群でのみみられ、他の降圧薬を服用していた被験者ではみられなかった。
  • 食事:一日三食きっちり食べる。但し食べ過ぎない(腹八分目)。カロリーは抑えめにする。一日の摂取カロリーが2500kca以上の人は特に注意。@カレー(2週間に1度程度。朝又は昼カレーがよい。カレーを良く食べるインドでは認知症が日本の1/10)、Aバナナ(1日1/3本)、B玄米入りのご飯と納豆、Cコーヒー1日2杯(カフェイン)、Dイモ、Eこんにゃく、F青魚(1日80G)、G鶏肉(むね肉)、Hミカンリンゴなどの果物(リンゴを皮ごと一日一個食べると発症予防になるとの米国の研究がある。抗酸化物質ケルセチンの効果)、I緑黄色野菜(1日350g以上)、J生姜、K緑茶1日3杯(カテキンが良い。出来れば煮出し緑茶がよい)、L甘いものは控える、M銀杏(一日3粒。食べ過ぎない)ことはアルツハイマーの発症予防に良いとされている。N海苔、Oブラックチョコレートが脳に良い。Pカモミールティー(1日2杯くらい)、Qココナツオイル(ケトン体)、R牛乳又はヨーグルト
    (サバ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、マグロ等)
    を週に1回以上食べる人は、ほとんど食べない人に比べて、アルツハイマー病の発症リスクが60%減少するとの研究報告がある。DHAが効果があるらしい。
    カレーの成分ウコンに含まれる「クルクミン」がアルツハイマー病の原因物質の生成を防ぐ効果があると言われる。事実、カレーを常食するインド人は米国人に比べアルツハイマー病の発症率が1/4と言われる。レトルトカレーでも効果がある。(金沢大神経内科教授 山田 正仁氏等の研究)
  • 九州大学の小澤未央氏等のグループは2013年、久山町研究の中で、認知症を発症リスクを低下させるための理想的な食事は、@米飯の量を減らす、A緑黄色野菜・大豆/大豆製品・牛乳/乳製品・海藻を食べることであると報告した。更に、2014年、牛乳・乳製品の摂取量が増えるほどアルツハイマー病の発症率が有意に低下することを突き止めた。カルシウムやマグネシウムが補われるためと思われる。
  • 金沢大医薬保健研究域医学系の山田正仁教授(神経内科学)の研究グループは、60歳以上の男女490人を対象に13年間認知症の発症率を調べ、緑茶を毎日飲む習慣がある人の発症率が飲まない人に比べて3分の1程度だったと発表した。尚、コーヒーや紅茶については飲用習慣の有無による発症率の違いはなかった。(2014/5)
  • ビタミンE、葉酸ビタミンB12、亜鉛を摂る。特に海苔がよい。海苔を毎朝食べると良い。葉酸は海苔、枝豆、ほうれん草、ブロッコリー、大豆に多く含まれる。ビタミンB12はサンマ、サバ、海苔、シジミ、カキなどの多く含まれる。葉酸は血中のホモシステインを抑え、アルツハイマーや動脈硬化の発症リスクを下げる効果があるとされ、厚生労働省では1日240マイクログラムの摂取を薦めているが、発症リスクが高い人は400マイクログラムの摂取が望ましいとされている。亜鉛は有害な活性酸素を除去する作用がある。
  • 牛肉や豚肉、そのアブラに含まれる「飽和脂肪酸」や「N-6系多価不飽和脂肪酸」、マーガリンやショートニングで使われる「トランス脂肪酸」などは認知症のリスクを上げる可能性があると言われているので、食べ過ぎない様にしたが良い。
  • 無症候性脳梗塞がある人はアルツハイマーを起こしやすくなるとの研究もあり、脳梗塞を予防するのはアルツハイマーを防ぐのに効果がある。
  • 酒に弱い人は活性差酸素による酸化のダメージを受けやすいので、アルツハイマーになる危険度が高く、酒を飲まない方がよい。一方、酒に強い人は適量呑めば発症を抑制出来る効果がある。但し、酒を飲んで騒ぐ人は呆けやすい。
  • 肉より魚(特にサバ、鰯やカツオなどの青魚や脂身の少ない魚)が良い。魚中心の食事にする。DHA(ドコサヘキサエン酸)が脳の炎症を抑え痴呆の発症を防ぐ他、発症した人でもDHA剤の服用で改善する事が判明。1日1GのDHAの摂取が薦められる。⇒マグロトロなら2切れ、鯛の刺身なら5切れ、サンマなら1匹、イワシなら2匹に相当。DHAは魚にのみ含まれ、肉にはない。
  • 家に閉じこもらないで出来るだけ外出する。新しい場所に行くのは脳の刺激になって良い。歩くことが脳の活性化につながり予防効果になる。
  • 料理や園芸など趣味を持つ旅行に行く、友人と遊ぶ、手芸やガーデニング、絵を書く、音楽を聞く、歌を唄う、踊る、碁や将棋をする、短歌や俳句を作る等は右脳を使うので特に薦められる。
  • 多くの友人と話し合う。特に、初対面の人と会って話すのは刺激になる。おしゃれをする。家に閉じこもりテレビばかりを見ているのは危ない。友達の多い人ほどぼけにくいと言われる。
  • 電卓に頼らず自分で暗算する。
  • ゲームをする(将棋、囲碁や麻雀)
  • 指先を使う。特に左手。
  • 20-30分程度の昼寝をして脳を活性化するとアルツハイマーの発症リスクが20-30%減る。(15分で足りない人は1時間。あまり長い昼寝はむしろ害) 
    昼寝の効用
    : 昼寝は午後の作業効率を高める効果や事故防止に役立つ他、高血圧の予防にもなる。人間生理的に一日二回眠気が来る(強い眠気は夜12時、軽い眠気は昼2時頃)と言われる。従って、午後1時〜3時前頃が最適。但し、寝過ぎると心拍や体温が下がって身体がだるくなったり、頭がぼーつとするので良くない。15〜20分程度椅子に座って眠るのが良い。昼寝する直前にコーヒー(成分:トリゴネリン)、ココア又は緑茶を飲むと良い。カフェインが20-30分位したら効いてきて寝覚めがすっきりする。20分以上昼寝をすると脳は完全にノンレム睡眠という深い眠りに入ってしまうので途中で起きると不快感が出るので短時間眠るのが良い。横になって眠ると寝過ぎるので椅子に座って短時間眠るのが良い。身体を休めると言うより脳を休める目的。どうしても眠れない時は、5分間目を閉じているだけでも効果はある。1時間以上昼寝をするのは逆効果。かえって呆けやすくなる。
  • 20分以上の散歩は脳を活性化して物忘れの予防になる。出来れば早歩きする。但し、30分を超えない。周囲の家や花や風景の変化を良く観察しながら歩くのが良い。目標は1日1時間、5千歩。散歩で5千歩歩けば、生活の中で3千歩は歩くので、8千歩程度にはなる。ウオーキングの他、水泳も非常に良い。
  • 物忘れが目立ってくるようなら、早めに受診⇒物忘れ外来等
  • ストレスの除去。37-40度の温めの風呂に入る。ラベンダーの精油を1-2滴加えると効果的。その後30分程度ごろ寝をする。1日5回深呼吸(鼻で吸って、5秒止め、ゆっくり口から吐き出す) ストレスが多いとセロトニンの分泌が抑制される。
  • 痴呆予防の最新研究:。米国アルバート・アインシュタイン大学医学部の研究(New England Journal of Medichine June 19,2003掲載)によれば、痴呆を予防するには、@週に数回トランプやチェス(将棋・囲碁)などのゲームをする(痴呆発生率0.26倍)、A楽器演奏をする(0.31倍)、B小説や新聞を読む(0.65倍)が効果的であるという。尚、「楽しみのために書く」「クロスワードパズル」「友人との話し合いに参加する」等は痴呆予防には効果がほとんど見られなかったと言う。一方、「ダンス」「家事」「散歩」等の身体的余暇活動については、ダンスのみに痴呆予防効果が見られたが、それ以外は顕著な効果は認められなかったと言う。
  • 竹内孝仁国際医療福祉大学大学院教授によれば、脱水は活動力と認知機能を低下させるという。だから、大量の水を飲めば認知症の予防になるとのこと。高齢者は一般にのどが乾かず脱水傾向になる。頑張って1.5リットル以上の水を飲みボケないようにしょう。
  • 記憶を司る神経伝達物質はアセチルコリンで、その原料はレシチン。 認知症の予防に効果があるという研究結果がある。 レシチンを含む食材は卵の黄身、大豆製品(納豆、枝豆、油揚げ、おから、きなこ、豆腐など)
  • 最近の報告では「抗コリン作用薬」を長期に服用すると、軽度の認知障害を引き起こす可能性があることが指摘されており、可能ならば休薬すれば回復するとのことで、服用の是非については充分な検討が必要。抗コリン作用は制吐剤、鎮痙薬、気管支拡張薬、抗不整脈薬、抗ヒスタミン剤、鎮痛剤、降圧薬、パーキンソン病薬、潰瘍治療薬、向精神薬等に含まれている。
  • 2008年頃にはアルツハイマー0の特効薬「フロリザン」が米国で発売されると期待されている。
  • 脳移行性のあるACE阻害剤やARBのディオパンでは、アルツハイマーの新規発症を抑制し、認知機能の低下を抑制する効果があると言われている。

アルツハイマーの発症予防には、特に下記が薦められる

  1. 頭を使う(新聞や本を声を出して読む、暗算で計算をする、日記をつける、食事を自分で作る)
  2. 有酸素運動(1日30分の散歩軽いジョギング、体操、水泳等)→脳内でネプリライシンが増えて、アミロイドβを分解する。有酸素運動(エアロビックス)が良いのであって、ストレッチ(柔軟体操)では効果は無いと言われる。踏み台や階段昇降も良い。
  3. 赤ワインを毎日2-3杯飲む。(酒の弱い人、顔が赤くなる人は注意→こちらを参照)
  4. 青魚(サバ、サンマ、イワシ等)や緑黄色野菜・果物中心の食生活、但し腹八分で食べ過ぎないこと(カロリー控えめ)
  5. 友人と趣味や笑いのある生活をしてストレスを発散する。何事にも意欲ややる気を持って生活する。(将棋・囲碁・麻雀・短歌・ダンス・唄・楽器演奏・ゲーム・・・)
  6. 30分の昼寝
  7. 糖尿病・高血圧・高脂血症の人は血糖値、血圧、コレステロールをコントロールする。HDLコレステロールの目標は60以上。
  8. 脱水にならないように十分な水分を飲む。緑茶には認知症予防効果がある。

国立長寿医療研究センターの島田裕之自立システム開発室長のグループでは、軽度認知障害の時期に海馬の萎縮を食い止める予防プログラムを考えた。予防プログラムでは計算をしながら運動をしたりする。運動と同時に頭を働かせることがポイント。この結果、一年後には、ほとんどの患者が海馬の萎縮が止まり、記憶力が向上するというめざましい成果を収めたという。「運動によってMCIの方々、少し脳の機能が落ちかけて来ていても記憶を中心とした認知機能を上げることが出来る事が分かった。 絶対やった方が良い。」と島田室長は何度も強調している。この運動は2014.1.19放送のNHKスペシャル「アルツハイマーを食い止めろ」で放送された。→詳細は管理人のブログ参照下さい。

日々物忘れ外来で患者を診ている医師の話では、「明らかに何かを試みている人」と「何もやっていない人」を比べると、認知症の進行の度合が違ってくると言われる。


アルツハイマーの治療

  • 「物忘れ外来」「痴ほう外来」のある外来を受診。順天堂大学順天堂医院のメンタルクリニックには65才以下の若年性アルツハイマーの専門外来がある。
  • 中程度までならある程度の効果が期待できるが出てきた。早期発見・早期治療が重要
  • 現在は病気の進行を遅らせる薬しかない。アリセプト塩酸ドネペジル)は1〜3年記憶力低下を遅らせる効果がある。タクリン(コグネックス)は一時的に記憶力を高める。初期に服用すると30%程度の人は症状が改善する。アリセプトは横紋筋融解症による死亡例や食欲不振、幻覚等が報告されているので副作用の出現に注意すること。米国では進行を止める画期的な薬が治験中。(米国では4種類の薬があり、個々人の効き目に応じて選択できるが、日本では厚生労働省の後進性のせいで認められていない)
  • 抗痴呆薬(塩酸ドネペジル) 記憶の障害が進行するのを抑える。初期に使わないと効果がない。効果は1〜2年程度。進行を遅らすもので根本的な治療薬ではない。効果が弱いと服用をやめると急速に進むことがあるので休薬や服用を中止する場合は医師と相談。
  • メマンチン」(商品名・メマリー) は既に海外68カ国で承認されているが、ようやく日本でも2011年6月から使用出来るようになった。アリセプトに次ぐ二番目のアルツハイマー治療薬となる。メマンチンは中等度、重度のアルツハイマー病の治療薬としてEUとアメリカで承認されている。副作用は頭痛、めまい。アリセプトとメマンチンの併用療法が効果があるとの報告がある。
  • 米国や欧州各国で使用されているガランタミン(商品名レミニール)については効果があるとの判断から日本でも2011年2月に正式に認可され2011年3月発売された。また、リバスチグミン(ノバルティス ファーマ/小野薬品工業)も2010年2月に承認申請にこぎつけ2011年7月発売予定。但し、いずれの薬も無治療なら1-2年で進む症状悪化のスピードを3年ぐらいに遅らせる程度の効果があると言われている。
  • アルツハイマー治療薬のいろいろ
 
アリセプト
メマリー
レミニール

イクセロンパッチ、
リバスタッチ

一般名 ドネペジル塩酸塩 メマンチン塩酸塩 ガランタミン リバスチグミン
発売日 1999.11 2011.6 2011.3 2012年
適用 軽度〜重度 中等度〜重度 軽度〜中等度 軽度〜中等度
形状 経口薬(1日1回) 経口薬 経口薬(1日2回) 貼り薬
他剤との併用 メマリーとの併用可 他剤との併用可
アリセプトが効果がない人にも効く。
メマリーとの併用可 メマリーとの併用可
副作用 吐き気、興奮 めまい、便秘 吐き気、嘔吐 かぶれ、かゆみ、嘔吐
備考 記憶に関わる神経伝達物質アセチルコリンを分解する酵素の働きを抑えて症状の進行を遅らせる 周辺症状を抑える効果がある。めまいや眠気の副作用が出る事があるので、元もとめまいがある人は処方に注意が必要 アリセプトとの併用は不可。脳梗塞などの脳血管障害を伴うアルツハイマー病に良く効くと言われる。 アリセプトとの併用は不可。吐き気などは軽減。服薬を嫌がる人、飲み込みが難しい人向け。
  • 洲本伊月病院岡田雅博院長は、「血液をさらさらにする効果があるシロスタゾールという薬を飲んでいると認知症の進行が緩やかと言う事が分かった。シロスタゾールを飲んでいない人に比べて、認知機能の低下が80%も抑えられていることが分かり驚いている」と語っている。又、ワシントン大学の研究で糖尿病治療薬のインスリンを鼻腔からスプレーで噴霧すると認知機能の低下が見られることを発見した。(2014.7.20 NHKスペシャル“認知症800万人"時代 認知症をくい止めろより)→詳細はこちらを参照下さい。
  • イギリスの大学が開発した「LMTX」と言う薬がある。これはタウを薬で叩くもの。臨床試験は最終段階にある。LMTXがアルツハイマー病を食い止める最初の薬になるのか、結果は早ければ2年後の2016年に出る。?
  • アルツハイマー病治験薬のgantenerumabガンテネルマブ(モノクローナル抗体)は、患者の脳内のアミロイド斑(プラーク)レベルの低下に有用であることが、早期臨床試験で示された。アルツハイマー病患者において抗アミロイド薬としての効果が示されたのは今回が初めて。ただし、専門家は「同薬を安全または有効であるとみなすにはさらなる研究が必要である」としている。さらに、アルツハイマー病におけるプラークの役割が完全に解明されておらず、アミロイド斑レベルの低減が、同疾患に関連する記憶障害やその他の精神機能の低下を予防するとは言い切れないと警告している。(2011年10月10日/HealthDayNewsより) 2013年から家族性アルツハイマー病の患者210名の協力で発症前に予防薬のテストを始めた。究極の早期治療の実験が始まった。結果が出るのは2年後の2016年。
  • 抗うつ薬、抗精神病薬も使われる。
  • 総合ビタミン剤の服用。
  • 進行を遅らせる有効な方法は「情緒の安定」 優しく応対し、決して誤りを責めたり怒ったりしない。“呆けてるのではないか?”とか、出来ないことを責めて怒るのはアルツハイマー余計に進行させることになり、むしろ逆効果である。怒ってばかりいるとかえって症状が悪化する。もっとしっかりしなさいは禁句。注意の回数を減らし、指示や注意して欲しいことは紙に書いて貼っておく。出来ない、間違えるからと、一々怒るのが一番悪い。笑顔で接すれば症状は劇的に改善することが認知症の介護現場で確認されている。自分は大事にされている、尊重されているという認識が改善につながる。
  • イチョウ葉エキス(脳の血行促進):ドイツ・フランスでは末梢血管の障害や認知症の治療薬(第一選択肢)として使われている。国民生活センターのレポートにもあるように、副作用の報告もあり服用にあたっては信用すべきメーカーの製品を購入するようにしたい。特に、葉の抽出物を使用したものであること(葉の破砕物ではない)、ギンコール酸の含有量がドイツの基準5PPM以下の原料を使用したものであること等を満たした製品を購入したい。
  • DHA+EPA+リコピン+フラボノイドを含む食事が良い。DHAはアミロイドβの沈着を抑制する効果があると言われる。DHAは1日2g程度摂ることが重要。マルハニチロの魚肉ソーセージ「リサーラ」は1本でDHA=0.8g、EPA=0.2g 取れる。
  • 開発中のアルツハイマーの薬には、@γ-セクレターゼ阻害薬、Aβ-セレクターゼ阻害薬、B抗体療法、C非ステロイド系抗炎症薬がある。
  • 現在、アルツハイマー病を根本的に治す薬の開発競争が激烈で、武田薬品やリリーでは新薬の臨床実験に入っており、数年以内の実用化を目指している。
  • 国立長寿医療センター研究所(田平武所長、大府市)と名古屋大鍋島俊隆教授(医療薬学)などのチームはアルツハイマー病の原因物質であるアミロイドを脳から取り除く新ワクチンの開発を進めている。マウスでの実験では、副作用なしに、発症後でもアミロイドが除去されて認知能力が戻ることが確かめられたと言う。今後、小人数の患者を対象にした臨床試験を開始するとのことで成果が期待される。(2007/3)
  • 2012年7月にカナダ・バンクーバーの国際アルツハイマー病会議での発表によれば、高齢者は、1年に約1%の割合で海馬が萎縮すると言われる。加齢による海馬の萎縮は避けられないが、中等度の強度でエアロビック(有酸素)運動を週3回30分程度すれば1年で2%海馬が増大したが、ストレッチ(柔軟体操)群は海馬の萎縮は防げなかったとのデータが出たという。
  • 埼玉医科大総合医療センター(森隆準教授)では、臍帯血を静脈に注射することでアルツハイマーを予防できる研究を続けている。マウスによる注射では効果を確認していると言われ、今後の研究が期待される。(2008/5)
  • 漢方薬の「抑肝散」は幻視、妄想、不安や抑鬱、暴力、徘徊を改善するのに効果があると言われている。(島根大学精神医学 堀口淳教授東北大学などで研究が進んでいる) 
  • 又、八味地黄丸は飲み続けるとアルツハイマー患者の認知能力が改善することが分かった。血の巡りをよくする効果がありこれが効いている結果と思われる。八味地黄丸も抑肝散も医師の処方箋が必要。保険は適用されない。
  • 西八王子病院の説明では日本ヒーリング研究所の強力振動水流入浴療法で脳から強いストレスを除くことでアルツハイマーの治療になることが明らかになってきており今後の研究が期待される。
  • 芸術療法(絵を描いて脳を活性化する)、音楽療法も早期に実施すれば進行を抑えられる事が分かって積極的に取り入れる施設も出てきた。
  • 今までの生活の規則性、リズムを保ち進行を抑える。家事や仕事を続ける。
  • 子供と一緒に勉強したり遊んだりする。子供の宿題を一緒に考えるのはとても良いこと。
  • 一番悪いのは、特別待遇をして何もさせないこと。
  • アミロイドβが出来るのを抑えるワクチンの開発が進んでいたが、脳炎が起きる事例が出たため、治験が中止されたりしている。現在は、アミロイドβが脳内で作られないようにする薬の開発が進んでいる。
  • 愛知県大府市国立療養所中部病院長寿医療研究センターの研究でアルツハイマーの原因物質と言われる「βアミロイド」を除去する新しいワクチンを開発し、マウスの実験では飲むだけで原因物質が除かれ副作用も少ないと報道されており、今後の研究が期待される。(2003/6)
  • 理化学研究所・西道隆臣博士のグループでは病気を防ぐ脳内酵素の研究を進めている。ネプリライシンは脳内でアミロイドβを分解する作用を持ち、脳内でネプリライシンが少なくなるとアルツハイマーになりやすいことが分かっている。ネプリライシンは60才を過ぎると急に減ってくることが分かっている。理化学研究所と長崎大学のグループは、神経細胞に感染して遺伝子を組み込む性質がある特殊なウイルスを開発し、このウイルスを使って酵素の遺伝子をアルツハイマー病のマウスの血管に注射した。
    そして5か月後に調べたところ、記憶や学習能力が健康なマウスと同じ程度と、症状が大幅に改善していたほか、脳の中の異常なたんぱく質の量は酵素を入れていない場合に比べ35%減少していたという。
    研究グループでは、注射でアルツハイマー病を治療できるようになる可能性があるとしている。グループの代表を務める理化学研究所の西道隆臣博士は「脳の中で働く仕組みや、副作用がないかなど詳しく検証し、5年程度で新たな治療法として患者に届けたい」と話している。(2013/3)
  • 東京都神経科学総合研究所松本陽参事研究員等のグループは、ミクログリアを活性化させる研究をしている。脳の中の細胞の一つミクログリアはアミロイドβを掃除する働きがある。DNAワクチンを投与するとミクログリアが活性化して アミロイドβが70%も減ることが分かった。現在臨床試験の準備中。3年後に薬の投与が始まる。非常に長期間に 投与することになるがDNAワクチンはそれにかなっていると言う。(2008/12)
  • その他、アミロイドβのを作る酵素の働きを止める薬の研究、アミロイドβに対する抗体だけを人工的に作る抗体医薬の研究が進んでいる。
  • 米国では認知症症状が出現する前の、もっと早期から病気の過程をとらえて治療を行っていこうとする発症前治療が進められている。
    発症前治療を行うには、病気の進行過程を示す客観的な評価方法を確立することが必要で、現在測定が試みられているバイオマーカーは、MRIによる脳容積(脳の萎縮)の測定、PETによる脳代謝やアミロイドβ蓄積のモニタリング、脳脊髄液中のアミロイドβ(Aβ1-42)、タウなどがある。今後の推移に注目したい。
  • 2010.12.6のNHKあさイチでも放送されましたが、鳥取大学医学部浦上克哉教授の研究で、アロマが認知症の改善に役立つとの事です。浦上先生の説明によれば、嗅神経と脳の海馬は直接つながっているので、アロマで嗅神経を刺激すれば海馬の機能が回復するとのことです。老人ホームなどで実際に使って見て効果が出ているとのこと。午前中はローズマリーとレモン(集中力を高め、記憶力を強化する刺激的な作用がある)、夜はラベンダーとスイートオレンジ(心や身体への鎮静作用がある)が良いとのこと。
    参考ホームページ:浦上研究室 NHKあさイチの放送鳥取大学発ベンチャー(株)ハイパーブレイン
    鳥取大学発ベンチャー開発商品芳香浴用高級オーガニック・アロマオイル(精油)リ・ブレイン ...
  • 富山大学の東田千尋准教授らのグループはヤマイモや長いもに豊富に含まれる「ジオスゲニン」がアルツハイマー病の原因とされる「βアミロイド」を70%も減少させ記憶が回復することをマウス実験で確かめた。ただ、人間では10KGのヤマイモを食べなければならず、早く同等の薬が出来る事が期待される。(2012/7)
  • 東大大学院薬学系研究科の富田泰輔准教授らの研究グループは、アルツハイマー病の発症を予防する因子「CALMタンパク質」の機能を明らかにした。、「CALMはアミロイドβ42の産生量を制御することで、アルツハイマー病の発症リスクに影響を与えていることが示唆された」としている。今後、CALMの機能のみを変化させる方法を明らかにすることで、アルツハイマー病の治療薬のみならず、予防薬の開発につながることが期待される。(2014/2)
  • 夜間の興奮、暴言、徘徊などがあって、在宅での介護を支えきれなくなったときの便法に、特別養護老人ホームなど適切な介護が出来る施設でのショートステイに精神科医の往診を組み合わせると効果的な治療が出来る事が期待出来るので試してみると良い。
  • 米国の小児科医が見つけた「ココナッツオイル」がアルツハイマーに効くと言う。医学界で広く認められたものではなく、まだ研究段階のものと言われるがトライする価値はありそう。→アルツハイマー病が劇的に改善した! 米国医師が見つけたココナツオイル驚異の効能
  • 米国・ミネアポリスVAヘルスケアシステムのMaurice W. Dysken氏らが、アルツハイマー病(AD)の患者600例超を対象に行った、二重盲検プラセボ対照並行群間無作為化臨床試験「TEAM-AD VA共同無作為化試験」の結果、軽度〜中等度のアルツハイマー病に対するビタミンEの投与は、身体機能の低下を遅延する効果があることが示された。JAMA誌2014年1月1日号で発表された。
  • インナーマッスルは認知症を和らげる。眠っている筋肉を目覚めさせると良い。インナーマッスルは便秘解消にもつながる。
    家庭で出来るインナーマッスル運動:ハンカチかタオルを用意、タオルを膝の間に挟む、ゆっくり8を数えて立ち上がる、8数えて座る。一日5回。
  • 2014年8月設立された「理研バイオ」(社長は理化学研究所の西道隆臣シニアチームリーダー(55)が就任)は2015年夏までに血液検査によるアルツハイマー病の発症前診断の実用化や遺伝子治療、予防薬の開発に着手する。

患者の日常生活とケア

  • 病状が比較的早く進行するケース(発症から3年で死亡する事もある)と長い間軽いままの事がある。その場合、自宅での生活が可能。
  • 夜寝ない、騒ぐ、徘徊する等、夜に手のかかる患者の場合、日中は自宅で生活し、夜間のみ施設に預かって貰うのも一法。
    徘徊を防ぐには、本人の趣味の道具を玄関や本人の部屋に置くのは有効。例えば、ゴルフ道具、花、思い出の写真等・・・・が置いてあるとそれに目を留めて外出することを結果的に忘れてしまう。
  • 病状が進行すると完全看護が必要になる。
  • 徘徊や暴力を振るう患者には画一的な看護ではだめ。患者の考えていること、希望する事を周りの人が見つけ出し、それを実現することで、患者の徘徊や暴力は確実に減らせる。
  • 普段の生活で困ったことがあるときは、地域包括支援センターに相談するとよい。
  • 家族が疲弊しないように早めに介護保険サービスを申請し、活用するのが良い。
  • 徘徊した時などに他人のものを壊したりする事があるので、個人賠償保険、生活賠償保険に加入しておくと良い。
  • 本人は昨日今日のことはすぐ忘れても、昔の事は良く覚えているもの。過去の写真や日記、手紙などがあれば、それらを見せて思い出すようなら、特に反応の強いイベントを集めて本人が主役のアルバムを作って見て貰う。過去を思い出すことにより本人が喜んで生き生きとしてくるといい方向に向かう。

物忘れ防止

  • 物忘れが進行するときは、性格が変わって、頑固になったり、怒りっぽくなったり、疑い深くなったりする。また、日常の挨拶が出来なくなる等の変化が出てくるので見逃さないことが大事。進行を防止するには脳を刺激する事が重要。
  • 脳を刺激する。2〜3歳の頃が一番神経細胞が多い。その後徐々に減る。死んだ細胞はそのままでは復活しない。物忘れ防止には脳に刺激を与える事が必要。そうすれば海馬の中の脳細胞も新しく出来る事が分かった。メモを取ったり、声を出して読み上げたりすると覚え直すことになるので記憶が定着し易い。外に出て花を観賞する等は特に良い。サラリーマンが定年後、自宅に閉じこもってテレビばかり見たり、テレビゲームをしていると呆けやすいので、趣味、運動、友人との会話などにより常に脳に刺激を与える事が重要。あれこれ趣味があって、友だちも大勢いるような意欲的な人はまず呆けない。呆けている暇はないとも言える。
  • 単純計算問題を解く。5+7=12,7+8=15,15-9=6等の問題を出来るだけ早く解く練習をする。前頭前野が活発になる効果がある。
  • 文章を音読する。上記の単純計算をやるのと同じ、脳の活性化効果がある。
  • 山歩き、散歩、ストレッチなどの運動は物忘れを改善する。
  • ウオーキングが前頭前野を鍛える効果がある。(歩き終わった後に、歩いた道を地図に書いてみる訓練をすると更に前頭前野が活性化する)
  • 手を握ったり開いたりするぐっぱ運動をやる。1日1回30秒。フリフリグッパ体操を1日10分やることで脳の前頭前野の活性化につながりボケ予防に効果があると言われる。頭は動かさず、腰を左右に突き出す感じで大きく振り、手を閉じたり開いたりする。筑波大学征矢英昭助教授の提唱によるものを茨城県利根町では積極的に取り入れて実行している。
  • 包丁でリンゴの皮をむくような作業は大変脳を活性化する効果がある。
  • 緑黄色野菜と背の青い魚を努めて食べると良い。
  • 食事の際に、一口最低20回は噛む。出来れば30回噛む。噛むことで唾液が出ると脳が活性化される(NGFが出で脳の成長を促す)。
  • 夕食後に一杯のリンゴジュースを飲む。脳の酸欠を防止する。
  • 字を書く。手紙を書く。一日を思い出して日記をつけるのは頭の活性化になる。
  • 朝食は、ご飯、みそ汁(豆腐、あげ入り)、海苔と卵、緑茶が良い。(カテキンは活性酸素の除去能力が高く記憶力向上に良い)[2003/2放送のおもいきりテレビより]
  • サンマ、カツオ、牡蠣、柿、茄子、ヤマブシ茸、イチゴが脳に良い。
  • 血糖値が低すぎる人は脳の活性化に悪影響があるので、砂糖を適量摂取する。砂糖は昼食時などに撮るのが良い。
  • 植木等の緑の香りは脳の疲れを解消する。
  • 恋愛をすれば脳は活性化して物覚えが良くなる。
  • 睡眠は6時間以上取る。ペンシルベニア大学の調査では、6時間以下の生活を長年続けていると記憶力が衰え、問題処理能力や情報処理能力がどんどん悪くなっていくと報告している。(2003.3.13発表)

レビー小体型認知症

  • 認知症の中でアルツハイマー(46%)、脳血管性(22%)、についで、18%-20%で三番目に多い。
  • 初期に幻覚幻視(ないものが見える)が出現する。⇒話をよく聞く内に症状が消える事も多い。ありえない等と言わない。
  • 体は休んでいるが、脳は活動しているレム睡眠の最中に叫んだり暴れたりする。
  • パーキンソン病と同じような動作がゆっくり、前屈みで歩く、動作が小さい等の歩行障害が起きる
  • やや男性に多い。
  • 脳の萎縮は軽い、徘徊は少ない。
  • 漢方薬の抑肝散で幻視が消え症状が落ち着くことがある。アリセプトも用いられる。
  • 痴呆は進行性。数年で大方の人が高度認知症になり寝たきりになる。
  • レビー小体という一種のたんぱく質が大脳皮質にたくさん蓄積し、神経細胞が壊れていくもの。高齢者に多いが、40歳代で発症することもある。
  • こわばりやうつの症状が強いからと安易に薬を使うとかえって症状が悪化する危険もある。
  • 放射線医学総合研究所分子イメージング研究センターの島田斉研究員らの研究グループは、「レヴィ小体病」の脳萎縮に、アルツハイマー病発症の原因とみられる「アミロイド」と呼ばれるタンパク質の蓄積が関連していることを解明した。アルツハイマー病に対する新規治療薬が、レヴィ小体病にも有効とみられることから、治療への寄与が期待できるという。(2012/12)

ピック病

  • 前頭葉又は側頭葉が萎縮する病気。MRIで確認が出来る。
  • 症状は、身なりを構わなくなる、社会に対して関心が薄れる、スーパーで万引きなど悪いことをしてもその自覚がない、暴力的になる、同じものを次々買ってくる、会話の内容が同じ内容になる。
  • 40-50歳代に多い若年認知症の一つ。男も女もかかる。アルツハイマー病に比べると患者は少ない(20,000人程度)。
  • まだ有効な治療法が見つかっていない。介護が主。
  • 衰弱して死亡することが多いので要注意。

慢性硬膜下血腫(頭部外傷)

  • 頭をぶつけたり、頭を打った事が原因で頭痛、手足のマヒ、認知障害が出たら、この病気を疑って病院でct検査をするとよい。
  • 鴨居に頭をぶつけた タクシーで頭を天井にぶつけた程度でも出る事がある。多くは2ヶ月位たってから症状が出る事が多い。だから、頭を打ったときはその時は何事も無くても、日付をメモしておいて後日何らかの症状が出ていないか確認したがよい。血液と脳脊髄液の塊は1か月〜2か月ほどかけて成長する。
  • 症状の出方は劇的で、急速に悪化する。例えば、右足が重く前に出にくい、同じ事を何度も言う、トイレの場所を間違える、言葉が出なくなる、呼びかけに反応しなくなる等の症状が出たときは緊急手術が必要(放っておくと命が危ない)

特発性正常圧水頭症(iNPH)

  • 歩行障害(よちよち歩き)、軽い痴呆、尿失禁が正常圧水頭症の3大症状でアルツハイマーに間違われる事も多い。他に、歩くスピードが遅くなった、ぼーっとする、夜間の尿回数が増える等の症状が出る。この病気を知らない先生もいる。この病気の疑い患者は31万人いる。
  • 痴呆症の5-10%がこの病気で患者数は推定31万人に対して治療を受けている人は1200人とのデータもある。周りで症状からこの病気を疑い、検査を受けさせることが発見に繋がる。
  • 水頭症は脳の中や周囲にある脳脊髄液(髄液)が脳室に多くたまる病気。特発性は、 くも膜下出血や頭のけが、髄膜炎などの後遺症として流路が詰まって起こるのとは別の病気だが症状は同じ。原因は不明。
  • 髄液を抜けば症状が劇的に改善することがある。入院は1週間程度、30%負担で7-10万円。
  • 診断は上記3大症状があれば、詳しい問診、歩行・記憶検査、CT・MRI検査などで診断する。専門医でないと診断は難しい。
  • 洛和会音羽病院 正常圧水頭症センター石川正恒所長、東京共済病院桑名信匡院長・脳神経外科部長、 多摩北部医療センター、多摩南部地域病院、順天堂大学病院等が著名。
  • 老人介護が楽になるiNPH WEB SITEはこちら

一過性全健忘(TGA)

  • ある日突然一時的に記憶がなくなるという一過性全健忘という症状がある。発症中は、自分が今いる場所も、一緒にいる人の名前も思い出せない程になるので本人も周りの人も焦る。記憶は一日程度なくなるが、多くは一晩寝れば記憶は回復するし、後遺症も残らないのでそれほど心配することはない。
  • 発症している間の記憶はない、発症中はこれまでの事を思い出せない等の症状はあるが、判断力などには変化がない。
  • 海馬に一過性の血流低下が生じた結果とか、ストレス、高血圧、糖尿病、肥満が悪いとも言われるが、本当の原因は依然不明。再発もあまりしないので特に治療する事もない。

軽度脳萎縮


  • CT等で脳チェックの結果、「軽度脳萎縮」と言われ心配になることがあるが、同年代に比べて物忘れが多いなどの症状がなく、通常の社会生活が出来ていれば過度の心配は無用。軽度脳萎縮があっても、記憶や会話、物事の判断・実行などに認知機能の障害がなければ、認知症の兆候にはならない。他にも「加齢的脳萎縮」という60才以上の人に時折見られる年相応の萎縮もあるが、通常は治療の必要は無い。ただ、物忘れがひどくなった、日常の生活が出来なくなったような症状が出た時はすみやかに神経内科を受診したい。

大人のてんかん

  • 子どものてんかんより多い。60歳くらいから急激に増える
  • 認知症に似た症状が起きる。てんかんなのにアルツハイマーなどと診断されている人も多いらしい。
  • アルツハイマーの薬では症状は治らないが、抗てんかん薬を服用すれば80%の症状は軽快する。
  • 症状は、1.突然もの忘れに襲われる(調子が良い時と悪い時の差が大きい)、2.以前の記憶がまだら状に抜け落ちる、3.短時間ボーッとすることがある、4.無意識な動作を反復する、5.睡眠中にけいれんを起こすなどの症状が初めに出ることが多いとされる。
  • 具体的な例を挙げると、隣が誰か分からない、駅までの道が分からない、記憶がまだら状に抜け落ちる、弟が亡くなったことも忘れていたと言うような症状が起きる。
  • 発作が起きている時は何が起きたか本人は分からないので周囲の人が異常行動に気づく必要がある。症状を克明に記録していれば診断の役に立つ。
  • 症状がひどくならない内に早期受診、早期診断が重要。
  • 神経内科、脳神経外科などを受診。
  • てんかんの原因は、脳梗塞、脳腫瘍、頭部の打撲など。特に、MRIで無症候性脳梗塞(隠れ脳梗塞)の痕が指摘された人は要注意。
  • 日本てんかん学会はこちらを参照

参考ホームページ

私はテレビでよく見る人の名前が出てこないことがしばしばある。又、昼に何を食べたか食品の名前を完全に思い出せない事も多い。そのたびに、いよいよ呆けてきたのかと心配になるが、以前、脳神経の専門の先生に聞いたら、“記憶が無くなったのではなく、直ぐに思い出せないだけ。単なる物忘れ。物忘れを心配している人はまず大丈夫、認知症の人は物忘れを自覚していない”と言う。確かに、名前を忘れてしまった訳ではない。妻にヒントを出して貰うと、名前を思い出す。記憶は消えてしまった訳ではなく、記憶を取り出すのが難しくなっているのだ。

高齢になれば、色々病気も出てくる。そのとき、人は3つに別れる。1は、頭はしっかりしているが、足腰(体力)が弱った人、2は足腰は強いが、司令塔がやられた人、3は足腰も司令塔も程々にやられた人である。いつまでも元気に長生きしたいと思っているが、加齢は避けることは出来ない。 1は治療の甲斐があるが、2は治療が困難である。だから、ストレスから離れ、積極的に、色々な趣味(出来るだけ新しい事に挑戦)を持って、体の自由が利く内は出来るだけ外に出かけて新しい場所に行ったり、人と楽しい会話をする事により脳を刺激、活性化し、又、努めて魚や緑黄色野菜を食べて脳の老化を遅らせたいと思っている。

この頁は、書籍・文献・新聞・テレビ報道などより得た情報や先生方から直接お聞きしたことを整理したものです。アルツハイマー病の全てを体系的に記述したものではありません。医学の進歩は日進月歩であり、新しい治療法が見つかることも、また、対処法が変わることもしばしばあります。情報を参考にされることは構いませんが、対処法は個人の症状や体質などにより違ってきますから、一切個人の責任と判断で行ってください。情報の利用の結果、万一、利用者に不都合、不利益が起きても一切の責任は負えないことをご了承下さい。

間違いにお気づきの場合は、「趣味のアルバム」topよりメールをお寄せ下さい

更新履歴:2003.3.26/2006.8.15/2007.3.29/2008.12.23/2009.1.9/2010.12.25/2012.12.12/2014.8.17

 

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