N いそがしい一日 2014.10.28

横峰寺は忙しく参拝する。
1時間かけて登った三角寺の山門。

 朝早く横峰寺(60番)に登るため西条駅前に宿泊する。定刻に来た瀬戸内バスには石鎚山に登る人が多い。横峰寺行きは2人のみ。黒瀬湖の傍で専用バスに乗り換える。このバスは瀬戸内バスが折り返して来るまでに停留所に戻ると言う。そのため、寺への参拝者は駆け足。どこの札所でも平均20分はかかるのを、参道の行帰りを含めて20分ぐらいで参拝を済ませるとのこと。

 車が駐車場に止まるとあわてて降り、下り坂の道を急ぎ足で下り、本堂・大師堂を参拝し、納経所で印をいただき、車に戻った。途中の参道から横峰寺を振り返ると、花の盛りを過ぎたシャクナゲが山を埋め尽くしていた。再度来られればゆっくりと境内を散策し、シャクナゲの花を見たいと願った。

 駅へのバスは、上り列車に間に合った。宿に置いてあった荷をもらい、ホームに着いたら電車も入って来た。到着した伊予三島駅では、改札を出るとバスの発車時刻だった。時間に追いかけられ、バスの座席に着いてようやくホットする。

 三角寺(65番)のふもとでバスを下車。先輩遍路の登り時間がまちまちのコースに挑む。40分で登り人もいるようだが、バス会社に問い合わせたら「1時間以上かかる」と聞かされた。同行の女性は苦も無く坂を上がりだす。歩き出すといつも先を歩き、時々姿が見えなくなる。彼女から、「あなたの年では私は歩きません」と言われたことがあったが、私を他人が見れば、気力の無い歩きをしているのだと思われる。1時間を過ぎ、三角寺の駐車場が見えた。安心感と同時に石積みの階段がまだ頑張れと立ちはだかる。山門に鐘があり、境内のあちこちに花が咲いていた。温かさを感じる寺だった。

 帰りは、三島駅まで降りること2時間。山道を通り、町の中を歩く。バス停は気になるが、傍を通りぬける車は気にならない。車に縁の無い生活が半月も続くと、歩くことが優先されると思った。

 香川県の観音寺駅まで電車に乗る。駅近くの宿に荷物を預け、神恵院(68番)・観音寺(69番)に向かう。駅の反対側に大型商業施設が出来たためか町は閑散としていた。参詣者に都合よく、二つの札所は同じ敷地にある。時間は節約できたが、あわただしい一日だった。(Y.I)