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 食の安全・安心が脅かされている今、家庭菜園が見直されています。自然を求め、手作りの味が楽しめる『家庭菜園』。大地に親しみ、旬を味わう野菜作り。あなたも、庭先で、プランターで、家庭菜園に挑戦してみてはいかがですか。これから、手軽に出来る野菜の作りかたをシリーズで紹介します。

Dアブラムシの駆除

 ゴールデンウィークが過ぎ、家庭菜園もひと段落を迎えていることと思いますが、これから病虫害が気になる時期をむかえます。病虫害は、放置すると収穫に直結する深刻な被害になりますので対策を立てなければなりません。そこで、今回は虫害の代表格アブラムシ対策について紹介します。

 アブラムシは、発生密度が高くなると翅のある雌が生まれ、これが4月下旬から5月中旬にかけて多く野菜に飛来し、幼虫を産みます。幼虫は葉っぱの裏や茎上に群がって寄生して、口針を突き刺し樹液を吸って生活し、ほとんど動くことが無い小型の弱々しい昆虫です。しかし、時にモザイク病などのウイルスを媒介することもあり、作物に多大なダメージを与える厄介な害虫です。生殖は単為生殖(交尾を行わず、クローンで幼虫を増やす)で、短期間で激しく繁殖するので薬剤抵抗性を持ちやすく、同一の殺虫剤を繰り返し長期に使用することも避けなければならず厄介です。最近では、特に有機リン系や合成ピレスロイド系の殺虫剤に対し、高い薬剤抵抗性を持つ傾向にあるといわれています。薬剤散布に際しては、殺虫剤が効かないからといって「濃ければ大丈夫だろう」と勝手に判断し、希釈倍率を高めて散布することは、薬害を発生させて野菜苗を枯らすことにつながりますので避けなければなりません。

 防除法としては、系統の違う数種類の薬剤をローテンションで定期的に散布することが有効ですが、その他に化学的なものを使用しない方法もありますので、いくつか紹介します。

 まずは物理的方法で、ガムテープをリング状にし、手にはめてアブラムシを貼り付けてはがし取る方法です。手間がかかる難点もありますが、確実です。

【図1】

 次は、習性を利用する方法です。アブラムシは黄色に強く誘引されるので、黄色の粘着リボンを作物の近くに設置し防除する方法と、逆に、キラキラ光るものを嫌う習性を利用して飛来を防ぐ方法です。作物の近くに1〜2mの高さでロープを張り、ロープからCDやシルバーテープをたらして光反射で防除します。マルチングにシルバーマルチを使用することもかなり有効です。これらは飛来する雌に対してはある程度有効ですが、風に弱かったり、すでに葉についている幼虫に対しては効果がありません。しかし、こうした地道な取り組みが家庭菜園では重要なのです。(【図1】)

 薬剤以外で殺虫するには、脂肪分の多い牛乳の希釈液やママレモンの希釈液(800倍程度)を霧吹きで散布する方法も効果があるようです。これは散布液が乾燥するときにアブラムシの気門を塞いで窒息死させるためです。しかし、牛乳は腐敗臭を発生させる可能性もあるので注意が必要です。

 このほかでは、天敵(テントウムシやヒラタアブなど)を増やすことも考慮に入れておく必要があります。1匹のテントウムシは数千匹のアブラムシを減らしてくれるので大事にしたいものです。ただ注意しなければならないのは、外見はテントウムシに似ているが、翅に28個の黒い点がある害虫テントウムシダマシです。テントウムシダマシは草食の昆虫で、主にジャガイモの葉にいることが多いのですが、時にはナスやトマトなどにも飛来し葉や実に害を与えます。家庭菜園の場合、草食の昆虫は害虫です。アリも草食ではありませんが、アブラムシと共生の関係にあるので好ましくありません。

 アブラムシは、作物のチッソ含有量が多いと増える傾向にあるようで、肥料の施用は適正にすることが大切です。

 そしてなにより、害虫が寄らないようにするには、畑に雑草を茂らさないことも重要です。きれいな畑で、美味しい野菜を作りましょう。

 

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