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 食の安全・安心が脅かされている今、家庭菜園が見直されています。自然を求め、手作りの味が楽しめる『家庭菜園』。大地に親しみ、旬を味わう野菜作り。あなたも、庭先で、プランターで、家庭菜園に挑戦してみてはいかがですか。これから、手軽に出来る野菜の作りかたをシリーズで紹介します。

Bナスの作り方

 今回はナスの作り方を紹介します。ナス栽培は失敗が少なく、長い間収穫できて、プランターでも栽培できるので、家庭菜園では多くの人が栽培している野菜です。

 ナスは、インド原産で高温を好みますので植付け時期はゴールデンウィークが目安となりますが、土作りは事前に済ませましょう。

 土作りは植付け1週間前までに済ませます。畑は連作すると半枯れ病などの病害が出るので、ナス科の野菜を3〜4年栽培していないところを選んで植え込むか、高価だが接木苗を購入して苗木とします。また、日照時間が短いと収穫が落ちるので、日当たりの良い場所を選ぶことも大切です。

【図1】
【図2】
【図3】

 茄子は多肥を好むので、畑にはあらかじめ全面に苦土石灰、配合肥料を施しておき、植付け10日前に、幅70cmほどの畝をつくり、中央に深さ30cmほどの溝を掘って元肥を施して埋め戻し、高さ10〜15pほどのベッドを作ります【図1】【図2】。元肥としては、堆肥等の遅効性の肥料を思い切って多く施します。書物類には「溝1m当たり配合肥料200ml 、堆肥3L、熔リン30ml」などと書かれてあります。熔リンや過リン酸石灰などのリンを多く含んだ肥料は、生育の初期から中期に必要とするので元肥として使うと効果的です。書物の通りである必要はありませんが参考にすると良いでしょう。ただ、苗の直下に堆肥がある場合、乾燥しやすく、モグラに掘り起こされたりもするので注意が必要です。この場合、苗をずらすなど工夫してください。なお、家庭で出る生ゴミは、発酵などの過程を経ていないのでそのままでは肥料とならず、腐敗した生ゴミはただのゴミでしかないので、むやみに畑に埋めない方が良いでしょう。

 品種は地域色豊かにいろいろありますが、収穫が多く、色つやが悪い“ボケナス”の発生が少ない「千両2号」が作りやすくて良いでしょう。苗は市販のもので節間が短く葉や茎の紫色が濃いものを選びます。小さな苗を早く求めるより暖かくなってか出回る苗の方が育ちがいいようですので、ゴールデンウィークを目安に求めるといいでしょう。

 植え込む前に、畑に水をまいた後、乾燥防止と地温アップのため畝にマルチを敷き、60cm間隔で中央に穴を開け植え込みます【図2】。定植に際しては、株元や植え込み穴にアブラムシを寄せ付けないように薬剤の散布を検討すると良いでしょう。また、ナスは浅植えを好むので、地面より5pほど浮かせ、周りの土と密着させる程度に水をやります。ナスは風に弱いので支柱を立て、8の字にまわした紐でゆるめに結わいます。支柱は、根を切る恐れがあるので斜めに立てます【図3】。

 苗が40cmほどに生長したら、3本仕立てにします。1番花がついた主枝とその下の2つの脇芽を残し、それより下の芽はすべて摘み取ります(菜園が狭い場合は2本仕立てもよい)。枝が伸びてきたら支柱を交差するようにして足します。枝は、立ち気味に整枝すると元気になり、逆に寝かせると勢いが弱まりますので、支柱の角度は調整してください。

 最初の実がなり始めたら、マルチのすそをまくり1m当り200gほどの化成肥料を追肥します。その際、乾いていたら水をやります。その後2週間ごとに場所を変え(反対側や1回目の外側)追肥します。多肥を好むナスには追肥が欠かせません。株の栄養状態は、花の真ん中の雌しべが突き出ているかどうかで分かり、雌しべが雄しべに隠れているのは不良です。

 「親の意見とナスビの花は、千にひとつのアダが無い」と言われるほど、ナスの花は着実に実をつけていきます。開花後15日ほどで15cmほどの実になるので順次収穫します。収穫が遅れると皮や種が硬くなる上、株も疲れるので早取りに心がけましょう。収穫に際しては、ヘタのところにトゲがあるので注意が必要です。

 仕立てた枝より上の脇芽は、実を2個つけたらその先の葉を1枚残してその先を摘み取ります。収穫中これを続けると良いのですが、それをしない場合は、混み合ったら古い葉を切り取りましょう。

【図4】

 ナスは病害虫にかかりやすいので注意が必要です。葉の裏側につくアブラムシは、発生しやすいで特に注意が必要です。この場合殺虫剤が有効ですが、ママレモンの800〜1000倍の希釈液の散布でも効果があるようです。薬剤の散布では、濃度に気をつけなければなりません。高濃度では薬害を招き、薄すぎは効きません。また、散布後しばらくは収穫できません。残留農薬の問題もありますので、注意書きをよく読んで、上手にお使いください。

 梅雨があけたら、高温となりすぎないためにマルチをはずします。

 ナスの木が疲れ収穫が落ちる7月下旬から8月上旬ころ、葉を2〜3枚残し枝を切り詰めておくと、10月下旬には新しい枝が伸びて実をつけ、秋ナスが楽しめます【図4】。剪定の加減によって収穫時期も違いますが、剪定に際しては、根もスコップなどで切り詰めておくと元気よく回復するようです。

 

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